SharePointの容量が上限に近づくと、「SharePoint サイトのストレージの制限に近づいています」という警告メッセージが表示されます。その場合、SharePointの残り容量を確認したうえで、容量を追加するかどうかを検討しなければなりません。
SharePointの容量は、適宜追加購入できますが、プランによって料金が異なるうえ、ランニングコストが上がるデメリットがあります。
コストが気になる場合は、料金をシミュレーションして、代替ツールと比較したうえで最善の選択をすることが大切です。
本記事では、SharePointの容量の確認方法や追加方法、コスト、節約術を解説します。SharePointの容量不足にお困りの方は、参考にしてみてください。
目次
SharePointの容量上限
SharePoint Onlineの容量上限はプランによって異なりますが、基本容量の1TBに加えて、契約ユーザー数に10GBをかけた追加容量で決まるのが基本的な計算方法です。
たとえば、50ユーザーで契約している企業の場合、総ストレージ量は「1TB+(50×10GB)」で1.5TBになります。
これは、約1MBのWordファイルを、150万個保存できる容量です。約5MBのPDFファイルなら、30万個保存できます。
1.5TBあれば中小企業では、数十万〜百万単位のファイルを保存できるでしょう。
ただし、画像や動画は容量を食うため、ストレージの消費が速い点に留意が必要です。
なお、SharePointの容量上限は、プランによって以下のように変わります。
プラン | Microsoft 365 Business Basic / Standard / Premium / Teams Essentials | Microsoft 365 A3, E3, G3 & A5, E5, G5 / Office 365 A3, E3, G3 & A5, E5, G5 /SharePointプラン1・2 / Teams Enterprise | Microsoft 365 F1, F3 / Office 365 F3 |
---|---|---|---|
組織全体の合計ストレージ | 1TB + 購入ライセンス × 10GB | 1TB | |
ライセンスユーザー数 | 最大300ユーザー | 1~50万ユーザー | |
追加ストレージ(組織単位) | 1GB単位で追加可能 |
基本の計算以外に、契約ユーザー数にかかわらず1TBに留まるプランもあります。自社の容量上限を知りたい場合は、契約プランを確認してみてください。
>関連記事:SharePointの概要・機能・独自性・料金などを徹底解説
大容量のストレージを備える情報共有ツール「NotePM」
SharePointの容量を確認する方法
SharePointの残りの容量を確認する方法は、大きく分けて2つあります。
- サイトの設定から調べる
- 管理センターから確認する
契約プランから容量上限を確認したあとは、残りの容量をチェックして追加するかどうかを検討しましょう。
サイトの設定から調べる
SharePoint Onlineの容量を、サイトの設定から調べる方法です。この操作はサイトの所有者、ユーザーのみが使用できます。そのため、企業に勤めているすべての方が確認できない点だけ、注意が必要です。
容量を調べたいサイトの、右上の歯車のアイコンをクリックします。
【サイト情報】をクリックしてください。
【すべてのサイト設定を表示】をクリックします。
【記憶域メトリックス】をクリックしてください。
記憶域メトリックス全体の右上に、全体の容量と空き容量が表示されます。
管理センターから確認する
SharePoint Onlineの容量を管理センターから確認する方法もあります。管理ユーザーのみが確認できます。
管理ボタンをクリックして、Microsoft 365 管理センターに移動します。
【SharePoint】をクリックします。
【サイト】-【アクティブなサイト】をクリックします。
右上に総容量と空き容量が表示されます。これは、すべてのサイトの総容量です。
次に、個別のサイトの使用量を確認する方法を解説します。特定のサイトを選択、【アクティビティ】のタブを選択し【記憶域の使用量】をクリックします。
>関連記事:【2025年版】オンラインストレージ・クラウドストレージおすすめ20選を徹底比較
SharePointの容量を増やす3つの方法
SharePointの容量が足りなくなったら、次の3つの方法を使って増やせます。
- ごみ箱のデータを削除する【一時的対処】
- アドオンを追加する【一時的・長期的対処】
- ライセンスを追加する【長期的対処】
それぞれの特徴を踏まえたうえで、自社に合った方法を選択してみてください。
1.ごみ箱のデータを削除する【一時的対処】
SharePoint Onlineでは、削除したデータはごみ箱に保存されます。ごみ箱内にデータが残っていると、容量を圧迫する原因となるため、都度削除しなければなりません。
ごみ箱のデータを削除する方法は、次のとおりです。
右上の歯車のアイコンから【サイトコンテンツ】をクリックします。
右上に【ごみ箱】が表示されます。
ごみ箱を空にしておくと容量を無駄に使うことがありません。
なお、SharePointのごみ箱は、アイテムをごみ箱に入れた日から93日間保持され、その後自動的に削除されます。その日まで待てば自動でごみ箱が空になりますが、約3ヶ月も放置していれば、それだけ容量が圧迫されるでしょう。
定期的にごみ箱をチェックして空にしておけば、容量を圧迫せずにSharePointを利用できます。
2.アドオンを追加する【一時的・長期的対処】
SharePointの容量は、1GBずつ購入して追加できます。そのため、一時的に今すぐ容量を増やしたい場合に役立ちます。
また、利用期間を設定できるため、長期的な増量も可能です。
料金は、契約しているプランやレートによって異なるため、Microsoft 365 管理センターから確認してください。
アドオンの追加方法は、次のとおりです。
- Microsoft 365 管理センターを表示
- 【カテゴリ別】から【office 365】を選択
- 【追加のファイル ストレージOffice 365】から【詳細】を選択
- 必要なGB数と期間を入力して【購入】を選択
- 【チェックアウト】から課金プロファイルを選択
(ない場合は、新規プロファイルを追加し、請求状況を整理および確認する) - 【注文】を選択して確定する
なお、この方法はサブスクリプションの購入方法によっては選べないことがあります。
たとえば、ボリュームライセンスやクラウドソリューションプロバイダー (CSP) 経由でサブスクリプションを購入すると、Microsoftから直接追加ストレージを購入できないケースがあります。その場合は、問い合わせが必要です。
この方法なら、必要な分だけ容量を増やせるほか、急なストレージ不足にもすぐに対応可能です。ただし、一時的な増量のつもりで登録したにもかかわらず、長期にわたって利用してしまい、料金がかさむといったリスクも考えられます。
そのため、どれくらいの期間利用するのかを大まかに決めておき、あらかじめ料金を計算してから追加することをおすすめします。
3.ライセンスを追加する【長期的対処】
SharePointは、1ユーザーにつき10GBの容量が充てがわれるため、契約ライセンスを増やせば容量の追加が可能です。
手順は次のとおりです。
まず、管理ボタンをクリックし、Microsoft 365 管理センターに移動します。
【課金情報】-【ライセンス】をクリックしてください。
ライセンスから【Go to Your products】をクリックします。
現在の製品をクリックして【ライセンスの購入】をクリックすると、ライセンスの総数が変更できます。数を増やすと、容量の追加ができます。
この方法なら、10GB単位で容量を増やせるため、大幅に容量が不足したときに便利です。ただし、本来は不要なユーザーライセンスを追加することになるため、コストが高くなるおそれがあります。
そのため、一時的な増量よりも長期的かつ計画的な運用に向いています。
大容量のストレージを備える情報共有ツール「NotePM」
SharePointの容量を追加購入するときの注意点
SharePointの「アドオンを追加する」と「ライセンスを追加する」で容量を増やす場合は、次のポイントに注意が必要です。
- 容量の追加購入でランニングコストが上がる
- SharePointのストレージ量は組織単位で計算する
デメリットを大きく感じる場合は、SharePointではなくほかのツールに移行する方法もあります。注意点を把握し、自社に合った運用ができるかどうかを検討してみましょう。
容量の追加購入でランニングコストが上がる
「アドオンを追加する」と「ライセンスを追加する」で容量を増やす場合は、月額料金が上がります。
こちらは、ライセンスを4つ追加して総数が5つになったときのランニングコストです。
追加前は540円/月ですが、2,700円/月に上がってしまいます。
この料金は、契約プランによって大きく異なるため、注意が必要です。
たとえば、Microsoft 365 Business Standard(1ライセンスあたり約2,061円/月)の場合、50ライセンス(500GB分)を追加すると、ランニングコストは約103,050円/月も増えます。
Microsoft 365 E3(1ライセンスあたり約5,565円/月)なら、50ライセンス追加で約278,250円/月の増加です。
一方、アドオンを購入する場合は、1GBあたり約27.5円と仮定すると、500GBの追加で約13,750円/月の増加になります。
比較するとアドオン購入が経済的ですが、いずれにしてもコストシミュレーションが必要です。
SharePointのストレージ量は組織単位で計算する
SharePointのストレージ量は、組織単位での計算となるため、基本は1組織あたり1TBになります。
この仕組みを知らずに個々で自由にファイルを作成していると、あっという間に容量上限に達してしまうケースがあります。
ストレージサービスのなかには、個人ごとに容量を計算するものもありますが、SharePointは違うので注意が必要です。
SharePointの容量の節約術
SharePointの容量を追加するのではなく、節約して容量上限エラーを乗り切る方法が3つあります。
- 画像ファイルを圧縮する
- 定期的に不要なデータを削除する
- 他のサービスと使い分ける
手間はかかるものの、コストをかけずにストレージを空けることが可能なので、参考にしてみてください。
画像ファイルを圧縮する
画像ファイルは容量が大きいため、圧縮して保存すると容量の圧迫を防げます。
代表的な圧縮方法は、次のとおりです。
- ブラウザ上の圧縮サービスを利用する
- 圧縮ソフト・アプリを利用する
- 拡張子を変換する
毎度、画像ファイルを圧縮してから保存するのは手間がかかりますが、使用容量を節約できるため、結果的にコストの抑制につながります。
定期的に不要なデータを削除する
定期的に不要なデータを削除すると、都度容量を空けることが可能です。
たとえば、過去の変更履歴を削除するだけでも、容量を節約できます。デフォルトでは、500バージョンまで保存されるようになっているため、必要最低限に変更しておくとよいでしょう。
ほかにも、一時的なファイルやバックアップデータも削除するのがおすすめです。Microsoftが提供するRPAツール「Power Automate」を利用すれば、古いファイルを自動で削除して効率的に作業できます。
他のサービスと使い分ける
SharePointだけで完結しようとせず、ほかのサービスと使い分けると、SharePointの容量を追加しなくても対処できるケースがあります。
たとえば、個人ファイルはOneDriveで管理し、共有が必要なファイルのみSharePointで共有するといった方法です。
すべてのファイルを一元化したいのであれば、SharePointよりもコストを抑えられる別サービスに乗り換えることも検討してみましょう。
>関連記事:SharePointとOneDriveの違い・メリットデメリット・活用方法を紹介
大容量のストレージを備える情報共有ツール「NotePM」
SharePointの容量不足に困ったら代替ツールも検討しよう!
SharePointは、ユーザー数に応じて容量が付与される仕組みですが、画像・動画などを多く扱う企業では、すぐに容量不足になりがちです。
たとえば、Microsoft 365 Business Standardを50ユーザーで利用している場合、標準で付与される容量は1.5TBになります。これを超えてストレージを追加するには、ライセンスやアドオンの購入が必要です。
500GB追加するだけでも、約103,050円/月(約2,061円 × 50ライセンス)にものぼるケースもあります。
一方、社内情報やファイルを一元化できる情報共有ツール「NotePM」の「プラン300」なら、最初から3TBのストレージが180,000円/月で利用できます。1.5TBに換算すると90,000円となり、SharePointの半分以下のコストです。
プラン | ストレージ容量 | 高画質写真 (5MB) |
ファイル(10MB) | 動画 (200MB) |
テキスト | 月額料金 |
---|---|---|---|---|---|---|
プラン8 | 80GB | 16,000枚 | 8,000個 | 400個 | 無制限 | 4,800円 |
プラン15 | 150GB | 30,000枚 | 15,000個 | 750個 | 9,000円 | |
プラン25 | 250GB | 50,000枚 | 25,000個 | 1,250個 | 15,000円 | |
プラン50 | 500GB | 100,000枚 | 50,000個 | 2,500個 | 30,000円 | |
プラン100 | 1TB | 200,000枚 | 100,000個 | 5,000個 | 60,000円 | |
プラン300 | 3TB | 600,000枚 | 300,000個 | 15,000個 | 180,000円 | |
トライアル | 100GB | 20,000枚 | 10,000個 | 500個 | 無料 |
「NotePM」はコストパフォーマンスが高いだけではなく、高い検索性や双方向コミュニケーションが取れる機能も備えているため、SharePointよりも利便性が向上する可能性があります。
SharePointの容量追加でランニングコストがかさむ場合は、「NotePM」をはじめとする代替ツールの料金や機能性と比較して、乗り換えも検討しましょう。
大容量のストレージを備える情報共有ツール「NotePM」
SharePointではない代替ツールで成功した事例
ここでは、SharePointではない代替ツールで成功した事例を2つ紹介します。
- 事例1.SharePointからの移行でナレッジ共有・管理の効率化に成功
- 事例2.簡単に使えるNotePMを選んでナレッジ基盤の構築に成功
SharePointが選ばれなかった理由がわかると、別ツールに乗り換える必要性を感じる方もいるでしょう。SharePointの容量を増やす前にお読みいただき、代替ツールを検討してみてください。
事例1.SharePointからの移行でナレッジ共有・管理の効率化に成功
株式会社ADX Consultingは、ERPやEPMの分野でコンサルティングを提供する企業です。ERPとは、企業のリソースを統合的に管理し、適切に配分する計画を指します。導入だけでも2~3年かかるプロジェクトです。
長期にわたって顧客と関わるなかで、さまざまなナレッジを得られますが、蓄積・共有する仕組みがありませんでした。そのため、すべてのプロジェクトがゼロベースで走り出す状態だったため、ナレッジマネジメントが必要だったのです。
以前は、SharePointを利用して、プロジェクトごとに資料を管理していましたが、検索性が低く欲しい情報にたどり着けない課題がありました。また、プロジェクトごとにアクセス権限を付与していたため、プロジェクト外の従業員がナレッジを検索できなかったのです。
こうした課題を受けて、同社は「NotePM」を導入。社内からの問い合わせがほとんど無くなり、従来1~2時間/日、多くて半日かかっていた対応工数を約30分/日にまで削減できました。
また、アクセス権限を柔軟にかけられるようになったことで、プロジェクト外の従業員もナレッジを検索できるようになりました。
このように、ナレッジマネジメントの主体をSharePointからNotePMへ移行したことで、ナレッジ共有・管理を効率化できています。
>関連記事:【導入事例】ナレッジ共有で社内問い合わせ対応工数が半日→30分に。コンサル会社の成長を支えるNotePMの活用方法 – 株式会社ADX Consulting
事例2.簡単に使えるNotePMを選んでナレッジ基盤の構築に成功
株式会社ソフツーは、クラウド型コールセンターシステム「BlueBean(ブルービーン)」の開発・提供をしている企業です。同社ではカスタマー部門の体制を拡充するために、ナレッジ共有ツールを探していました。
SharePointも候補に挙がり、実際に使ってみましたが、レスポンスが遅く使い勝手が悪いことから、満足できなかったのです。より簡単にドキュメントベースでナレッジ管理ができるツールを探していたところ、「NotePM」に出会いました。
「NotePM」には、社内向けのサポートマニュアルやコールセンターのお問い合わせに関するナレッジ、通話録音の振り返りなどを登録しています。お問い合わせを受けたときは、「NotePM」から同一の問い合わせがないかを検索して対応を効率化しています。
>関連記事:【導入事例】使いやすさが重要!コールセンターのナレッジ共有を実現 – 株式会社ソフツー
大容量のストレージを備える情報共有ツール「NotePM」
SharePointの容量を見直して最適な環境を整えよう
SharePointのストレージ容量は「1TB+ユーザー数×10GB」が基本で、足りない場合はアドオンやライセンスの追加によって増やせます。ただし、いずれもランニングコストが上がる点に注意が必要です。
ごみ箱の整理やファイル圧縮などの節約術もありますが、長期的に見ると一時しのぎにしかなりません。SharePointの容量を追加してランニングコストが増えると困る場合は、代替ツールへの移行も検討しましょう。
「NotePM」は、ファイル管理のみならず、高い検索性やコメント機能などの機能を備えた情報共有ツールです。プランによってストレージ容量は異なりますが、テキストなら無制限に保存できるため、社内情報やナレッジの一元管理に役立ちます。
SharePointの容量追加で悩まれたときは、「NotePM」への切り替えもぜひご検討ください。