SharePointの主な機能と使い方|メリットや具体的な活用方法も解説

2025年01月30日(木) SharePoint

 

Microsoft社が提供するSharePointは、社内のファイル共有や情報共有に便利なポータルサイトを作成できる優れたツールです。SharePointを活用したポータルサイトの構築や、ナレッジマネジメントの浸透に取り組む企業も少なくありません。しかし、どのようにSharePointを使ったら良いかわからないという人もいるでしょう。

本記事では、SharePointの主な機能の使い方やメリットなどについて解説します。情報共有やナレッジマネジメントに課題を感じている人は、ぜひ本記事を参考に、SharePointの導入を検討してみてください。

SharePointとは

SharePointとは、Microsoft社が提供する以下の2種類の企業向けのクラウドベース情報共有ツールのことです。

種類 内容
SharePoint Server 自社内にサーバーを構築してオンプレミス環境で利用する
SharePoint Online ・クラウド上にデータが保管される
・インターネット環境のある場所でならいつでも、どこからでもアクセスできる

WordやExcel・Teams・OutlookなどのMicrosoft製品と連携できるだけでなく、社内ポータルサイトやコミュニケーションサイトの作成もできます。

また、インターネット環境があればどのデバイスからでもアクセスできるため、複数人での同時編集やリモートワークにも対応可能です。スムーズに共同作業を進められるので、業務効率の向上を目指して、多くの企業で活用されています。

SharePointの料金プラン

SharePointの料金プランは、以下のとおりです。

プラン名 SharePoint Plan 1 Microsoft 365 Business Standard
月額料金(税抜) 749円 / ユーザー 1,874円 / ユーザー
主な機能 ・基本的なファイル共有
・OneDrive連携
・SharePoint基本機能
・Teams
・Web版Office

※参照:Microsoft「SharePoint Online のオプションの比較

SharePointは単独でも利用できますが、Microsoft 365を契約していれば、追加料金なしで利用可能です。

>関連記事:SharePointの概要・機能・独自性・料金などを徹底解説

SharePointとOneDrive、Teamsの違い

SharePointと似ているサービスであるOneDriveとTeamsには、以下のような違いがあります。

SharePoint OneDrive Teams
主な用途 ・組織全体の文書管理
・情報共有
個人用ファイル保存 チームコミュニケーション
対象ユーザー ・組織
・部門全体
個人 ・小規模チーム
・プロジェクト
保存場所 組織管理のクラウド 個人用クラウド 保存不可
※連携すれば、SharePoint内に保存可能
主な機能 ・ポータルサイト作成
・文書管理
・ワークフロー機能
・個人ファイル保存
・簡単なファイル共有
・オフライン同期
・チャット
・ビデオ会議
使用例 ・部門の文書保管
・社内ポータル
個人作業ファイル ・日常的な連絡
・チーム会議

個人用ファイルストレージであるOneDriveに対し、Teamsは個人間やチーム内でのカジュアルなコミュニケーションに適しています。SharePointとOneDrive・Teamsは連携もできるので、用途に応じた使い分けが可能です。

SharePointの主な機能一覧

SharePointの主な機能は、以下のとおりです。

  • ファイルのアップロード
  • OneDriveからの保存
  • OneDriveとの同期
  • ファイルの共有
  • ワークフローの作成
  • ポータルサイトの作成
  • ファイルの共同編集
  • 全ファイルからの情報検索

主な機能と使い方を知ることで、SharePointを効果的に活用できるようになるでしょう。

ファイルのアップロード

SharePointでは、ドラッグ&ドロップするだけでファイルアップロードが可能です。

SharePointにアクセスし、「ドキュメント」をクリックします。

「ファイルをここにドラッグします」に共有したいファイルをドラッグ&ドロップするとファイルの共有が開始されます。


OneDriveからの保存

OneDriveからSharePointにファイルを保存する方法は、以下のとおりです。

  1. OneDriveにサインインしてファイルを選択する
  2. 「移動」または「コピー」オプションをクリックする
  3. 移動先のSharePointサイトを指定する
  4. 「ここに移動」または「ここにコピー」を選ぶ

移動が完了したファイルは、SharePointの「ドキュメント」からアクセスできます。ただし、組織のセキュリティ設定によっては、異なるサイト間でのファイル移動が制限される場合があるので、事前に確認しておきましょう。

OneDriveとの同期

SharePointとOneDriveの同期を始める際には、OSに応じた環境設定が必要です。Windows環境では、以下の手順でファイルオンデマンドを有効化します。

  1. OneDriveのアイコンを右クリックする
  2. 「ヘルプと設定」から「設定」を選ぶ
  3. 「詳細設定」から「ファイルオンデマンド」で設定を選択する

macOSの場合、バージョン12.1以降は既定で機能がオンになっていますが、それ以前のバージョンでは手動で設定する必要があります。手動での設定方法は以下のとおりです。

  1. メニューバーからOneDriveアイコンを選ぶ
  2. 「ヘルプと設定」から「ユーザー設定」を選択する
  3. 「オンデマンドファイル」を有効化する

環境設定ができしたら、SharePointサイトの「ドキュメント」から「同期」をクリックして、アカウントとフォルダーを選択し、同期が完了します。

ファイルの共有

SharePointでのファイル共有の方法は、以下の2つです。

  • ファイルのリンクをコピーしてチャットやメールで送信する
  • ファイルを選択して「共有」から直接メールアドレスを指定する

「共有」からメールアドレスを指定する場合は、アクセス権限も細かく設定できます。

また、ポータルサイトの場合は、「ドキュメント」にファイルをドラッグ&ドロップするだけで簡単に共有が可能です。ただし、組織外部とファイルを共有する際は、適切なアクセス権限を設定し、情報漏洩を防ぎましょう。

>関連記事:SharePointで簡単にファイル共有をするための基礎知識と手順を紹介

ワークフローの作成

ワークフロー機能とは、従来の紙ベースの申請・承認プロセスを電子化・自動化するシステムのことです。Power Automateと連携することで、承認やフィードバック収集・署名収集・3段階での状況管理など、さまざまなワークフローを実現できます。

ワークフローの作成方法は以下のとおりです。

  1. 「+新規」から「リスト」を選択する
  2. テンプレート選択または空白のリスト作成をする
  3. リスト名と説明を入力する
  4. 「統合」から「Power Automate」を選び、「フローの作成」をクリックする
  5. テンプレートからフローを選ぶ
  6. 条件とアクションを設定する

保存をしたあとに、動作を確認することで、スムーズに運用を始められます。

ポータルサイトの作成

SharePointでは、用途に応じた2種類のポータルサイトが作成できます。

サイトの種類 詳細
チームサイト ・部署やプロジェクト内での情報共有用
・限定メンバーでの利用におすすめ
コミュニケーションサイト ・全社的な情報共有用
・掲示板的な使用が可能
・社外ユーザーへの情報発信もできる

どちらのサイトタイプも、配下にサブサイトを作成できるため、階層的な情報管理が可能です。また、豊富なテンプレートを活用することで、専門知識がなくても簡単に高品質なサイトを作成できます。

>関連記事:SharePointのサイトの作り方5ステップ!注意点やポイントについても解説

ファイルの共同編集

SharePointでは、複数人で同時に編集作業ができるので、常に最新データを反映させられます。また、ページ単位での分担作業も可能なため、大規模なドキュメント作成も効率的に進められるでしょう。

移動中や外出先でも作業に参加できることから、オンラインミーティング中の資料更新やリモートワークでの共同作業にもおすすめです。部署ごとに閲覧・編集権限を個別に設定できるので、セキュリティを確保しながら、作業環境を構築できます。

>関連記事:SharePointで簡単にファイル共有をするための基礎知識と手順を紹介

全ファイルからの情報検索

SharePointでは、一括検索ができるので、ファイルを一つずつ開いて確認する必要がありません。

タイトルだけでなく、ドキュメント内の文字列や作成者名・更新者名などから検索できるため、スムーズに情報にアクセスできるでしょう。また、ファイルの種類や最終更新日による絞り込みも可能です。

 

Web上で簡単に社内マニュアルの管理を行えるツール「NotePM」

 

SharePointの3つの使い方

SharePointの主な使い方は、以下の3つです。

  • マルチデバイスでの情報共有
  • 案件やチームごとの情報管理
  • Microsoft製品と連携した進捗管理

具体的な使い方を知ることで、導入後の活用方法をイメージしやすくなるでしょう。

マルチデバイスでの情報共有

SharePointはPCだけでなく、スマートフォンやタブレット端末にも対応しているため、デバイスを選ばずに作業が可能です。

また、クラウド上にファイルを保存することから、インターネット環境さえあれば、どこでも必要な情報にアクセスできます。そのため、外回りの多い仕事であっても、外出先で資料確認や提案書の修正ができるので、業務効率を向上させられるでしょう。

案件やチームごとの情報管理

部署やチームごとに独立したサイトを作成できるSharePointなら、用途に応じた情報管理ができます。グループ単位やユーザーごとにアクセス権限を細かく設定できるため、情報の混在や漏えいを防げるのが特徴です。

また、サイト内では、掲示板の設置やお知らせのトップページ表示・アンケートの作成などのさまざまな機能を活用できます。Microsoft Formsとの連携やExcel形式でのデータエクスポートにも対応しているため、効率良く情報管理を進められるでしょう。

>関連記事:SharePointOnlineのポータルサイトで掲示板機能を使いこなそう

Microsoft製品と連携した進捗管理

Microsoft製品と連携することで、以下のように効率良く進捗管理ができます。

WordやExcelファイルをSharePointから直接編集できる
Outlookのスケジュールと同期することでチーム全体の予定を一元管理できる
Teamsとの連携によってコミュニケーションとタスク管理を同時にできる

リアルタイムでの追記・修正もできるので、メンバー間での作業もスムーズに進められます。そのほかに、SNSやタスク管理サービス・動画共有サービスなど、外部サービスとの連携も可能です。

SharePointを組織で活用する3つのメリット

SharePointを組織で活用するメリットは、以下の3つです。

  • コミュニケーションが活性化する
  • 業務効率が向上する
  • 強固なセキュリティ対策がされている

メリットを理解することによって、積極的な導入を進めやすくなるでしょう。

コミュニケーションが活性化する

SharePointには、いいね機能やコメント機能が搭載されており、SNSのような気軽なコミュニケーションが可能です。

また、公開範囲を柔軟に設定できるため、プロジェクトメンバーだけのクローズドな議論や部署全体でのオープンな意見交換など、状況に応じた使い分けもできます。

従業員同士のコミュニケーションが活性化されれば、業務の円滑化や新たなアイデアの創出にもつながるでしょう。

業務効率が向上する

SharePointでは、社員の業務知見やノウハウを一元管理できるため、組織全体の業務効率の向上が可能です。知見やノウハウが集約されることによって、利用頻度が高まれば、情報の蓄積も促進されるでしょう。

また、リアルタイムでの進捗確認ができるため、業務の停滞リスクを最小限に抑えられるのも特徴です。

強固なセキュリティ対策がされている

SharePointは、サイトごとに詳細なアクセス権限を設定できる柔軟なセキュリティ対策がされているのが特徴です。制限付きでの招待も可能なので、組織外部にも安全に情報共有できます。

そのほかのセキュリティ対策は、以下のとおりです。

  • データ転送時の暗号化
  • 多要素認証機能
  • マルウェア検知機能

多層的なセキュリティ対策が実装されていることから、安全なファイルの送受信と信頼性の高いデータ管理が可能です。

また、Microsoftによる不正アクセス対策やデータ漏洩対策・データセンターの物理的警備体制など、高度なセキュリティ対策も施されています。

SharePointを初めて使う際の3つのポイント|初心者向け

初心者が、SharePointを初めて使う際のポイントは、以下の3つです。

  • 活用する目的を明確にする
  • アクセス権限を設定する
  • 情報の取扱に関するマニュアルを用意する

ポイントを押さえることで、効率良く活用を進められるでしょう。

活用する目的を明確にする

SharePointを効果的に活用するには、導入の目的を明確にするのが重要です。

目的を明確にすることによって、継続的な利用と高い満足度につながります。現状の課題を特定し、SharePointでどのような問題を解決したいのかを洗い出しましょう。

ただし、すべての業務をSharePointに移行する必要はないので、必要性を見極めた上で導入を検討するのがおすすめです。

アクセス権限を設定する

関係者以外への情報流出や意図しないユーザーからのアクセスを防ぐためには、適切なアクセス権限の設定が欠かせません。業務内容や役職に応じて、ファイルの閲覧や編集・ダウンロードの権限を使い分けましょう。

適切にアクセス権限を設定できれば、データの不正な書き換えも防止できるので、安全な情報共有環境を構築できます。

情報の取扱に関するマニュアルを用意する

組織全体で安全にSharePointを活用するには、情報の取扱に関するマニュアルを用意する必要があります。社外持出可能な情報と不可の情報を明確に区分し、取扱方法を詳細に記載しておきましょう。

また、社員のITリテラシーにも個人差があるため、情報共有によって生じる可能性のあるリスクと対策について、わかりやすく記載するのが重要です。

適切なマニュアルが用意できれば、社員のセキュリティ意識が向上するので、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられるでしょう。

>関連記事:【徹底比較】マニュアル作成ツールおすすめ20選|選び方と導入事例も紹介

NotePMはSharePointの代わりに使えます

SharePointの代わりとなるツールを探している方には、NotePMがおすすめです。

マニュアル作成や社内ナレッジを管理できるNotePMは、検索機能が強力なので、掲示板や社内ポータル・社内FAQとしても活用できます。

SharePoint NotePM
△ 自由度が高く複雑なため、社内浸透しない 〇 パソコンに詳しくない人でも直感的に使える
△ 検索しづらい。不要な情報もヒットする 〇 強力な検索機能
△ 動作やファイル表示が遅い 〇 動作が速い。サクサク動く
△ 権限管理が複雑で、IT部門が大変 〇 グループなど、権限管理しやすい
△ 社外共有しづらい 〇 社外共有用プラットフォームとしても使える
〇 Officeファイルを直接編集できる △ ファイル直接編集はできない

 

Web上で簡単に社内マニュアルの管理を行えるツール「NotePM」

 

SharePointを使って業務効率化を進めましょう

SharePointには、ファイルや情報の共有・ポータルサイトの作成・ワークフローの自動化など充実した機能が備えられています。そのため、効果的に活用することで、社内のワークフロー業務の効率化やコミュニケーションの活性化につながるでしょう。

一方で、Microsoft365を導入していない企業の場合は、「NotePM」を代わりに使用することも可能です。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」は、社員のナレッジを集め、共有できます。

検索性も高く、ほしい情報がすぐに手に入り、情報の更新も容易です。「社内のナレッジをスムーズに共有したい」「教育コストを削減したい」とお考えの方は、NotePMの無料トライアル をお試しになってください。

NotePM