近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)が話題になることが増えてきました。多くの会社で、DXの促進により業務効率化や生産性向上を図っています。ただ、現状ではDXがうまくいっていない会社も多いのではないでしょうか。その原因は、ナレッジ共有が不十分であることかもしれません。本記事では、ナレッジ共有とDXの基礎知識を解説した後で、ナレッジ共有が社内DXを推進する上で重要な理由とナレッジ共有のポイントを解説します。あわせて、ナレッジ共有ツールも解説します。
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目次
社内DXに不可欠なナレッジ共有
ここでは、ナレッジ共有とDXの基礎知識として、以下の3つを解説します。
- ナレッジ共有の基礎知識
- 暗黙知と形式知について
- DXの基礎知識
それでは、1つずつ紹介します。
ナレッジ共有の基礎知識
ナレッジ共有とDXの基礎知識の1つ目は、ナレッジ共有の基礎知識です。ここでは、以下の2つを紹介します。なお、ナレッジ共有についてはこちらの記事も一読ください。
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- ナレッジ共有の意味
- ナレッジ共有の必要性
それでは、1つずつ紹介します。
ナレッジ共有の意味
ナレッジ共有の基礎知識の1つ目は、ナレッジ共有の意味です。ナレッジ(knowledge)とは、「知識」を意味する英単語を意味します。日本のビジネスシーンでは、「企業経営に好影響を与える知識や経験・事例など」というニュアンスで用いられることがほとんどです。そのため、ナレッジ共有とは「企業経営に好影響を与える知識や経験・事例などを、企業全体に共有すること」を意味することになります。
ナレッジ共有の必要性
ナレッジ共有の必要性の2つ目は、ナレッジ共有の必要性です。まず、優れたナレッジを企業全体に共有することで、より多くの社員のスキル向上につながります。また、記録済みのナレッジを組織全体で標準化できれば、リサーチ時間を削減して業務効率化できます。これらの効果は、すぐに現れるとは限りません。しかし、中長期的に見ると、十分にナレッジ共有を行ってきたかどうかは、企業経営に大きな影響を与えることでしょう。
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暗黙知と形式知について
ナレッジ共有とDXの基礎知識の2つ目は、暗黙知と形式知についてです。暗黙知とは、自ら様々な経験を通じて感覚的に得た知識のことです。主観的で言語化が難しいことも珍しくありません。一方、形式知とは、マニュアル化して共有できる客観的な知識のことです。ナレッジ共有では、ナレッジ共有ツールにナレッジを蓄積できるよう、暗黙知を形式知に変換(形式知化)することが重要です。
また、一般的に形式知化にはSECIモデルが用いられます。SECIモデルは、「共同化(Socialization)」「表出化(Externalization)」「連結化(Combination)」「内面化(Internalization)」の4プロセスで構成され、これら4プロセスを繰り返すことで形式知を増やしていきます。なお、形式知と暗黙知については、こちらの記事も一読ください。
DXの基礎知識
ナレッジ共有とDXの基礎知識の3つ目は、DXの基礎知識です。DXとは、直訳すると「デジタルによる変革」という意味です。DXは、2014年にスウェーデンのエリック・ストルターマン教授が提唱し、「ITの浸透があらゆる面で人々の生活を良くする」と定義しています。また、日本では2018年に経済産業省が発表した定義がよく使われます。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。 |
この定義では、パソコンの導入などで自社のIT化を進めるだけでなく、デジタルを広く活用して製品やビジネスモデルを変革することがポイントです。
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ナレッジ共有が社内DXを推進する上で重要な理由
ここでは、ナレッジ共有が社内DXを推進する上で重要な理由を解説します。それは、DXを行うためにシステムを構築するには、現場の情報を明らかにし、関係者間で共有することが必要だからです。それが不十分だと、DXシステムを導入しても、期待した効果は得られません。特に、現代では終身雇用の崩壊や多様な働き方の導入により、暗黙知を時間をかけて継承することが困難になってきています。
そのため、暗黙知を形式知化することが一層重要になっているのです。なお、ナレッジ共有を確実に行うにはナレッジマネジメントが必要です。ナレッジマネジメントについては、こちらの記事も一読ください。
関連記事:【完全版】ナレッジマネジメントを総まとめ!導入から運用までおすすめツールも解説
社内DXを推進するためのナレッジ共有のポイント
ここでは、社内DXを推進するためのナレッジ共有のポイントを、経済産業省の「DXレポート2中間取りまとめ(概要)」から、以下の2つ解説します。
- 業務環境のオンライン化
- 業務プロセスのデジタル化
それでは、1つずつ紹介します。
業務環境のオンライン化
ナレッジ共有のポイントの1つ目は、業務環境のオンライン化です。例えば、以下の2つが該当します。これらは、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、昨今急速に普及が進みました。ただ、セキュリティなどの理由で、リモートワークを実施していない会社や、一度リモートワークを実施したものの出社業務に戻した会社も少なくありません。業務の一部でもリモートワークが導入できそうであれば、リモートワーク実施の支障となっている要素を見極め、その要素を取り除けないか検討しましょう。
- ナレッジ共有ツールを用いたリモートワーク
- オンライン会議システムを用いて社内外とオンラインコミュニケーション
業務プロセスのデジタル化
ナレッジ共有のポイントの2つ目は、業務プロセスのデジタル化です。これまでは紙やハンコなど、アナログな手段を用いて行っていた業務プロセスも、デジタル化できないか検討しましょう。特に、昨今では業務プロセスのデジタル化に便利なツールが多数存在しています。手軽に始められるクラウドサービスの活用も、検討しましょう。なお、業務プロセスのデジタル化の例を、以下に記します。
- OCR製品を用いた紙書類の電子化
- クラウドストレージを用いたペーパーレス化
- 営業活動のデジタル化
- 各種SaaSを用いた業務のデジタル化
- RPAを用いた定型業務の自動化
- オンラインバンキングツールの導入
社内DXを推進するナレッジ共有ツール
ここでは、社内DXを推進するナレッジ共有ツールを5つ紹介します。
- 社内wiki
- ビジネスチャットツール
- オンライン会議システム
- 社内SNS
- オンラインストレージ
それでは、1つずつ紹介します。
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社内wiki
ツールの1つ目は、社内wikiです。社内wikiとは、社員が様々なナレッジなどを書き込み、気軽にそれを閲覧できるツールのことです。社内版Wikipediaと言えます。日々の業務で得たナレッジを記録し、知りたいことがあったらすぐに確認できるので、ナレッジ共有や業務効率化に活用しましょう。また、社内wikiはストック情報の管理に特に強みを持っています。なお、社内wikiやおすすめのツールについては、これらの記事も一読ください。
※ストック情報:まとまった状態で蓄積する情報で、長期で再利用する可能性が高い(例:マニュアル・ノウハウ・議事録・テンプレートなど)。
関連記事:社内wikiの導入から活用までの完全マニュアル 成長企業が実践する情報共有術!
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ビジネスチャットツール
ツールの2つ目は、ビジネスチャットツールです。ビジネスチャットツールとは、ビジネスシーンで用いられるチャットツールのことです。使いやすさとスピード感が特徴で、メールや電話よりも手軽で迅速なコミュニケーションが必要な場面に適しています。また、一度に複数人に対してメッセージを発信することや、後から情報を時系列で確認することが容易であることもメリットです。自社の現状や導入目的を踏まえて、必要な機能や使いやすさ、コストパフォーマンスなどを考慮して、用いるビジネスチャットツールを選びましょう。
なお、ビジネスチャットツールについては、こちらの記事も一読ください。
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オンライン会議システム
ツールの3つ目は、オンライン会議システムです。ここでは、オンライン会議システムとして、Web会議システムとホワイトボードツールについて解説します。リモートワークで会議を行う際には、Web会議システムにより行うことが前提です。Web会議システムを用いることで、インターネット環境があればいつでもどこでも会議を実施できます。これにより、交通費の削減や意思決定スピード向上などのメリットがあります。Web会議システムを選ぶ際には、接続の安定性やセキュリティなどを考慮して選びましょう。
また、オンライン会議ではホワイトボードツールも便利です。オンライン上で文字や図などを書き込めるので、アイデアなどを可視化して、より会議を活性化できるでしょう。なお、オンライン会議システムやホワイトボードツールについては、これらの記事も一読ください。
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社内SNS
ツールの4つ目は、社内SNSです。社内SNSとは、社内向けにカスタマイズされたSNSのこと。社内の各拠点や各部署の社員同士が、電話やメールよりも気軽にコミュニケーションを取りたい際に便利なツールです。そのため、社内のコミュニケーション不足を解消して、ナレッジ共有の促進のために活用したいツールの1つと言えるでしょう。また、ナレッジ共有だけでなく、部署や拠点のワクを越えたアイデア創出や社内の一体感醸成にも活用することも有効です。
なお、伊藤忠商事テクノソリューションズが2017年に実施した調査によると、すでに3割弱の大手企業がチャットツールを導入しているとのことです。これからは大手企業だけでなく、中小企業やベンチャー企業でも、社内SNSの普及が進むことでしょう。また、社内SNSについては、これらの記事も一読ください。
関連記事:社内SNSとはなにか?導入目的やメリット、成功事例をあわせて解説
関連記事:【2024年版】社内SNSツールおすすめ12選(有料・無料)
参考:大手企業のビジネスチャットツール導入実態調査を実施
オンラインストレージ
ツールの5つ目は、オンラインストレージです。オンラインストレージは、インターネット上でデータの保管や共有などを行います。ほとんどのオンラインストレージは、利用する際に登録が必要で、オンラインストレージを提供する会社に手続きしてから利用できます。最近では、マルチデバイスでいつでもどこでもアクセスできるオンラインストレージが増えてきました。以下に、オンラインストレージのメリットを以下に記します。また、オンラインストレージについては、こちらの記事も一読ください。
関連記事:【2024年版】オンラインストレージおすすめ13選を徹底比較(無料あり)各サービスの特徴を紹介
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まとめ
本記事では、ナレッジ共有とDXの基礎知識を解説した後で、ナレッジ共有が社内DXを推進する上で重要な理由とナレッジ共有のポイントを解説しました。あわせて、ナレッジ共有ツールも解説しました。DXを推進する前に、現場の情報を十分に共有して、関係者に共有することが大切です。暗黙知の形式知化を進め、確実にナレッジ共有を行いましょう。また、社内DXを推進するナレッジ共有ツールは多数存在します。自社の利用シーンや使いやすさ、セキュリティなどを考慮して、最適なツールを選びましょう。
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