こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。
テレワーク(telework)とは、一言で言えば「職場以外の場所で働くこと」という意味です。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、急速に広がっています。この記事では、まずテレワークの方法について大きく3つに分けて解説します。次に、テレワークの実施方法を7つの手順に分けて解説します。最後に、テレワークで利用すべきITツールと導入方法について紹介します。
目次
テレワークを行う方法は大きく分けて3つ
一口にテレワークと言っても、働く場所によって大きく分けて以下の3つに分類されます。ここでは、それぞれの方法について、メリット・デメリットを含めて簡単に説明します。
- 在宅勤務
- モバイルワーク
- サテライトオフィス
在宅勤務
在宅勤務とは、従業員の自宅で働くことです。自宅で働くため、通勤時間はゼロになります。
メリット | ・通勤時間をゼロにできる分、プライベートの時間を確保しやすい ・満員電車など、通勤に伴うストレスがなくなる ・育児や介護などであまり外出できない従業員でも、働ける可能性が高まる |
デメリット | ・プライベートと仕事とを切り替えづらい ・時間管理が難しく、長時間労働やサボりが発生しやすい ・他の従業員とのコミュニケーション不足になりやすい |
モバイルワーク
モバイルワークとは、カフェや移動中の電車内など、時間や場所を問わない働き方のことです。特に、営業職など外出の多い従業員に向いているテレワークの方法と言えます。
メリット | ・時間や場所を問わず仕事できる ・場所を選べば、在宅勤務よりも集中して仕事できる ・自由度が高く効率的に働ける |
デメリット | ・端末の紛失など、セキュリティ上のリスクが増大する ・勤怠管理が難しい ・社内外のコミュニケーションが取りづらい |
サテライトオフィス
サテライトオフィスとは、「企業や団体の本社から離れた場所に設置されたオフィス」のことです。支社や営業所とは違い、従業員が立ち寄って仕事できる場所という位置付けです。
メリット | ・在宅勤務やモバイルワークより設備を充実させやすい ・自宅から移動することで、プライベートと仕事とを切り替えやすい ・従業員の家の近く、もしくは主要な営業先の近くにオフィスを設置することで、より効率的な働き方を実現できる |
デメリット | ・在宅勤務やモバイルワークよりコストがかかる ・特にサテライトオフィスが郊外に存在すると、本社との情報格差が発生しやすい ・他社と共有する形式のサテライトオフィスでは、情報漏洩にも注意しなければならない |
テレワークの実施方法を7つの手順に分けて解説
ここでは、テレワークの実施方法について、以下の7つの手順に分けて解説します。
- 導入目的を確認する
- 部署横断の実施チームを作る
- 大枠の方向性を決める
- 現状把握をする
- 進め方について経営層から合意を得る
- 運用ルールと実施環境を作る
- 評価と改善を繰り返す
導入目的を確認する
まずは、テレワークを導入する目的を確認します。
テレワークの導入にはさまざまなメリットがあります。しかし、テレワークを導入する目的は、労働生産性の向上、勤務者の移動時間短縮など、多岐にわたります。そのため、テレワークを導入する目的を導入前に明確にして、テレワークの導入により影響を受ける従業員に浸透させておく必要があります。テレワークにより解決したい課題が明確になれば、自ずとテレワークを導入する目的も明確になるはずです。
導入目的を十分に確認しないままテレワークを導入しようとしても、従業員がテレワークに意欲的に取り組んでくれません。また、テレワークを行う環境の整備も進まないので、かえって業務効率が悪化する恐れがあります。
部署横断の実施チームを作る
導入目的を確認したら、部署横断の実施チームを作ります。一部の従業員だけでテレワークを導入するとしても、テレワークを実施する従業員とその上司だけで合意が取れている状態でテレワークをスタートすることはおすすめできません。勤怠管理の不具合、テレワークを実施する従業員の孤立など、さまざまなトラブルが発生するリスクがあります。経営層だけでなく、経営企画、人事、情報システムなど部署横断の実施チームを作ることで、社内で十分に意見や情報を交換します。そうすると、全社一丸となってテレワーク導入に向けて動くことができます。
大枠の方向性を決める
実施チームを作ったら、その中でテレワーク導入における大枠の方向性を決めます。決めるべき方向性の例を、以下のとおり5つ示します。
- 導入目的
- 導入範囲
- 導入頻度
- 導入業務
- 導入コスト
また、大枠の方向性が決まったら、それを明文化しましょう。方向性を全社的に共有することも必要です。
現状把握をする
大枠の方向性が決まったら、現状把握をします。実施チーム内で、大枠の方向性に基づいて現在実施している業務の現状について分析して、見直していきます。その際に注目したい項目を、以下の6種類紹介します。
確認項目 | 確認ポイント |
1. 就業規則 | 現場との齟齬の有無 |
2. テレワーク実施者の労働時間制度 | 各実施者の労働時間制度 |
3. 人事評価制度 | ・現状の人事評価制度 ・勤怠管理方法 ・人事評価方法 |
4. ICT環境の確認 | ・現在利用しているICT環境 ・テレワーク時に運用しやすいツール ・新たに導入するツール |
5. 申請・承認方法 | ・導入時の申請書様式 ・申請の承認方法 |
6. セキュリティルール | ・ファイル取り扱い方法 ・紙データの持ち出しルール |
現状把握の過程をおろそかにしたせいで、以下のような失敗に陥った事例が多数存在します。これらの失敗を防ぐためにも、現状把握を忘れてはいけません。
・そもそも業務の性質上テレワークが必要なかったため、ほとんど使われなかった
・現場の現状と合わない方法を採用したため、現場が混乱した
進め方について経営層から合意を得る
現状把握まで完了したら、いよいよ進め方について経営層から合意を得る段階です。社内で認識を共有するため、以下の4ステップで行っていくとよいでしょう。
ステップ内容 | 担当部門 | 備考 |
1. 意思決定 | 経営層 | トップダウンでテレワーク導入の意思決定 |
2. 起案 | プロジェクトチーム | 以下の内容などを具体化 ・導入目的 ・対象業務 ・利用ツール ・効果測定方法 |
3. 社内ルール制定 | 労務管理部門 | テレワーク労務環境を整備し、働き過ぎやサボりを防止 |
4. 社内広報・研修 | 研修・啓発部門 | ・テレワークでの働き方について社内研修を開催 ・従業員の不安や意見などを聞き取ってフォローアップ |
運用ルールと実施環境を作る
進め方について経営層から合意を得たら、テレワークの運用ルールと実施環境を作っていきます。以下の3ステップで行っていくとよいでしょう。
1. 対象者と対象業務の選定 | 【対象者】 テレワークを導入可能な部署・対象者を選定 【対象業務】 |
2. 労務管理 | 【労働基準法の適用】 就業規則にテレワークに関する規程を設ける 【実施の申請と承認】 【労働管理方法】 【その他】 |
3. 導入のための教育・研修 | 【人材育成】 研修内容の一例 ・テレワークの目的 ・テレワークの必要性 ・テレワークのルール ・テレワークに用いるツールの使い方 |
関連記事:テレワークの導入時に見落としがちな、マネジメントに関わる課題と対策を解説
評価と改善を繰り返す
運用ルールと実施環境を作ったら、評価と改善を繰り返していきます。
テレワークを本格的に導入する前に、3ヶ月程度は試験導入期間を置くことをすすめます。試験導入したらアンケート調査やヒヤリングで評価を行い、改善点を抽出していきます。評価項目の例を、下の表に示します。
質的評価 | 業務改革、成果・業績、コミュニケーション、ワークの質、 生活の質、全体評価 |
量的評価 | 顧客対応、情報処理力、オフィスコスト、移動コスト、ICTコスト、人材確保・維持 |
また、導入効果の測定や、うまくいかなかった理由や背景も忘れずに行います。その上で、社内ルールを踏まえて今後の方針を決定していきます。そして、定期的にPDCAサイクルを回していくことで、よりよいテレワークにしていきましょう。
関連記事:テレワークの生産性低下を防ぐには?テレワーク環境の整備方法を紹介
テレワークで利用すべきITツールと導入方法
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まとめ
この記事では、テレワークの実現方法や、利用すべきツールについて解説してきました。テレワークには、コスト削減や事業継続性の向上などさまざまなメリットがあります。しかし、正しい手順で実施して改善していかないと、メリットを享受するどころか、デメリットが目立って逆効果になります。いずれにしても、テレワーク導入の目的と現状を十分に理解することが大切です。また、社内wikiをはじめとしたテレワークに最適なツールの活用も検討しましょう。
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