こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。
昨今、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策、または少子高齢化に伴う労働人口の減少などの観点から、中小企業においても労働環境の改善が求められています。そのうちの一つが、テレワークの導入です。この記事では、中小企業でテレワークを導入する課題から、メリット、ステップ、そしてテレワークに役立つツールについて解説していきます。
目次
中小企業で加速するテレワーク
昨今、新型コロナウイルス感染症拡大防止、または少子高齢化に伴う労働人口の減少などの観点から、国を挙げてテレワークの普及が推進されています。しかし、大企業と比べて中小企業ではテレワークの導入が進んでいないのが現状です。株式会社東京商工リサーチの調査では、資本金1億円以上の大企業では導入率が61.31%、資本金1億円未満の中小企業では導入率が29.05%と、大企業の導入率の半分以下です。
参考:第8回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査・株式会社東京商工リサーチ
しかしながら、中小企業においてもテレワークの導入が加速していることも事実です。デルテクノロジーズの「中小企業のテレワーク導入状況に関する調査」によると、2020年3月時点では従業員99人以下の中小企業においてテレワークの導入率はわずか13%でした。それが、2020年7月時点では36%と、大幅に増加していました。大企業と比較するとまだまだですが、それでも中小企業においてもテレワークの導入が加速していることがわかります。
参考:中小企業のテレワーク導入状況に関する調査・デルテクノロジーズ
テレワークを中小企業で導入する場合の課題
現状では、テレワークを導入できていない中小企業は少なくありません。ここでは、テレワークを中小企業で導入する場合の課題について、代表的なものを3つ解説します。
- 業務内容がテレワークに向いていない
- 追加コストがかかる
- 管理のデジタル化
業務内容がテレワークに向いていない
工場勤務やサービス業、医療・福祉関係など、業務内容の性質上そもそもテレワークができない業務もあります。総務省の平成30年度通信利用動向調査報告書によると、企業規模に関係なく、テレワーク導入率が高いのは情報通信業の39.9%、最も低いのは運輸業・郵便業の8.7%と、業務内容によりテレワーク導入率に顕著な差が見られました。ただ、テレワークに向いていない業務内容においても、業務内容を細かく分解し、テレワークに置き換えられる部分だけテレワークを実施することも考えられます。
追加コストがかかる
テレワークを実施するには、以下のとおり会社や社員に対して様々な追加コストが予想されます。
- 自宅でインターネットを利用するための固定回線やwi-fi
- 仕事で使用するパソコンやスマートフォン
- 追加のセキュリティ対策
- 情報共有などに用いるツール、アプリ
- 自宅用プリンターや机などの備品
厄介なのは、テレワーク実施前には、どこにどれだけコストがかかるか完全にはわからないことです。そのため、予期せぬ追加コストが発生することもあり得ます。
管理のデジタル化
アドビ社の調査によると、「会社にある紙の書類を確認できない」「書類へ のサインや押印のためにやむなく出社した」など、社内の紙書類の管理がテレワーク導入の際に課題と感じた人は、調査回答者の4割近くにのぼりました。そのため、テレワークではこれまで紙ベースで行ってきた作業や勤怠管理など、アナログで行ってきた管理もデジタル化する必要があります。ただし、これは今までの業務を見直す機会でもあります。現に、テレワーク導入により業務効率化や生産性向上を達成した事例は多数存在します。
参考:テレワーク導入のメリットと課題・アドビ システムズ 株式会社
テレワークを中小企業で導入するメリット
ここでは、テレワークを中小企業で導入するメリットとして、以下の6つを紹介します。
- コスト削減効果
- 事業継続性の向上
- 人材不足解消
- 生産性向上
- 助成金を利用できる
- 企業のブランディングとなる
それぞれ確認していきます。
コスト削減効果
テレワークを導入することで、以下のコストを削減できると考えられます。
- オフィスコスト(オフィスで勤務する社員数が減少すれば、今より狭いオフィスでも問題ないため、より賃料の安いオフィスに移転できる)
- 通勤手当(今までオフィスで行っていた仕事をテレワークで行うことで、その分通勤手当を減らせる)
- 印刷代(ペーパーレス化により、印刷物を削減できる)
- 椅子や机などの備品類(オフィスで勤務する社員数が減少すれば、必要な備品類も減少)
事業継続性の向上
テレワークは、地震や台風などの災害が発生した場合、もしくは感染症拡大など予期せぬ事態が発生した場合でも事業継続性を確保するために有効です。テレワーク環境を整備しておけば、公共交通機関が利用できないなどオフィスへの出社が困難な状況においても、平常時と変わりなく業務を進めることができます。また、社内コミュニケーション方法を複数確保しておけば、予期せぬ事態が発生した場合に社員への安否確認を確実に行うことが可能となります。
人材不足解消
昨今の労働人口減少や少子高齢化により、中小企業でも人材確保の重要性がますます高まっています。人材確保には、テレワークは非常に有効な手段となります。テレワークを用いることで、今までは継続雇用できなかった出産や育児、介護などが必要な社員、もしくは遠方在住者や障害者も戦力として確保できる可能性があるからです。また、テレワーク環境が整備されて働きやすさが向上すれば、結果的に離職率を減少させることも可能です。その点でも人材不足解消に有効です。
生産性向上
テレワークを導入することで、生産性向上が期待できます。その理由は二つあります。一つは、テレワークにはWeb会議ツールやタスク管理ツールなどの導入が必須で、これらにより生産性向上が期待できるからです。具体的には、Web会議ツールにより会議時間の短縮を、タスク管理ツールによりスケジュール調整の効率化を、それぞれ達成できます。また、テレワークにより移動時間の削減や隙間時間の有効活用も可能です。その点でも、生産性向上が期待できます。
助成金を利用できる
各省庁や自治体などが、テレワーク導入の助成金を用意しています。条件を満たせばあなたの会社でも利用できる可能性がありますので、是非とも活用をご検討ください。参考までに、いくつか助成金の例を紹介します。
・厚生労働省:人材確保等支援助成金(テレワークコース)
・サービスデザイン推進協議会:IT導入補助金
企業のブランディングとなる
テレワークなど柔軟な働き方を積極的に取り入れていることで、外部から「ホワイト企業」と認知してもらうことも期待できます。そのことが企業のブランディングとなります。また、年間1,500回以上の就職イベントを行う株式会社DYMによる調査では、新卒採用の市場においては「テレワーク、リモートワークなど場所に縛られない働き方」も、学生にとっては入社する企業を選ぶ時に重視する条件の一つとなっているという結果が出ました。そのため、社員確保の面でもテレワークは有効と言えます。
参考:就活生、志望企業の働き方制度に「副業」「テレワーク」より「育児や介護との両立」を重視・株式会社 DYM
テレワークを中小企業に導入する6つのステップ
ここでは、以下のとおりテレワークを中小企業に導入する6つのステップについて解説していきます。
- テレワーク導入計画の策定
- テレワークでできる業務の棚卸し
- 必要なツールの導入
- 運用ルール制定
- PDCAサイクルを回して改善していく
- 制度化
また、実際の導入事例も知っておくと、より具体的にテレワークを導入するイメージができるはずです。神奈川県庁が作成した「中小企業のためのテレワーク導入ガイド」に、いくつか実際のテレワーク導入事例が書かれていますので、そちらも参考にしてみてください。
テレワーク導入計画の策定
まずはテレワーク導入の目的を明確にしましょう。一口にテレワークの目的と言っても、以下のとおり、様々な目的が考えられます
・労働生産性の向上
・勤務者の移動時間短縮
・優秀な人材確保
・顧客満足度向上
・非常時の事業継続
「コロナウイルス感染症対策」などの漠然とした目的だけで急いでテレワークを導入すると、テレワーク環境が全く整備されておらずかえって生産性の低下やコミュニケーションの問題が生じる恐れがあります。それを防ぐためにも、テレワークを導入することで特に解決したい課題を明確にしておきましょう。そうすれば、自ずとテレワーク導入の目的も明確になるはずです。
テレワークでできる業務の棚卸し
仕事内容によっては、どうしてもオフィスや現場に出向かないといけないものも少なくありません。テレワークできるかどうか判断するためにも、テレワークでできる業務とテレワークでできない業務とを棚卸しましょう。その際には、業務を一覧表に書き出して、以下のとおり分類することがおすすめです。
- すぐにテレワークを導入できる
- テレワークを導入できるが、その前に環境整備が必要
- テレワークできない
例えば、メールの返信や資料作成など、パソコンやスマートフォンでの作業のみで完結できる業務であれば、すぐにテレワークで導入できると考えられます。また、現場仕事などテレワークができない仕事内容であっても、資料作成やミーティングなど、テレワークに置き換えられる業務もあるはずです。そのような場合、テレワークに置き換えられる部分にだけテレワークを導入することも手です。
必要なツールの導入
テレワークを導入するにあたっては、ハード、ソフト含め必要なツールを導入しましょう。例えば、テレワークにはインターネットが欠かせません。そのため、以下が必要となります。
- 自宅でインターネットを利用するための固定回線やwi-fi
- 仕事で使用するパソコンやスマートフォン
また、テレワークを便利にするツール、アプリも多数存在します。必要に応じて導入しましょう。なお、テレワークに用いるツールは、可能な限りオフィスでの通常勤務に用いて使い方を理解してから導入することをおすすめします。
運用ルール制定
テレワークの課題の一つは、仕事とプライベートの区別がつきにくいことです。日本労働組合連合会のテレワークに関する調査2020によると、「仕事とプライベートの時間の区別がつかなくなることがあった」と答えた人が、実に71.2%にものぼりました。仕事とプライベートの区別がつきにくいと、勤務中にサボる人や、反対に働きすぎる人も出てきます。
また、会社支給の端末を使って無断で映画鑑賞や副業を行っていた事例もあります。会社の端末で業務に関係ないアプリにアクセスすることは、セキュリティ上においても大きな問題です。それらを防ぐためにも、テレワークの運用ルールを制定しておくことが必要です。
PDCAサイクルを回して改善していく
テレワークの導入にあたっては、どれだけ入念に事前準備しても事前に想定していなかった課題が明らかになるものです。一口にテレワークの課題と言っても、社内のコミュニケーションやセキュリティ、勤怠管理など、様々なものが発生する可能性があります。大切なことは、特にテレワーク導入初期には臨機応変にテレワーク実施状況のフィードバックを行うことです。それにより、課題解決方法を立案して実行していくことで、PDCAサイクルを回して自社のテレワークをよりよいものにしていきましょう。
テレワークの課題やその解決方法については、弊社のブログにおいて様々な切り口で紹介してきました。また、テレワークに役立つツールについて解説した記事もありますので、そちらもご覧ください。
参考:
・テレワークで起きるコミュニケーション不足と対策・改善のコツを解説
・リモートワークにおすすめなアプリを用途別に比較!【無料アプリあり】
制度化
テレワークの運用ルールを制定したら、現在の就業規則を変更することも考えられます。厚生労働省のテレワーク就業規則〜作成の手引き〜には、以下のとおり記載されています。
- 通常勤務とテレワークで労働時間制度やその他の労働条件が同じである場合は既存の就業規則のままでテレワークができる
- 従業員に通信費用を負担させるなど、通常勤務では生じないことがテレワークで生じる場合、もしくは新たな制度を導入する場合は、就業規則の変更が必要
また、テレワークを導入する場合は、就業規則に以下のことを定める必要があります。
- テレワークを命じることに関する規定
- テレワーク用の労働時間を設ける場合、その労働時間に関する規定
- 通信費などの負担に関する規定
なお、就業規則を変更した場合は、従業員代表の意見書を添付し、所轄労働基準監督署に提出する必要があります。
テレワークを導入したい中小企業におすすめのツール
ここでは、テレワークを導入したい中小企業におすすめのツールを、用途別に紹介します。
NotePM
NotePM(ノートピーエム) は、ナレッジ共有に特化した「社内版ウィキペディア」です。検索に強く、情報を整理しやすいのが特徴で、大手IT製品レビューサイト(ITreview)では、とくに『使いやすいさ・導入しやすさ』の点で高く評価されています。
NotePMの特徴
- マニュアル作成、バージョン管理、ファイル共有機能
- 強力な検索機能。PDFやExcelの中身も全文検索
- 社内FAQ / 質問箱、社内ポータルとしても活用できる
- 銀行、大学も導入している高度なセキュリティ。安全に情報共有できる
NotePM
URL: https://notepm.jp/
Slack
Slack(スラック) は、世界中で大人気のビジネスチャットツールです。100ヶ国以上で使われており、日本国内でも毎日50万人以上が利用しています。
Slackの特徴
- 人気No1のチャットツール
- どんな種類のファイルでも気軽に共有可能
- 1500以上の外部サービスと連携可能
- 無料ビデオ通話と音声通話。話しながら画面共有も可能
Slack
URL: https://slack.com/intl/ja-jp/
関連記事:【2024年版】社内コミュニケーションツール おすすめ11選を徹底比較
Backlog
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Backlog は、ヌーラボ社が提供する、国内シェアNo1のプロジェクト管理システムです。基本はクラウド型ですが、エンタープライズ向けにオンプレ型も提供しています。
Backlogの特徴
- 国内シェアNo1のプロジェクト管理システム
- 使いやすいデザインと操作性
- ガントチャート、Git連携、カンバン機能
Backlog
URL: https://backlog.com/ja/
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Zoom
Zoom(ズーム) は、アメリカのZoom Video Communications社が提供するWeb会議システムです。
Zoomの特徴
- 100人以上が同時接続でも安定した環境
- URLを共有するだけで簡単にWeb会議できる
- Web会議の動画、音声をクラウドに記録
- バーチャル背景(部屋を見せたくない人向け機能)
Zoom
URL: https://zoom.us/jp-jp/meetings.html
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fondesk(フォンデスク)
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fondesk(フォンデスク)は、自分の仕事に集中したいあなたのための電話代行サービスです。受けた電話はチャットやメールで漏らさずお知らせ。スマホでも履歴を確認できて、大事な電話を逃すこともありません。電話対応をスマートにして業務効率をアップできます。社内の電話取次対応を効率化して、生産性を向上させたい会社、テレワーク体制への移行もしくは出社とテレワーク体制を両立させるために、社内の電話対応をクラウド化したい会社にオススメです。
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まとめ
この記事では、中小企業でテレワークを導入する課題から、メリット、手順、そしてテレワークに役立つツールについて解説してきました。テレワークには課題も少なくありませんが、メリットも多数存在します。また、正しい手順を踏むことや、自社に適したツールの導入も、テレワークの導入を成功させるためには欠かせません。テレワークを導入される際には、この記事に書かれている内容を参考にしていただけると幸いです。なお、テレワークの導入にあたって自社コミュニケーションが課題となっている場合、以下のコミュニケーションツールがおすすめです。是非ともご利用を検討ください。
NotePM(ノートピーエム) は、Webで簡単にマニュアル作成できて、強力な検索機能でほしい情報をすぐに見つけられるサービスです。さまざまな業界業種に導入されている人気サービスで、大手IT製品レビューサイトでは、とくに『使いやすいさ・導入しやすさ』を高く評価されています。
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