ファイルサーバーとクラウドストレージの違いとは?仕組みからメリット・デメリットを比較解説

2024年03月28日(木) オンラインストレージ

こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。

インターネットの普及や働き方の変容に伴い、昨今のビジネスシーンは多様な変化を遂げました。いつでも・何処でも・誰とでも円滑にコミュニケーションをとり生産性を高めて働くために、自分の端末上にデータを持つのではなく、複数の人間が気軽にアクセスできる「ファイルサーバー」や「クラウドストレージ」と呼ばれるシステムが活用されています。これらは身近な存在になりつつありますが、その違いや特性を明確に説明できる方はそう多くはありません。

本記事では、ファイルサーバーとクラウドストレージの違いを仕組みや導入コスト・セキュリティなどの面から説明しつつ、実際に導入を検討する際のポイントまでをわかりやすく解説します。

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ファイルサーバーとクラウドストレージの仕組みの違い

ファイルサーバーとクラウドストレージは仕組みそのものが違います。まずは、仕組みの違いから見ていきましょう。

関連記事:ストレージとは?4つの種類と容量不足時のリスクと容量を増やす方法を解説

ファイルサーバー

ファイルサーバーはOSの共有機能を利用して、特定のコンピュータを複数のユーザーからアクセスが可能な状態にし、ファイル共有に特化した運用を実現する仕組みです。ファイル管理に特化して運用されているコンピュータを、総じてファイルサーバーと呼んでいます。使用できるOSは様々ありますが、日本のビジネスシーンではWindowsのパソコン利用率が非常に高いため、Windows OSを利用している場合が多いでしょう。

クラウドストレージ

クラウドストレージはインターネット上のデータ保管場所を利用して、複数のユーザーからアクセス可能な状態にする仕組みです。各ベンダーから提供されるサービスを利用しており、データを保存できる容量もプランによって様々です。アクセスする際には社内LANにアクセスする必要はなく、クラウドストレージ登録の際に付与されるパスワードとIDがあれば、どこからでもスムーズなデータアクセスが可能です。

関連記事:オンラインストレージはクラウドか?オンプレミスか?メリット・デメリットやハイブリッドによる運用まで徹底解説!

テーマ別に理解するファイルサーバーとクラウドストレージの違い

ここではファイルサーバーとクラウドストレージの違いを、以下の6つのテーマから見ていきましょう。

  • コスト
  • 構築
  • 研修
  • セキュリティ
  • 保守
  • 更新

それでは1つずつ解説します。

コスト

1つ目の違いはコストについてです。ファイルサーバーとクラウドストレージのコスト感は大きく違います。ファイルサーバーの場合、サーバーとして使用するハードウェアを購入する費用がかかったり、システムを構築・保守・運用する人的コストをかけたりする必要があります。一方、クラウドストレージはベンダーが提供するプランに則り、年額または月額料金を支払えば保守・運用まで一括して行ってくれるため、コストを大きく抑えることが可能です。

構築

2つ目の違いは構築についてです。自社内で構築する必要があるファイルサーバーは、構築する際にはかなり細かな設定作業が必要になります。しかし、その分、機能の拡張性は高いことが特徴だと言えるでしょう。クラウドストレージは、構築が既に済んだサービスを利用するため、構築の手間は殆どかかりません。契約が済んでしまえば、当日にでも利用することが可能です。

研修

3つ目の違いは研修についてです。新たなシステムを導入する際には研修が必要不可欠です。実際にデータを保存して利用するユーザーはもとより、システムの管理者も不慣れなままではいけません。ファイルサーバー構築や保守のトレーニングをするならば、かなりの時間と手間がかかることを覚悟しましょう。しかし、一度育成してしまえば、企業にとってそのナレッジは財産になるはずです。一方で、クラウドストレージの場合は自社内で管理する必要は殆どありません。また、高度なUIを用いたシステムが構築されているためユーザー側の研修も複雑にはならないでしょう。

セキュリティ

4つ目の違いはセキュリティについてです。全てのデータは会社の財産です。その財産を守るためには、しっかりとしたセキュリティが必要でしょう。ファイルサーバーは自社内のハードウェアを使用してオンプレミスで細かく使用条件を設定できます。そのため、オフラインでのアクセスを可能にしたり、権限を詳細に設定したりすることで高いセキュリティが実現可能です。

クラウドストレージは、ファイルサーバー程には柔軟な権限設定ができない場合が多く、外部からのアクセスに対するリスクは存在します。一方で、ベンダーなどの専門家によるセキュリティが施されているため、リスクを理解したうえで適切な運用を行えば、リスクは軽減できるでしょう。

関連記事:ファイル共有に潜むリスクとは?発生しやすいリスクの種類と対策を解説

保守

5つ目の違いは保守についてです。システム上で何かトラブルが生じた際は、改修したり修繕したりしなければなりません。ファイルサーバーの場合、社内の担当者で難しければ、あらかじめ契約した外部業者に委託する必要があります。自社専用のカスタマイズをかけて構築しているため、改修に時間がかかることも少なくありません。クラウドストレージの場合、保守作業も含めて契約しているベンダーのサービス範囲になるため、社内で新たに作業することはほとんどないでしょう。

関連記事:【2024年版】ファイル管理とは何か?おすすめツール10選を徹底比較!ポイントも詳しく紹介

更新

6つ目の違いは更新についてです。システムを適切に運用していくためには、古くなったり期限切れになったりしているサービスを更新しなければなりません。ファイルサーバーの場合、連携しているシステムの確認やOSの状況などチェックしなければならない項目は多岐に及びます。クラウドストレージの場合、システムは常に最新版に自動更新されるのであまり気にする必要はありません。


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ファイルサーバーとクラウドストレージのメリットとデメリットを比較

ここまで、ファイルサーバーとクラウドストレージの違いを様々なテーマで解説してきました。下記では、ファイルサーバーとクラウドストレージのメリットとデメリットを見ていきましょう。

ファイルサーバーのメリット

ファイルサーバーは、カスタマイズ性が高く、アクセス権限の設定やオフライン時のみでのアクセス設定などが可能です。このため、セキュリティ面で優れているといえるでしょう。また、自社内で使用しなくなったパソコンやサーバーを有効活用できます。

ファイルサーバーのデメリット

ファイルサーバーは、自社で独自に構築・運用・保守する必要があるため費用やマンパワーが大きくかかります。担当者には専門的な知識が求められ、設定を誤った場合にはセキュリティ面で脆弱性が出てしまったり、アップデートに対応できなかったりする恐れがあります。また、ハードウェアを使用しているため、経年劣化を防ぎ、セキュリティ強化をはかるために自社内に物理的なスペースを確保して徹底管理する必要があります。

関連記事:【2024年版】セキュリティに強いオンラインストレージ9選を徹底解説!必要な対策・理由・よくある事故・選ぶポイントまで紹介

クラウドストレージのメリット

クラウドストレージは、ベンダーによるインターネット上のサービスを利用するため、自社内で新たにシステムを構築したりハードウェアを持ったりする必要がありません。保守・運用もベンダーで賄ってくれるため、費用やマンパワーなどのコストを抑えることができるでしょう。また、社内の担当者やユーザー側に専門的な知識は不要で、複雑な研修を実施する必要もありません。契約をしたあとすぐに導入することができることが大きな魅力です。

クラウドストレージのデメリット

クラウドストレージは、ベンダーによる既存のサービスを利用するため、ファイルサーバーよりもカスタマイズ性が低いといえます。また、インターネット上のサービスであるため、オフライン環境では使用することができません。

関連記事:ファイル共有を社内で行う最適な方法とは?おすすめツール7選も比較解説

ファイルサーバーとクラウドストレージの導入検討ポイント

実際にファイルサーバーやクラウドストレージを導入する際にはどのようなポイントに絞って検討すればいいのでしょうか。3つのポイントから見ていきます。

  • 自社の利用用途
  • サポート体制
  • セキュリティ強度

それでは1つずつ解説します。

自社の利用用途

導入検討ポイント1つ目は自社の利用用途です。自社がファイルサーバーやクラウドストレージの導入を検討するにあたり、利用用途を明確にすることは重要です。

社内でのみデータをやり取りするのであれば、ファイルサーバーで十分かもしれません。しかし、取引先や外部委託業者など他社とのやり取りも行う場合や会社内の知識のナレッジ化などを図るのであれば、クラウドストレージが適しているでしょう。様々なサービスや機能があるため迷ってしまいがちですが、自社での利用用途を明確にすることで、最適なシステムを選択することができます。

サポート体制

導入検討ポイント2つ目はサポート体制です。永続的に自社のデータを蓄積していくシステムを選択するにあたって、どのようなサポート体制が敷けるのかをしっかりと確認しなければなりません。

ファイルサーバーを運用するために自社内に情報システムの担当者を置けるのか、空調を整えたサーバー室は設置できるのかなど、細かく確認しましょう。また、クラウドストレージを利用する場合も、各種プランでどこまでメンテナンス補助をしてくれるのか、問合せ窓口は日本語対応で週末も稼働しているのかなど、トラブルが起こった際の想定をしながら、あらかじめチェックすることが重要です。

セキュリティ強度

導入検討ポイント3つ目はセキュリティ強度です。会社の財産であるデータを守るためには、どの程度までセキュリティ強度が必要なのかを把握しましょう。

そして、ファイルサーバーを構築する際には、どの程度までセキュリティ強度を上げた設計にできるのかを確認することも大切です。クラウドストレージの利用のときにも、各ベンダーが提供するサービスが通信やデータの暗号化を行っているか、ウイルス脅威にはどのような対策がとられているかなど、丁寧に比較検討することをお勧めします。


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まとめ

本記事では、ファイルサーバーとクラウドストレージの違いを仕組みや導入コスト・セキュリティなどの面から説明しつつ、実際に導入を検討する際のポイントまでをわかりやすく解説しました。それぞれが持つ特性をよく理解したうえで導入することで、安全で利便性の高いシステム運用が実現できることでしょう。

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