ファイル共有のセキュリティ対策|安全な方法とサービスの選び方

2025年12月22日(月) オンラインストレージ

企業活動において、ファイル共有は欠かせない業務の一つです。しかし、便利さの裏には情報漏洩や不正アクセスといった深刻なセキュリティリスクが潜んでいます。

実際、2023年に上場企業が公表した個人情報の漏えい・紛失事故は175件にのぼり、約4,090万人分もの情報が流出しました。事故原因の半数以上(53.1%)は「ウイルス感染・不正アクセス」で、ファイル共有にも利用される「社内システム・サーバ」が漏えい媒体の7割以上(71.4%)を占めています。

安全なファイル共有を実現するには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。

  • クラウドストレージやファイルサーバーなど、用途に応じた適切な共有方法を選ぶ
  • 暗号化、アクセス権限設定、多要素認証、ログ監視などの技術的対策を実施する
  • セキュリティポリシーの策定や従業員教育など、組織的な対策を並行して進める

この記事では、ファイル共有の主な方法とそれぞれのセキュリティ特性、具体的なリスクと対策、法人向けサービスの選定ポイント、おすすめのサービス比較まで、中小企業の情報システム担当者が実務で活用できる情報を網羅的に解説します。

ファイル共有の主な方法とセキュリティ上の特徴

ファイル共有の方法は多岐にわたり、それぞれ異なるセキュリティ特性を持っています。自社の業務要件やセキュリティポリシーに合わせて、適切な方法を選ぶことが重要です。

ここでは、代表的なファイル共有方法を3つのカテゴリーに分けて、それぞれのメリット・デメリットを整理します。

クラウドストレージによる共有

クラウドストレージは、インターネット経由でファイルを保管・共有する方法です。Google Drive、Dropbox、OneDrive、Boxなどが代表的なサービスで、多くの企業で利用されています。

最大の特徴は、場所やデバイスを問わずにファイルにアクセスできる柔軟性です。リモートワークや外出先からの業務にも対応しやすく、チーム内での共同編集もスムーズに行えます。

セキュリティ面では、アクセス権限設定や暗号化機能が標準装備されている点が強みです。多くのサービスでは、ファイルごと・フォルダごとに閲覧・編集権限を細かく設定でき、誰がいつアクセスしたかを記録するログ機能も備えています。

一方で、インターネット経由でアクセスするため、不正アクセスやフィッシング攻撃のリスクには注意が必要です。また、無料プランや個人向けプランではセキュリティ機能が限定的な場合もあるため、法人利用では有料プランを選ぶことが推奨されます。

ファイルサーバー・NASによる共有

ファイルサーバーやNAS(Network Attached Storage)は、社内ネットワーク内で運用するオンプレミス型の共有方法です。自社で物理的にサーバーを管理するため、データの保管場所を完全にコントロールできる点が特徴です。

セキュリティ面では、物理的なアクセス制御が可能な点が大きな強みです。社内ネットワーク内でのみアクセスできるように設定すれば、外部からの不正アクセスリスクを大幅に減らせます。また、データが自社内に保管されるため、クラウドサービスに比べて情報漏洩の経路が限定的です。

一方で、外部からのアクセスには別途VPN(仮想プライベートネットワーク)などの対策が必要になります。リモートワークが増えている現在、この点はデメリットになり得ます。また、サーバーの導入・運用には専門知識が必要で、定期的なメンテナンスやセキュリティパッチの適用も自社で行わなければなりません。

初期費用やランニングコストも考慮すべき点です。サーバー機器の購入費用に加えて、電気代や保守費用も継続的に発生します。

メール添付・USBメモリによる共有

メール添付やUSBメモリによる共有は、最も手軽で古くから使われている方法です。特別なツールやサービスを導入する必要がなく、誰でもすぐに利用できます。

しかし、セキュリティ面では最もリスクが高い方法と言えます。メール誤送信による情報漏洩は、企業の情報漏えい事故の原因の24.5%を占めており、決して無視できない割合です。宛先を間違えただけで、機密情報が外部に流出してしまうリスクがあります。

USBメモリも同様に、紛失・盗難のリスクが高い方法です。小型で持ち運びやすい反面、置き忘れや盗難が発生しやすく、暗号化やパスワード保護を施していても、物理的に紛失した時点で情報漏洩のリスクは残ります。

また、パスワード付きZIPファイルをメールで送信する「PPAP」と呼ばれる方法も、セキュリティ上の問題が指摘されており、政府機関では2020年に廃止されました。ファイルとパスワードが同じ経路で送信されるため、メールが盗聴されると両方とも漏洩するリスクがあり、さらにパスワードで暗号化されたZIPファイルはウイルススキャンをすり抜けてしまう可能性もあります。

ファイル共有に潜む具体的なセキュリティリスク

ファイル共有には、情報漏洩、不正アクセス、マルウェア感染、内部不正など、さまざまなセキュリティリスクが潜んでいます。これらのリスクを正しく理解し、適切な対策を講じることが、企業の信用と資産を守るために不可欠です。

2023年に上場企業が公表した個人情報の漏えい・紛失事故は175件にのぼり、漏えいした個人情報は約4,090万人分に達しました。事故原因の半数以上(53.1%)はウイルス感染・不正アクセスで、ファイル共有にも利用される社内システム・サーバが漏えい媒体の71.4%を占めています。また、企業の30.5%がセキュリティインシデントを経験したことがあると回答しており、ファイル共有におけるセキュリティ対策の重要性が浮き彫りになっています。

ここでは、ファイル共有で発生しうる代表的なリスクを3つのカテゴリーに分けて、具体例とともに解説します。

不正アクセスによる情報漏洩

不正アクセスは、第三者が許可なくファイルやシステムにアクセスし、情報を盗み出す行為です。ファイル共有サービスのアカウントが狙われるケースが多く、パスワードの使い回しやフィッシング攻撃により、アカウント情報が盗まれることがあります。

特に危険なのは、複数のサービスで同じパスワードを使い回している場合です。一つのサービスでパスワードが漏洩すると、他のサービスにも不正アクセスされるリスクが高まります。また、フィッシングメールによってログイン情報を騙し取られるケースも増えています。本物そっくりの偽サイトに誘導され、IDとパスワードを入力してしまうと、そのまま不正アクセスに利用されてしまいます。

不正アクセスが成功すると、機密情報や個人情報が外部に流出し、企業の信用失墜や損害賠償請求につながる可能性があります。顧客情報が漏洩した場合、取引先からの信頼を失うだけでなく、個人情報保護法違反として法的責任を問われることもあります。

誤送信・設定ミスによる意図しない公開

人為的なミスによる情報漏洩も、ファイル共有における大きなリスクです。メール誤送信や共有設定の誤りにより、機密情報が外部に流出するケースは後を絶ちません。

メール誤送信は、宛先を間違えるだけで発生します。「To」と「Cc」を間違える、オートコンプリート機能で似た名前の別人を選んでしまう、複数の宛先を入力する際に一人分をコピー&ペーストミスする、といった単純なミスが重大な情報漏洩につながります。2023年の調査では、誤表示・誤送信による情報漏えい・紛失事故が24.5%を占めており、決して無視できない割合です。

クラウドストレージでの共有設定ミスも危険です。「社内のみ」のつもりで「リンクを知っている全員」に設定してしまうと、URLが外部に漏れた時点で誰でもアクセスできてしまいます。また、共有リンクの有効期限を設定し忘れると、プロジェクト終了後もアクセス可能な状態が続き、退職した元社員や取引先の担当者が変わった後も情報にアクセスできてしまうリスクがあります。

マルウェア感染・ランサムウェア被害

添付ファイルや共有リンク経由でマルウェアに感染し、ファイルが暗号化・破壊されるリスクも深刻です。特にランサムウェアは、ファイルを暗号化して使用不能にし、復旧と引き換えに金銭を要求する悪質なマルウェアで、近年被害が急増しています。

マルウェアの感染経路として多いのは、メールの添付ファイルや本文中のリンクです。一見すると取引先や知人からの正規のメールに見えても、実際には攻撃者が送信した偽メールであることがあります。添付ファイルを開いたり、リンクをクリックしたりすると、マルウェアがダウンロードされて感染してしまいます。

ランサムウェアに感染すると、社内の重要なファイルが暗号化され、業務が完全に停止してしまいます。身代金を支払っても復旧できる保証はなく、むしろ支払ったことで攻撃者のリストに載り、再度標的にされるリスクもあります。バックアップがない場合、データを完全に失うことになり、企業活動に致命的な打撃を与えます。

安全性を高めるための具体的なセキュリティ対策

ファイル共有のセキュリティリスクを理解したら、次は具体的な対策を実施する段階です。ここでは、実務で即導入できる技術的な対策手法を4つ紹介します。

これらの対策は、それぞれ独立して効果を発揮しますが、組み合わせることでさらに強固なセキュリティ体制を構築できます。「できる気がする」と感じられるよう、各対策の実施方法と効果を具体的に解説します。

データの暗号化

暗号化は、データを第三者が読めない形式に変換する技術です。万が一データが盗まれても、暗号化されていれば内容を解読することは極めて困難になります。

ファイル共有において重要なのは、「通信時の暗号化」と「保存時の暗号化」の両方を実施することです。通信時の暗号化は、ファイルをアップロード・ダウンロードする際に、通信経路上でデータが盗聴されても内容を読み取れないようにする仕組みです。SSL/TLS(Secure Sockets Layer / Transport Layer Security)という技術が使われており、URLが「https://」で始まるサイトは通信が暗号化されています。

保存時の暗号化は、サーバーに保管されているファイル自体を暗号化する仕組みです。サーバーが不正アクセスされても、暗号化されたファイルは鍵がなければ開けません。多くの法人向けクラウドストレージでは、保存時の暗号化が標準で有効になっていますが、導入時には必ず確認しましょう。

設定方法は、利用するサービスによって異なりますが、多くの場合は管理画面から「セキュリティ設定」や「暗号化設定」を選ぶだけで有効にできます。特別な専門知識がなくても、数クリックで設定できるサービスがほとんどです。

アクセス権限の適切な設定

アクセス権限の設定は、「誰がどのファイルにアクセスできるか」を管理する仕組みです。必要最小限の権限付与(最小権限の原則)を実践することで、情報漏洩のリスクを大幅に減らせます。

具体的には、ファイルやフォルダごとに「閲覧のみ」「編集可能」「管理者」といった権限レベルを設定します。例えば、プロジェクトの進捗報告書は関係者全員が閲覧できるようにし、編集権限はプロジェクトリーダーのみに限定する、といった運用です。

プロジェクト単位や組織単位での柔軟な権限管理も重要です。部署ごとにフォルダを分け、それぞれの部署メンバーだけがアクセスできるように設定すれば、他部署の機密情報が不用意に共有されることを防げます。また、プロジェクト終了後や担当者の異動・退職時には、速やかにアクセス権限を削除することも忘れずに行いましょう。

例えば、NotePMのようなナレッジ管理ツールでは、プロジェクト単位・組織単位で柔軟にアクセス制限を設定でき、社外メンバー向けのゲスト権限も用意されています。誰がいつページを見たかを確認できる閲覧履歴機能や、見ていないページがわかる未読管理機能も搭載されており、適切な権限管理とログ監視を同時に実現できます。

【コラム】アクセス権限設定の実務ポイント

アクセス権限は「一度設定したら終わり」ではありません。定期的に見直し、不要になった権限は速やかに削除することが重要です。特に退職者のアカウントは、退職日当日に無効化するルールを徹底しましょう。また、外部との共有リンクには必ず有効期限を設定し、プロジェクト終了後は自動的にアクセスできなくなるよう設定することをおすすめします。

多要素認証の導入

多要素認証(MFA: Multi-Factor Authentication)は、パスワードに加えて、別の認証要素を組み合わせることで、不正アクセスを防ぐ最も効果的な対策の一つと言われています。

代表的な認証要素は、SMS(ショートメッセージ)で送られてくる確認コードや、スマートフォンの認証アプリ(Google Authenticator、Microsoft Authenticatorなど)で生成されるワンタイムパスワードです。ログイン時にパスワードを入力した後、スマートフォンに届いたコードを入力することで、本人確認が完了します。

多要素認証を有効にすると、仮にパスワードが漏洩しても、攻撃者はスマートフォンを持っていないためログインできません。フィッシング攻撃でパスワードを盗まれた場合でも、二つ目の認証要素がなければアクセスできないため、セキュリティが大幅に向上します。

設定方法は、多くのクラウドストレージサービスで「セキュリティ設定」や「アカウント設定」から「多要素認証を有効にする」を選ぶだけです。初回設定時にスマートフォンのアプリと連携させる必要がありますが、一度設定すれば以降は自動的に機能します。

ログ監視とアラート設定

ログ監視は、誰がいつファイルにアクセスしたかを記録・監視する仕組みです。異常なアクセスを早期に検知し、迅速に対応することで、被害を最小限に抑えられます

具体的には、ファイルのダウンロード履歴、共有設定の変更履歴、ログイン履歴などを定期的に確認します。例えば、深夜や休日に大量のファイルがダウンロードされている、退職予定の社員が機密ファイルにアクセスしている、見慣れないIPアドレスからログインがある、といった異常を発見できます。

アラート設定を活用すれば、異常なアクセスが発生した際に自動的に通知を受け取れます。管理者のメールやチャットツールに即座に通知が届くため、リアルタイムで対応できます。例えば、「特定のフォルダに社外からアクセスがあった場合」「1時間に100ファイル以上ダウンロードされた場合」など、条件を設定しておくと便利です。

法人向けファイル共有サービスの選定ポイント

セキュリティ対策の重要性を理解したら、次は自社に適したファイル共有サービスを選ぶ段階です。サービスを選定する際には、セキュリティ機能、料金、操作性、連携性など、複数の観点から比較検討することが重要です。

ここでは、中小企業の情報システム担当者が実際に比較検討する際のチェックリストとして活用できるよう、4つの主要な選定ポイントを整理します。

セキュリティ機能の充実度

最も重要なのは、セキュリティ機能がどれだけ充実しているかです。暗号化、アクセス制御、監査ログ、脅威検知など、必須のセキュリティ機能が揃っているかを確認しましょう。

具体的にチェックすべき項目は、通信時と保存時の両方で暗号化が行われているか、ファイルやフォルダごとに細かくアクセス権限を設定できるか、誰がいつどのファイルにアクセスしたかを記録する監査ログ機能があるか、多要素認証に対応しているか、といった点です。

また、第三者機関の認証を取得しているかも重要な判断材料になります。ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)やSOC2(セキュリティとプライバシーに関する監査報告書)などの認証を取得しているサービスは、一定の基準を満たしていることが客観的に証明されています。

料金プランとコストパフォーマンス

料金体系は、サービスによって大きく異なります。ユーザー数課金、容量課金、固定料金など、さまざまなプランがあるため、自社に適したプランを選定することが重要です。

ユーザー数課金は、利用するユーザー数に応じて料金が決まる方式です。例えば「月額1,500円/ユーザー」といった形で、社員数が増えるほど費用も増えます。少人数のチームには向いていますが、全社展開する場合はコストが膨らむ可能性があります。

容量課金は、保存するデータ量に応じて料金が決まる方式です。「100GBまで月額5,000円」「1TBまで月額15,000円」といった形で、ユーザー数が多くてもデータ量が少なければコストを抑えられます。一方、大容量のファイルを頻繁に扱う場合は、容量が不足しやすいため注意が必要です。

固定料金プランは、ユーザー数や容量に関係なく一定の料金で利用できる方式です。予算管理がしやすく、急にユーザーが増えても追加費用が発生しない点がメリットですが、小規模利用の場合は割高になることもあります。自社の利用規模と予算を照らし合わせて、最もコストパフォーマンスの高いプランを選びましょう。

操作性とユーザビリティ

どれだけ高機能なサービスでも、操作が複雑で社員が使いこなせなければ意味がありません。ITツールに不慣れな社員でも直感的に使えるUI(ユーザーインターフェース)・UX(ユーザーエクスペリエンス)であることが重要です。

具体的には、ファイルのアップロード・ダウンロードが簡単にできるか、フォルダ構造が分かりやすいか、検索機能が充実しているか、といった点をチェックしましょう。特に検索機能は、ファイル名だけでなく、ファイルの中身まで検索できると便利です。

スマートフォンやタブレットでも使いやすいかも確認すべきポイントです。外出先や移動中にファイルを確認・共有する機会が多い場合、モバイルアプリの使い勝手が業務効率に直結します。多くのサービスで無料トライアル期間が設けられているため、実際に操作してみて、自社の業務フローに合うかを確認することをおすすめします。

外部サービスとの連携性

既存のチャットツールやOfficeアプリとの連携機能も、業務効率を左右する重要なポイントです。SlackやMicrosoft Teams、Chatworkなどのチャットツールと連携できれば、ファイルの更新通知を自動で受け取れたり、チャット画面から直接ファイルを共有できたりします。

また、Microsoft OfficeやGoogle Workspaceとの連携も重要です。WordやExcel、PowerPointなどのファイルをブラウザ上で直接編集できるサービスなら、わざわざダウンロードして編集してアップロードし直す、という手間が省けます。複数人で同時に編集できるリアルタイム共同編集機能があると、さらに効率的です。

自社で既に利用しているツールとの相性を確認し、スムーズに連携できるサービスを選ぶことで、導入後の業務効率を大きく向上させられます。

セキュリティが強固なおすすめファイル共有サービス

選定ポイントを踏まえた上で、ここでは具体的な製品例を紹介します。セキュリティ機能、料金、容量、特徴を比較し、読者が実際に検討できる状態に導きます。

今回紹介するのは、Box、Dropbox Business、Google Drive(Google Workspace)、OneDrive for Business(Microsoft 365)、セキュアSAMBA、そしてファイル共有とナレッジ管理を統合したNotePMの6サービスです。それぞれ異なる強みを持っており、自社の業務要件や既存ツールとの相性を考慮して選ぶことが重要です。

主要サービスの比較表

まず、6つのサービスの主要な特徴を一覧表で比較します。セキュリティ機能、料金、容量、連携機能などを整理しているので、自社の要件と照らし合わせて確認してください。

サービス名 主な特徴 料金プラン(目安) セキュリティ機能
Box 政府機関・大企業での導入実績が豊富、7段階の詳細なアクセス権限設定 月額1,800円台から 通信・保存データの強力な暗号化、電子透かし、パスワードポリシー施行
Dropbox Business 使いやすさと高速同期、多様なビジネスツールとの連携 月額1,500円/ユーザー(3ユーザー以上) 256ビットAES・SSL/TLS暗号化、ランサムウェア検知・復元、詳細な共有権限設定
Google Drive (Google Workspace) Googleドキュメントとのリアルタイム共同編集、AIを活用した高度な検索 月額1,360円/ユーザー 詳細なアクセス権限設定、DLP機能、2段階認証必須化、自動ウイルス検査
OneDrive for Business (Microsoft 365) Microsoft 365アプリとの統合、Officeファイルのリアルタイム共同編集 Microsoft 365の各プランに含まれる 2段階認証、ウイルス検知、削除ファイル復元、詳細な共有ポリシー設定
セキュアSAMBA 国産サービス、中小企業向けの価格設定、ユーザー数無制限プランあり 無料プランから、容量に応じた月額固定プラン 通信・ファイルの二重暗号化、IPアドレス制限、端末認証、二段階認証
NotePM ファイル共有+ナレッジ管理の統合、ファイルの中まで全文検索、AI機能搭載 月額4,800円〜(8名まで) 柔軟なアクセス制限、閲覧履歴・未読管理、ゲスト権限、チャット連携・通知

各サービスの特徴

ここからは、各サービスを個別に紹介し、強み・適した企業タイプを明示します。自社の業務環境や既存ツールとの相性を考慮しながら、比較検討してください。

Box

Boxは、政府機関や金融機関など、極めて高いセキュリティレベルを要求される業界での導入実績が豊富なサービスです。世界最高水準のセキュリティとコンプライアンス準拠が特徴で、「セキュリティ」を最重要視する企業に適しています。

7段階の詳細なアクセス権限設定が可能で、ファイルごと・フォルダごとに「閲覧のみ」「アップロードのみ」「編集可能」「削除可能」など、細かく権限をコントロールできます。通信データと保存データの両方で強力な暗号化が施されており、電子透かしの埋め込みやパスワードポリシーの施行など、高度なセキュリティ機能が充実しています。

法人向けBusinessプランは月額1,800円台から利用でき、容量無制限のプランも用意されています。大企業や官公庁での導入実績が多く、信頼性を重視する企業におすすめです。

Dropbox Business

Dropbox Businessは、個人向けサービスで圧倒的な知名度を持ち、ビジネス向けにおいてもその使いやすさと堅牢なセキュリティを両立しているサービスです。幅広い層に馴染みがあり、導入しやすい点が大きな強みです。

256ビットAESとSSL/TLSによるデータの暗号化保護が施されており、ランサムウェアの検知と復元機能も備えています。万が一ランサムウェアに感染しても、過去のバージョンに戻せるため、被害を最小限に抑えられます。詳細な共有権限設定や、管理者によるログ監視も可能で、セキュリティと利便性のバランスが取れています。

Standardプランは月額1,500円/ユーザー(3ユーザー以上から)で利用でき、中小企業でも導入しやすい価格設定です。多様なビジネスツールとのシームレスな連携も魅力で、SlackやZoom、Microsoft Officeなど、既存のツールと組み合わせて使いやすいサービスです。

Google Drive (Google Workspace)

Google Driveは、Googleドキュメントやスプレッドシートとのシームレスな連携による共同編集機能が強力で、多くの企業で利用されているサービスです。コラボレーションの利便性とセキュリティを両立したいニーズに応えます。

管理者による詳細なアクセス権限・共有範囲の設定が可能で、データ損失防止(DLP)機能による機密情報の漏えい対策も充実しています。2段階認証プロセスの必須化や、共有ファイルの自動ウイルス検査など、セキュリティ機能が標準で備わっている点も安心です。

Business Standardプランは月額1,360円/ユーザーで利用でき、AIを活用した高度な検索機能も魅力です。ファイル名だけでなく、ファイルの中身まで検索できるため、必要な情報を素早く見つけられます。Googleのサービスを既に利用している企業には、特におすすめです。

OneDrive for Business (Microsoft 365)

OneDrive for Businessは、Microsoft 365との深い統合により、Officeアプリを利用する業務フローにおいて圧倒的な利便性を発揮するサービスです。特にWindows環境の企業で広く導入されており、市場シェアが高いサービスです。

Microsoft 365との連携で、Officeファイルのリアルタイム共同編集が可能です。WordやExcel、PowerPointなどのファイルをブラウザ上で直接編集でき、複数人で同時に作業できます。2段階認証やウイルス検知、削除したファイルの復元機能などセキュリティ機能も充実しており、管理者による詳細な共有ポリシー設定やアクセス制限も可能です。

単体プランのほか、Microsoft 365の法人向け各プランに含まれているため、既にMicrosoft 365を利用している企業は追加費用なしで使えます。Officeファイルを日常的に利用する企業に最適なサービスです。

セキュアSAMBA

セキュアSAMBAは、国産サービスであることの安心感と、中小企業でも導入しやすい価格設定が特徴のサービスです。ユーザー数無制限のプランがあり、コストを抑えつつセキュリティを確保したいというニーズに応えます。

通信とファイルの二重暗号化、IPアドレス制限、端末認証、二段階認証など、豊富なセキュリティ機能を備えています。国産サービスのため、日本語でのサポートが充実しており、トラブル時にも安心して相談できます。

フリープラン(無料)から、容量に応じた複数の月額固定プランまで用意されており、小規模から始めて段階的に拡大できる点も魅力です。国内でのデータ保管を重視する企業や、中小企業におすすめのサービスです。

NotePM

NotePMは、ファイル共有だけでなくナレッジ管理も同時に実現したい企業に適したサービスです。単なるファイル保管場所ではなく、マニュアル作成、ナレッジ共有、社内wikiを一元管理できる点が大きな特徴です。

最大の強みは、Word・Excel・PDF・PowerPointなど、添付ファイルの中身のテキストも全文検索の対象となる点です。ファイルサーバーでは見つけにくい情報も、NotePMなら瞬時に検索できます。また、ITツールに不慣れな人でも扱いやすいシンプル仕様のエディタを搭載しており、画像に矢印や文字を挿入できる画像編集機能も内蔵されています。

セキュリティ面では、プロジェクト単位・組織単位で柔軟にアクセス制限を設定でき、社外メンバー向けのゲスト権限も用意されています。誰がいつページを見たかを確認できる閲覧履歴機能と、見ていないページがわかる未読管理機能も搭載されており、適切な権限管理とログ監視を実現できます。

料金は月額4,800円から(8名まで)で、閲覧ユーザー(ゲスト)は実質無料で利用できます。Slack、Microsoft Teams、Chatworkなど主要なチャットツールと連携し、更新情報を自動通知できるため、情報の見逃しを防げます。ファイル共有とナレッジ管理を統合したい企業におすすめのサービスです。

【コラム】ファイル共有とナレッジ管理の統合メリット

ファイル共有とナレッジ管理を別々のツールで運用すると、情報が分散して探しづらくなります。NotePMのように両機能を統合したツールを使えば、ファイルもマニュアルも同じ場所で管理でき、検索も一度で済みます。特に、ファイルの中身まで検索できる機能は、「あのファイルに書いてあった情報が見つからない」という課題を解決します。

今さら聞けない「PPAP」の問題点と代替案

パスワード付きZIPファイルをメールで送信する「PPAP」という方法は、長年日本のビジネスシーンで広く使われてきました。しかし、セキュリティ上の深刻な問題が指摘され、政府機関では2020年に廃止されています。

ここでは、PPAPが抱える問題点と、代替となる安全なファイル共有方法を解説します。

PPAPが抱えるセキュリティ上の問題

2020年11月、当時の平井卓也デジタル改革担当大臣が、中央省庁でパスワード付きZIPファイルをメールで送信する方法(PPAP)を廃止する方針を発表しました。内閣府および内閣官房では2020年11月26日からPPAPを廃止し、代替手段として外部ストレージサービスを活用し始めています。

PPAPが問題視される主な理由は、ファイルとパスワードが同じ経路で送信されるため、メールが盗聴されると両方とも漏洩するリスクがあることです。一般的なPPAPの運用では、まず暗号化されたZIPファイルを添付したメールを送り、その直後に別のメールでパスワードを送ります。しかし、両方とも同じメール経路を通るため、攻撃者がメールサーバーを盗聴していれば、ファイルとパスワードの両方を入手できてしまいます。

さらに深刻なのは、パスワードで暗号化されたZIPファイルは、メール受信者側のセキュリティ対策ソフトによるウイルススキャンをすり抜けてしまう可能性があることです。暗号化されているため、セキュリティソフトがファイルの中身を検査できず、マルウェアが含まれていても検知できません。これにより、マルウェア感染のリスクを高めてしまいます。

PPAPに代わる安全なファイル共有方法

PPAPの代替案としては、クラウドストレージ(オンラインストレージ)の共有リンクを利用する方法、ファイル転送サービス、メール自体を暗号化するS/MIMEなどが挙げられます。それぞれの特徴を理解し、自社の業務に適した方法を選びましょう。

クラウドストレージの共有リンクは、最も推奨される代替案です。ファイルをクラウドストレージにアップロードし、アクセス権限を設定した上で共有リンクを発行します。リンクの有効期限やパスワード保護を設定でき、誰がいつアクセスしたかをログで確認できるため、セキュリティと利便性を両立できます。

ファイル転送サービスは、大容量ファイルの送信に特化したサービスです。メール添付では送れないサイズのファイルも、ファイル転送サービスを使えば安全に送信できます。多くのサービスでは、パスワード保護やダウンロード回数制限、有効期限設定などのセキュリティ機能が備わっています。

S/MIMEは、メール自体を暗号化する技術です。メール本文と添付ファイルの両方を暗号化するため、メールが盗聴されても内容を読み取られることはありません。ただし、送信者と受信者の両方がS/MIMEに対応している必要があり、導入のハードルはやや高めです。

ツール導入だけでは不十分|組織として取り組むべきセキュリティ対策

技術的な対策だけでは、ファイル共有のセキュリティは完全には守れません。人的・組織的な対策を並行して進めることで、初めて強固なセキュリティ体制を構築できます。

ここでは、情報システム担当者が経営層を説得し、組織全体でセキュリティ意識を高めるためのヒントを3つ紹介します。

セキュリティポリシーの策定と周知

セキュリティポリシーとは、ファイル共有に関する社内ルールを明文化したものです。「どのようなファイルを」「誰と」「どの方法で」共有して良いのか、具体的な基準を定めることで、社員の判断基準を統一できます。

例えば、「機密情報は社外との共有禁止」「取引先とのファイル共有はクラウドストレージのみ使用可」「共有リンクの有効期限は最長1週間」といった具体的なルールを設けます。ルールが曖昧だと、社員それぞれの判断でファイル共有が行われ、セキュリティリスクが高まります

策定したポリシーは、全社員に周知することが重要です。社内イントラネットに掲載するだけでなく、定期的な研修や朝礼での共有など、繰り返し伝える機会を作りましょう。ポリシーを知らなかった、理解していなかったという言い訳を許さない環境を整えることが、組織的なセキュリティ対策の第一歩です。

従業員へのセキュリティ教育

どれだけ優れたツールやポリシーを導入しても、社員のセキュリティ意識が低ければ効果は半減します。定期的な研修やeラーニングを通じて、セキュリティ意識を高める施策が不可欠です。

具体的には、年に1〜2回のセキュリティ研修を実施し、最新の脅威や事故事例を共有します。「自社には関係ない」と思われがちなセキュリティリスクも、具体的な事例を示すことで、自分ごととして捉えてもらいやすくなります。また、フィッシングメールの見分け方や、パスワード管理の重要性など、実務で役立つ知識を提供することも重要です。

eラーニングを活用すれば、社員が好きな時間に学習でき、理解度テストで習熟度を確認できます。全社員が同じレベルの知識を持つことで、セキュリティの穴を減らせます。

また、セキュリティポリシーやマニュアルを社内wikiとして整備しておくことも効果的です。NotePMのようなナレッジ管理ツールを活用すれば、セキュリティポリシーやマニュアルを一元管理でき、社員がいつでも参照できる環境を整えられます。高機能エディタで見やすいマニュアルを作成でき、未読管理機能で「誰がまだ読んでいないか」を把握できるため、確実な周知が可能です。

【コラム】セキュリティ教育の実施タイミング

セキュリティ教育は、新入社員研修時と年1〜2回の定期研修が基本ですが、大きなセキュリティインシデントが発生した直後も絶好のタイミングです。他社の事例でも、「明日は我が身」という危機感を持ってもらいやすく、研修の効果が高まります。また、年末年始や長期休暇前には、フィッシングメールや不正アクセスが増える傾向があるため、注意喚起を兼ねた短時間の研修を実施すると効果的です。

定期的な監査と改善サイクル

セキュリティ対策は、一度導入したら終わりではありません。定期的な監査と改善サイクルを回すことで、常に最新の脅威に対応できる体制を維持できます。

アクセスログの定期監査では、不審なアクセスがないか、退職者のアカウントが残っていないか、共有設定が適切かなどを確認します。四半期に一度、または半年に一度のペースで実施し、問題があれば速やかに是正します。

インシデント発生時の振り返りも重要です。情報漏洩や不正アクセスが発生した場合、原因を徹底的に分析し、再発防止策を講じます。「なぜ発生したのか」「どうすれば防げたのか」を全社で共有することで、同じミスを繰り返さない組織文化を育てられます。

安全なファイル共有とナレッジ管理を同時に実現したいならNotePMがおすすめ

ファイル共有のセキュリティ対策は、技術的対策と組織的対策の両輪が重要であることを解説してきました。クラウドストレージやファイルサーバーなど、用途に応じた適切な共有方法を選び、暗号化やアクセス権限設定、多要素認証、ログ監視などの技術的対策を実施することが基本です。

同時に、セキュリティポリシーの策定、従業員教育、定期的な監査といった組織的な対策を並行して進めることで、初めて強固なセキュリティ体制を構築できます。

まずは自社に適したツールを選定し、無料トライアルで使い勝手を確認してみましょう。セキュリティ機能、料金、操作性、連携性などを総合的に比較し、自社の業務要件に最も合ったサービスを導入することが、安全なファイル共有の第一歩です。

特に、ファイル共有だけでなくナレッジ管理も同時に実現したい企業には、NotePMがおすすめです。ファイルの中まで全文検索でき、柔軟なアクセス制限と閲覧履歴管理で安全性を確保しながら、マニュアル作成やナレッジ共有を一元管理できます。無料トライアルも用意されているので、ぜひ実際の使い勝手を体験してみてください。