クラウドファイルサーバはクラウド環境にデータを保存するための領域です。柔軟な領域拡張もでき、大容量データ保管にも対応していることから、近年利用社数が増加しています。しかし、いざ利用を検討しようとすると「詳細やメリットがよくわからない」「ファイルサーバとの違いがよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。本記事では、クラウドファイルサーバについて概要と必要なケース、オンプレミスのファイルサーバとの違い、メリットについても丁寧に解説していきます。
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目次
クラウドファイルサーバとは
まずは、クラウドファイルサーバとは何かを説明します。クラウドファイルサーバとは、クラウド上でさまざまなファイルを保管するサービスのことです。別名オンラインストレージや、クラウドストレージなどと呼ばれています。
クラウドファイルサーバは、元々オンプレミス型のファイルサーバで提供されていた機能が、インターネットを通して提供されるようになったものです。しかし近年、「オンプレミスのファイルサーバよりも運用負荷が低い」「カスタマイズ性が高い」というメリットにより、注目されるようになました。「ローカルにデータを保存する必要がない」などの利便性により、現在利用する企業が増えています。
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クラウドファイルサーバが必要となるケース
クラウドファイルサーバが必要となるケースについて、以下3点を解説します。
- 社外のファイル共有
- リモートワーク対応
- 大容量の機密文書の管理
それでは、1つずつ解説していきます。
社外のファイル共有
1つ目は、社外のファイル共有です。顧客や取引先などと資料を共有したい場合は、クラウドファイルサーバの利用がおすすめです。たとえばメールでは容量制限があるため、2MB〜3MBを超えるデータは送れないものが多いです。また、過去にメールで送った情報を取り出したい時に、探す手間がかかってしまいます。社内のファイルサーバに共有したい情報を格納しても、外部の企業からは社内ネットワークにアクセスできません。
そのため、社外で情報をやりとりするためにはお互いが共通でアクセスできる、プラットフォームとなるクラウドファイルサーバを使うことが適しているでしょう。社外の担当者とファイルを共有したい場合、クラウドファイルサーバが役立ちます。
リモートワーク対応
2つ目は、リモートワーク対応です。リモートワーク時に気軽にファイルサーバにアクセスするには、クラウドファイルサーバが適しています。クラウドファイルサーバは、インターネット上にあるため、専用のVPN回線を経由せずに繋ぐことができます。また、Webブラウザを開けば、どの端末からでもアクセス可能です。
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大容量の機密文書の管理
3つ目は、大容量の機密文書の管理です。たとえば、社内の倉庫などに大量に保管されている紙文書を、初期費用を抑えて電子化したい場合、クラウドファイルサーバが適しています。社内のオンプレミスサーバの場合、サーバの老朽化対応のために5~6年で入れ替えしなければなりません。データ移行も必要なため、時間もコストもかかります。
クラウドファイルサーバを利用すれば、老朽化対応もクラウドサービス提供会社が実施するため、更改やデータ移行することなく、長期間安定して機密文書を管理できます。また、常に最新のセキュリティ対策がなされているため、安全な環境で利用できます。
クラウドファイルサーバとオンプレミスとの違い
クラウドファイルサーバとオンプレミスとの違いについて、説明します。オンプレミス型のファイルサーバは、クラウドファイルサーバに比べ、カスタマイズ性が高いという特徴があります。自社でハードウェア選定から、設置・設定まで全てを行えるため、自由な設定変更ができます。その一方で物理ハードウェアの購入など、初期コストが高くなりがちです。
クラウドファイルサーバは、サービスとして提供されるため、オンプレミスに比べてカスタマイズ性は低いと言えます。その分、月額の定額制で利用でき、初期費用を安く抑えることができます。運用保守もサービス提供事業会社が行いますし、サービス利用中にやめたくなったら契約をやめれば良いだけなので、導入するハードルが低いです。
クラウドファイルサーバのメリット
クラウドファイルサーバのメリットについて、以下3点を解説します。
- 場所を問わない利用が可能
- システム運用担当者の負荷軽減
- 容量拡張が容易
それでは、1つずつ解説していきます。
場所を問わない利用が可能
1つ目のメリットは、場所を問わない利用が可能なことです。クラウドファイルサーバはインターネットを利用してWebブラウザ等でアクセスするため、テレワークや外出先など、場所が変わってもスムーズな業務が可能です。たとえば営業担当者が顧客先に訪問中、急遽提案書などの資料が必要になった際、社内に戻らなくてもクラウドファイルサーバにアクセスすれば、すぐに取り出せます。顧客への対応スピードが向上すれば、営業評価も高まる可能性があります。
システム運用担当者の負荷軽減
2つ目のメリットは、システム運用担当者の負荷軽減です。クラウドファイルサーバを利用すれば、これまでオンプレミスで必要だった定期的なOSのアップデート・バックアップなどは、サービス提供会社が実施してくれるため、自社のメンテナンス作業が不要になります。
また、急にサーバやアプリケーションに障害が発生したとしても、緊急対応に追われることがありません。クラウドサービス提供会社が調査から対策まで対応するため、自社担当者は復旧を待つだけです。クラウドファイルサーバを導入すれば、従来のファイルサーバに比べてメンテナンス作業が少なく済み、自社のシステム運用担当者の負荷が軽減されます。
容量拡張が容易
3つ目のメリットは、容量拡張が容易なことです。クラウドファイルサーバは、契約時にプランを選んで格納できる容量が決まります。サービス利用中に容量を追加したい時は、プランを変更する、もしくは必要な容量を購入するだけで簡単追加することができます。オンプレミスのように、HDDもSSDなども自社で購入する必要がありません。
容量は利用中に柔軟に変更することができるため、契約時に最大の利用状況を見据えたプランを選択する必要もありません。クラウドファイルサーバは、サービス利用でも簡単に容量を変更することができます。
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クラウドファイルサーバで考えられる注意点
クラウドファイルサーバで考えられる注意点について、以下4点を解説します。
- 社員のセキュリティ意識改革が必要
- 想定よりもコストがかかる可能性も
- カスタマイズ性が低い
- アクセス権限の設定
それでは、1つずつ解説していきます。
社員のセキュリティ意識改革が必要
1つ目の注意点は、社員のセキュリティ意識改革が必要なことです。クラウドファイルサーバはインターネット上でアクセスするため、社外のネットワークを利用します。基本的に誰でもアクセスできるため、サイバー攻撃の対象にもなりやすいです。そのため、社員が従来の社内サーバと同じ感覚で、パスワードの使い回しをしたり管理方法を怠ってしまうと、情報漏洩などのリスクが高まります。
クラウドファイルサーバを利用する際は社員一人一人が、自身のユーザーID/パスワードを十分に気をつけて管理すること、カフェなどの公開されているWi-Fiなどを使わないようにすることが大切です。クラウド利用の際は、社員のセキュリティ意識改革が必要になります。
想定よりもコストがかかる可能性も
2つ目の注意点は、想定よりもコストがかかる可能性もあることです。クラウドファイルサーバは月額利用料を採用しているサービスが多いです。ユーザーIDの数や契約容量によってコストが変わるため、利用中に格納容量や利用ユーザーが増えるとその分コストも追加されて、当初想定していた予算を超える可能性もあります。想定外のコストが発生しないようにするために、データの保管期間や、最大どれくらいのユーザー・容量を利用する可能性があるのかを事前に調査した上で、適切なプランを検討する必要があります。
カスタマイズ性が低い
3つ目の注意点は、カスタマイズ性が低いことです。クラウド型ファイルサーバは、SaaS(Software as a Service)であり、提供される機能が決まっています。オンプレミスのように自社で柔軟に設定変更することは基本的にできません。そのためよく調べずに契約すると、想定していた作業をできない、と気付くこともあるかもしれません。ギャップを少なくするためにも、契約前に担当者が実際の操作感を試すこと、自社が必要な機能が搭載されているかを確認しましょう。
アクセス権限の設定
4つ目の注意点は、アクセス権限の設定です。クラウドファイルサーバは、提供サービスによって、アクセス権限の設定方法、考え方が異なります。たとえばAD連携など、認証方式がサービスによって違うでしょう。認識方式が違えば、従来利用しているファイルサーバのアクセス権限の設定をそのまま引き継げない可能性があり、一から全て設定が必要になるなど、設定に手間がかかります。クラウドファイルサーバを導入する前に、アクセス権限の設定方法や、自社が求めている認証方式が対応しているかについて、しっかりと確認しましょう。
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まとめ
本記事では、クラウドファイルサーバについて解説しました。ファイルサーバは運用メンテナンスに手間がかかることから、クラウドサービスを利用することが便利と言えます。クラウドファイルサーバを利用する際は、クラウドならではの注意点もありますので、本記事でしっかりとおさえて、自社に適したファイルサーバを選択してください。
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