近年、日本では働き方改革の推進と新型コロナウイルス感染拡大の影響で、テレワークが急速に普及しています。テレワークにはファイルやデータの保存・共有が不可欠であるため、多くの企業はストレージサーバーを導入しています。
しかし、ストレージサーバーが具体的にどのようなものなのか、よくわからない人も多いのではないでしょうか。今回の記事では、ストレージサーバーの基礎知識やメリット・デメリット、NASとの違いについて解説します。
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目次
ストレージサーバーとは
ストレージサーバーとは一体どのようなものなのでしょうか。ストレージサーバーの基礎知識として以下の2点を解説していきます。
- 概要
- ストレージとサーバーの違い
1つずつ、見ていきましょう。
概要
ストレージサーバーとは、ネットワーク上でデータを保存・共有・管理するために使われるサーバーです。主に、データの保存や共有のために構築します。通常のサーバーと違い、ストレージサーバーは高度なデータ検索機能や管理機能を備えています。また、ストレージの容量も大きいという特徴があります。しかし、ストレージサーバーは特定の目的のために設計されたサーバーであるため、通常のサーバーよりもアプリケーションの数が少なく、サーバーとしての汎用性はやや劣ります。
ストレージサーバーは基本的に、データの保存やアクセスのための中央アクセスポイントとしての役割を担います。ストレージサーバーには「専用サーバー」と「非専用サーバー」の2つがあり、保存するデータの種類に違いがあります。専用サーバーはストレージサーバーに特化しているため、ワークステーションとしてのデータベースやファイルの読み書きが主な役割ですが、非専用サーバーはあらゆる種類のデータを保存することができます。
ストレージとサーバーの違い
どちらもよく耳にする言葉であるストレージとサーバーですが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。ストレージは「保管」や「倉庫」といった意味を持ち、その名の通り、データを保存するためのものです。パソコンやスマートフォンには必ず備わっており、ハードディスクやSSDがストレージだと言えます。また、企業で用いられるようなストレージは一般的なストレージよりも遥かに大規模な保存領域を持つため、非常に多くのデータを保存することが可能です。
サーバーは「供給者」という意味を持ち、こちらからの操作に対して何かを提供してくれるものです。身近な例を挙げると、ウォーターサーバーがイメージしやすいでしょう。「水が欲しい」「お湯が欲しい」といったこちらの要求に応じた操作をすることで、サーバー側はこの要求に応えてくれます。
情報システムにおいてサーバーが提供してくれる「何か」にはさまざまなものがあります。そのため、サーバーにはシステムサーバーやWebサーバーなど種類も多様です。
関連記事:ストレージとは?4つの種類と容量不足時のリスクと容量を増やす方法を解説
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ストレージサーバーの種類
ストレージサーバーの種類には、以下の2つがあります。
- オンプレミス型
- クラウド型
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
オンプレミス型
オンプレミス型のストレージサーバーとは、主に企業で使用される社内に設置されたストレージサーバーで、ファイルの共有や交換のために使用されます。オンプレミス型のメリットは、クローズドなネットワーク環境で使用できる点です。オープンな環境でなくても使用できるため比較的安全性が高く、セキュリティ対策についても特に制限がないため、ウイルス対策ソフトやアクセスログ監視などを自由に使用できます。
また、カスタマイズ性の高さも魅力です。セキュリティ面ではもちろんのこと、保存領域の増設やユーザー管理などの機能の追加も必要に応じて自由に行うことが可能です。デメリットは、物理的に設置されたサーバーであるため、メンテナンスが必須となる点です。
カスタマイズ性の高さも裏を返せば出来ることが多い分、運用ルールの徹底や管理者の任命などが必要になり、担当者の負担になってしまうことも少なくありません。また、会社自体が災害などの被害にあった場合、サーバーも影響を受けるため業務に支障が出る可能性があります。
クラウド型
クラウド型のストレージサーバーとは、クラウド環境に構築されたサーバーあるいはオンラインストレージサービスを利用したものを指します。従来はストレージサーバーといえばオンプレミス型が主流でしたが、近年ではクラウド型を導入する企業も増えています。
クラウド型のメリットは、導入コストが安価である点です。オンプレミス型は物理的にサーバーを設置するため、どうしても構築費用がかかりますが、クラウド型は提供されるサービスを利用するだけで導入できるため、一定のサービス利用料のみで利用できます。
また、サーバーを運営していくうえでメンテナンスをする必要もありません。サーバーに何らかの障害が発生した場合はベンダーが復旧してくれます。セキュリティ面もベンダー側で対応してくれるので、セキュリティ対策を行う手間がかかりません。
デメリットは、回線障害に弱い点です。クラウド環境に構築されているため、インターネット回線に障害が発生すると利用できなくなってしまいます。復旧作業をこちらで行う必要はないものの、すぐ復旧されるという保証はないため、復旧されるまでの間、業務は停止せざるを得ないでしょう。
関連記事:【2024年版】法人向けクラウドストレージおすすめ17選を徹底比較!選定のポイントも紹介
ストレージサーバーのメリット
ストレージサーバーのメリットは以下の3つです。
- 容易にファイル共有が行える
- 容量拡張が柔軟にできる
- 情報管理が安全に行える
それぞれ解説します。
容易にファイル共有が行える
ストレージサーバーは容易にファイル共有が行えます。例えばUSBメモリなどの記憶媒体を用いてファイル共有を行おうとした場合、USBメモリを直接手渡しで渡さなければならず手間がかかります。ストレージサーバーを利用すれば、共有したいファイルをサーバーにアップロードするだけで容易にファイルを共有することができます。
関連記事:ファイル共有を社内で行う最適な方法とは?おすすめツール7選も比較解説
容量拡張が柔軟にできる
USBメモリやハードディスクなどは、容量を増やすには物理的に数を増やさなくてはなりません。しかし、ストレージサーバーなら容量を増設できるため、必要なときに必要なだけ拡張できる柔軟性があります。またコスト面も優秀で、比較的安価に容量拡張することができます。
情報管理が安全に行える
ストレージサーバーは誰もがアクセスできるわけではなく、アクセス権限のある人のみが利用できます。そのため、情報管理を安全に行うことができます。また、データのバックアップが取れるため、誤ってデータを削除してしまったり、パソコンが故障してしまったりした場合でも安心です。
ストレージサーバーのデメリット
ストレージサーバーのデメリットは以下の3つです。
- 導入にコストと手間がかかる
- データ紛失の恐れがある
- 運用コストがかかる
それぞれ解説します。
導入にコストと手間がかかる
ストレージサーバーは細かい設定が可能であるため、どうしても設定項目が多くなり導入に手間がかかってしまいます。特にアクセス権限はユーザー数が多いほど時間と手間がかかり、社内担当者の負担になりがちです。
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データ紛失の恐れがある
ストレージサーバーはセキュリティ面は万全ですが、物理的にハードディスクが故障してしまうと、保存していたデータは消失してしまいます。全データの消失を防ぐためには、定期的なバックアップや複数のストレージサーバーの運用などの対策が必要です。
運用コストがかかる
ストレージサーバーは継続的な運用をしなければならず、24時間常に稼働し続けるもののため、サーバー維持費やライセンス費用などの運用コストがどうしてもかかってしまいます。サーバーの設定次第では複数の管理者が必要となるため、人件費も考慮しなくてはならないでしょう。
クラウド型はオンプレミス型より低コストで運用できるため、少しでも運用コストを抑えたいならクラウド型を検討してみてください。
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ストレージサーバーとNASの違い
ストレージサーバーと似た役割を持つものにNASがあります。NASは「Network Attached Storage」の略で、ネットワーク内に接続できる外付けのハードディスクのことです。ではこの2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
最も大きな違いは、ストレージサーバーはファイルを保存・管理するシステムなのに対し、NASはファイルを保存するためだけのハードディスクという点です。ストレージサーバーはファイルの保存はもちろんのこと、豊富な設定項目と拡張性の高さから柔軟な運用・ユーザー管理ができます。一方NASは管理機能という面では劣るものの、導入コストが安価、物理的なサーバーより筐体が小さいといったメリットもあります。どちらを導入するのかは、双方の特徴をよく把握したうえで選択することをおすすめします。
まとめ
今回の記事では、ストレージサーバーについて、ストレージサーバーの概要やメリット・デメリット、NASとの違いについて解説しました。リモートワークの普及に伴いストレージサーバーを導入する企業は増加していくことが予想されます。メリットだけでなくデメリットもしっかり把握して、賢く効率的に運用できるようにしておきましょう。
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