業務改善を進めたいと考えているものの、「何から手をつければいいのか分からない」「現場の属人化を解消したい」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
業務改善の第一歩として有効なのが、業務手順をマニュアル化することです。マニュアルを作成することで業務が見える化され、誰が担当しても同じ品質で作業できる体制を構築できます。さらに、新人教育の時間短縮や、業務のムダ・ムラの発見にもつながります。
この記事では、業務改善とマニュアルの関係から、マニュアル作成の具体的な5ステップ、わかりやすいマニュアルを作るための7つのコツ、さらには作成を効率化するツールの比較まで、実践的な情報を網羅的に解説します。
マニュアル作成は決して難しいものではなく、正しい手順とポイントを押さえることで、現場で実際に使われる実用的なマニュアルを完成させることができます。業務改善を成功させるための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
目次
業務改善とマニュアルの関係
業務改善を進めるうえで、マニュアル作成は最も効果的な第一歩です。マニュアルを作ることで業務の流れが整理され、問題点が明確になります。この章では、業務改善の基本的な考え方と、マニュアルがなぜ業務改善に欠かせないのかを解説します。
業務改善とは何か
業務改善とは、日々の業務プロセスにおけるムリ・ムダ・ムラを排除し、QCD(品質・コスト・納期)を最適化する活動のことです。品質を高めながらコストを削減し、納期を守れる体制を作ることが目的となります。
具体的には、以下のような状態を改善することを指します。
■ムリ(過度な負担)
特定の担当者に業務が集中している、無理なスケジュールで作業を進めているといった状態です。担当者の疲弊や離職につながり、業務の継続性を損ないます。
■ムダ(不要な作業)
二重入力や不要な承認プロセス、使われない資料の作成など、成果に直結しない作業のことです。こうしたムダを削減することで、本来注力すべき業務に時間を使えるようになります。
■ムラ(品質や作業時間のばらつき)
担当者によって作業手順が異なり、品質や所要時間にばらつきが出ている状態です。手戻りやクレームの原因となり、組織全体の生産性を低下させます。
業務改善を進めるには、まず現状の業務を正確に把握することが必要です。そのための有効な手段が、次に解説するマニュアル化です。
マニュアルが業務改善に必要な理由
マニュアルを作成すると、これまで頭の中や個人のメモに留まっていた業務手順が文書として可視化されます。この可視化こそが、業務改善の起点となります。
マニュアル化によって得られる効果は、大きく3つあります。
1. 属人化の解消
「この業務はAさんにしかできない」という状態を属人化と呼びます。属人化が進むと、担当者の休暇や退職時に業務が滞るリスクが高まります。
マニュアルがあれば、担当者が不在でも他のメンバーが業務を引き継ぐことができます。特定の人に依存しない体制を作ることで、組織全体の安定性が向上します。
2. 業務の標準化
マニュアルによって作業手順が統一されることで、誰が担当しても同じ品質を担保できるようになります。これを業務の標準化と呼びます。
標準化により、作業のばらつきが減り、ミスや手戻りが減少します。また、品質が安定することで、顧客満足度の向上にもつながります。
3. ナレッジの共有と蓄積
ベテラン社員が持っているコツやノウハウは、組織にとって貴重な資産です。しかし、こうした知識が個人の中に留まったままでは、組織全体で活用することができません。
マニュアル化によってノウハウを文書として残すことで、組織の知識レベルが底上げされます。新人でもベテランの知恵を参考にしながら業務を進められるため、教育期間の短縮にもつながります。
このように、マニュアルは単なる手順書ではなく、業務改善を進めるための基盤となるツールです。次の章では、実際にマニュアルを作成する具体的な手順を解説します。
業務改善マニュアル作成の5ステップ
マニュアル作成は、正しい手順を踏むことで誰でも実践できます。この章では、目的の明確化から最終的なレビュー・改善まで、5つのステップに分けて具体的な進め方を解説します。各ステップで押さえるべきポイントを理解することで、現場で実際に使われるマニュアルを完成させることができます。
ステップ1:目的・対象業務・範囲の明確化
マニュアル作成の最初のステップは、「なぜ作るのか」「誰が使うのか」「どの業務を対象とするのか」を明確にすることです。この土台がしっかりしていないと、作成途中で方向性がぶれてしまい、結果として誰にも使われないマニュアルになってしまいます。
■目的を明確にする
新人教育の効率化なのか、業務品質の均一化なのか、特定の担当者への依存を減らすことなのか。目的によって、マニュアルに盛り込むべき内容や詳しさのレベルが変わります。
■対象者を特定する
新入社員向けなのか、中途採用者向けなのか、あるいは既存社員の参照用なのか。対象者のスキルレベルに応じて、説明の詳しさや専門用語の使い方を調整する必要があります。
■対象業務と範囲を決める
すべての業務を一度にマニュアル化しようとすると、作業量が膨大になり挫折しやすくなります。まずは優先度の高い業務から着手することが重要です。
優先順位をつける際は、以下の3つの観点で判断するとよいでしょう。
- 業務の頻度(毎日行う業務は優先度が高い)
- 業務の重要度(ミスが大きな影響を及ぼす業務は優先度が高い)
- 属人化の度合い(特定の担当者にしかできない業務は優先度が高い)
これらの観点から評価し、最も優先度の高い業務から着手することで、早期に成果を実感できます。
ステップ2:現状業務の洗い出しと可視化
目的と範囲が決まったら、次は対象業務の現状を正確に把握します。このステップを丁寧に行うことで、抜け漏れのないマニュアルを作成できます。
■情報収集の3つの方法
現状業務を把握するには、ヒアリング、観察、既存資料の確認という3つの方法を組み合わせることが効果的です。
ヒアリングでは、実際に業務を担当している人に作業手順や注意点を聞き取ります。ただし、担当者自身が当たり前だと思っている作業は説明を省略してしまうことがあるため、観察も合わせて行うことが重要です。
観察では、実際の作業を横で見せてもらい、手順を一つひとつ確認します。口頭では説明されなかった細かい動作やコツを発見できることがあります。
既存資料の確認では、過去に作られたマニュアルやメモ、業務フローチャートなどがあれば参考にします。ただし、情報が古くなっている可能性があるため、必ず現状と照らし合わせて確認しましょう。
■業務フローチャートと5W1Hで整理する
収集した情報は、業務フローチャート(業務の流れを図で示したもの)と5W1H(誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように)のフレームワークで整理すると、抜け漏れを防ぐことができます。
業務フローチャートを作成することで、業務の全体像が把握しやすくなり、どの工程で時間がかかっているのか、どこにムダがあるのかが見えてきます。
5W1Hで整理することで、「誰が」「いつ」「どこで」といった情報が明確になり、マニュアルの記述に必要な要素を漏れなく盛り込むことができます。
ステップ3:マニュアルの構成設計と記述ルール策定
業務内容を整理したら、次はマニュアルの構成を設計し、記述ルールを決めます。この準備を事前に行うことで、作成者による品質のばらつきを防ぎ、読みやすいマニュアルを作ることができます。
■目次を作成する
マニュアル全体の構成を目次として整理します。大見出し、中見出し、小見出しの階層を明確にすることで、読者が必要な情報にすぐにアクセスできるようになります。
■記述ルールを統一する
フォーマット、用語、表記方法を統一することで、マニュアル全体の一貫性が保たれます。具体的には、以下のようなルールを決めておきます。
- 見出しのレベル分け(H2、H3、H4の使い分け)
- 箇条書きの記号(・、-、数字など)
- 専門用語の統一(例:「お客様」と「顧客」を混在させない)
- 敬体(です・ます調)と常体(だ・である調)の統一
■テンプレートを活用する
マニュアルのテンプレートを用意しておくと、作成者による品質差を解消できます。テンプレートには、目的、対象者、作業手順、注意点、トラブル対応といった項目をあらかじめ設定しておきます。
こうした準備を事前に行うことで、実際の執筆作業がスムーズに進み、完成後の修正作業も減らすことができます。
ステップ4:内容の執筆と図解化
構成とルールが決まったら、いよいよ本文の執筆に入ります。このステップでは、わかりやすい文章を書くことと、図や写真を効果的に活用することがポイントです。
■わかりやすい文章の3つの原則
マニュアルの文章は、簡潔・具体的・時系列を意識して書くことが重要です。
簡潔さとは、一文を短くし、余計な修飾語を削ることです。長い文章は読み手の理解を妨げます。一文は50文字以内を目安にしましょう。
具体性とは、抽象的な表現を避け、具体的な数値や固有名詞を使うことです。「適量」ではなく「200ml」、「しばらく待つ」ではなく「5分間待つ」と記載します。
時系列とは、作業の流れに沿って順番に説明することです。「まず」「次に」「最後に」といった接続詞を使うことで、手順が明確になります。
■図・写真・動画を活用する
文章だけで説明するよりも、図や写真を併用することで理解度が大幅に向上します。特に、操作手順や機械の使い方など、視覚的な情報が重要な業務では必須です。
業務フローチャートを掲載することで、全体の流れを一目で把握できます。スクリーンショットや写真を使うことで、具体的な操作方法を示すことができます。
複雑な作業や、動きを伴う作業の場合は、動画マニュアルを作成することも効果的です。最近では、スマートフォンで撮影した動画を簡単にマニュアル化できるツールも登場しています。
ステップ5:レビュー・試運用・改善
マニュアルの初稿が完成したら、いきなり本番運用するのではなく、レビューと試運用を経て改善することが重要です。このステップを省略すると、実務との乖離が生じ、使われないマニュアルになってしまいます。
■現場担当者によるレビュー
マニュアルの内容が実務と合っているかを、実際に業務を担当している人にチェックしてもらいます。作成者が見落としていた手順や、現場でしか知り得ない注意点を指摘してもらうことができます。
レビューでは、内容の正確性だけでなく、わかりやすさも確認してもらいましょう。専門用語が多すぎないか、説明が不足していないかといった視点でフィードバックを集めます。
■試運用で問題点を洗い出す
レビューを反映したら、実際にマニュアルを使って業務を行ってもらう試運用を実施します。新人や異動者など、業務に不慣れな人に試してもらうことで、説明不足や分かりにくい箇所が浮き彫りになります。
試運用中は、つまずいた箇所や質問が出た箇所を記録しておきます。これらの情報をもとに、マニュアルを改善していきます。
■改善を繰り返す
試運用で得られたフィードバックをもとに、マニュアルを修正します。一度の修正で完璧にしようとせず、運用しながら継続的に改善していく姿勢が大切です。
このように、5つのステップを丁寧に進めることで、現場で実際に使われる実用的なマニュアルを完成させることができます。
【コラム】マニュアル作成でよくある失敗
マニュアル作成でよくある失敗は、「完璧を目指しすぎて完成しない」ことです。最初から100点を目指すのではなく、まずは70点のマニュアルを早く完成させて、運用しながら改善していくアプローチが効果的です。現場で使われることで初めて価値が生まれるため、スピード重視で進めましょう。
業務改善マニュアル作成のメリットとデメリット
マニュアル作成には多くのメリットがありますが、同時にデメリットや懸念点も存在します。この章では、両面を正直に提示し、デメリットへの対策も含めて解説します。メリットとデメリットを理解することで、マニュアル作成を成功させるための準備ができます。
マニュアル作成のメリット
マニュアルを作成することで、組織全体の生産性向上や業務品質の安定化といった効果が得られます。ここでは、3つの主要なメリットを具体的に解説します。
業務品質の向上と標準化
マニュアルがあることで、誰が担当しても同じ手順で作業を進めることができます。これにより、担当者による品質のばらつきが解消され、一定の品質を担保できるようになります。
また、ベテラン社員が持っているコツやノウハウをマニュアルに盛り込むことで、組織全体の知識レベルが底上げされます。個人の経験やスキルに依存していた業務が、組織の資産として蓄積されるのです。
結果として、ミスや手戻りが減少し、顧客満足度の向上にもつながります。
人材育成の効率化
新入社員や中途採用者が入社した際、マニュアルがあれば教育にかかる時間を大幅に短縮できます。マニュアルを読んで自習してもらうことで、OJT担当者の負担が軽減されます。
また、マニュアルがあることで、教える人によって説明内容が変わるという問題も解消されます。誰が教えても同じ内容を伝えられるため、教育の質が安定します。
さらに、新人が独り立ちするまでの期間が短縮されることで、早期に戦力化できるというメリットもあります。
属人化の解消と業務継続性の確保
特定の担当者にしかできない業務があると、その人が休暇を取ったり退職したりした際に業務が滞ってしまいます。マニュアルがあれば、他のメンバーが代わりに業務を進めることができます。
特に、引き継ぎや異動の際には、マニュアルがあることで引き継ぎにかかる時間を大幅に削減できます。口頭での説明だけでは漏れが生じやすいですが、マニュアルがあれば確実に情報を伝えることができます。
このように、マニュアルは組織の業務継続性を高めるための重要なツールです。
マニュアル作成のデメリットと対策
マニュアル作成には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットや懸念点も存在します。しかし、これらのデメリットは適切な対策を講じることで解消できます。ここでは、3つの主なデメリットと、その対策を解説します。
作成に時間と手間がかかる
マニュアル作成には、業務の洗い出しから執筆、図解作成まで、多くの時間と労力が必要です。特に、通常業務と並行して進める場合、負担が大きくなりがちです。
対策:スモールスタートとツール活用
すべての業務を一度にマニュアル化しようとせず、まずは優先度の高い業務から着手するスモールスタートが有効です。一つのマニュアルを完成させて効果を実感してから、次の業務に取り組むことで、モチベーションを維持できます。
また、テンプレートやマニュアル作成ツールを活用することで、作成工数を大幅に削減できます。特に、PC操作を自動でキャプチャしてマニュアル化するツールや、動画から字幕を自動生成するツールなどは、作成時間を劇的に短縮できます。
マニュアル通りの業務しかできなくなる可能性
マニュアルに頼りすぎると、従業員が自分で考えなくなり、柔軟な対応ができなくなるという懸念があります。特に、例外的な状況への対応力が低下するリスクがあります。
対策:判断基準と例外対応の記載
マニュアルには、手順だけでなく、判断基準や例外対応も記載することが重要です。「この場合はAを選択、別の場合はBを選択」といった判断のポイントを示すことで、状況に応じた対応ができるようになります。
また、マニュアルは一度作って終わりではなく、定期的に見直して更新することが必要です。業務の変化に合わせてマニュアルも進化させることで、柔軟性を維持できます。
従業員のモチベーション低下リスク
マニュアル化によって、「自分の仕事が単純作業になってしまう」「自分の価値が下がる」と感じる従業員が出てくる可能性があります。特に、長年の経験やノウハウを持つベテラン社員に、こうした抵抗感が生まれやすいです。
対策:目的の共有と現場の巻き込み
マニュアル化の目的は、個人のスキルを奪うことではなく、組織全体の生産性を高めることだと明確に伝えることが重要です。マニュアルがあることで、単純作業から解放され、より創造的な業務に時間を使えるようになるというメリットを共有しましょう。
また、マニュアル作成の過程で現場の意見を積極的に取り入れることで、当事者意識を醸成できます。「自分たちが作ったマニュアル」という意識があれば、活用への抵抗感も薄れます。
このように、デメリットは存在しますが、適切な対策を講じることで解消できます。次の章では、マニュアルの品質を高めるための具体的なコツを解説します。
わかりやすいマニュアル作成の7つのコツ
マニュアルは作るだけでは不十分で、現場で実際に使われることが重要です。この章では、読者が「これなら自分にもできる」と感じられる、わかりやすいマニュアルを作るための7つの実践的なコツを紹介します。
フォーマットとレイアウトの統一
マニュアル全体で見出し、本文、図表の配置ルールを統一することで、読みやすさが格段に向上します。読者は一度ルールを理解すれば、スムーズに情報を探せるようになります。
具体的には、見出しのレベル(H2、H3、H4)を明確に区別し、本文のフォント、文字サイズ、行間を統一します。図表は本文の近くに配置し、参照しやすくします。
テンプレートを作成して活用することで、作成者によるレイアウトの違いを防ぐことができます。複数人でマニュアルを作成する場合は、テンプレートの使用が特に重要です。
5W1Hで情報を整理する
5W1H(誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように)のフレームワークを使って情報を整理すると、抜け漏れを防ぐことができます。
たとえば、「月次報告書を作成する」という業務をマニュアル化する場合、「誰が(営業担当者が)」「いつ(毎月末日までに)」「どこで(営業管理システムで)」「何を(売上実績と活動報告を)」「なぜ(経営判断の材料とするため)」「どのように(所定のフォーマットに入力して)」と整理することで、必要な情報が明確になります。
この5W1Hを意識することで、読者が疑問を持たずに業務を進められるマニュアルになります。
図・画像・動画を効果的に活用する
文章だけで説明するよりも、図や画像、動画を併用することで、理解度が大幅に向上します。特に、視覚的な情報が重要な業務では必須です。
業務フローチャートを掲載することで、全体の流れを一目で把握できます。複雑な業務プロセスも、図にすることで理解しやすくなります。
システム操作や機械の使い方を説明する場合は、スクリーンショットや写真を使うことで、具体的な操作方法を示すことができます。「このボタンをクリック」という説明だけでなく、実際の画面を見せることで、迷わずに操作できます。
動きを伴う作業や、複雑な手順の場合は、動画マニュアルが効果的です。最近では、スマートフォンで撮影した動画を簡単にマニュアル化できるツールも登場しており、作成のハードルが下がっています。
時系列で手順を整理する
作業手順は、実際の作業の流れに沿って時系列で記載することが基本です。読者が迷わずに作業を進められるよう、順番を明確にします。
「まず」「次に」「その後」「最後に」といった接続詞を使うことで、手順の順序が明確になります。また、ステップ番号(ステップ1、ステップ2…)や箇条書きの番号を使うことで、視認性が向上します。
複数の作業が並行して進む場合は、フローチャートを使って分岐を示すとわかりやすくなります。
注意点・トラブル対応を明記する
業務を進める上で起こりやすいミスや、トラブルが発生した際の対処法を事前に記載しておくことで、実用性が高まります。
よくあるミスや失敗パターンを「注意」として明記することで、同じミスの再発を防げます。たとえば、「保存ボタンを押し忘れると、入力内容が消えてしまいます」といった注意書きがあれば、ミスを未然に防げます。
また、トラブルが発生した際の対処法や、問い合わせ先を記載しておくことも重要です。「エラーメッセージが表示された場合は、〇〇部署に連絡してください」といった情報があれば、読者は安心して業務を進められます。
具体例・見本を示す
抽象的な説明だけでなく、具体的な例や見本を示すことで、読者の理解が深まります。特に、判断が必要な業務では、判断基準を具体的に示すことが重要です。
たとえば、「適切な期日を設定する」という説明だけでは曖昧ですが、「通常案件は受注日から2週間後、急ぎ案件は1週間後を期日とする」と具体的に示すことで、迷わずに判断できます。
また、記入例や完成見本を掲載することで、「こういう風に仕上げればいいのか」とイメージしやすくなります。
目次・見出しで検索性を高める
マニュアルは最初から最後まで読むものではなく、必要な情報を探すために使われることが多いです。そのため、目次や見出しを充実させて、検索性を高めることが重要です。
目次から必要な情報にすぐにアクセスできるよう、見出しには具体的なキーワードを含めましょう。「その他の注意事項」ではなく、「データバックアップの注意事項」と具体的に記載することで、探しやすくなります。
また、電子マニュアルの場合は、全文検索機能を活用できるよう、キーワードを適切に配置することも効果的です。
これら7つのコツを実践することで、現場で実際に使われるマニュアルを作成できます。次の章では、マニュアル作成を効率化するツールを紹介します。
【コラム】検索性を高めるキーワード戦略
マニュアルの検索性を高めるには、現場でよく使われる言葉をキーワードとして盛り込むことが重要です。たとえば、正式名称が「顧客情報管理システム」でも、現場で「顧客DB」と呼ばれているなら、両方の表記を併記しておくと検索しやすくなります。作成前に現場でよく使われる用語をリストアップしておきましょう。
業務改善マニュアル作成におすすめのツール
マニュアル作成を効率化し、継続的な更新を実現するには、専用ツールの活用が有効です。この章では、マニュアル作成・管理に特化したツールを5つ厳選し、それぞれの特徴や料金、向いている用途を比較しながら紹介します。
主要ツールの比較表
まず、5つのツールの基本情報を一覧表で比較します。自社の規模や主な用途に応じて、最適なツールを選ぶ参考にしてください。
| ツール名 | 提供会社 | 主な用途 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| NotePM | 株式会社プロジェクト・モード | ナレッジ共有・社内Wiki | 月額4,800円(8ユーザー)~ | 強力な全文検索、中小企業でも導入しやすい |
| Teachme Biz | 株式会社スタディスト | 画像・動画マニュアル | 月額59,800円(税抜)~ | ビジュアルベースで直感的、閲覧状況管理が充実 |
| Dojo | 株式会社テンダ | システム操作マニュアル | クラウド版:月額80,000円~ 買い切り版:1,440,000円~ |
PC操作の自動キャプチャ、多形式出力 |
| tebiki | Tebiki株式会社 | 動画マニュアル | 要問い合わせ | 字幕自動生成、100カ国語以上への自動翻訳 |
| Confluence | Atlassian | Wiki・プロジェクト文書 | 無料(10ユーザーまで)~ | Jira連携、豊富なテンプレート |
それぞれのツールは異なる強みを持っており、企業の規模や主な用途によって最適な選択肢が変わります。次のセクションでは、各ツールの特徴を詳しく解説します。
各ツールの特徴と選定ポイント
ここでは、5つのツールそれぞれの強みと、どのような企業・用途に向いているかを詳しく解説します。
NotePM
NotePMは、マニュアル作成機能に加え、社内Wikiや日報、議事録など、社内のあらゆる情報を一元管理できるナレッジ共有ツールです。マニュアルだけでなく、組織全体の知識を蓄積・共有するプラットフォームとして活用できます。
最大の特徴は、WordやExcel、PDFなどのファイルの中身まで検索できる強力な全文検索機能です。必要な情報をすぐに見つけられるため、マニュアルの活用度が高まります。また、高機能エディタと豊富なテンプレートにより、誰でも簡単に見やすい文書を作成できます。
編集履歴や閲覧状況が自動で記録されるため、誰がいつ閲覧したか、どのバージョンが最新かを簡単に把握できます。情報の更新管理が容易で、常に最新の情報を共有できる点も強みです。
料金は月額4,800円(8ユーザー)からと、中小企業でも導入しやすい価格帯です。マニュアルだけでなく、社内のナレッジ全体を整理・共有したい企業に特におすすめです。
Teachme Biz
Teachme Bizは、画像や動画を中心としたビジュアルベースのマニュアルを、誰でも簡単に作成・共有できるツールです。スマートフォンで撮影した写真や動画をアップロードし、ステップ形式で手順を説明できるため、文章が苦手な人でも直感的にマニュアルを作成できます。
特に、現場作業が多い小売、飲食、製造業などでの業務改善や教育コスト削減の実績が豊富です。マニュアルの閲覧状況や習熟度テストの結果を管理・分析できる機能も充実しており、誰がどのマニュアルを読んだか、理解度はどの程度かを把握できます。
また、キーワード検索やQRコードで必要なマニュアルにすぐにアクセスできるため、現場での使い勝手も良好です。承認ワークフロー機能もあり、マニュアルの品質管理もしやすくなっています。
料金は月額59,800円(税抜)からと、中堅企業以上向けの価格帯です。ビジュアルを重視したマニュアルを作りたい企業や、閲覧状況を管理したい企業に向いています。
Dojo
Dojoは、PCのシステム操作マニュアル作成に特化したツールです。PC操作を録画するだけで、画面キャプチャ付きの手順書や動画コンテンツを自動生成できるため、マニュアル作成の工数を大幅に削減できます。
システム導入時の研修や問い合わせ対応の工数を削減できるため、業務改善効果が高く、3,000社以上の導入実績があります。特に、社内システムの操作マニュアルや、ソフトウェアの使い方を説明するマニュアルの作成に威力を発揮します。
Word、Excel、PowerPoint、HTML5など10種類以上の形式で出力できるため、用途に応じて最適な形式を選べます。また、eラーニング教材としても活用できる動的なコンテンツを作成できる点も特徴です。
料金はクラウド版が月額80,000円から、買い切り版が1,440,000円からと、やや高額ですが、システム操作マニュアルの作成工数を考えれば十分に元が取れる投資です。
tebiki
tebikiは、現場作業の教育に特化した動画マニュアル作成ツールです。スマートフォンで撮影した動画をアップロードするだけで、字幕の自動生成や多言語翻訳が可能なため、動画マニュアルの作成ハードルが大幅に下がります。
音声認識による字幕の自動生成と、100カ国語以上への自動翻訳機能を搭載しており、外国人スタッフへの教育や、海外拠点でのマニュアル展開に非常に有効です。技能伝承や、言葉では説明しにくい作業手順の共有に威力を発揮します。
また、レポート機能でスタッフの閲覧状況や理解度を可視化・管理できるため、誰がどのマニュアルを見たか、どこまで理解しているかを把握できます。動画ならではの分かりやすさが、業務改善に直結します。
料金は要問い合わせとなっていますが、動画マニュアルの作成・管理に特化した機能を考えれば、製造業や物流業など、現場作業が多い企業にとって価値のある投資です。
Confluence
Confluenceは、世界中の多くの企業、特にIT・開発部門で利用されているWikiベースの情報共有ツールです。柔軟な編集機能と強力な連携機能を持ち、マニュアルだけでなく議事録やプロジェクト計画など、あらゆる情報を集約・整理できます。
Wiki形式で誰でも簡単にページの作成・編集が可能で、豊富なテンプレートにより議事録やプロジェクト文書などを効率的に作成できます。特に、Jiraをはじめとする多数の外部ツールと連携できるため、開発プロジェクトの情報を一元管理したい企業に向いています。
無料プラン(10ユーザーまで)があり、スモールスタートしやすい点も魅力です。小規模チームであれば、まず無料プランで試してから、必要に応じて有料プランに移行することができます。
グローバル企業での導入実績が豊富で、日本語を含む多言語に対応しています。IT企業や開発部門を持つ企業、すでにAtlassian製品を使っている企業には特におすすめです。
【コラム】ツール選定の3つのポイント
マニュアル作成ツールを選ぶ際は、①主な用途(文書中心か、動画中心か)、②利用人数と予算、③既存システムとの連携性の3点を重視しましょう。特に、すでに使っているチャットツールやプロジェクト管理ツールと連携できるかは重要です。無料トライアルがあるツールは、実際に試してから判断することをおすすめします。
マニュアルを定着させ継続的に改善する運用方法
マニュアルは作成して終わりではありません。現場に定着させ、継続的に改善していくことで、初めて業務改善の成果につながります。この章では、マニュアルを組織に根付かせ、常に最新の状態を保つための運用ノウハウを解説します。
マニュアルの共有方法と周知
マニュアルを作成しても、社員が存在を知らなければ使われません。全社員がアクセスしやすい場所に配置し、更新情報を確実に伝える仕組みを作ることが定着の第一歩です。
共有場所としては、社内の共有フォルダやクラウドストレージ、社内Wikiなど、普段から社員がアクセスする場所を選びましょう。複数の場所に散在させると、どれが最新版か分からなくなるため、一元管理することが重要です。
マニュアルが更新された際は、チャットツール(SlackやTeamsなど)と連携して自動通知する仕組みを作ると、周知漏れを防げます。また、導入時には説明会や研修を開催し、マニュアルの目的や使い方を共有することで、活用への意識を高めることができます。
定期的な見直しと更新のルール化
業務は常に変化するため、マニュアルも定期的に見直して更新する必要があります。更新のルールを明確にしておくことで、継続的な改善が可能になります。
更新頻度、担当者、承認フローをあらかじめ決めておきましょう。たとえば、「四半期ごとに各部署の担当者がレビューし、変更があれば更新する」といったルールを設定します。担当者が不明確だと、誰も更新しないまま放置されてしまいます。
また、現場からのフィードバックを収集する仕組みも重要です。マニュアルに「わかりにくい点があれば〇〇に連絡」といった問い合わせ先を記載しておくことで、実務との乖離を早期に発見できます。
バージョン管理機能があるツールを使えば、改訂履歴を自動で記録できるため、いつ誰が何を変更したかを追跡できます。これにより、問題が発生した際に以前のバージョンに戻すことも可能です。NotePMのような編集履歴機能を持つツールを活用することで、更新管理の負担を大幅に軽減できます。
効果測定とPDCAサイクル
マニュアルの効果を定量的に測定し、改善につなげるPDCAサイクルを回すことで、継続的な業務改善が実現します。
閲覧状況や活用度を測定することで、マニュアルが実際に使われているかを把握できます。ツールによっては、誰がどのマニュアルを閲覧したか、どのページが最も見られているかを分析できます。閲覧されていないマニュアルは、存在を知られていないか、内容が実務に合っていない可能性があります。
また、業務時間やミス発生率といった指標で、マニュアル導入前後の変化を測定することも重要です。たとえば、「新人の独り立ちまでの期間が2週間短縮された」「問い合わせ件数が30%減少した」といった具体的な成果を可視化することで、マニュアルの価値を証明できます。
定期的に課題を洗い出し、改善策を実施するPDCAサイクルを回すことで、マニュアルの品質が向上し、業務改善の効果も高まります。NotePMのような閲覧履歴や未読管理機能を持つツールを活用すれば、誰がどのマニュアルを見ていないかを把握でき、効果測定と改善のサイクルをスムーズに回すことができます。
業務改善マニュアルの作成・管理を効率化したいならNotePMがおすすめ
業務改善を成功させるには、マニュアル化が有効な第一歩です。業務を見える化し、属人化を解消し、標準化を進めることで、組織全体の生産性を向上させることができます。
マニュアル作成は、目的と範囲の明確化から始まり、現状業務の洗い出し、構成設計、執筆、レビュー・改善という5つのステップで進めます。わかりやすいマニュアルを作るには、フォーマットの統一、5W1Hでの整理、図解の活用、時系列での記載といったコツを押さえることが重要です。
また、マニュアルは作成して終わりではなく、現場に定着させ、継続的に更新していくことが不可欠です。共有方法の工夫、定期的な見直しのルール化、効果測定とPDCAサイクルを回すことで、マニュアルが組織に根付き、業務改善の成果につながります。
マニュアル作成・管理を効率化するには、専用ツールの活用が効果的です。特に、社内のナレッジ全体を一元管理し、強力な検索機能で必要な情報にすぐアクセスできるNotePMは、マニュアルの作成から運用、定着までをトータルでサポートします。
NotePMは、高機能エディタと豊富なテンプレートにより誰でも簡単に見やすいマニュアルを作成でき、WordやExcel、PDFなどのファイルの中身まで検索できる全文検索機能で、必要な情報を瞬時に見つけられます。編集履歴や閲覧状況の自動記録により、常に最新の情報を共有でき、月額4,800円(8ユーザー)からという手頃な価格で導入できます。
業務改善マニュアルの作成を検討している方は、まずNotePMの無料トライアルで実際の使い勝手を確認してみてください。マニュアル作成の負担を減らしながら、組織全体の知識を蓄積・活用できる環境を整えることができます。


