マニュアル作成のコツは?|目的・手順・作成後にありがちな失敗を紹介

2025年05月28日(水) マニュアル作成

 

社内の業務を効率化するため、「マニュアル作成のコツが知りたい」「マニュアル作成のおすすめテンプレートやツールを知りたい」という人も多いのではないでしょうか。

マニュアル作成を成功させるには「コツを押さえておく」「適切なツールを選ぶ」ことが重要です。

効果的なマニュアルを作成できれば、社内の業務効率が上がり、企業業績の向上にも寄与します。

本記事では、マニュアル作成の基本事項や作成の手順、成功させるコツを解説します。

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マニュアル作成ツール

目次

マニュアル作成の4つの目的

マニュアル作成の4つの目的

1.業務効率化の実現

マニュアルの役割の1つ目は、業務効率化の実現です。

マニュアルがあれば、異動で業務を一から教えなければならない社員や、新入社員の教育に、ベテラン社員が割く時間が短縮されます。

また、これまで業務知識が個人に依存していた企業においては、ノウハウやナレッジの共有が進み全従業員が習得できる環境になると、業務品質が安定して業務効率化が進みます。

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2.業務の全体像の把握

マニュアルの役割の2つ目は、業務の全体像の把握です。

マニュアルでは業務遂行にあたりどのように進めるのかをフロー化し、全体像を示します。

業務を進めるにあたって同じ業務に複数の社員がかかわるため、各社員が業務の全体像を把握していることが必要です。マニュアルがあると全体像を理解でき、どの役割を誰が担当して進めていくのかもわかります。

手順書を見ながら行う作業が、業務全体のどの部分を担っているのかを知るためにマニュアルは欠かせません。

3.新入社員の早期戦力化

マニュアルの役割の3つ目は、新入社員の早期戦力化です。

業務の手順書を理解するにあたり、「なぜその業務が必要なのか」を示す役割を担っています。会社には経営理念・経営方針・目標など俯瞰した視点があり、それを実現するために一つひとつの業務が存在します。

業務は必ず意味があって担うものである、とマニュアルを通して新入社員に伝えなければなりません。

新入社員はマニュアルを理解することで、自身が担う業務の必要性と重要性を知り早期戦力化してくれます。

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4.業務の属人化解消

マニュアルの役割の4つ目は、業務の属人化解消です。

属人化とは、ある業務の進め方を特定の人しか把握していない状況を指します。属人化している業務については、進め方を知っている人が不在になると対応できる人がいなくなってしまいます。

属人化している業務の手順を担当者がマニュアルに記載して共有すれば、担当者が不在のときでも業務遂行が可能です。

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マニュアルと手順書の違い

マニュアルと手順書は似ているようですが、業務内容の説明の仕方に違いがあります。

マニュアルとは業務全体を俯瞰しまとめた文書で、業務をスムーズに行うための手順や規則などが網羅的に記載されているものです。

マニュアルには単純な業務の流れだけではなく、業務の基礎となる経営方針・経営理念・組織構成など、業務を理解するうえで前提となる基本条件も記載されています。

一方、手順書は業務を遂行するにあたって確実な手順がまとめられた文書で、マニュアルの中の一工程を深掘りして書いたものです。

たとえば、オフィスの入室の手順をまとめる場合、マニュアルでは「朝は中央の扉から入室」と記載します。

対して手順書では1.顔認証・2.セキュリティカード認証・3.解錠・4.手指消毒など、4つの工程があることを記載します。

マニュアル作成の手順6ステップ

マニュアル作成の手順6ステップ

マニュアルを作成するときには、次のような6つのステップで進めていきます。

  1. マニュアルが必要な業務を整理する
  2. 各業務におけるマニュアル作成スケジュールと担当者を決める
  3. 各業務のフローと関係者を洗い出す
  4. マニュアルの構成を決める
  5. テンプレートやフォーマットを活用し、マニュアルを制作する
  6. 仮運用し、マニュアルの改善点を洗い出す

マニュアル作成を成功させるには、手順通り進めることが重要です。マニュアル作成をどのような手順、内容で進めていけばいいのか見ていきましょう。

STEP1:マニュアルが必要な業務を整理する

業務の洗い出し

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マニュアル作成の最初のステップは、マニュアルが必要な業務を明確に特定し、優先順位をつけることです。

まず、社内で行われている業務をリストアップします。これには、日々繰り返される定型業務だけでなく、発生頻度は低いものの重要な非定型業務や、過去にミスや問い合わせが多かった業務も含めます。

洗い出しの具体的な方法としては、既存の業務一覧表の確認、各部門の担当者へのヒアリング、過去のトラブル報告書の分析などが有効です。

洗い出した業務の中から、マニュアル化することで特に効果が高いと考えられる以下のような業務に優先順位をつけ、対象を絞り込むことが、効率的なマニュアル作成の第一歩となります。

【優先度が高いとされる業務の具体例】

  • 新人が早期に覚えるべき業務
  • ミスが発生すると影響が大きい業務
  • 複数の担当者が関わる複雑な業務 など

STEP2:各業務におけるマニュアル作成スケジュールと担当者を決める

マニュアル作成の2つ目のステップは、スケジュールと担当者を決めることです。

あらかじめスケジュールを決めて、マニュアル作成を後回しにしないのが大切です。マニュアルを共有したい時期から逆算して、作成に必要な期間や工数を考慮したうえでスケジュールを決定します。

たとえば、新卒社員向けのマニュアルであれば、4月入社にあわせて遅くとも3月までには完成させる必要があります。

会社の繁忙期を避けて、1日で何時間ほどマニュアル作成にかけられるのかを計算し、スケジュールを決めましょう。

また、スケジュールを決めるときには、マニュアル作成を業務として各従業員に割り振ることが重要です。業務としてマニュアル作成を進めなければ、スケジュール通りに作成が進みません。

従業員にマニュアル作成の業務を割り振っておけば、一人ひとりの負担が少なく短期間で作成業務が進みます。

STEP3:各業務のフローと関係者を洗い出す

マニュアル作成の対象業務が決まったら、次にその業務の具体的な流れ(フロー)と、各工程に関わる担当者(関係者)を詳細に洗い出します。

マニュアル作成

出典:【事例で紹介!】 活用されるマニュアルづくりと定着のコツ 動画無料配信

業務フローは、開始から終了までの一連の作業ステップを時系列に並べ、必要に応じて分岐や判断ポイントを明記します。シンプルなものであれば箇条書きでも構いませんが、複雑な業務の場合はフローチャートを用いると視覚的に分かりやすくなるのです。

この段階でフローを明確にすることで、後のマニュアル構成作成や記述の抜け漏れ防止に繋がります。関係者の洗い出しにおいては、各作業ステップの実際の担当者、管理者、関連部署の担当者などをリストアップします。

そして、これらの関係者に対してヒアリングを行い、以下の内容を詳細に確認しましょう。

  • 業務の具体的な手順
  • コツ
  • 注意点
  • 過去にあった問題点 など

ヒアリングの際は、事前に質問リストを準備し、記録を取りながら行うと効率的です。

STEP4:マニュアルの構成を決める

マニュアル作成の4つ目のステップは、マニュアルの構成を決めることです。

マニュアルはいきなり書き出してしまうと、時間ばかりがかかってしまい内容がまとまらないという事態に陥りやすいです。

STEP3で洗い出した業務フローを参考に項目を並べて、各項目に記載する内容を箇条書で整理してみましょう。これでマニュアルの構成が定まります。

事前に構成案を可視化していれば、本文の執筆もスムーズです。

STEP5:テンプレートやフォーマットを活用し、マニュアルを制作する

マニュアル作成の5つ目のステップは、テンプレートやフォーマットを活用しマニュアルを制作することです。

マニュアルを作成する際は、フォーマットの統一をおすすめします。文字の大きさやフォントをはじめデザインをあらかじめ決めておけば、マニュアル作成時にスムーズに内容を詰められます。

細かい点ですが、決まっていればあとはそれにしたがって記載を進めるだけなので、必要最低限の時間でマニュアル作成が可能です。

また、フォーマットを決めるときには、マニュアル作成のひな形を用意するのが大切です。

マニュアルが普及しない原因の一つには、マニュアルのひな形が存在せず、1から作成するのが面倒である点が挙げられます。事前に問題点を解決しておけば、マニュアル作成のフォーマットを決める時間が短縮できます。

見やすいマニュアル作成について詳しく知りたい人は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

>関連記事:見やすいマニュアルの作り方4ステップ!10個のレイアウトテクニックも紹介

STEP6:仮運用し、マニュアルの改善点を洗い出す

マニュアルの初版が完成したら、実際の業務で試験的に運用(仮運用)し、実用上の課題や改善点を洗い出します。このステップは、マニュアルの品質を大きく左右する重要な工程です。

仮運用では、マニュアルの対象読者となる従業員(特に業務経験の浅いメンバーなど)に実際にマニュアルを使用してもらい、以下の観点からフィードバックを収集します。

【フィードバックの観点】

観点 詳細
分かりやすさ ・専門用語が多すぎないか
・説明は明確か
・図やイラストは適切か
正確性 ・記述されている手順や情報に誤りはないか
・最新の業務内容と一致しているか
網羅性 ・必要な情報が記載されているか
・不足している情報はないか
実用性 ・実際に業務を行う上で役立つか
・探している情報がすぐに見つかるか

フィードバックは、アンケートや、ヒアリング、観察などを通じて具体的に収集し、それらを基に改善点をリストアップしてマニュアルの修正に繋げます。

なお、「マニュアルの存在の周知」「保管場所やタイトルのルール設定」「定期的な更新」といった点は、仮運用後の本格運用フェーズにおける重要なポイントです。

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マニュアル作成を成功させる10のコツ

マニュアル作成を成功させるには、次のようなコツを押さえておく必要があります。

  • 目的を明確にする
  • 読み手の視点に立つ
  • 業務フローや関係者を整理する
  • 要点を明確にする
  • 階層構造にあわせたマニュアルにする
  • 検索性を高める
  • イレギュラーな業務についても記載する
  • 図やイラスト、動画を活用する
  • 完璧なマニュアルを求めない
  • ツールを利用する

コツ1.目的を明確にする

マニュアルを作成する際は、まず「何のために作るのか」という目的をはっきりさせることが大切です。これがマニュアル作成の成功を左右する、最初のステップになります。

たとえば、以下のように具体的な目標を設定するとよいでしょう。

  • 新入社員の研修期間を1ヶ月から2週間に短縮する
  • 特定業務のヒューマンエラーを前期比で30%削減する
  • 顧客からの問い合わせを月間100件から50件に減らす

このように、数値化できる明確な目標を立てることで、マニュアルに「何を書くべきか」「どこまで詳しく書くべきか」といった方針が明確になります。

もし目的が曖昧なままマニュアル作成を始めてしまうと、情報の焦点が定まらず、本当に必要な内容が抜け落ちる可能性があるでしょう。

逆に、しっかりと目的を設定しておけば、記載内容の範囲や表現方法、ゴールのイメージが具体的になり、関係者との認識も揃いやすくなります。

コツ2.読み手の視点に立つ

マニュアルの出来栄えは、「読み手にとってどれだけ分かりやすく、役に立つか」で決まります。

どれだけ丁寧に書かれていても、使う人にとって理解しづらければ、そのマニュアルは実務で活用されません。だからこそ、読み手の立場に立って考えることが、マニュアル作成の成功に欠かせません。

まず大切なのは、マニュアルの想定読者(ペルソナ)をはっきりとイメージすることです。

【ペルソナの具体例】

  • ITスキルがあまり高くない新入社員
  • 入社3年目の中堅社員
  • 他部署から異動してきたばかりの担当者

こうした読者がどのような知識レベルで、どのような状況でマニュアルを読むのかを考慮しながら、文章の内容やトーンを調整していきます。

その際、特に注意すべきポイントは以下の通りです。

ポイント 補足
専門用語や社内略語は極力避ける やむを得ず使う場合は、注釈を加えるか、別途用語集を用意する。
平易でわかりやすい表現を使う 誰が読んでも理解できる言葉で書くことが重要です。
読み手が持ちそうな疑問を先回りして解消する 業務の中でつまずきやすいポイントや、よくある質問には事前に対応しておく。

マニュアルは「伝えること」が目的ではなく、「伝わること」が大事です。そのためには、自分本位ではなく、常に読み手の立場になって考えることが、質の高いマニュアル作成への近道となります。

コツ3.業務フローや関係者を整理する

マニュアル作成のコツの3つ目は、業務フローや関係者を整理することです。

わかりやすいマニュアル作成を行うには、業務の全体像を掴みやすい内容にするのが大事です。業務の全体像がわかると、マニュアルを読む人は担当する作業の位置付けや目的を理解できます。作業が上手くできなかったときに周囲に及ぼす影響も自然と理解できるため、責任を持って業務を行う意識が芽生えます。

また、各業務の関係者を整理していると、非常に親切なマニュアルを作成可能です。読んだ人がマニュアルの記載事項で確認したい点がある場合に、誰に聞けば良いかわかるからです。

コツ4.要点を明確にする

マニュアル作成のコツの4つ目は、要点を明確にすることです。

マニュアル作成においては、業務におけるポイントをわかりやすく簡潔に記載する必要があります。1文は50文字以内を目安に簡潔に書き、1文に1つの意味だけを込める「一文一義」も意識しましょう。また、重要な箇所を太字にしたり、マーカーを引いたりするとより大事な部分がわかりやすくなります。

たとえ詳しく書いたとしても読んでもらえず、重要なポイントが押さえられていないマニュアルでは読み手の理解が進みません。

マニュアル作成の際には、書きたい内容をただ綴るのではなく、ポイントを押さえて記載することが大切です。

コツ5.階層構造にあわせたマニュアルにする

マニュアル作成のコツの5つ目は、階層構造にすることです。

業務は、一般的に階層に分かれています。複雑な業務は階層構造にすると、必要な作業手順を見つけやすくなります。

階層構造とは、Aという手順からB、Cというように手順を重ねて目的の作業が実現できる構造です。

階層構造のマニュアルでは、最初から読まなくても済むため、必要以上に時間が取られないメリットがあります。

コツ6.検索性を高める

マニュアル作成のコツの6つ目は、どこに何が書かれているか検索しやすくすることです。

見出しやタイトルに適切なキーワードをつけると、必要な内容を簡単に見つけられます。構成を作る際に誰もが検索しやすいようキーワードを設定し、たどり着きやすくすることで、探す時間を削減できます。

検索性の高さは、マニュアルの利用頻度に影響を与えるため、とくに注意が必要です。

そして、マニュアル作成を成功させるには、利用者からのフィードバックが欠かせません。マニュアル利用者が少なければフィードバックがなくなり、マニュアルが更新されなくなるおそれもあります。

マニュアルを継続的に使ってもらえるようにするためにも、検索性を高めることは重要です。

コツ7.イレギュラーな業務についても記載する

イレギュラー業務のマニュアル化

出典:【事例で紹介!】 活用されるマニュアルづくりと定着のコツ 動画無料配信

マニュアルには、日常的な業務の手順だけでなく、「あまり頻繁には起こらないけれど対応が必要なイレギュラー業務」や、「想定されるトラブルとその対処法」も記載しておくことが重要です。

こうした情報があれば、予期しない状況でも担当者が慌てずに、落ち着いて対応できるようになります。特に新人や経験の浅いスタッフにとっては、心強いサポートになります。

トラブルやイレギュラー業務をマニュアルに落とし込むには、次のような情報を活用しましょう。

【イレギュラー対応を洗い出すための情報源】

情報源 詳細
過去のインシデント報告書 実際に起きた問題とその対応方法が記録されています。
顧客からの問い合わせ履歴 現場でよくあるトラブルや質問が分かります。
ベテラン社員へのヒアリング 「これまでに困ったことはありましたか?」など、経験から学ぶトラブル事例を引き出します。
他部署や関係者からのフィードバック 業務の連携や視点の違いから、見落としていたケースが見つかることもあります。

すべてのイレギュラーケースを最初から網羅するのは現実的ではありません。「発生頻度の高いもの」「影響度が大きい(業務全体に支障をきたす)もの」から網羅することで、実用性の高いマニュアルが作れます。

コツ8.理解を深める表やグラフなどを記載する

文章だけでは伝わりにくい内容も、図・イラスト・スクリーンショット・動画などの視覚情報をうまく取り入れることで、マニュアルの分かりやすさは向上します。

視覚的な要素は、情報を直感的に理解できるだけでなく、記憶にも残りやすいため、特に複雑な手順や構造を説明する場面では効果的です。

【具体的な活用例】

  • 複雑な業務の流れや組織構成図 → 図やフローチャートで視覚化
  • 機器の操作方法や画面の説明 → スクリーンショットや短い動画でステップごとに解説
  • システムの画面遷移や設定手順 → 画面キャプチャを使った順を追った説明

こうした工夫により、読み手は文章を読むだけでなく「見て理解する」ことができ、マニュアルの実用性が大きく高まります。

ただし、視覚情報を必要以上に詰め込むと逆に混乱を招くこともあります。以下のポイントに気を付けましょう。

【注意点】

注意点 詳細
最も伝わりやすい形式を選ぶ すべてを動画にせず、内容に合った表現方法を見極める
図やイラストはシンプルで統一感のあるデザインにする 色やスタイルを揃えることで、読みやすさがアップします
動画は要点を絞って短くまとめる 長すぎると視聴の負担になるため、必要な部分に絞って構成しましょうもちろんです。具体的にどの表やデータの一番上の行をヘッダーに変えたいのか教えていただけますか?データや表の内容を提供していただけると、より正確にお手伝いできます。

コツ9.完璧なマニュアルを求めない

マニュアル作成のコツの9つ目は、完璧なマニュアルを目指さないことです。

最初から完璧な内容を求めてマニュアルを作成すると、導入までに時間や費用など多くのコストがかかってしまいます。

まずは運用できるレベルのマニュアルを導入し、マニュアルを使う文化を浸透させながら、内容を更新していきましょう。

>関連記事:仕事のマニュアルを作成するメリットやポイント、作り方からおすすめツールまで徹底解説

コツ10.ツールを利用する

マニュアル作成のコツの最後は、ツールを利用することです。

マニュアルは文章作成ソフトや、マニュアル作成ソフトを利用して作成します。文章作成ソフトだとフォーマットの作成が大変ですが、マニュアル作成ソフトであれば用意されているテンプレートを使用してマニュアルを作れます。

また、マニュアル作成ソフトはマニュアルの更新・共有も容易なので、作成後の運用がもやりやすいしやすいのも特徴です。

とくにおすすめなマニュアル作成ソフトは、テンプレートに沿ってマニュアルを簡単に作成・共有できる、クラウド型の社内Wikiツール「NotePM」です。

NotePMを活用すれば、ツール上でいつでもマニュアルを編集・更新できるため、常に最新の内容へアップデートできます。

変更履歴も自動記録されるため、現場の混乱を招く心配もありません。さらにレポート機能で、ページごとの閲覧履歴や活用状況も可視化でき、マニュアルの改善に役立てられます。

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マニュアルに記載する内容

マニュアルに記載する項目は場合書類によって異なりますが、大抵のよく記載する内容は決まっています。主な内容は、次のとおりです。

記載項目 具体的な記載例
作業名と目的 ・作業名
・マニュアルの題目
・作業を行う意義
作業に必要なツール・知識 ・作業に必要なツール・資料
・必要なツールの使い方
作業の順序とポイント ・具体的な作業手順
・作業する際に陥りがちな失敗と対策
作業完了までの時間 ・作業完了までの時間目安
・作業の期日
(月末までなど、期日が明確な場合)
記載内容完了の基準 ・完成品の内容の点検チェック項目

マニュアルに記載する内容には、業務に良い影響を及ぼすための工夫を凝らすのが重要です。どのような内容を記載すれば良い影響を与えるのか、考えつつ作成していきましょう。

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マニュアル作成を始める前に確認したいチェックリスト

マニュアル作成を成功させるには、開始前の準備が大切です。このチェックリストを活用すれば、方向性のブレや情報漏れを防ぎ、関係者全員の認識を一致させた状態でスタートできます。

【マニュアル作成前のチェックリスト】

【目的とゴールの確認】
□ マニュアル作成の目的(例:業務効率化、教育の標準化など)は明確か?
□ 達成したい成果(例:作業時間20%削減など)は具体的に定めてあるか?
□ 関係者と目的・目標を共有し、合意を取っているか?
□ 成果を測る指標(KPI)が設定されているか?

【読者(ターゲット)の明確化】
□ マニュアルの主な読者像(新人、中堅社員、全社員など)ははっきりしているか?
□ 読者の業務経験・スキル・ITリテラシーは把握済みか?
□ 読むシーン(研修、業務中、トラブル対応など)を想定しているか?
□ 読者が抱える課題・疑問点を想定できているか?

【範囲と内容の設定】
□ マニュアルに含める業務・プロセスは明確にリストアップされているか?
□ 他の業務との境界線(どこまで含めるか)は定義済みか?
□ トラブル対応や禁止事項の取り扱い方(含める/別マニュアル)が決まっているか?
□ 記述の粒度(概要レベルか、詳細操作レベルか)は統一されているか?

【情報収集の準備】
□ 必要な資料(業務フロー、既存マニュアル、ノウハウなど)はリスト化済みか?
□ 協力を依頼する情報提供者(ベテラン社員など)は決まっているか?
□ 情報収集方法(ヒアリング、観察など)とスケジュールは明確か?

【チームと役割分担】
□ マニュアル作成プロジェクトの責任者(リーダー)は決まっているか?
□ 執筆者、レビュワー、承認者など各担当者は明確か?
□ 各担当の作業範囲・期限が整理されているか?
□ 関係部署との連携手順も整備されているか?

【スケジュールと進行管理】
□ 情報収集から公開までの各工程のスケジュールは設定済みか?
□ 最終納期・公開日が明確か?
進行遅れを想定したバッファ期間があるか?

【ツールとフォーマットの選定】
□ 作成・管理に使うツール(Word、Google Docs、Wikiなど)は決定しているか?
□ テンプレートの使用有無(既存or新規)を決めているか?
□ フォント、文字サイズ、表記ルールなどのデザイン基準を統一しているか?

【保管・共有・周知の計画】
□ 完成したマニュアルの保管場所(クラウド、社内システムなど)は決まっているか?
□ 閲覧・編集権限の管理ルールは明確か?
□ 関係者への周知方法(メール、会議、掲示など)は用意されているか?

【評価と改善の仕組み】
□ マニュアルの効果を測定する方法(例:アンケート、業務時間比較)は用意されているか?
□ 定期的な見直し・更新のスケジュール(例:半年ごと)は設定済みか?
□ 利用者からのフィードバックを収集し、改善に活かす仕組みがあるか?

このチェックリストを活用すれば、「どこから手を付ければいいかわからない」を脱し、マニュアル作成の全体像と必要なステップが明確になります。マニュアル作成における抜け漏れを防ぎ、質の高いコンテンツ作成を実現しましょう。

マニュアル作成後にありがちな失敗5選

マニュアル作成後にありがちな失敗5選

マニュアル作成後にありがちな失敗は、次のとおりです。

  • 存在が知られていない
  • 必要なときに参照できない
  • 具体性や視覚性に欠けマニュアルが読みづらい
  • 情報が古くなっている
  • 役に立っているかわからない

順番に解説します。

なお、マニュアル作成の失敗事例について詳しく知りたい人は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

>関連記事:マニュアル作成の成功例と失敗例を解説!必要なステップも詳しく紹介

1.存在が知られていない

マニュアルを作成しても、そもそも社内に告知・共有されておらず、存在が知られていない場合があります。

とくに紙やWordなどで作成したマニュアルは、一度に大勢の従業員へ共有しにくいのが難点です。

マニュアルが従業員から認知されていなければ、当然ながら活用も進まず、現場の生産性アップや能力向上にはつながりません。

2.必要なときに参照できない

マニュアルがあっても、必要なときに参照できないと意味がありません

たとえば「紙でファイリングされて他の資料に埋もれている」「メールやチャットで一度送信されただけになっている」という状態では、マニュアルを探し出すのが難しくなってしまいます。

結果的に、現場の従業員にはなかなか活用してもらえないでしょう。

3.具体性や視覚性に欠けマニュアルが読みづらい

作成したマニュアルが、内容がわかりにくい・視認性が良くないという理由で読みづらく感じるケースがあります。

文章は一文が長すぎると読みにくいので、短くまとめるように心がけましょう。なるべく簡潔にしつつも、一つひとつの手順において具体的に何をすれば良いかがわかる内容にするのが重要です。

また、文章だけだと視認性が悪いので、適宜図や画像を入れて見やすいマニュアルにすることも意識しましょう。

4.情報が古くなっている

現場で業務のフローが変わったり、新しい業務用ツールが導入されたりすると、マニュアルの情報そのものが古くなってしまいます。

旧情報のままマニュアルを放置してしまうと、それを参照した従業員が業務で致命的なミスを犯してしまいかねません。

業務効率化のためにマニュアル作成を行っても、マニュアルを適宜更新しなければ逆効果になってしまうリスクもあります。

5.役に立っているかわからない

マニュアルは、現場の従業員に何度も活用してもらって初めて効果を発揮します。

しかし、マニュアルを作成しただけで終わってしまうと「どれくらいの人数に活用されたのか」「どれくらい生産性が上がったのか」を把握できません。

効果が可視化されないと、マニュアル作成の取り組み自体が評価されなくなってしまいます。

おすすめのマニュアル作成ツール7選(無料トライアルあり)

マニュアル作成はツールを使うと、より効率良く行えます。ここからは、おすすめのマニュアル作成ツールを7つ取り上げます。

  • NotePM
  • Notion
  • Confluence
  • Qast
  • ナレカン
  • Create!JobStation
  • VideoStep

それぞれの特徴を把握して、自分にあったマニュアル作成ツールがないか探してみましょう。

>関連記事:【徹底比較】マニュアル作成ツールおすすめ20選|選び方と導入事例も紹介

1.NotePM

NotePM

NotePMは豊富なテンプレートを使って簡単にマニュアル作成ができるツールです。図や画像をNotePM内で編集して本文中に挿入できるため、見やすいマニュアルを作成できます。また、動画の埋め込みも可能なので、どうしても文章で説明しづらい場合は作業手順を動画で撮影してマニュアルにするという方法もとれます。

マニュアル作成が簡単にできるだけでなく、保管されているマニュアルを探しやすい点も特徴です。キーワードを打ち込んでマニュアルを検索すると、タイトルだけでなく本文も検索したうえで、一致するキーワードがあったマニュアルを表示してくれます。

URL: https://notepm.jp/

2.Notion

Notion

Notionはマニュアル作成ができるほか、プロジェクトの進捗管理も可能なツールです。英語・中国語・スペイン語など多数の言語に対応しています。

大きな特徴の一つが「Notion AI」という、AIを用いた機能が搭載されている点です。マニュアル作成においては自分が書いた文章をAIがチェックし、適切な文章になるよう編集してくれます。他にも、フローチャートの作成・他言語への翻訳といった作業もAIが担ってくれます。

Notionではマニュアル作成だけでなく、検索においてもAIの機能を利用可能です。チャットで探している情報を打ち込むと、該当する情報が載っているマニュアルをAIが探してくれます。

URL: https://www.notion.so/product

3.Confluence

Confluence

ConfluenceはAtlassian社が開発したマニュアル作成ツールです。階層構造で管理できる「ページ」という種類のドキュメントを使ってマニュアル作成ができます。作成されたマニュアルに対してコメントしたり、リアクションしたりすることでコミュニケーションも可能です。

Confluenceの大きな特徴が、同じくAtlassian社が開発した「Trello」などのタスク管理ツールと連携できる点です。Trelloでタスクを管理しつつ、Confluenceでタスクに関連するドキュメントを保管するといった使い分けができます。Confluenceで保管しているドキュメントにTrelloのタスクのカードを埋め込むと、ConfluenceからTrelloのカードの編集が可能です。ツールを開き直さずに両者の機能を使い分けられるため、作業工数の短縮につながります。

URL: https://www.atlassian.com/ja/software/confluence

>関連記事:Confluence(コンフルエンス)とは?機能・メリット・活用事例を解説

4.Qast

Qast

Qastは複数の手法でナレッジ共有を行えるマニュアル作成ツールです。マニュアルはWordでドキュメントを作る要領で作成でき、誰でも簡単に業務の進め方を共有できます。Qast以外のツールを使って作成されたファイルも、Qast内のメモに添付すればマニュアルとして扱えます。

ドキュメント形式でのマニュアル作成以外にも特徴的な機能があり、その一つがQ&A形式で社内に質問できるというものです。社内の誰かに業務に関する質問ができる機能で、質問とその回答はQast内に蓄積されます。多くの質問・回答が行われることでQast内にナレッジが蓄積され、他の人も後から見返せるので社内全体の業務効率化につなげられます。

URL: https://qast.jp/

5.ナレカン

ナレカン

ナレカンは、社内のあらゆるナレッジを一元化できる点が特徴のマニュアル作成ツールです。ツール内のメモ機能で、Word・Excel・PowerPointなどで作成されたファイルを添付して保存できます。過去に他のツールで作成され、社内で活用されていたマニュアルをナレカンの中に集約させられます。もちろん、ナレカンのメモ機能で新規のマニュアル作成も可能です。

マニュアルのフォルダは自由に階層化できるので、マニュアルの種類に応じて保管場所を明確にしながら管理できます。マニュアルを探したいときはキーワード検索ができるほか、申し込むプランによってはチャットでAIに質問して探してもらう方法もとれます。

URL: https://www.narekan.info/

6.Create!JobStation

Create!JobStation

Create!JobStationは、業務フローの可視化に向いているマニュアル作成ツールです。業務を遂行するために必要な作業を線でつなぎ、フロー図を作ることでマニュアルができあがります。各作業には詳細な説明を加えられるほか、漏れなく作業できているかを確認できるチェックリストの設置も可能です。

実際に業務が行われる際は、担当者がフロー図に進捗を反映しながら進められます。他の人はフロー図を確認し、作業が順調に進んでいるかをチェックできます。

URL: https://createjobstation.jp/

7.VideoStep

VideoStep

VideoStepは動画を最大限に活用できるマニュアル作成ツールです。PowerPointのような画面に動画をアップロードしてマニュアルを作成できます。画面のUIが親しみやすく、誰でも操作しやすいのがポイントです。また、打ち込んだ文章に対してAIの音声読み上げ機能を使うと、動画にナレーションで補足説明を加えられます。

動画マニュアルだけでなく、文書マニュアルもVideoStep内で管理できます。文書マニュアルは容量無制限で投稿でき、一度投稿されたマニュアルの更新も可能です。

URL: https://videostep.io/

マニュアル作成ツールを選ぶポイント

マニュアル作成ツールを選ぶポイント3選

マニュアル作成ツールを選ぶポイントは、次のとおりです。

  • マニュアルの内容が更新しやすい
  • モバイルでも見やすく使いやすい
  • セキュリティ性能が高い

マニュアル作成ツールには種類があり、自社にあったものを選ぶことが大切です。選定するときのポイントの詳細を解説しますので、どういったツールを選べばいいのか確認していきましょう。

1.マニュアルの内容が更新しやすい

頻繁に利用されるマニュアルは日々更新が必要になり、都度更新の作業を実施していかなければなりません。しかし、更新に時間や手間がかかると、マニュアル運営者に大きな負担がかかります。

マニュアルの更新に負担をかけないためには、複数人が更新してもいいように変更履歴が残るツール・すぐ更新できるツールの導入がおすすめです。

マニュアル作成ツールの詳細について知りたい人は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

>関連記事:【徹底比較】マニュアル作成ツールおすすめ20選|選び方と導入事例も紹介

2.検索性が高い

マニュアル作成ツールの検索性が高いと、自分が読みたい内容のマニュアルを見つけやすいです。たとえばキーワードで検索する場合、マニュアルのタイトルだけでなく本文の中からもキーワードを探してくれるツールは、必要な情報を探しやすいので便利です。

ほかにも、マニュアルごとに設定できるタグを使った検索ができたり、お気に入りに登録したマニュアルから必要なものを探せたりできるツールも検索性が高いといえます。

3.セキュリティ性能が高い

マニュアルは企業のノウハウが詰まった資料であり、流出してしまうと大きな損害につながるおそれがあります。仮にノウハウがあまり記載されていないマニュアルだったとしても、情報が流失したという事実が企業にとって大きなダメージを与えます。

マニュアルの流出を防ぐために、セキュリティ性能が高いツールを選択することが重要です。

WEB上で使える!検索性に優れたマニュアル作成ツール「NotePM」

マニュアルの作成・編集・効果分析は「NotePM」が便利

NotePMは、テンプレートに沿ってマニュアルを簡単に作成・共有できるクラウド型の社内Wikiツールです。

NotePMを活用すれば、ツール上でいつでもマニュアルを編集・更新できるため、常に最新の内容へアップデートできます。変更履歴も自動記録されるため、現場の混乱を招く心配もありません。

さらにレポート機能でページごとの閲覧履歴や活用状況も可視化できるため、マニュアルを効率良く改善できます。

また、閲覧者側がコメントを残せるため、マニュアルに対する意見もツール上で集約可能です。できます。

マニュアル作成・編集・分析に役立つ機能がオールインワンで揃ったNotePMがあれば、社内のナレッジ共有もより活性化しやすいでしょう。

WEB上で使える!検索性に優れたマニュアル作成ツール「NotePM」

ツールを使ってマニュアル作成に成功した3つの事例

マニュアル作成ツールを導入した事例を知っておくと、実際に導入した後にどのようなメリットが生まれるかを具体的にイメージしやすいです。ここからは、マニュアル作成ツールの一つであるNotePMの導入事例を3つ紹介します。

  • 株式会社ラクス
  • 株式会社アシロ
  • 株式会社赤鹿地所

それぞれの事例において、NotePMの良さがどう活かされているかを確認してみましょう。

事例1:株式会社ラクス

株式会社ラクス

株式会社ラクスは「楽楽精算」をはじめとした多数のクラウドサービスを手掛ける会社です。ナレッジが特定の場所に集約されておらず、新入社員の人が何を参照に業務を進めれば良いかわからないという問題があったため、NotePMでのマニュアルの保管が決定されました。

NotePM導入の効果として挙げられるのが、情報の検索時間・業務の引継ぎに関するコストの削減です。各種ナレッジがNotePMにまとめられたことで、情報の検索時間は30%、業務の引継ぎは50%ほどコストが減りました。また、新入社員はNotePMのマニュアルを自分で確認して業務を進められるようになったため、手順を細かく教える必要もなくなりました。

>関連記事:【導入事例】検索時間が4割削減!急成長SaaSが実践するナレッジ共有を浸透させるための取り組みとは – 株式会社ラクス

事例2:株式会社アシロ

株式会社アシロ

株式会社アシロは、国内最大級の法律相談プラットフォームを運営するWeb業界の会社です。社内全体でマニュアルの管理方法を統一させるため、NotePMを導入しました。

導入してから大きく変わった点の一つが、管理部への問い合わせの件数です。経費精算・押印申請といった問い合わせが少なくなり、全体で見るとおよそ50%も削減されました。管理部に問い合わせていた情報を含め「わからない点はNotePMで調べてみる」という意識が社内全体で強まっています。また、新入社員については上司が離席している間も自分でNotePMを見てもらい、オンボーディングを進められるようになった点も大きな変化です。

>関連記事:【導入事例】ナレッジ管理ツールの乗り換えで問い合わせが50%減少!新入社員育成の課題も解決 – 株式会社アシロ

事例3:株式会社赤鹿地所

株式会社赤鹿地所

株式会社赤鹿地所は住宅地・商業地の開発や賃貸管理などの総合不動産業を手掛ける会社です。組織が拡大するタイミングで、営業メンバーを育成する必要がありました。そこで、営業のフェーズごとのロールプレイング動画・マニュアル動画を作成し、NotePMに保存することが決まりました。

NotePM導入後の効果として、メンバーの育成に関する点以外で挙げられるのが、管理部への問い合わせの減少です。以前はSlackで社内ルールを共有していましたが、ログが流れるという欠点がありました。NotePMを導入してからは情報をストックできるようになったため、情報の保管場所を確認すれば問い合わせする必要がなくなりました。

>関連記事:【導入事例】ロープレ動画やトークスクリプトもストック。ベテラン営業職のノウハウ継承 – 株式会社赤鹿地所

マニュアル作成後は定期的な分析・更新が不可欠

マニュアルを作成したあとは、定期的に活用状況を分析して内容を更新することが大切です。

ここでは、マニュアルの分析・更新が必要な理由や、最適な更新の頻度について解説します。

マニュアル作成後の分析・更新はなぜ必要?

マニュアルの活用状況をこまめに分析すると、従業員の満足度や不満の原因を細かく把握できます。

たとえば、「業務の手順が変わってしまった」「写真の構図がわかりにくい」といった不満を発見できます。

現場の声を踏まえて情報を刷新したり、図解を加えたりすることで、実態に即した有益なマニュアルのブラッシュアップが可能です。

マニュアルのブラッシュアップは、従業員のスキルアップや業務の効率化などにもつながります。

マニュアルの更新頻度はどのくらいがベスト?

社会情勢や景気の変化が起きると、経営方針が変わるケースがあります

経営方針が変わると、業務の進め方が大きく変動することもあるでしょう。経営方針の変更にあわせて、少なくとも四半期に1回はマニュアルの見直しが必要です。また、経営方針の変更がなくても四半期に1回見直し、改善点がないか確認することをおすすめします。

更新のスパンが空いてしまうと、業務の実態とマニュアルの内容が乖離したまま放置されかねません。

とくに現場の業務内容・進め方が変わったタイミングで、マニュアルを速やかに変更しましょう。

WEB上で使える!検索性に優れたマニュアル作成ツール「NotePM」

マニュアル作成後の運用ポイント3選

マニュアル作成後の運用ポイント

マニュアル作成後の運用のポイントは、次のとおりです。

  • 役職者が率先して利用する
  • 保管先を明確にする
  • 運用者を設置する

マニュアルは作ったら終わりではなく、運用し続けなければなりません。継続して運用できる方法を理解し、マニュアル作成に役立てていきましょう。

1.役職者が率先して利用する

マニュアル作成後、その活用を社内に根付かせるためには、まず経営層や管理職といった役職者が積極的にマニュアルを使用する姿勢を示すことが重要です。リーダー層が実際の業務でマニュアルを参照したり、部下への指示や説明にマニュアルを活用したりすることで、他の社員にも「マニュアルは仕事に欠かせないものだ」という意識が自然と広がります。

また、役職者がマニュアルを使うことで、「どこがわかりづらいのか」「どんな情報が不足しているのか」といった改善点にも気づきやすくなり、マニュアルの質の向上にもつながります。

さらに、会議や研修でマニュアルの活用事例を共有したり、マニュアルの改善に貢献した社員を表彰したりと、マニュアル文化を育てるための工夫も有効です。こうした取り組みによって、マニュアル作成の効果を最大限に引き出せます。

2.保管先を明確にする

マニュアルを社内で効果的に活用するためには、まず保管場所を明確にし、誰でもすぐにアクセスできる状態を整えることが重要です。

マニュアルの保管先としては、以下のような選択肢があります。

【マニュアルの保管先】

  • 社内サーバーの共有フォルダ
  • 社内ポータルサイト
  • 文書管理システム
  • 専用のマニュアル作成・共有ツール

マニュアルの保管先を選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。

【マニュアルの保管先を選ぶポイント】

  • アクセス性:必要なときにすぐ開けるか
  • 検索性:キーワードで簡単に探せるか
  • バージョン管理:最新版が使えて、旧版との違いもわかるか
  • セキュリティ:閲覧権限を適切に管理できるか

保管場所が決まったら、URLやアクセス手順を関係者全員に共有し、誰でも迷わずマニュアルを見つけられるようにします。また、フォルダ構成やファイル名のルールを統一することで、検索性と利便性がさらに高まります。

3.運用者を設置する

運用者は、マニュアルが適切に利用されているか、内容に不備がないか確認します。運用者がマニュアルの稼働状況を確認すれば、マニュアルに不足しているポイントを把握可能です。不足している部分をブラッシュアップすれば、マニュアルの利用率が向上するでしょう。

また、運用者がマニュアルの内容を随時確認すれば、更新不足をチェックできます。更新不足が確認できれば、マニュアルが古いことによるミスも起こりません。

マニュアル作成に関するよくある質問(Q&A)

Q. マニュアル作成にどれくらいの時間がかかるか目安はありますか?

A. 作成にかかる時間はケースバイケースですが、業務の規模と内容により大きく異なります。
マニュアル作成に必要な時間は、業務の複雑さや範囲、求められるクオリティ、作成者の経験、使用するツールなどによって変わります。

簡単な業務手順書(数ページ程度)なら、数時間〜1日程度で完成することもあるでしょう。一方で、複数業務を網羅した詳細なマニュアルや、図解・動画を多用する高品質なものは、数週間〜数ヶ月かかるケースもあります。

Q. 作成したマニュアルが使われないのですが、どうすれば良いですか?

A.作成したマニュアルが使われない主な原因として、以下のような点が考えられます。

原因 解決策
マニュアルの存在を知られていない 定期的に周知し、誰でもアクセスしやすい場所に保管しましょう。
内容がわかりにくい・使いづらい 読み手視点で構成や言葉を見直し、図や具体例も活用して分かりやすくしましょう
情報が古くて実態と合っていない 業務変更にあわせて定期的に内容を更新する仕組みを整えましょう。
マニュアルを使う文化がない 上司が積極的に使う、研修で活用するなど組織全体で浸透を図りましょう。
検索しても必要な情報にたどり着けない 目次や索引を設置したり、検索性の高いツールを導入したりしましょう

実際に利用者アンケートを実施し、課題を可視化するのも効果的です。

Q. マニュアルの評価や効果測定はどのように行えば良いですか?

A. 定量評価と定性評価の両方でマニュアルの効果を測りましょう。

【定量的評価の項目】

  • 作業効率の改善率(作業時間の短縮)
  • ミスやエラーの減少率
  • 問い合わせ件数の変化
  • 新人教育にかかるコストの変化
  • マニュアルの閲覧数・利用頻度

※一部のマニュアル作成ツールでは、これらのデータ取得が可能です。

【定性的評価の項目】

  • 利用者アンケート(分かりやすさ・満足度など)
  • 現場へのヒアリングやインタビュー
  • 習熟度テストの実施

これらの結果を基に改善点を洗い出し、PDCAサイクルで継続的にマニュアルをブラッシュアップすることが重要です。

Q. 専門用語が多い業務のマニュアルを作る際の注意点は?

A. 専門用語は慎重に扱い、誰でも理解できるよう配慮することが大切です。

具体的には、以下のような点に注意しましょう。

  • 専門用語は可能な限り平易な言葉に言い換える
  • 初出の用語には解説や注釈を入れる
  • 用語集を作成し、マニュアルの冒頭または巻末に掲載
  • 図・イラスト・具体例を使って視覚的に補足
  • 読者層に合わせたレビューを実施

読み手の知識レベルを想定し、「誰が見ても分かるマニュアル」を目指しましょう。

Q. マニュアルの著作権や取り扱いについて注意すべきことはありますか?

A. 情報の取り扱いに注意し、適切な管理体制を整えましょう。

項目 詳細
著作権の尊重 他者の文章・画像などを使う場合は、出典を明記するか許諾を得るなど、著作権法を順守しましょう。無断転載や安易なコピー&ペーストはNGです。
社外秘・機密情報の管理 個人情報や社外秘の内容が含まれる場合、アクセス制限や印刷制限を設けて情報漏洩を防止します。
版管理の徹底 内容更新時は改訂日・変更点を明記し、常に最新の情報が共有されるよう管理体制を整えましょう。
保管と廃棄 保管場所を明確にし、不要な旧版マニュアルはルールに従って廃棄。情報管理部門との連携も重要です。

マニュアル作成のコツを理解し業務を効率化しよう

マニュアル作成は、業務の効率化や新入社員の早期戦力化が図れます。

しかし、マニュアル作成を成功させるにはコツがあり「要点を明確にする」「自社にあったツールを選択する」など、多くのポイントを考慮しなければなりません。

とくに、自社にあったマニュアル作成ツールを選ぶことが重要です。マニュアル作成ツールを選ぶポイントもしっかりと押さえておきましょう。

また、マニュアル作成後は現場の声をヒアリングしながら、定期的に改善・更新することが不可欠です。現場の業務に即したマニュアルを作ることで、より従業員から活用してもらいやすくなります。

マニュアル作成ツールのNotePMは、マニュアルの作成・編集・共有機能がオールインワンになった便利なクラウドツールです。

マニュアルを効率良く作成し、スムーズに共有・運用したい方はぜひNotePMの活用をご検討ください。

NotePM