新しく入社する社員をスムーズに受け入れ、早期に戦力化するためには、新人教育マニュアルが欠かせません。しかし、いざ作ろうとすると「何を書けばいいのか分からない」「どんな構成にすればいいのか」と悩んでしまう担当者の方も多いのではないでしょうか。
新人教育マニュアルには、基本的なビジネスマナー、企業理念と社内ルール、社内ツールの利用方法、業務の全体像と流れといった必須項目を盛り込む必要があります。そして、作成の目的を明確にする、新人に必要なスキルと情報を洗い出す、マニュアルを作成する、フィードバックをもとに改善するという4つのステップで進めることで、実際に使われるマニュアルを完成させることができます。
この記事では、新人教育マニュアルに含めるべき内容から、具体的な作成手順、分かりやすいマニュアルを作るためのコツ、そして作成後の運用方法まで、中小企業の担当者が実践できる形で詳しく解説します。さらに、マニュアル作成を効率化するツールもご紹介しますので、限られた時間の中で質の高いマニュアルを作りたい方はぜひ参考にしてください。
目次
新人教育マニュアルに含めるべき必須項目
新人教育マニュアルを作るとき、まず悩むのが「何を書けばいいのか」という点です。あれもこれもと詰め込みすぎると読みにくくなりますし、逆に情報が足りないと新人が困ってしまいます。
ここでは、どの企業でも共通して盛り込むべき4つの必須項目を紹介します。これらを押さえておけば、新人が最低限知っておくべき情報を網羅したマニュアルを作ることができます。
基本的なビジネスマナー
社会人として働く上で欠かせないのが、基本的なビジネスマナーです。挨拶の仕方、名刺交換の手順、電話応対の流れ、メールの書き方といった内容は、新人が最初に身につけるべきスキルです。
学生時代にアルバイト経験があったとしても、ビジネスの場では求められる振る舞いが異なります。たとえば、電話に出るときの第一声や、名刺を受け取るときの手の位置といった細かな作法は、実際に教わらないと分からないものです。
マニュアルには、具体的な場面を想定した例文や手順を載せておくと、新人が実践しやすくなります。たとえば「電話を受けたときは、3コール以内に出て『お電話ありがとうございます。株式会社○○の△△です』と名乗る」といった具体的な表現を示すことで、迷わず行動できるようになります。
企業理念と社内ルール
企業理念やビジョン、バリューは、新人が組織の方向性を理解し、日々の業務でどう判断すればいいかの基準を持つために重要な情報です。どんな価値観を大切にしている会社なのかを知ることで、新人は自分の行動を会社の目指す方向に合わせやすくなります。
また、勤怠管理のルール、服装規定、休暇の申請方法、経費精算の手順といった社内独自のルールも、マニュアルに明記しておく必要があります。これらは組織ごとに異なるため、口頭での説明だけでは伝わりきらないことが多く、後から「知らなかった」というトラブルにつながりやすい部分です。
たとえば「遅刻や欠勤の連絡は、始業時間の30分前までに直属の上司に電話で連絡する」「休暇申請は専用システムから3日前までに申請し、上司の承認を得る」といった具体的な手順を書いておくことで、新人は迷わずルールに従うことができます。
社内ツールの利用方法
勤怠管理システム、社内チャット、ファイル共有ツール、スケジュール管理ツールなど、業務で使用するツールの操作方法は、新人がスムーズに仕事を始めるために必須の情報です。
ツールの使い方が分からないと、毎回誰かに聞かなければならず、新人も教える側も時間を取られてしまいます。マニュアルに基本的な操作手順を載せておけば、新人は自分で確認しながら作業を進められるようになります。
たとえば「勤怠管理システムへのログイン方法」「チャットでメンションを送る方法」「ファイルを共有フォルダにアップロードする手順」といった内容を、画面のスクリーンショットと一緒に載せておくと、視覚的に理解しやすくなります。特に、ITツールに慣れていない新人にとっては、文章だけでなく画像があることで安心して操作できるようになります。
業務の全体像と流れ
新人が配属される部署の業務内容、業務の流れ、関連部署との連携方法を記載することで、新人は自分の役割と業務の全体像を理解できるようになります。
たとえば営業部であれば「顧客からの問い合わせ対応→見積もり作成→契約→納品→アフターフォロー」といった一連の流れを示すことで、自分がどの段階でどんな役割を担うのかがイメージしやすくなります。また、他部署との連携が必要な場合は「契約書の作成は法務部に依頼する」「納品スケジュールは製造部と調整する」といった情報も載せておくと、実際の業務で迷わずに動けるようになります。
業務の全体像を把握できると、新人は自分の仕事が会社全体の中でどんな意味を持つのかを理解でき、モチベーションも高まります。また、次に何をすればいいかが分かるため、指示待ちの時間が減り、自主的に動けるようになる効果もあります。
新人教育マニュアルの作成手順(4ステップ)
新人教育マニュアルを作るとき、いきなり書き始めてしまうと、内容が散らかったり、必要な情報が抜け落ちたりしてしまいます。効率よく、かつ質の高いマニュアルを作るには、しっかりとした手順を踏むことが大切です。
ここでは、マニュアル作成を4つのステップに分けて解説します。この流れに沿って進めることで、現場で実際に使われるマニュアルを完成させることができます。
ステップ1:作成の目的を明確にする
マニュアル作成の第一歩は、「誰に」「何を」「いつまでに」習得させるかを明確にすることです。ここが曖昧なままだと、内容がぼやけてしまい、結局誰にも役立たないマニュアルになってしまいます。
たとえば「新卒社員が入社から1か月で、基本的なビジネスマナーと社内ツールの使い方を習得し、簡単な業務を一人でこなせるようになる」といった具体的なゴールを設定します。こうすることで、マニュアルに盛り込むべき内容が自然と絞られてきます。
また、目的を明確にすることで、マニュアル作成に関わるメンバー全員が同じ方向を向いて作業を進められるようになります。上司や先輩社員にヒアリングする際も、「このゴールを達成するために必要な情報は何か」という視点で質問できるため、効率的に情報を集めることができます。
ステップ2:新人に必要なスキルと情報を洗い出す
目的が決まったら、次は新人が習得すべきスキルと知識を網羅的に洗い出します。この作業は、現場の上司や先輩社員へのヒアリング、業務の棚卸しを通じて行います。
ヒアリングでは「新人がつまずきやすいポイントは何か」「最初に教えておくべきことは何か」「どんな質問をよく受けるか」といった視点で聞いていくと、実際に必要な情報が見えてきます。また、過去に新人教育を受けた社員に「当時、マニュアルがあったら助かったと思うことは何か」を聞くのも効果的です。
洗い出した情報は、優先順位をつけて整理します。たとえば「入社初日に必要な情報」「1週間以内に覚えるべき内容」「1か月かけて習得する業務」といった時間軸で分類すると、マニュアルの構成が作りやすくなります。
ステップ3:マニュアルを作成する
情報が整理できたら、実際にマニュアルを作成します。この段階では、テンプレートやマニュアル作成ツールを活用することで、効率的に質の高いマニュアルを作ることができます。
文章を書くときは、専門用語をできるだけ避け、初めて読む人でも理解できる平易な言葉を使うことを心がけます。また、手順を説明する際は「まず○○をする」「次に△△をクリックする」といった具体的な表現を使い、新人が迷わず実行できるようにします。
図や写真、動画を活用することも重要です。たとえばツールの操作手順を説明する際は、画面のスクリーンショットを載せることで、文章だけでは伝わりにくい部分を視覚的に補うことができます。特に、ITツールに慣れていない新人にとっては、画像があるだけで理解のスピードが大きく変わります。
ステップ4:フィードバックをもとに改善する
マニュアルが完成したら、上司や先輩社員、そして実際に使用した新人からフィードバックを収集します。この段階で、分かりにくい表現や不足している情報を洗い出し、マニュアルをブラッシュアップします。
特に、実際に新人が使ってみて「ここが分からなかった」「この情報が足りなかった」という声は貴重です。新人の視点で見ることで、作成者が気づかなかった改善点が見つかることが多いため、積極的にフィードバックを求めるようにしましょう。
また、マニュアルは一度作って終わりではありません。業務内容やツールが変わるたびに、継続的に更新していく必要があります。定期的に見直しを行い、常に最新の情報を反映させることで、マニュアルの価値を保ち続けることができます。
そもそもなぜ新人教育マニュアルは必要なのか?メリット・デメリット
新人教育マニュアルを作るには時間も手間もかかります。それでも多くの企業がマニュアルを整備するのは、それだけのメリットがあるからです。一方で、デメリットや注意すべき点もあります。
ここでは、マニュアル作成の動機付けとなるメリットと、現実的に考慮すべきデメリットを整理して紹介します。これを読むことで、自社にとってマニュアルが本当に必要かどうかを判断する材料にしてください。
新人教育マニュアルのメリット
新人教育マニュアルを整備することで、教育の質の均一化、指導者の負担軽減、新人の自主学習促進、組織のノウハウ蓄積といった、さまざまなメリットが得られます。それぞれ具体的に見ていきましょう。
教育の質を均一化できる
マニュアルがあることで、指導者による教え方のバラつきをなくし、全新人に同じ水準の教育を提供できるようになります。
口頭での説明だけに頼ると、教える人によって伝える内容や順序が変わってしまい、新人によって理解度に差が出てしまいます。しかし、マニュアルがあれば、誰が教えても同じ情報を同じ順序で伝えることができるため、教育の質が安定します。
特に、複数の新人を同時に受け入れる場合や、異なる部署で同じような業務を教える場合には、マニュアルによる標準化が大きな効果を発揮します。
指導者の負担を軽減できる
マニュアルがあることで、何度も同じ説明をする手間が省け、指導者が本来業務に集中できるようになります。
新人から「これはどうすればいいですか」と聞かれるたびに、毎回口頭で説明するのは時間も労力もかかります。しかし「マニュアルの○ページを見てください」と案内できれば、指導者の時間を大幅に節約できます。
また、マニュアルがあることで、新人は自分で調べてから質問するようになるため、質問の質も上がります。その結果、指導者はより本質的な指導に時間を使えるようになります。
新人の自主学習を促進できる
マニュアルがあることで、新人はいつでも復習でき、自分のペースで学習できる環境が整います。
口頭での説明だけだと、一度聞いただけでは理解しきれないことも多く、新人は「もう一度聞くのは申し訳ない」と遠慮してしまうことがあります。しかし、マニュアルがあれば、何度でも自分で確認できるため、理解が深まりやすくなります。
また、自分で調べて解決する習慣がつくことで、新人の自立も早まります。指示待ちではなく、自分で考えて行動できる人材に育てるためにも、マニュアルは有効なツールです。
新人教育マニュアルのデメリット
新人教育マニュアルには多くのメリットがある一方で、作成に時間と手間がかかる、定期的な更新が必要、イレギュラー対応には不向きといったデメリットもあります。それぞれ具体的に見ていきましょう。
作成に時間と手間がかかる
マニュアル作成には、初回に相応の工数が必要です。情報の洗い出しから、文章の作成、図や写真の準備、レイアウトの調整まで、完成させるにはまとまった時間がかかります。
特に、日常業務と並行してマニュアル作成を進める場合、担当者の負担は大きくなります。また、関係者へのヒアリングや、フィードバックの収集にも時間を要します。
ただし、長期的に見れば、マニュアルがあることで教育工数が削減され、結果的に時間の節約につながります。初期投資と考えて、しっかりと時間を確保することが大切です。
定期的な更新が必要
業務内容やツールの変更に合わせて、マニュアルの継続的なメンテナンスが求められます。
一度作ったマニュアルも、業務の流れが変わったり、新しいツールが導入されたりすれば、内容が古くなってしまいます。古い情報が載ったままだと、新人が混乱するだけでなく、マニュアル自体が信頼されなくなってしまいます。
そのため、定期的に見直しを行い、最新の情報に更新する仕組みを作っておくことが重要です。たとえば「半年に一度、マニュアルの見直しを行う」といったルールを決めておくと、更新漏れを防げます。
イレギュラー対応には不向き
マニュアル化できない暗黙知や状況判断については、OJTで補完する必要があります。
マニュアルは標準的な手順を示すものであり、すべてのケースをカバーすることはできません。たとえば「顧客からクレームを受けたときの対応」や「予期せぬトラブルが起きたときの判断」といった、状況に応じた柔軟な対応が求められる場面では、マニュアルだけでは不十分です。
そのため、マニュアルはあくまで基礎知識を習得するためのツールと位置づけ、実践的なスキルはOJTや先輩社員のフォローで身につけてもらうという、ハイブリッド型の教育体制を整えることが大切です。
失敗しない!分かりやすいマニュアル作成の7つのコツ
せっかく時間をかけてマニュアルを作っても、分かりにくければ新人は読んでくれません。また、情報が探しにくければ、結局口頭で質問されることになり、マニュアルの意味がなくなってしまいます。
ここでは、新人が実際に使いたくなる、分かりやすいマニュアルを作るための7つのコツを紹介します。これらを押さえることで、マニュアルの質を大きく向上させることができます。
コツ1:専門用語を使わず平易な言葉で書く
業界用語や社内用語を避け、初めて聞く人でも理解できる平易な言葉で記載することが重要です。
たとえば「アサイン」「エビデンス」「リスケ」といったカタカナ用語は、社内では当たり前に使われていても、新人には伝わらないことがあります。マニュアルでは「担当を決める」「証拠となる資料」「日程を変更する」といった日本語で書くことを心がけましょう。
どうしても専門用語を使う必要がある場合は、最初に説明を加えます。たとえば「KPI(重要業績評価指標)とは、目標達成度を測るための数値のことです」といった形で、用語の意味を明示することで、新人も理解しやすくなります。
コツ2:全体の流れが分かる構成にする
目次や見出しを工夫し、業務の全体像を把握しやすい構成にすることで、新人の理解を促進できます。
マニュアルを開いたときに、どこに何が書いてあるかが一目で分かるように、見出しを階層的に整理します。たとえば「第1章:入社初日の流れ」「第2章:社内ツールの使い方」「第3章:業務の基本手順」といった大きな区切りを作り、その下に小見出しを配置することで、情報が探しやすくなります。
また、目次にページ番号を振っておくと、新人が必要な情報にすぐにたどり着けるため、マニュアルの利便性が大きく向上します。
コツ3:図や写真、動画を活用する
文章だけでなく図や写真、動画などの視覚情報を取り入れることで、直感的に理解できるマニュアルになります。
たとえば、ツールの操作手順を説明する際は、画面のスクリーンショットを載せることで、「どのボタンをクリックすればいいか」が一目で分かります。また、業務の流れを説明する際は、フローチャートを使うことで、全体の流れを視覚的に把握しやすくなります。
動画を活用するのも効果的です。たとえば「電話応対の流れ」や「商品の梱包手順」といった、動きのある作業を説明する際は、動画で見せることで、文章だけでは伝わりにくいニュアンスまで伝えることができます。
コツ4:業務の目的や判断基準を明示する
手順だけでなく「なぜそうするのか」「どう判断するか」を記載することで、新人の応用力を育てることができます。
たとえば「顧客からの問い合わせには24時間以内に返信する」というルールを記載する際、「なぜ24時間以内なのか」という理由も添えます。「顧客の信頼を失わないため」「競合他社に先を越されないため」といった背景を伝えることで、新人はルールの意味を理解し、自分で判断できるようになります。
また、イレギュラーなケースに遭遇したときの判断基準も示しておくと、新人は迷わず行動できます。たとえば「緊急度が高い問い合わせは、すぐに上司に報告する」といった指針を載せておくことで、適切な対応ができるようになります。
コツ5:入社前・入社後でマニュアルを分ける
入社前の準備情報と入社後の業務情報を分けて整理することで、新人が段階的に学習できるようになります。
入社前には「入社日の持ち物」「服装の規定」「初日のスケジュール」といった、準備に関する情報を提供します。一方、入社後には「業務の基本手順」「ツールの使い方」「業務フロー」といった、実務に関する情報を提供します。
このように情報を分けることで、新人は必要なタイミングで必要な情報にアクセスでき、情報過多による混乱を防ぐことができます。また、入社前に準備を整えてもらうことで、初日からスムーズに業務を開始できるようになります。
コツ6:マニュアルの保管場所を明確にする
マニュアルをいつでもアクセスできる場所に保管し、新人が迷わず参照できるようにすることが重要です。
紙のマニュアルであれば、新人の机に配布するか、部署の共有スペースに置いておきます。デジタルのマニュアルであれば、社内の共有フォルダやクラウドストレージに保存し、全員がアクセスできるようにします。
また、マニュアルが複数ある場合は、どのマニュアルがどこにあるかを一覧にしておくと便利です。たとえば「新人教育マニュアル一覧」というページを作り、各マニュアルへのリンクをまとめておくことで、新人は必要な情報をすぐに見つけられるようになります。
特に、マニュアルを一元管理し、必要な情報をすぐに見つけられる環境を構築したい場合は、ナレッジ共有ツールの活用が効果的です。たとえばNotePMは、WordやExcel、PDFなどの添付ファイルの中身まで全文検索できる強力な検索機能を持っています。(※1) また、マニュアル作成を効率化するテンプレート機能や高機能エディタも搭載されており、(※1) Windowsのエクスプローラーのようなフォルダ階層構造とタグ付けによる柔軟な情報整理が可能です。こうしたツールを活用することで、マニュアルの管理と検索が格段に楽になります。
コツ7:問い合わせ先を明記する
マニュアルで解決しない疑問に対応できるよう、担当者の連絡先を明記することが重要です。
どれだけ詳しいマニュアルを作っても、すべての疑問を解消することはできません。新人が困ったときに、誰に聞けばいいかが分かるように、各セクションの最後や巻末に問い合わせ先を載せておきます。
たとえば「このマニュアルに関する質問は、人事部の○○(内線123、メール:xxx@example.com)までお問い合わせください」といった形で、具体的な連絡先を明示します。こうすることで、新人は安心してマニュアルを使うことができ、困ったときにすぐにサポートを受けられるようになります。
【コラム】マニュアル作成の負担を軽減するには
マニュアル作成は時間がかかる作業ですが、効率化ツールを活用することで大幅に工数を削減できます。特に、AIを活用した要約機能や翻訳機能を搭載したツールを使えば、既存の文書を元に短時間でマニュアルを作成できます。また、テンプレート機能があれば、ゼロから構成を考える手間が省けるため、初めてマニュアルを作る担当者でも安心です。
作っただけでは無意味?マニュアルを形骸化させない運用ポイント
せっかく時間をかけてマニュアルを作っても、使われなければ意味がありません。マニュアルが形骸化してしまう原因の多くは、作成後の運用が不十分だからです。
ここでは、マニュアルを活用し続けるための運用ポイントを3つ紹介します。これらを実践することで、マニュアルを組織の資産として定着させることができます。
OJTと組み合わせて活用する
マニュアルで基礎知識を習得し、OJTで実践・応用力を身につけるハイブリッド型教育が効果的です。
マニュアルはあくまで標準的な手順や知識を伝えるためのツールであり、実際の業務で必要な判断力やコミュニケーション力は、OJTを通じて身につけてもらう必要があります。たとえば「マニュアルで基本的な電話応対の流れを学んだ後、実際に先輩社員と一緒に電話対応を経験する」といった形で、マニュアルとOJTを組み合わせることで、効果的な教育ができます。
また、OJTの際に「マニュアルのこの部分を実践してみましょう」と具体的に指示することで、マニュアルの内容が実務とつながり、新人の理解が深まります。
学習の進捗や理解度を確認する
定期的に理解度チェックを行い、つまずきポイントを早期に発見する仕組みづくりが重要です。
たとえば、入社1週間後、1か月後といったタイミングで、マニュアルの内容を理解しているかを確認するテストや面談を実施します。こうすることで、新人がどこでつまずいているかを把握でき、早めにフォローすることができます。
また、マニュアルを読んだかどうかを確認する仕組みも有効です。NotePMのようなナレッジ共有ツールを使えば、誰がいつページを見たかを確認できる閲覧履歴機能と、見ていないページが分かる未読管理機能が搭載されています。こうした機能を活用することで、新人の学習進捗を可視化し、適切なタイミングでサポートを提供できるようになります。
定期的に更新しメンテナンスする
業務内容やツールの変更に合わせて、マニュアルを最新状態に保つ運用ルールの確立が重要です。
マニュアルは一度作って終わりではありません。業務の流れが変わったり、新しいツールが導入されたりすれば、その都度内容を更新する必要があります。更新を怠ると、マニュアルの情報が古くなり、新人が混乱したり、誤った手順を覚えてしまったりする原因になります。
定期的な更新を仕組み化するには、「半年に一度、マニュアルの見直しを行う」といったルールを決めておくことが有効です。また、NotePMのようなツールを使えば、Slack、Microsoft Teams、Chatworkなど主要なチャットツールと連携し、マニュアルの更新情報を自動通知できます。さらに、プロジェクト単位、組織単位などでノートごとに共有範囲を柔軟に設定でき、社外メンバー向けのゲスト権限も用意されているため、関係者全員に最新情報を確実に届けることができます。
【中小企業向け】マニュアル作成を効率化するツール紹介
新人教育マニュアルを作成する際、WordやExcelで一から作るのは時間がかかりますし、後から情報を探すのも大変です。特に、複数の担当者で共同編集したり、定期的に更新したりする場合は、専用のツールを使うことで作業効率が大きく向上します。
ここでは、中小企業の非専任担当者でも使いやすいマニュアル作成ツールを5つ紹介します。それぞれの特徴や料金を比較しながら、自社に合ったツールを選ぶ際の参考にしてください。
マニュアル作成ツールを選ぶポイント
マニュアル作成ツールを選ぶ際は、操作のしやすさ(UI/UX)、マニュアル作成・編集機能の充実度、検索機能の強力さ、料金体系、スマートフォン・タブレット対応といった観点から検討することが重要です。
特に、ITツールに慣れていない担当者でも直感的に使えるかどうかは、導入後の定着に大きく影響します。また、作成したマニュアルを新人がすぐに見つけられるよう、検索機能が充実しているかも重要なポイントです。
料金については、初期費用だけでなく、月額費用やユーザー数による課金体系も確認しましょう。中小企業の場合、コストを抑えながらも必要な機能を備えたツールを選ぶことが大切です。
主要ツールの比較表
ここでは、NotePM、Teachme Biz、Confluence、esa.io、Scrapboxの5つのツールを、操作性、検索機能、料金、主な機能などの観点から比較します。
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 主な機能 |
|---|---|---|---|
| NotePM | ファイルの中まで全文検索できる強力な検索機能が特徴。ITツールが苦手な人でも使いやすいシンプルな操作性 | 月額4,800円(8ユーザー)~ | 全文検索、テンプレート機能、高機能エディタ、変更履歴管理、AI機能(要約・翻訳・校正) |
| Teachme Biz | 画像・動画ベースのビジュアルマニュアル作成に強み。閲覧状況やテスト結果を管理でき、進捗管理が容易 | 月額59,800円~(要問い合わせ) | 画像・動画マニュアル作成、ステップ・バイ・ステップ形式、閲覧状況分析 |
| Confluence | 世界的に高いシェアを誇るナレッジ共有ツール。豊富な機能とカスタマイズ性が特徴 | 無料プランあり、Standardプランは月額600円/ユーザー~(11人以上) | 豊富なテンプレート、共同編集機能、変更履歴管理、Jira・Trello連携 |
| esa.io | 「情報を育てる」というコンセプトが特徴。WIP機能で書き途中の情報を共有できる | 月額500円/ユーザー | WIP機能、Markdownエディタ、カテゴリ・タグ管理 |
| Scrapbox | ページ同士をリンクで繋ぐユニークな思想のツール。共同編集機能に優れ、手軽さとスピード感がある | 無料プランあり、Businessプランは月額1,000円/ユーザー | リアルタイム共同編集、ページ間リンク、箇条書き中心のインターフェース |
各ツールの特徴
各ツールには独自の強みがあり、企業の規模や業種、マニュアル作成の目的に応じて最適なツールを選択することが重要です。ここでは、5つのツールそれぞれの特徴を詳しく見ていきます。
NotePM
NotePMは、マニュアル作成、社内Wiki、ナレッジ共有など幅広い用途に対応し、使いやすさと強力な検索機能に定評があります。(※2) 特に、WordやExcel、PDFなど添付ファイルの中身まで検索できる強力な全文検索機能を持っており、(※2) 必要な情報をすぐに見つけられる点が大きな特徴です。
マニュアル作成を効率化するテンプレート機能や高機能エディタも搭載されているため、(※2) ITツールに慣れていない担当者でも、見やすく分かりやすいマニュアルを短時間で作成できます。また、AI機能を使えば、長文の要約や翻訳、文章の校正も可能で、マニュアル作成の手間をさらに削減できます。
料金は月額4,800円(8ユーザー)からと、中小企業でも導入しやすい価格帯です。(※2) 閲覧ユーザー(ゲスト)は実質無料で利用できるため、マニュアルを閲覧するだけの新人が多い場合でも、コストを抑えながら運用できます。
Teachme Biz
Teachme Bizは、画像や動画を主体としたビジュアル重視のマニュアル作成に特化しており、専門知識がない担当者でも直感的に作成できるツールです。(※3) スマートフォンやタブレットで撮影した写真や動画で簡単にマニュアルを作成でき、(※4) 現場での作業手順を視覚的に伝えるのに適しています。
ステップ・バイ・ステップ形式で手順を分かりやすく表現できるため、複雑な作業でも新人が迷わず実行できます。また、マニュアルの閲覧状況を分析し、教育効果を可視化する機能も持っているため、(※3) 誰がどのマニュアルを読んだか、理解度はどうかを把握しながら教育を進めることができます。
料金は月額59,800円からで、(※5) 他のツールと比べるとやや高めですが、特に飲食、小売、製造業など、現場作業の多い業種で高い導入実績があります。
Confluence
Confluenceは、世界的に高いシェアを誇るナレッジ共有ツールであり、豊富な機能とカスタマイズ性が特徴です。(※6) 議事録やプロジェクト計画など、豊富なテンプレートで文書作成を効率化でき、(※6) マニュアルだけでなく、社内のあらゆる情報を一元管理するプラットフォームとして活用できます。
強力な共同編集機能と詳細な変更履歴管理により、複数の担当者で同時にマニュアルを編集する際もスムーズに作業できます。また、JiraやTrelloなど、多数の外部ツールとのシームレスな連携が可能で、(※6) 特にIT部門を持つ中小企業に適しています。
無料プランがあり、Standardプランは月額600円/ユーザーから利用可能です(11人以上の場合)。(※6) 大規模な組織での利用を想定した機能が充実しているため、将来的に組織が拡大する見込みがある場合にもおすすめです。
esa.io
esa.ioは、「情報を育てる」というコンセプトが特徴で、書き途中の情報(WIP)でも気軽に共有できるツールです。(※7) 完璧なドキュメントを目指すプレッシャーが少なく、情報共有のハードルが低いため、マニュアル作成に慣れていない担当者でも気軽に始められます。
WIP(Work In Progress)機能を使えば、書き途中の情報を共有し、チームで育てていくことができます。(※7) また、シンプルで直感的に使えるMarkdownエディタを搭載しており、(※7) 技術的な知識がなくても、見やすいマニュアルを作成できます。
料金は月額500円/ユーザーと非常に手頃で、(※7) 小規模なチームやスタートアップ企業に適しています。カテゴリとタグによる柔軟な情報整理が可能なため、マニュアルが増えても管理しやすい点も魅力です。
Scrapbox
Scrapboxは、フォルダによる階層構造ではなく、ページ同士をリンクで繋いでいくユニークな思想のツールです。(※8) 単語を`[]`で囲むだけでページ間をリンクできる簡単な操作性が特徴で、(※8) 情報を自由に関連付けながら整理できます。
複数人が同時に編集できるリアルタイム共同編集機能を持ち、(※9) チームでアイデアを出し合いながらマニュアルを作成する際に便利です。箇条書きで思考を整理しやすく、直感的なインターフェースが特徴で、(※8) 小規模チームでのナレッジ共有やアイデア出しに適しています。
無料プランがあり、Businessプランは月額1,000円/ユーザーです。(※8) 従来のマニュアル作成ツールとは異なるアプローチで情報を整理したい場合や、柔軟な発想を重視するチームにおすすめです。
新人教育マニュアルの作成・運用を効率化したいならNotePMがおすすめ
新人教育マニュアルを作成する際は、含めるべき必須項目を押さえ、4つのステップに沿って進めることで、実際に使われるマニュアルを完成させることができます。また、専門用語を避ける、図や写真を活用する、保管場所を明確にするといったコツを実践することで、新人にとって分かりやすく、探しやすいマニュアルになります。
マニュアルは作って終わりではなく、OJTと組み合わせて活用し、定期的に更新しながら運用し続けることが重要です。こうした運用を効率化するには、マニュアル作成ツールの活用が効果的です。
特に、中小企業で限られたリソースの中でマニュアル作成を進める場合は、NotePMの導入がおすすめです。NotePMは、強力な全文検索機能、高機能エディタ、AI機能、閲覧履歴管理といった機能を備えており、マニュアルの作成から運用、更新までを一元的に管理できます。ITツールが苦手な担当者でも使いやすいシンプルな操作性と、手頃な料金体系が特徴です。
無料トライアルも用意されているため、まずは実際に試してみて、自社の業務に合うかを確認してみてください。


