マニュアル作成の目的は?意味・必要性・活用されないケース・おすすめITツールを紹介

2025年01月17日(金) マニュアル作成

 

多くの企業が業務効率化という課題を抱えています。マニュアルを作成することによって、業務を円滑に進めることができますが、マニュアルがどういう意味を持つのか社内で共有できているでしょうか。マニュアルを作成する意味を社員が知っていないと、逆に形骸化してしまいマニュアルを活かせないばかりか、作成する社員の負担になってしまうことも考えられます。今回はマニュアル作成の意味や、無意味なマニュアル作成の回避の仕方について詳しく解説していきます。

業務マニュアルについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
業務マニュアルとは?わかりやすい作り方や無料テンプレートを紹介

マニュアルの意味とは?手順書とは違う?

マニュアルを作成する意味とはどのようなものでしょうか。マニュアルとは手順書のことのように思われますが、厳密にはこの2つは違っています。この違いについて詳しく見ていきましょう。

マニュアルの意味

マニュアルとは業務についての全体像やルール、作業の流れについてまとめたものです。マニュアル化することで業務の内容をより明確にし、全ての社員が同じレベルでの業務ができるようになり標準化が進みます。また業務内容を明らかにすることによって、社員の遂行能力や目標の達成度合いを図ることもできるようになります。

またマニュアル化とは「暗黙知」を「形式知」に置き換える作業でもあります。暗黙知とは個人が経験を通して得た知識や勘など、言語化しづらい知識のことをいいます。これに対して形式知とは文章や図表など、客観的に表すことのできる知識を指します。暗黙知の例としては、優秀な営業担当者の営業手法などがあげられるでしょう。暗黙知を形式知に変換することによって、個人が持つノウハウやナレッジが会社内で共有することができます。

近年転職が一般化しており、個人の能力がどんなに高くても、すぐに転職されてしまっては企業にノウハウやナレッジが残らなくなってしまいます。マニュアル化を促進して、こうした暗黙知を会社に残すことが企業として強く求められています。

マニュアルと手順書の違い

マニュアルは、業務全体の概要、大まかな流れやルールを表したものですが、手順書は日常的な業務で使うために、さらに細かいプロセスについて具体的なやり方を表したものです。手順書では作業する人の知識や視点で、一つ一つのステップについて記述がされています。業界によっては作業手順書、作業標準書とも呼ばれます。

マニュアルを作成する目的・必要性とは

マニュアルを作成する目的・必要性は、以下の3つです。

  • 品質の安定
  • 教育時間の短縮
  • 属人化を防ぐ

品質の安定

マニュアル作成するメリットとして標準化をすでにあげていますが、もう少し具体的に説明すると、どんな社員が対応しても業務の品質の安定や向上が望めるという点が、マニュアルを作成する一番のメリットといえるでしょう。

人によって業務の手順や方法にばらつきがある場合、ミスや抜けが起こってしまったり混乱を招くという事が考えられます。しかし業務に必要な項目を明記したマニュアルに沿って業務を行えば、担当者が異なっていてもレベル感が安定したサービスを行うことができます。後からミスがあった場合のリカバリーに時間を取ることもないので、無駄なコストや社員の負担を減らすこともできます。

マクドナルドなど大手のチェーン店は、どの店舗に行っても同水準のサービスがうけられます。こうしたチェーン店では調理方法や接客方法などをマニュアル化することによって、パートタイムといった正社員以外のスタッフでも、高い水準の業務ができるようにしているのです。

教育時間の短縮

業務途中で手順や方法について疑問があった場合でも、マニュアルを作成しておけば自己解決できる場合があり、周りの人に質問したり、悩んだりする時間を減らすことができます。仕事に慣れていない人は、マニュアルを何度も見ながらブラッシュアップすることで、記憶に定着しやすくなるので即戦力になりやすくなります。また質問を受ける人も、教える時間や手間を減らすことができます。

また日常業務に慣れている人でも、頻度の少ない業務を覚えることはとても大変です。マニュアルを作成していれば、年に一度しかないような業務を完全に覚えておく必要性はなく、マニュアルの内容を見ながらこなすという事もできます。

新入社員への指導や担当者が変わったりする場合にも、マニュアルは活用できます。上司や先輩社員などは、業務を一から教えたり、同じ内容の指導を何度もする必要がなくなり、教育や訓練の時間を大幅に短縮することが可能です。

属人化を防ぐ

属人化とは、特定の社員が担当している業務のやり方を共有しておらず、当人以外に仕事の進め方がわからなくなってしまう状態のことです。起こりがちなのが、多忙で業務が回らないような場合や、専門性が高い仕事など業務レベルが高い場合、頻度が少ない業務にも見られます。このような状態を放置すると、担当社員が休んだり、退職してしまったりする場合に業務が回らなくなってしまう状態に陥ったり、取引先とうまくコミュニケーションが取れず、売上が大幅に下がるなどの事態になってしまうこともありえます。マニュアルを整備しておくと、個人に依存する必要がなくなり誰でも取り組めるようになります。

また管理職がその業務について熟知していればよいのですが、ブラックボックスのような状態になっている場合、非効率な業務を行っていても気づくことができなくなります。属人化している業務が、社内全体の業務を遅くする原因になっている場合もありえます。

属人化した業務は、成果物の評価がしづらくなります。上司がどれだけ困難な業務であるのかを理解した上で、適正な評価を行わないと社員の不満が高まり、離職率の増加にもつながります。こうした属人化を防ぐためにも、積極的にマニュアル作成を促進していく必要があります。

属人化についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
属人化とは?原因やメリット・デメリット、解消方法を徹底解説!

マニュアル作成のメリット・デメリット

マニュアル作成のメリット・デメリットについて、以下より詳しく解説します。

メリット ・業務品質を統一できる
・作業時間を短縮できる
デメリット ・作成にコストがかかる
・現場スタッフが利用するようになるまでに時間かかる

マニュアル作成のメリット

マニュアル作成を行うことで、業務品質を統一できたり、作業時間を短縮できたりします。

社内に「困ったらマニュアルを見る」という文化が根付くことで、作業にかかる時間や、教育にかかるコストを削減できます。

ベテランのスタッフが感覚的にやっている作業を明文化してマニュアルに残すことで、業務品質の向上につながるでしょう。

マニュアル作成のデメリット

マニュアル作成のデメリットとしては、作成にコストがかかる点です。

一目でわかりやすくしたり、現場の作業内容を把握してまとめたりするのには、一定の労力がかかります。

作成したマニュアルを現場スタッフが利用するように運用するのにも手間がかかるでしょう。

マニュアル作成・運用ツールを導入することで、労力を減らせます。

また、マニュアルに縛られて、イレギュラーなトラブルに対応できなくなったり、創意工夫がなくなったりする点もデメリットです。

業務を行う意味・目的を社員に共有し、マニュアルは自分たちで改善していくものという文化を作っていくことが大切です。

意味のないマニュアルに陥る3つのケース

マニュアルの作成がもたらすメリットはたくさんありますが、逆に社員の負担になってしまったり、全く読まれず活用されないマニュアルになったりするケースもありえます。どういった場合に意味のないマニュアルになってしまうのか詳しく見ていきましょう。

マニュアル作成を成功させるコツについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
【おすすめツールあり】マニュアル作成を上手に行うには?|目的・手順・コツをそれぞれ3つ紹介

作成にリソースを取られすぎる

意味のないマニュアルに陥りやすいのは、無駄に人員や時間を取られすぎてしまうケースです。業務に支障がでない程度の人員や時間で、マニュアルを作成していく事が大切です。見やすいマニュアルを作ることは大事ですが、デザインに凝ってしまうと無駄に悩んでしまったり、すでに作った他のマニュアルも統一する必要がでてくるなど、思いのほか時間を取られがちです。

顧客に提出するような整った美しいマニュアルを目指すのでなく、箇条書きのようなシンプルなものにするのも一つの方法です。大まかに作成方法や内容を事前に決めておくことで、不必要に時間を割くことがなくなります。また他のマニュアルに同じ内容がある場合はリンクを作ったり、参照してもらうなどといった工夫で重複を避けることができます。マニュアルには時間や手間をかけたりするのではなく、あくまでもわかりやすく、シンプルに作成していくのがポイントです。また、すでにマニュアル作成のフォーマットの整った社内wikiなどのツールを使うことも良い手段だと言えます。

更新されない

全く更新がされないまま古い情報が載っているようなマニュアルも使われなくなります。古いから活用しないというならまだしも、誤った作業を行ってしまい、ミスや事故を起こしてしまう可能性すらあります。また定期的な見直しがないと、本来の目的から離れてしまった意味のないルールが職場に定着してしまい、業務の効率化を妨げる障害になることもありえます。

マニュアルの更新担当者を決めて、見直す頻度を決めておくとこういった心配がなくなります。運用を繰り返しながらマニュアルも都度、改善したり更新したりしていく事が望ましいですが、実際には十分に時間が取れない場合が多いのが現実です。最低でも業務内容が変更になったら、マニュアルも変更するといったルールを作ったり、年に数回はマニュアルの点検を行うなどと決めたりしておくとよいでしょう。

難しい言葉をいれすぎる

長く業務に携わっている人ほど、専門用語をはじめとした難しい言葉を使いがちです。マニュアルを読む人が、初心者や新入社員であれば、専門用語や社内用語の多用は読みづらく、使われないマニュアルになってしまいがちです。できるだけ平易な単語に置き換えたり、専門用語に注釈をいれたりするなどの心遣いが必要です。マニュアルを作成する際には読む人間を意識し、相手の立場や視点に考慮しながら作成することを忘れないようにしましょう。

 

検索性に優れているマニュアル作成ツール「NotePM」

 

ツールを使えば社内で活用されるマニュアルが作れる2つの理由

ツールを活用すると社内で活用されるマニュアル作成が作れる主な理由を2つ紹介します。

  • 質の高いマニュアルを作成できる
  • マニュアル作成を効率化できる

マニュアル作成ツールについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
【徹底比較】マニュアル作成ツールおすすめ20選|選び方と導入事例も紹介

質の高いマニュアルを作成できる

デザイン機能やレイアウトを利用することによって、情報が網羅された読みやすいマニュアルを作成できます。

デザイン性が高く、わかりやすいマニュアルを作成するのは難しいです。しかし、マニュアル作成ツールに備わっている機能を活用すれば、デザインの知識がなくても、簡単に質の高いマニュアルが完成します。

マニュアル作成を効率化できる

マニュアル作成ツールにはテンプレートがついており、ゼロから自分で資料を作る必要はありません。

見やすいマニュアルを作成するには、記載する内容の決定から構成の検討、運用後の修正が必要です。これらの作業には時間がかかりますが、マニュアル作成ツールを利用することで効率化できます。

マニュアル作成ツールは『NotePM』が一番おすすめな2つの理由

社内で活用されるマニュアルを作るなら、マニュアル作成ツールの『NotePM』がおすすめの理由を2つご紹介します。

  • 誰でも簡単にマニュアルを作れる
  • 検索性に優れている

誰でも簡単にマニュアルを作れる

NotePMには高機能エディタ・テンプレート機能が搭載されており、誰でも簡単にマニュアルやドキュメントの作成が可能です。矢印や吹き出しなど、マニュアル作成に使える「画像編集機能」も便利です。

テンプレートはフォーマットが統一されているため、人によって完成度がバラバラといった問題が出る心配もいりません。

検索性に優れている

口コミでも評価されているように、NotePMは検索性に優れている点もメリットの一つです。

ツール内で作成したドキュメントだけでなく、Word・Excel・PDFなどのファイルの中身も全文検索可能です。「どこに何が書いてあったのかわからない」と資料を探す時間を大幅に削減でき、業務を効率化できます。検索性に優れていて、社内で活用されるマニュアルを作るならNotePMがおすすめです。

 

検索性に優れているマニュアル作成ツール「NotePM」

NotePMを活用してマニュアル作成に成功した2つの事例

NotePMを活用してマニュアル作成に成功した2つの事例について、解説していきます。

  • アイリスオーヤマ株式会社
  • ユサコ株式会社

アイリスオーヤマ株式会社

アイリスオーヤマ株式会社

アイリスオーヤマ株式会社は、国内外グループ30社・国内約70拠点をもち、さまざまな分野・業態に渡って事業を展開しています。LED・IoTソリューション事業部は、情報共有を社内サーバーで行っていたものの、欲しい情報をすぐに見つけられない状態でした。

NotePMを導入したことによって社内のナレッジ共有が円滑になり、社員の成長スピードを向上できる環境の構築に成功しています。

年に数百人単位で新入社員が入社し、若手社員の比率が多いため、社内のナレッジを蓄積・管理できる環境の構築が必要な状況でした。そこで、ナレッジマネジメントツール『NotePM』によって、社内の情報を一元管理したことで、検索工数を70%ほど削減することに成功しました。

アイリスオーヤマ株式会社の成功事例については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【導入事例】情報検索の手間が7割削減。NotePM導入で、業務効率化と社員成長を加速 – アイリスオーヤマ株式会社

ユサコ株式会社

ユサコ株式会社

ユサコ株式会社は学術情報を専門的に取り扱うなど、長年にわたって高品質な情報を届けている企業です。

元々、教育担当者が新人の指導に多くの時間を割いていましたが、NotePMを導入してマニュアルや業務手順を一元管理することで、担当者の負担を大幅に削減できました。

新人が自らマニュアルにアクセスし、確認しながら学習を進められる環境が整ったことで、指導にかかる工数が50%ほど減りました。

ユサコ株式会社の成功事例については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【導入事例】新人教育の工数が50%減!専門商社が実践する新たな情報共有のカタチとは – ユサコ株式会社

マニュアル作成の目的・必要性を押さえて、活用されない事態を避けよう

本記事では企業がマニュアルを作成する意味を解説してきました。マニュアルの導入によって、誰でも効率的に作業をこなすことができるようになり、会社での作業効率に大きく貢献しますが、一方で作成しただけで更新されないマニュアルや、難しすぎるマニュアルは、活用されないだけでなく社員の負担になる可能性もあります。定期的に更新する責任者を決めて、社内wikiを使うと、より多くの人とマニュアルを共有することができ、業務効率化に大きく役立てることができます。

NotePM