ナレッジトランスファーとは?メリットや進め方などを一挙解説

2025年01月08日(水) ナレッジ共有

ナレッジトランスファー

企業にとってナレッジは重要な資産です。ナレッジは、組織全体で共有して必要な従業員であれば誰でも活用できる状態にしておかなければなりません。
そのために有効な方法がナレッジトランスファーです。これにより組織全体のレベルアップや競争力向上が期待できます。

ただし、ナレッジトランスファーにはポイントが複数あるため、それらを把握していないと十分な効果が得られません。

本記事では、ナレッジトランスファーの意味や メリット・手段・ポイントを紹介します。組織全体でナレッジを使いこなせる状態にしたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

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ナレッジトランスファー(KT)の意味

ナレッジトランスファー(Knowledge Transfer、KT、ナレトラ)とは、各従業員が有する知識を組織全体で共有する仕組みです。これにより、組織全体のレベルアップや競争力向上が図れます。

ナレッジトランスファーをより深く理解するために知っておきたい基礎知識は、以下の2つです。

  • スキルトランスファーとの違い
  • ナレッジの種類

これらの基礎知識を理解することで、ナレッジトランスファーについて一層わかりやすくなるでしょう。

スキルトランスファーとの違い

ナレッジトランスファーに似た概念に「スキルトランスファー」(Skill Transfer)があります。こちらは、ある特定のスキルや技術を、社内の他の従業員に共有することです。業務引き継ぎなどで行われます。

ナレッジの種類

ナレッジの種類は、以下の2つです。

  • 暗黙知
  • 形式知

ナレッジトランスファーには、いずれのナレッジも関わってきます。

>関連記事:ナレッジマネジメントで重要な形式知と暗黙知とは?

暗黙知

暗黙知は、経験や直感に基づく個人独自の知識です。

言葉にしにくいもので、経験的知識とも呼ばれています。企業文化や職人技などがそれに該当し、職場での指導や社内でのコミュニケーションを通じて継承されてきます。

形式知

形式知は、文章・図表・計算式などを使って他者に説明できる知識です。

明示的知識とも呼ばれ、論理的な構造で客観的に説明できます。形式知は暗黙知より共有しやすく、ナレッジトランスファーでは暗黙知を形式知に変換することも重要なポイントです。

ナレッジトランスファーのメリット

ナレッジトランスファーのメリットは、主に以下の4つです。

  • ノウハウ蓄積の促進
  • 企業の競争力向上
  • 従業員のキャリアアップ
  • 業務効率化

ナレッジトランスファーの目的を明確にするためにも、順番に詳しく見ていきましょう。

ノウハウ蓄積の促進

企業にとって、従業員がもつ知識は貴重な財産です。

ナレッジトランスファーによってベテラン従業員のノウハウを若手従業員に共有できれば、企業全体の知識レベル向上が期待できます。ナレッジトランスファーで社内に蓄積されたノウハウは、業務効率化や生産性向上にもつながるでしょう。

>関連記事:ナレッジやノウハウは共有するだけでは不十分!蓄積が必要な理由

企業の競争力向上

ナレッジトランスファーで企業内にノウハウが蓄積されることで、従業員の生産性向上・コスト削減・顧客満足度向上など、さまざまな効果が期待できます。

これらの効果により、企業は競合他社との差別化を図り、市場での優位性を確立できるでしょう。このことが、企業の競争力を向上させます。

従業員のキャリアアップ

ナレッジトランスファーは、従業員のキャリアアップにも大いに寄与します。

ナレッジトランスファーで若手従業員がベテラン従業員から直接指導を受けることで、若手従業員はスキルアップやキャリアパスを描けるようになるでしょう。また、組織全体の知識レベル向上にもつながり、従業員のモチベーションアップにもつながります。

業務効率化

ナレッジトランスファーにより蓄積されたノウハウを、マニュアル化して共有すれば、業務の効率化が図れます。人的ミスを減らして業務のスピードアップを実現できるでしょう。

また、業務効率化を進める過程で新たなナレッジの創出を促し、さらなる企業の成長につなげられます。

>関連記事:業務効率化6つの方法と7つの成功ポイントを解説

ナレッジトランスファーの進め方

ナレッジトランスファーの進め方は、主に以下の5つです。

  • 戦略移転
  • 連続移転
  • 近接移転
  • 遠隔移転
  • 専門知移転

自社でどのようにナレッジトランスファーを行えばよいか考えるために、順番に詳しく見ていきましょう。

戦略移転

戦略移転は、M&Aなどめったに発生しない戦略的な業務について社内でナレッジ共有を行うことです。

めったに発生しませんが、発生すると社内に経験者が少ないため、ナレッジトランスファーが役立ちます。専門家がナレッジを収集・整理して、形式知化しておけば、次回以降の業務に活かせます。

連続移転

連続移転は、特定の従業員やチームが繰り返し行う業務のナレッジを、同じ従業員やチームが簡単に活用できるようにする方法です。

暗黙知を形式知に変換し、チーム内で共有することで、業務の質向上を目指せます。成功事例だけでなく失敗事例も共有することで、改善策を検討できます。

近接移転

近接移転は、頻繁に行われる定型的業務に関するナレッジについて、同じような業務を担当する他の部署に対してナレッジトランスファーを行うことです。

マニュアル化された業務が多く、形式知化を比較的容易に実施できます。部署異動や担当者の交代に伴う業務引き継ぎや、業務効率化を行う際に取り入れましょう。

遠隔移転

遠隔移転は、頻繁に発生するものの非定型的な業務について、ナレッジトランスファーを行うことです。非定型的な業務である分、暗黙知が多く、文章で説明しにくい点に注意しなければなりません。

経験者が実際に業務を行いながら他の従業員に指導することで、ナレッジを伝承していきましょう。経験者にとっても、他人に教えることで新たな発見があるかもしれません。

専門知移転

専門知移転は、特殊で定型的であるものの専門性が高い業務について行うナレッジトランスファーです。このような知識はスペシャリストが扱うことが多く、社内で属人化しやすい傾向があります。

前任者と質疑応答の場を設けることで、属人化防止と知識の共有を図りましょう。発生頻度が低い分、アウトソーシングの活用も検討したいところです。

ナレッジトランスファーの手段

ナレッジトランスファーの手段は、主に以下の4つです。

  • プロジェクト管理
  • セミナー
  • 文書作成
  • 定期的なミーティング

ナレッジトランスファーのために自社で何ができるか、順番に詳しく見ていきましょう。

プロジェクト管理

プロジェクト管理を通じて、業務上の知識を共有しましょう。目標や進捗状況を明確にし、必要な知識が適切なタイミングで共有されるように計画を立てることがポイントです。

>関連記事:プロジェクト管理の代表的な手法と進め方

セミナー

セミナーやワークショップも、従業員同士でナレッジを共有する場として有効です。文書などでは伝えづらい暗黙知も、セミナーであれば共有しやすいでしょう。

文書作成

ナレッジを文書に残すことで、データベース化して管理できます。これにより、組織全体でのナレッジトランスファーが容易になるでしょう。

>関連記事:マニュアル作成を成功させる11のコツと作り方4ステップを解説

定期的なミーティング

定期的なミーティングで、プロジェクト進捗やナレッジ共有の状況を確認できます。これにより、ナレッジトランスファーの進行をスムーズに促進できるでしょう。

ナレッジトランスファーのポイント

ナレッジトランスファーのポイントは、主に以下の3つです。

  • ナレッジ共有しやすい環境の整備
  • ナレッジ共有への負担軽減
  • ナレッジ管理の徹底

ポイントを押さえて、着実にナレッジトランスファーを進めていきましょう。

ナレッジ共有しやすい環境の整備

ナレッジトランスファーを成功させるには、従業員同士が気軽にナレッジ共有できる環境づくりが大切です。 まずは、ナレッジを共有する手順の明確化や、ナレッジ管理ツールの導入から始めてみましょう。

手順書があれば、従業員は迷いなくナレッジ共有に取り組めます。また、ナレッジ管理ツールを活用すれば、ナレッジの検索・共有を効率化できます。

>関連記事:ナレッジ共有を進めるための4つの方法とは?進めるステップからおすすめツール7選まで徹底解説

ナレッジ共有への負担感の軽減

従業員がナレッジ共有に対し、心理的なハードルや時間的な制約を感じると、ナレッジトランスファーは滞ってしまいます。日々の忙しい業務の中で、追加でナレッジ共有を行うことに負担を感じる従業員も多いでしょう。

トップ層が率先してナレッジ共有を行うことで、社内にナレッジ共有が盛んな文化を作り出すことが大切です。テンプレートの活用など、ナレッジ共有を簡単にする仕組みづくりもよいでしょう。

>関連記事:ナレッジ共有が難しい理由は?成功に導くポイントや事例も紹介

ナレッジ管理の徹底

ナレッジトランスファーは、ナレッジの共有だけでは不十分です。共有されたナレッジを業務に有効活用することが欠かせません。

そのためには、共有されたナレッジを適切に管理し、必要なシーンですぐにアクセスできる環境作りが大事です。ナレッジの蓄積・管理が不十分で、他の情報に埋もれてすぐピックアップできる状態でないと、せっかく共有された知識も業務に役立てられません。

>関連記事:ナレッジ管理とは?注目される背景・目的・基礎理論・導入方法を解説

まとめ

ナレッジトランスファーにより組織全体でナレッジ共有する仕組みを作ることで、ノウハウの蓄積や従業員のキャリアップなどが実現可能になります。ナレッジの種類や共有目的により、進め方は戦略移転や連続移転など主に5つあります。

ナレッジトランスファーは、セミナーや文書作成などを通じて実現可能です。成功させるには、ナレッジ共有の環境整備やナレッジ管理の徹底などが欠かせません。

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