ナレッジ共有が難しい理由は?成功に導くポイントや事例も紹介

2024年12月02日(月) ナレッジ共有

「ナレッジ共有」と一口に言っても、社内で習慣化するのは簡単ではありません。社内のナレッジ共有を推進しているにもかかわらず、思うように浸透せず困っている担当者も多いでしょう。

この記事では、ナレッジ共有を定着するのが難しい理由や、課題を乗り越えて成功に導くポイントを5つ紹介します。難しいナレッジ共有をスムーズに進めるために役立つツールや、成功事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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ナレッジ共有を定着させるのが難しい理由

ナレッジ共有の推進に難航している企業も多いでしょう。「社内のナレッジ共有が計画どおりに進まない!」と頭を悩ませる担当者に向けて、定着するのが難しい理由を紹介します。

共有すべきナレッジが何かを認識しにくい

ナレッジの定義は曖昧です。そのため、社員1人ひとりが「ナレッジ共有をしたつもり」になっているにもかかわらず、実際には不十分な状態になるリスクがあります。企業や部署にとってのナレッジの定義を明文化できていないと、ナレッジ共有を定着させるのは難しいでしょう。

共有・管理に手間がかかる

ナレッジ共有には、個人が持つナレッジを他の人に伝わるように言語化して整えたり、古いナレッジを削除したりといった手間がかかります。本業を優先するためにナレッジ共有を後回しにして、なかなか進まないままになっているかもしれません。後回しになってしまう原因は、社員がナレッジ共有のメリットを把握できていないことにあります。そうした事態を防ぐためにも、ナレッジ共有の必要性を理解してもらうことが重要です。

情報共有が目的になってしまう

ナレッジは共有して終わりではなく、他の人に活用されることが目的です。しかし、ナレッジの整理が行き届いていなかったり、社内にナレッジを活用する文化が根付いていなかったりするケースも珍しくありません。そのままでは、ナレッジ共有の効果を十分に発揮できないため、活用も含めたナレッジ共有の仕組みを再検討する必要があります。

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あらためてナレッジ共有をおさらい

ナレッジ共有の方法を見直すために、あらためてナレッジ共有の意味や目的、ナレッジの種類を見ていきましょう。

そもそもナレッジとは

「ナレッジ」とは知識やノウハウを意味する言葉で、ビジネスシーンでは業務に活かせる情報全般を指しています。たとえば、営業や事務といった一般的なオフィスワーク職にとってのナレッジには、次のようなものがあります。

・ 各種書類とそのテンプレート(稟議書・見積書・出張申請書など社内外の書類)
・ 顧客情報
・ マニュアル
・ 議事録
・ 日報
・ 成功事例
・ 問い合わせ履歴 など

ナレッジ共有の目的

ナレッジ共有の目的には、次のようなものがあります。

・ 業務標準化:属人化を防止し、社員のスキルの底上げします
・ 業務効率化:ムダを削減し、社員1人あたりや1時間あたりの生産性を向上します
・ 教育コストの抑制:業務に必要なナレッジを体系化し、新人研修にかかる手間やコストを減らします

ナレッジには「形式知」と「暗黙知」の2種類ある

ナレッジには「形式知」と「暗黙知」に分けられます。形式知は言語化されているナレッジで、暗黙知は言語化されていないナレッジです。

たとえば営業のナレッジの場合、部署やチームで共有しているマニュアルは「形式知」、毎回成績トップに入る営業マンが個人的に実践しているコツは「暗黙知」にあたります。また、「冬は職場にいちばん早く着いた人が加湿器の水を補充する」といった暗黙の了解となっているルールも暗黙知です。

暗黙知はナレッジを持つ本人も上手く言語化できていないケースもあるため、とくに共有するのが難しいのが特徴です。

ナレッジ共有を成功に導く5つのポイント

難しいナレッジ共有を成功に導くポイントは、次の5つです。

・ ナレッジ共有を評価する体制を整える
・ ナレッジの管理者を決める
・ 共有するナレッジの範囲を明確にする
・ ナレッジ共有の手間を減らせるツールを活用
・ 段階的に導入する

それぞれ紹介してきます。

ナレッジ共有を評価する体制を整える

ナレッジの共有・管理には手間がかかる一方で、売り上げのようにわかりやすい成果に繋がらないことが多いのが課題です。経営陣と現場の理解を得るためには、社員1人ひとりのナレッジ共有への貢献度をしっかり測り、評価することが重要になってきます。ナレッジ共有へのコストを確保しやすくなるうえ、社員個人のナレッジ共有のモチベーションを高められるでしょう。

関連記事:ナレッジ共有の効果測定は可能?必要性や指標・運用のポイントを解説

ナレッジの管理者を決める

部署ごとにナレッジの管理者を決めて、ナレッジの共有・管理・活用のルールを決めてください。全社で導入する場合、情報システム部門がおおまかなルールを決めることが多いでしょう。そのうえで、細かい部分は各部署が調整していくことで、現場目線のルールを作りやすくなります。

共有するナレッジの範囲を明確にする

そもそもどのような情報を共有したらいいのかを定義し、部署内の全員が共通認識を持てるようにしましょう。どのようなナレッジが有用かは部署によって変わってきますので、詳細な共有範囲を決めるのは現場に委ねるのがおすすめです。

ナレッジ共有の手間を減らせるツールを活用

ナレッジ共有や整理、社員個人の貢献度の管理などは、ツールを活用することで簡単に行えるようになります。ナレッジ共有ツールにはさまざまな種類がありますので、入念に比較検討し、企業規模や業種に適したものを見つけていきましょう。

段階的に導入する

ナレッジ共有には手間がかかるからこそ、いきなりすべてのナレッジを共有するよう強制するのは現実的ではありません。そのため、まずは日報や議事録などすでに形式知化されているものを、ナレッジ共有用のツールを活用して共有することからスタートするのがおすすめです。そうした過程を通じてツールの使い方に慣れてから、少しずつ共有するナレッジの範囲を広げていくことで、ナレッジ共有が浸透しやすくなります。

ナレッジ共有に有効なツール

ITツールを活用することで、ナレッジ共有が社内に浸透しやすくなります。とくにおすすめなのが、「社内wiki」「チャットボット」「スプレッドシート」の3種類です。

それぞれのナレッジ共有ツールとしての特徴をまとめましたので、自社に適したツールを選ぶための参考にしてください。

社内wiki チャットボット スプレッドシート
コスト
社員の貢献度管理
ナレッジの探しやすさ
ナレッジの共有しやすさ
柔軟性

社内wiki

社内wikiとは、テキストやファイルを自由に共有できる社内版Wikipediaです。メモ帳感覚で使えるツールが多く、ユーザー数も柔軟に変えられるうえ、検索もしやすいといったメリットがあります。さらに、ページごとの閲覧数や、ユーザーごとの投稿数なども管理できるツールもあり、人事評価に繋げやすいのも魅力です。

関連記事:【2024年版】社内wikiツール おすすめ15選(有料・無料)

チャットボット

問い合わせ業務の効率化に特化したツールです。料金が高額なツールが多いため、大企業の情シスや総務など社内からの問い合わせが多く、ユーザー数も多い場合にはおすすめです。ただし、ナレッジの登録は限られた人しかできません。全社的なナレッジシェアリングを目指すのであれば、他のツールと併用する必要があります。

Googleスプレッドシート

Googleアカウントを作るだけで利用できるGoogleスプレッドシートは、コストがほとんどかからないため。すぐにでもナレッジ共有が始められます。一方で、専用ツールではないぶん管理の手間がかかるため、大人数での使用や大量のナレッジの共有には向いていません。少人数のチームで試験的に導入するツールとしては、Googleスプレッドシートがおすすめです。

ツールを活用したナレッジ共有の注意点

ナレッジ共有を成功に導くために、事前に把握しておきたい点が2つあります。

社員のITリテラシーにあったツールを選ぶ

高性能なツールでも、操作が難しくて社員が使いこなせなかったら意味がありません。社員のITリテラシーにばらつきがある場合は、マニュアルを見なくても直感的に操作できるツールがおすすめです。

ナレッジ共有のルールは定期的に改善する

ナレッジ共有のルールは一度決めて終わりではなく、社員がより使いやすい形にブラッシュアップしていくことが重要です。ナレッジ共有の浸透に向けて準備する段階で、改善のための指標や取り組みも計画しておくと良いでしょう。

ナレッジ共有の成功事例

ナレッジ共有に成功した企業の事例を2つ紹介します。

株式会社八天堂

くりーむパンで知られる食品メーカーの「八天堂」では、店舗の販売スタッフの多くがパートで働いています。パートスタッフから「新商品の情報がパートには共有されていない」といった声が上がったことで、正社員との情報格差解消に向けた取り組みがはじまりました。その際にナレッジ共有ツールとして導入したのが、社内wikiツールの「NotePM」です。NotePMの導入後は、課題として上がっていた本社からの情報発信はもちろん、入社時のオンボーディング、社内表彰などさまざまな情報共有の場をして活用しています。

関連記事:【導入事例】雇用形態の多様化で生じた情報格差を解消。情報共有ツール「NotePM」の活用でスタッフのモチベーションを向上 – 株式会社八天堂

東芝テックソリューションサービス株式会社

東芝グループでPOSシステムを扱う「東芝テックソリューションサービス」では、もともとオープンソースのwikiシステムを使ってナレッジ共有していました。しかし、UIが複雑で使いにくいうえ、拠点ごとにサーバーを分けていたため情報に偏りがありました。そこでナレッジ共有ツールを、強力な検索機能をもつ「NotePM」にリプレイスしました。NotePMに移行した後は、ナレッジを整理しやすくなり、社員全員がスムーズに使えるようになりました。

関連記事:【導入事例】12拠点あるサポートセンターのナレッジを一元管理! – 東芝テックソリューションサービス株式会社

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まとめ

ナレッジ共有は目的を理解しにくいうえ、時間も手間もかかるため、成功させるのは容易ではありません。難しいナレッジ共有を成功させるには、入念に準備したうえで、目的やルールをわかりやすく伝えることが重要です。また、ナレッジ共有に活用するツールも社員が使いやすいものを選ぶことで、さらに実現しやすくなるでしょう。今回紹介した成功事例を参考にしながら、ぜひ自社のナレッジ共有方法を見直してみてください。

NotePM