SOP(標準作業手順書)とは?作成メリットや手順・より良くするポイントも解説

2024年02月27日(火) マニュアル作成

こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。

製造業や医療などの業界においても、一定以上の業務品質を確保するには、業務手順や作業を形式知として誰にでもわかりやすい形で残しておくことが欠かせません。そのために必要な手段が、SOPです。ただ、SOPとマニュアルを混同する方も少なくないでしょう。また、せっかくSOPを作成するのであれば、作成する手順やよりよくするポイントを整理しておきたいところです。

そこで今回は、SOPの意味や作成メリット、作成手順やよりよくするポイントなどを解説します。

 

こんな方におすすめ

• 分かりやすいマニュアルを作成したい
• 情報が散らばっており、欲しいマニュアルにたどり着けない
• マニュアル活用を社内に浸透させるコツを知りたい


SOPとは製造業等の標準作業手順書

SOP(Standard Operating Procedures:標準業務手順書)は、業務品質を一定にするため、業務に必要な作業や手順を詳細に記載した指示書です。例えば、GCP(企業や医療機関が、治験時に守るべき基準をまとめた省令)では、メーカーやCRO、医療機関ではSOPの作成とそれに基づく作業を義務付けています。また、監査ではSOPの記載内容を手順しているかを重視されています。ISO取得に際しても、SOPを含む作業指示書の作成・遵守が欠かせません。

SOPと似た用語には、マニュアルがあります。両者の違いは、以下のとおりです。

用語 内容 レシピで例えると?
SOP 業務単体の作業内容・手順のみを記載          「材料を切る」の部分に特化して手順を詳しく記載
マニュアル   業務プロセスや関連情報なども含め、より総合的に記載 「材料を切る・混ぜる・焼く」などの大枠について記載

ただ、SOPに明確な型はなく、企業独自で様式を用意して作って構いません。そのため、SOPにTIPSや注意書きなどを記載し、マニュアルに近い形で使用するケースもあります。

出典:医薬品の臨床試験の実施の基準 (Good Clinical Practice) | 厚生労働省医薬食品局
出典:CROの定義 | 厚生労働省
関連記事:マニュアル作成は製造業に必要!目的・手順と実施のポイントを徹底解説


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SOPを作成するメリットとは

ここでは、SOPを作成するメリットとして、以下の3つを解説します。

  • 属人化防止
  • 業務効率・安全性確保
  • 教育時間削減

それでは、1つずつ解説します。

属人化防止

メリットの1つ目は、属人化防止です。

業務の属人化を防止できると、各従業員が有するノウハウを社内で共有・蓄積できます。また、普段その業務を担当している従業員が不在でも、誰でも同じ作業手順で業務を遂行できるため、業務品質確保につながるでしょう。

関連記事:属人化を徹底解析!メリットと解消して標準化する方法を解説

業務効率・安全性確保

メリットの2つ目は、業務効率・安全性確保です。

SOPには作業手順が詳しく記載されているため、すぐに作業手順を振り返り、作業ミスや手戻りを防止できます。これにより、業務効率・安全性確保につながるでしょう。特に、製造現場では危険が伴う作業も多いため、作業手順を守ることは業務効率だけでなく安全性確保の面でも重要です。

関連記事:業務効率化6つの方法と7つの成功ポイントを解説

教育時間削減

メリットの3つ目は、教育時間削減です。

SOPを活用することで、作業手順の概要をわかりやすく伝え、ノウハウの伝承や業務の引き継ぎが容易になります。そのため、教育時間を削減できるため、教育費用や手間を削減する効果を期待できるでしょう。

関連記事:【導入事例】教育にかける時間を短縮。「ここを見ればわかるという場所」ができた – 株式会社ぐいっと

SOPを作成する手順とは?

ここでは、SOPを作成する手順として、以下の3つを解説します。

  • 対象業務のフロー・課題を整理
  • フォーマット・テンプレートの決定
  • 手順を1ステップずつ記述

それでは、1つずつ解説します。

対象業務のフロー・課題を整理

手順の1つ目は、対象業務のフロー・課題を整理することです。

対象業務のフロー・課題を十分に洗い出し、その内容をSOPに反映させていきましょう。既存の業務フローがある場合は、現状の業務や法律との違いがないかか、もしくは内容の過不足やわかりづらい部分がないか、確認する必要があります。その際には、現場の作業員や若手を含め、複数人の意見を聞き取ると、より多くの気づきを得られるはずです。

関連記事:社内の情報整理はどう進めるべき?流れやポイント、便利なツールを紹介

フォーマット・テンプレートの決定

手順の2つ目は、フォーマット・テンプレートの決定です。

フォーマット・テンプレートを活用することで、必要項目を埋めていくだけでSOPを作れるようになります。そのため、簡単に速く、情報の抜け漏れもなくSOPを作ることが可能です。ここで、SOPのフォーマット・テンプレートの形式は、以下の2つ大別されます。

形式名 内容 向いている用途
ステップ式 作業手順を箇条書きなどで記載 単純に作業手順を記載
フローチャート式 状況別の手順を記載 随時判断が必要な作業を記載

また、SOPのフォーマット・テンプレート形式も確認しましょう。Wordやパワーポイント、Excelだけでなく、マニュアル作成ツールの活用も有効です。利用人数や共有のしやすさなどを考慮し、最適な形式・ツールを選択しましょう。

関連記事:手順書はテンプレートの活用で簡単に作成できる!

手順を1ステップずつ記述

手順の3つ目は、手順を1ステップずつ記述することです。

フォーマットやテンプレートに、作業手順・内容を1ステップずつ飛ばさずに記載しましょう。大切なことは、手順を細かく分解して、現場全体で作業手順への認識違いが生じないように1ステップずつ明確に記載することです。ここは書かなくてもわかるだろう、という思い込みは失くしましょう。

関連記事:手順書の作り方を6ステップで解説 作業手順書で業務の標準化を実現しよう


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SOPをよりよくするためのポイント

ここでは、SOPをよりよくするためのポイントとして、以下の6つを解説します。

  • 簡潔でわかりやすい文章で記載
  • 画像・動画の活用
  • 図解やフローチャートなどの活用
  • 手順を細かに整理
  • ツールの活用
  • 社内共有・更新を欠かさず実施

それでは、1つずつ解説します。

簡潔でわかりやすい文章で記載

ポイントの1つ目は、簡潔でわかりやすい文章で記載することです。

SOPの文章が冗長でわかりづらいと、読み手には負担がかかります。そのため、簡潔でわかりやすい文章で記載しましょう。SOPで書く文章の基本は、1つの文に1つのメッセージだけ書く、「ワンセンテンス・ワンメッセージ」です。また、要点の箇条書きや表で示すことも、簡潔でわかりやすい文章にするために有効な手段として覚えておきましょう。さらに、書き終えた後、読み手が引っ掛かる部分はないか考えながら書き直してみると、より簡潔でわかりやすい文章で記載できるはずです。

関連記事:マニュアル作成に必見!コツを押さえた書き方・運用のポイントを解説

画像・動画の活用

ポイントの2つ目は、画像・動画の活用です。

文章だけで説明すると、イメージがわきづらい場合は、画像・動画を活用するとよりわかりやすくなります。もちろん、むやみに画像・動画を入れるだけでは意味がありません。あくまでも、説明したい内容を明確にし、文字情報だけではわかりづらい部分を画像・動画で効果的に説明していくことがポイントです。

関連記事:動画マニュアルとは?メリットや作成手順、活用のポイントをわかりやすく解説

図解やフローチャートなどの活用

ポイントの3つ目は、図解やフローチャートなどの活用です。

図解やフローチャートを効果的に活用すれば、文字数をいたずらに増やさずに、業務の全体像や流れが見やすくわかりやすいSOPを作成できます。図解やフローチャートで伝えたい内容を明確にした上で、要所要所に取り入れてみましょう。

関連記事:【2024年版】クラウド型フローチャート作成ツールおすすめ5選を徹底比較!(無料あり)

手順を細かに整理

ポイントの4つ目は、手順を細かに整理することです。

SOPには、業務内容や手順を詳細に記すことが欠かせません。そのためには、SOPの作成前に対象の業務を進める過程を把握し、作成後には業務が実際にSOPのとおり進んでいるのか確認しましょう。その際に、実際の業務と違う部分が判明すれば、速やかに修正して実際の業務手順を細かに整理していくことも必要です。

ツールの活用

ポイントの5つ目は、ツールの活用です。

SOPは、ツールを用いて作成・運用することで、誰でも操作しやすくなる上に更新も容易になります。共有も容易になるので、SOPの運用効率向上にもつながるでしょう。

関連記事:【2024年版】マニュアル作成ツール おすすめ10選を徹底比較!(無料あり)

社内共有・更新を欠かさず実施

ポイントの6つ目は、社内共有・更新を欠かさず実施することです。

社内全体に、SOPの効果や目的を共有することで、より積極的にSOPを活用する雰囲気が醸成されます。また、SOPの効果測定も定期的に行い、法改定などの内容変更と併せて常に最新の内容にアップデートしていきましょう。もちろん、更新内容も共有が欠かせません。

関連記事:社内の情報共有を促進するには

まとめ

今回は、SOPの意味や作成メリット、作成手順やよりよくするポイントなどを解説しました。SOPは、業務単体の作業内容・手順のみを記載しており、マニュアルよりも詳細に業務手順を知りたい場合に有効です。属人化防止や業務効率化に加え、製造業や医療業務の安全性確保にもつながります。また、作成する際には対象業務のフローや課題を整理した上で、1ステップずつ記載していくので、これまでの業務を改めて整理することにも役立つでしょう。

簡潔な文章で、必要に応じて動画や画像などを取り入れると、よりわかりやすいSOPを作れます。また、常に最新の情報を盛り込んで現状の業務フローに最大限役立てたいので、こまめに更新・改善を行なっていきましょう。その際には、更新や共有のしやすさを考え、NotePMなどのツールを活用するとベターです。

 

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