企業活動の継続には、業務効率化や生産性向上は欠かせず、そのためにはナレッジ共有が必要になります。それは、コールセンターでも同じです。オペレーターが日々の業務で蓄積したナレッジをほかのオペレーターにも共有することで、コールセンターの業務が効率化し、生産性が向上します。本記事では、コールセンターでナレッジ共有する目的・メリット・ナレッジ共有するときのポイントを解説し、役立つツールやツールの導入事例を紹介します。
関連記事:社内のナレッジ共有はどう進める?何をどのように共有すべきか解説
目次
コールセンターでナレッジ共有をする目的
ここでは、コールセンターでナレッジ共有をする目的として、以下の3つを解説します。
- CS向上
- 業務効率化の促進
- 離職率低減
それでは、1つずつ解説します。
CS向上
コールセンターでナレッジ共有をする目的の1つ目は、CS(顧客満足度)向上です。コールセンターでは、顧客とオペレーターが直接関わります。そのため、コールセンターでオペレーターが適切に対応できれば、CS向上につながります。また、顧客の問合せ理由はパレートの法則(上位20%の事柄が全事例の80%を占める)に従うといわれています。つまり、顧客から似た内容の質問をされることは多いのです。そのため、その質問と適切な回答についてナレッジ共有すれば、クレーム回避などに大きな効果を期待できるでしょう。
業務効率化の促進
コールセンターでナレッジ共有をする目的の2つ目は、業務効率化の促進です。コールセンターへの質問には、アカウントの登録方法や返品手続きなど、自社のWebサイトに記載されている内容で回答できることも少なくありません。そのため、よくある質問とその回答をナレッジ共有しておけば、速やかかつ的確に回答できます。また、クレーム対応の成功・失敗事例をナレッジ共有すれば、クレームへの的確な対応が期待できるでしょう。
離職率低減
コールセンターでナレッジ共有をする目的の3つ目は、離職率低減です。コールセンターのオペレーターはストレスが多く、離職率が高い仕事の一つといわれています。これは、オペレーターは顧客と直接やり取りを行う上に、クレーム対応を行うことも珍しくないからです。離職率が高いことは、オペレーターがもつ暗黙知の流出が多いことも意味します。しかし、ナレッジ共有を十分に行ってCS向上や業務効率化を実現できれば、オペレーターのストレスが軽減されます。その結果、離職率低減が期待できるのです。
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コールセンターでナレッジ共有を促進するメリット
ここでは、コールセンターでナレッジ共有を促進するメリットとして、以下の3つを解説します。
- 対応の属人化防止
- 研修コスト削減
- 現場とコールセンターとの認識すり合わせ
それでは、1つずつ解説します。
対応の属人化防止
コールセンターでナレッジ共有を促進するメリットの1つ目は、対応の属人化防止です。コールセンターでは、オペレーターの対応がCSに大きな影響を与えます。しかし、対応が属人化していると、オペレーターのスキルによってCSに大きなばらつきが出てしまいがちです。そこで、ナレッジ共有で経験豊富なオペレーターのナレッジを他のオペレーターに共有することで、経験豊富なオペレーターとのスキルの差を減らすことが期待されているのです。その結果、CSのばらつきを減少できるでしょう。
研修コスト削減
コールセンターでナレッジ共有を促進するメリットの2つ目は、研修コスト削減です。オペレーターの暗黙知のスキルは、詰め込み型の研修で伝えられることが多くあります。しかし、それには費用や時間がかかり、かなりの研修コストが必要です。しかし、ナレッジ共有を促進すれば、経験豊富なオペレーターのスキルをナレッジとして誰でもすぐに学べる仕組みを作れます。その結果、今までの詰め込み型の研修を減らしても必要なスキルの習得が可能になり、研修コスト削減につながります。
現場とコールセンターとの認識すり合わせ
コールセンターでナレッジ共有を促進するメリットの3つ目は、現場とコールセンターとの認識すり合わせです。特に、技術力や専門性が問われる業種・職種におけるコールセンターでは、現場とコールセンターの間で認識が異なるケースがあります。これが原因でオペレーターが対応に失敗し、CSや業務効率が低下することは少なくありません。しかし、ナレッジ共有によってコールセンターと現場がすぐにナレッジを確認できる体制を整備すれば、認識のすり合わせも容易です。その結果、双方の認識違いをなくし、CSや業務効率の低下を防止できるでしょう。
コールセンターでナレッジ共有を行うポイント
ここでは、コールセンターでナレッジ共有を行うポイントを3つ紹介します。
- ナレッジ共有の意図と目的を共有
- ナレッジ共有のルール設定
- 定期的に情報の見直し・整理
それでは、1つずつ紹介します。なお、より良いナレッジ共有にはナレッジマネジメントが必要です。ナレッジマネジメントについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
関連記事:【完全版】ナレッジマネジメントを総まとめ!導入から運用までおすすめツールも解説
ナレッジ共有の意図と目的を共有
コールセンターでナレッジ共有を行うポイントの1つ目は、ナレッジ共有の意図と目的を共有することです。ナレッジ共有には、オペレーターをはじめとする社員が、それぞれのナレッジを公開してもらうことが必要です。しかし、そのことに抵抗を感じる社員もいます。例えば、経験豊富なベテランの中には、自分の培ってきたノウハウを簡単に公開したくないと考える方もいるかもしれません。また、自らの失敗事例が公開されることを嫌がる社員もいるでしょう。しかし、ナレッジ共有の意図と目的を共有すれば、心理的抵抗を減らしてナレッジ共有を促進できるでしょう。
ナレッジ共有のルール設定
コールセンターでナレッジ共有を行うポイントの2つ目は、ナレッジ共有のルール設定です。社内で扱う情報の量は膨大です。それらの情報を全て集めてナレッジ共有を行うことは、必ずしも効率化につながるとは限りません。そこで、事前にナレッジ共有のルールを設定しておきましょう。例えば、以下の観点からルールを設定すると良いでしょう。これにより、コールセンターの業務に有益なナレッジを無駄なく共有できます。
- 共有すべき情報の種類
- 日々の業務にどれだけ活用できるか
- ナレッジ共有の優先順位
定期的に情報の見直し・整理
コールセンターでナレッジ共有を行うポイントの3つ目は、定期的に情報の見直し・整理を行うことです。ナレッジの蓄積が進んだら、今度は必要な情報を速やかに検索して取り出せることが重要です。しかし、情勢の変化によって、蓄積したナレッジが現状にそぐわなくなることもあります。また、情報を整理していないと、必要なときにすぐ活用できません。そこで、定期的に蓄積してきた情報の見直し・整理をしていきましょう。これによって、より必要で使いやすいナレッジを残せます。
コールセンターでナレッジ共有に役立つツール
ここでは、コールセンターでナレッジ共有に役立つツールを4つ紹介します。
- 社内wikiツール
- オンラインストレージ
- 文書管理システム
- 社内SNS
それでは、1つずつ紹介します。
社内wikiツール
コールセンターでナレッジ共有に役立つツールの1つ目は社内wikiツールです。社内wikiは、社内版のWikipediaで、社員が様々な情報やナレッジを書き込み、気軽に閲覧できるツールのことです。日々の業務で知りたいことをすぐに確認できるので、ナレッジ共有や業務効率化に役立ちます。特に、社内マニュアル・業務ノウハウ・議事録などの管理に強みのあるツールです。社内wikiやおすすめのツールを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:社内wikiの導入から活用までの完全マニュアル成長企業が実践する情報共有術!
関連記事:【2024年版】社内wikiツールおすすめ15選(有料・無料)
オンラインストレージ
コールセンターでナレッジ共有に役立つツールの2つ目は、オンラインストレージです。オンラインストレージとは、インターネット上でデータの保管や共有などができる保存場所です。オンラインストレージには、以下のメリットがあります。
- ファイルの一元管理
- サーバー管理業務削減
- 自動バックアップ
- ファイルの共有や共同編集が容易に
- 低コストで導入可能
- いつでもどこでもアクセス可
ナレッジ共有では、情報が集約されていることが重要です。また、各社員が更新できることで、スピーディーにナレッジ共有が行なえます。オンラインストレージを利用すれば、ナレッジ共有の促進が期待できます。ただ、ほとんどのオンラインストレージは、利用する際に登録が必要です。オンラインストレージについては、詳しくは以下の記事をご覧ください。
関連記事:【2024年版】オンラインストレージおすすめ13選を徹底比較(無料あり)各サービスの特徴を紹介
文書管理システム
コールセンターでナレッジ共有に役立つツールの3つ目は、文書管理システムです。文書管理システムとは、企業の経営活動で生じる電子文書の保存・活用・廃棄までをまとめて管理できるシステムです。文書はナレッジの宝庫で、文書管理を通じてナレッジ共有が促進されるでしょう。文書管理の目的と、文書管理システムの主な機能をそれぞれ以下にまとめます。
文書管理の目的 | ・必要な文書の保存 ・情報やナレッジの有効活用 |
文書管理システムの主な機能 | ・検索機能 ・バージョン管理機能 ・セキュリティ機能 ・保存期限や更新日の管理機能 ・ワークフロー機能 ・マルチデバイス機能 |
なお、文書管理や文書管理システムについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:いまさら聞けない!文書管理の基本事項と押さえておくべきポイント
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社内SNS
コールセンターでナレッジ共有に役立つツールの4つ目は、社内SNSです。社内SNSとは、企業向けにカスタマイズされたSNSのことです。社員同士がコミュニケーションを取りたいときに便利なツールで、電話やメールよりも気軽に使えます。そのため、社内のコミュニケーション不足を解消して、ナレッジ共有の促進に活用したいツールの一つと言えるでしょう。また、ナレッジ共有だけでなく、部署や拠点の枠を越えたアイデア創出や社内の一体感の醸成も期待できます。
関連記事:社内SNSとはなにか?導入目的やメリット、成功事例をあわせて解説
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コールセンターでのナレッジ共有事例
ここでは、弊社が提供する社内wikiツールであるNotePMを導入して、コールセンターでのナレッジ共有に成功した事例を紹介します。
導入企業名 | 株式会社ソフツー(クラウド型コールセンターシステムを提供) |
NotePMの導入目的 | ナレッジ共有ツールを探していた |
抱えていた課題 | カスタマー部門拡大に伴い、従来のツールではレスポンスが遅く使いづらかった |
導入で得た効果 | 社内のコールセンターナレッジ基盤が構築できた |
NotePMの主な使い方 | ・社内向けサポートマニュアルの登録や管理 ・コールセンターのお問い合わせに関するナレッジの蓄積や共有 ・通話録音の振り返り など |
NotePMで気に入っているところ | ・ブックマーク機能 ・編集履歴差分の見やすさ |
さらに詳しくは、こちらをご覧ください。
関連記事:【導入事例】使いやすさが重要!コールセンターのナレッジ共有を実現 – 株式会社ソフツー
まとめ
本記事では、コールセンターでナレッジ共有する目的・メリット・ナレッジ共有するときのポイントを解説し、役立つツールやツールの導入事例を紹介しました。コールセンターでは、オペレーターの対応が属人化しがちですが、ナレッジ共有を促進することで、CS向上や業務効率化などが期待できます。また、ナレッジ共有に役立つツールは多数存在します。ツールを使ってナレッジ共有を行う際は、導入目的や自社の現状を踏まえて、最適なツールを選びましょう。
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