インナーブランディングとは?メリットや進め方・具体的な事例まで徹底解説

2023年01月07日(土) エンゲージメント

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こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。

「インナーブランディング」という言葉が広く活用されるようになっています。「ブランディング」なら聞き覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。普段私たちはさまざまな消費活動を行っていますが、「○○と言えばコレ!」というように、企業が自社や商品のブランドイメージを消費者に認知され、愛着を持ってもらう活動を「ブランディング」と言います。

一方で、「インナーブランディング」は従業員に対して行われる施策で、企業の理念やビジョンに共感することで働く意味や意義を明確にし、自社や商品に対する愛着を深める活動のことです。インナーブランディングを行うことで離職率を減らすことに繋がったり、企業理念に基づいた高い組織文化を形成することができます。社員の視座の高さや見ている方向が異なる、企業理念やビジョンがなかなか浸透しないなどの悩みを解決してくれるのがインナーブランディングです。この記事ではインナーブランディングの具体的な事例や実際導入する際の進め方などを解説します。

インナーブランディングとは何か?

組織開発などで耳にすることも多い「インナーブランディング」とは一体何なのでしょうか。その定義や目的を解説します。

インナーブランディングの定義

そもそもインナーブランディングとはどのような意味なのでしょうか。インナーブランディング(Inner branding)はインターナルブランディング(Internal branding)とも呼ばれ、社内(身内)に対するブランディングのことを意味します。通常企業のブランディングというと、消費者に対して行われる製品やサービスにおけるイメージを浸透させたり、愛着を深めてもらうための戦略的な活動の事です。「インターナルブランディング」や「インターナルマーケティング」と呼ばれることもあり、使い方に違いや区別は特にありません。

本来であれば、呼び名はひとつであるべきですが、マーケティング分野では用語の統一が図られていないことが多く、いくつも呼び名が存在することもあります。インナーブランディングは主に企業や製品・サービスの「ビジョン」や「理念」がメッセージとして語られます。つまり、簡単に言うとインナーブランディングは従業員に会社のことを知ってもらい、理解してもらい、共感してもらうための活動のことです。企業理念やめざすビジョンを知ることによって、日々の業務の意義や意味を理解・納得することで、従業員一人ひとりが企業のめざす価値を体現し、企業のめざすビジョンの達成につなげていくための活動がインナーブランディングです。

インナーブランディングの目的

インナーブランディングの最大の目的は自社のブランドに愛着を持てる社員を育成することです。いくらブランディングで顧客に対して良いイメージを作り上げたとしても、顧客と最終的に接してイメージを作る最前線は現場の従業員です。具体的には、ディズニーが自社サイトやテレビCMなどでどんなにキラキラしたイメージを作り上げたとしても、最終的にそこへ行った顧客と接するのは現場のキャストであって、そのイメージを作るのは現場の従業員なのです。家に帰ってからふと思い出す瞬間が良い印象なのは、一人ひとりのキャストがディズニーの作り上げるインナーブランディングをしっかりと体現できているからです。つまり、インナーブランディングにとって重要な「理念を理解し、それに共感して行動に移すこと」ができる社員を育てることができれば自然とブランディングの成功にも繋がっていくということが言えます。

インナーブランディングのメリット

インナーブランディングを行うメリットを解説します。

企業やブランドの理解促進につながる

インナーブランディングを実践することで従業員が自社の企業理念やミッション、ビジョンを理解し、共感することで、従業員の日々の業務への取り組む姿勢や向き合い方が変化し、自然と業務の効率化に繋がったり、改善点を見つけるようになります。

従業員満足度の向上につながる

従業員が企業の理念やサービスを理解し共感することで自ら進んでそのミッションやビジョンを実践していくようになり、結果として従業員にとっては働く意欲の高まりや企業への愛着が湧き、企業へのエンゲージメントも高まります。企業理念の実現に貢献しているという実感を得ることより、働きがいややりがいにも繋がっていくため、従業員満足度の向上につながります。こうした従業員は自らその企業のポジティブキャンペーンを積極的に行うことが多く、これにより離職率の低下にも繋がります。

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共感する人材の採用に繋がる

スターバックスやオリエンタルランドが良い例ですが、コンセプトやブランドが魅力的だと自然と人が集まってきます。ビジョンやミッションに共感する人材を引きつけることができれば採用コストも低下し、離職率も下ります。インナーブランディングによって会社や製品、サービスのファンを増やし、価値観に共感できる人が増えることでそういった人材を採用することも可能にします。

インナーブランディングのデメリット

では、インナーブランディングのデメリットはどんなものがあるでしょうか?以下で解説します。

時間がかかる

インナーブランディングは、今日始めて明日には成果が出るような取り組みではありません。一定の成果が出るようになるまでには時間をかける必要があるため、一朝一夕にはいかないのがデメリットとも言えます。以下で説明するインナーブランディングの進め方でも解説をしますが、企業の理念やビジョン、ミッションが明確になっていない場合にはそれらを策定するところからスタートしなくてはなりません。従業員にそれらを浸透させ、その浸透度を測るにも一定の時間が必要です。すぐに成果に繋がらない活動になるため忍耐も必要になりますが、成功した時得られる効果を考えると取り組まない手はないでしょう。

コストがかかる

時間がかかるのと同様に大きなデメリットになるのがコストがかかることです。インナーブランディングに取り組むことで企業理念の策定や見直し、従業員へどのように浸透させるか、また効果の測り方など、体系立てていく必要があるため、専門的な知識を持った人材やノウハウが社内にない場合はコンサルタントを招いたり、外部の勉強会や研修などに社員を派遣する必要が出てきます。

自社に見合ったサービスを提供してくれる会社を慎重に探す必要がありますが、このコストを惜しんでしまうとインナーブランディングを進めるうえで必要かつ重要なポイントを抑えず効果が出ない可能性もあるため、何にコストをかけて進めていくのかしっかりと見極める必要があります。

目標が明確でないと逆効果

会社のビジョンやミッションが不明瞭であったり、あまりにも実現するのが不可能な場合は従業員の共感を得られずミッションを達成できずに終わってしまう可能性があります。ビジョンやミッションに基づいて会社の製品やサービスの価値(バリュー)が決まってくるため、明瞭化されていない場合は従業員の共感を得られず、消費者にもその価値が伝えられずインナーブランディングはおろか、顧客へのブランディングも失敗に終わってしまいます。

ベクトルの違う社員を排除しがち

すべての従業員が価値観を共有できるようになることがインナーブランディングを行ううえでの理想ですが、現実には100%の従業員が価値観を共有することは難しく、インナーブランディングに共感する従業員が大多数になってくると今度は方向性の違う従業員を排除しようとする機運が生じます。人材の多様性確保を掲げる企業であればこうした機運は逆行したものになってしまいます。そもそもインナーブランディングはすぐに効果が表れるものではないですし、ビジョンやミッションに共感できるタイミングは人それぞれのため、長期的な視点で経過を観察する必要があります。

インナーブランディングの進め方

ではインナーブランディングに取り組む場合はどのように進めていけば良いでしょうか?その手法を解説します。

課題抽出

インナーブランディングを行う際、まずは自社の現状を把握する必要があります。
また、ミッション、ビジョン、行動規範(バリュー)が明確になっていない場合はしっかりと定める必要があります。これらを定める、もしくは明確にすることによって、「わたしたちはなぜ働いているのか」「わたしたちはどの目標に向かっているのか」「わたしたちはどのような行動を取るべきか」を、従業員1人ひとりが意識できるようになることにつながっていきます。

また、従業員に対して理解度や浸透度のアンケートを取ることも課題の抽出には有効です。ミッションやビジョンが現在の会社に即したものになっているか、会社のフェーズによっては見直す必要もあるかもしれません。インナーブランディングを導入する時点で従業員へのブランド浸透度をしっかり把握し、分析した上で施策を練ることで効果を得やすくなります。

プランニング

浸透させたいビジョンやミッション、行動規範が明確に決まっていれば、インナーブランディングを行ううえでの目標をしっかりと定めていきます。
そして、どのような戦略でその目標を達成させるのか具体的に取り組み内容を決めていく必要があります。

施策の実施

施策実施時のポイントとしては、従業員に会社のビジョンやそれを実現するためのミッションをしっかりと理解してもらうために、いかにインナーブランディングを浸透させるかがキーになります。

しかし、ここで注意すべき点が2つあります。ひとつは「ただの押し付けでは意味がない」ということ、ふたつめは「根気よくPDCAを回し続けることが必要」ということです。具体的に説明すると、ひとつめは例えば理念やミッションをただ暗記するだけでは意味がないということです。

一人ひとりが内容を理解し、共感したうえで実行できるようにならないと、それは浸透したとは言えないからです。また、インナーブランディングを浸透させるにはそれなりに時間が必要なため、長期的な視点で見る必要があります。PDCAを回してしっかりと効果を測ったうえでその後の施策の実施につなげていく必要があります。

効果測定

施策の実施後は定期的に効果測定を行います。定量的に数値化が可能な項目を設定することで実施施策が成功しているのかどうかや、改善する必要があるのかなどを知ることができます。効果測定の指標やどういった方法で行うのかなどは、事前にしっかりと決めておく必要があります。

インナーブランディングを浸透させる方法

では、実際にインナーブランディングを浸透させるにはどのような方法があるのでしょうか?下記のような手法があるため参考にしてみてください。

ポイントは、繰り返し目につき意識できるようにする、ということです。ハンドブックのように携帯できるものから社内報やポスターのように、無意識に視界に飛び込んでくるもの、定期的なアンケート調査によって効果を測定していく等、会社が取り組んでいるということを従業員に忘れさせない努力が必要です。

関連記事:情報共有が不足する弊害・原因と回避するための3つのポイントを解説

中小企業におけるインナーブランディング

従業員の人数が多かったり、グループ企業など企業の規模が大きければ大きいほど、インナーブランディングの実施は難しく、また浸透させるのには時間がかかります。一方で、小中規模の企業であれば、理念やビジョン、ミッションの共有もすぐに行えますし、手厚くフォローすることもできるため、企業価値の理解・浸透がしやすく即効性が期待できます。スタートアップ企業やベンチャー企業は創業して間もない段階でインナーブランディングを行うことで、事業の成長に大きく貢献する可能性が高いでしょう。

インナーブランディング成功事例

これから紹介する企業は従業員満足度の調査がいずれも高い企業です。質の高いサービスを提供する顧客満足度の高い企業はどんな特徴があるのでしょうか。

スターバックス

スターバックスの従業員が顧客に対して満足度の高い接客や商品を提供できるのは、完璧なマニュアルがあるからではありません。むしろスターバックスは従業員の自主性を重んじるためにマニュアルは作成しておらず、従業員がそれぞれ考え、顧客に満足度の高いサービスを提供しています。離職が多くなりがちな飲食店のスタッフによくある「作業が単調」「お金以外に働く目的がない」などのスタッフの不満がたまる要因を見事に裏切るインナーブランディングに成功できているのもスターバックスの特徴のひとつです。例えば、シフトを毎回同じメンバーにならないようにしたり、業務もレジやドリンク係を固定せず、従業員を飽きさせないような工夫をしています。

また、店内のディスプレイや新商品の謳い文句は従業員のアイディアを基にしたり、店舗への貢献を従業員に感じてもらう仕組みが出来ています。スターバックスの特徴的な点は「顧客満足度より従業員満足度を重視している」という点です。「従業員が満足していない会社ではお客様を満足させることはできない」という考え方の元、それぞれのスタッフがモチベーションを上げ、成長する意欲を向上させられるような人材育成を行うことで従業員の行動や対応の一つひとつが顧客を満足させることに繋がり、結果として企業のブランディングにも繋がっているという成功例のひとつです。インナーブランディングによって従業員が自社ブランドや商品に対して深く理解することで愛着を持ち、それが自然と接客態度にも表れるという良い循環を作れているのがスターバックスです。

オリエンタルランド

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、従業員の働くモチベーションを高め、意欲的に仕事に取り組めるような施策を実施しています。具体的にはさまざまな会社の表彰制度や、役職関係なくアイデアを提案できたり、それが讃えられる制度がいくつもあります。また、特徴的なのは普段顧客をもてなす従業員を会社の社員や役員たちがパーク閉園後におもてなしをする「サンクスデー」の実施など、企業のミッションを実施する側が企業ブランドのバリューを受け取る側に回ることでより企業に対する愛着を持ってもらうことに繋がる施策の実施や、改めて企業の理念やビジョンの理解、共感、ミッションの遂行につなげていくことができています。

リッツカールトン

「クレド」の浸透に成功した世界的な企業といえば、リッツカールトンを思い浮かべる方も多い思いますが、「ゴールドスタンダード」という6つの企業理念を元にサービスを提供し、また、すべての従業員がそれらを徹底していることもよく知られています。リッツカールトンの理念の教育は、ただ壁に貼っておくといったものではなく、例えば入社後の研修で徹底的に内容を説明し社員への期待を明確に伝えたり、内容をすぐに見直せるようスタッフ一人ひとりに胸元のポケットに入るサイズのカード型のクレドが印刷されたものを配布したり、毎シフトごとの始まりに「ゴールドスタンダード」の読み合わせを行ったりすることでインプットを徹底して行っています。

また、インプットしたそのクレドを体現したいと思うような仕組みづくりもされていて、それを行動に移すことによって社員は認め・讃えられ、評価されることによってさらに成長していくという自然な循環が生まれていっています。その結果として顧客の期待に応え、また、顧客の期待を超えた喜びを提供するという感動体験を提供しつづけているのがリッツカールトンです。

まとめ

この記事ではインナーブランディングについて、実施するメリットや進め方、具体的な事例を解説しました。インナーブランディングをすることで従業員の行動が変わり、行動が変われば社内に新たな価値が生まれ、サービスや製品の価値の向上に繋がり、顧客の手を離さない企業ブランドを作り上げることが可能です。一方で、インナーブランディングは一朝一夕にはいきません。従業員の人数が多ければ多いほど、そう簡単に意識や行動改革はできません。インナーブランディングに取り組んでもなかなか成果が現れず取り組みをやめてしまう企業ももちろんあります。インナーブランディングを成功させるには、会社が目指す価値を実現するという強い意志を持ち続け、全員で取り組む必要があります。また、インナーブランディングを成功に導くにはツールやサービスを効果的に使うことも必要です。中長期的な計画を立て、長い目で進めていきましょう。

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