エンゲージメントサーベイを導入するために知っておきたい基本事項

2023年01月07日(土) エンゲージメント

こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。

新型コロナウイルス感染拡大により社会が大きく変わると同時に働き方や暮らし方、これまでの価値観とは違う価値観が生まれ始めました。働き方や考え方が多様化する中で従業員は職場に働きがいを求めつつあり、企業側も生産性向上のために社員とのエンゲージメントに注目し始めました。本記事ではエンゲージメントサーベイの意味やメリット・デメリットや効果、導入後の課題解決のステップについて解説します。

エンゲージメントサーベイとは

エンゲージメントとは従業員と企業の心の繋がりのことを言います。従業員のエンゲージメントが高い企業は、従業員が組織に貢献しようと意欲的に業務に打ち込むために高い利益を出しやすくなります。エンゲージメントサーベイは、エンゲージメントを測定し、従業員のエンゲージメントや組織の状態を可視化する診断ツールです。

一般的に、インターネットによるアンケート調査を行います。従業員のエンゲージメントを向上させるには、組織の現状を正しく把握することが大切で、現状を正しく把握した上で、問題を解決したり、目標達成に向けて計画を立てたりする必要があります。従業員のエンゲージメントを明らかにする方法として、エンゲージメントサーベイがあります。

エンゲージメントサーベイと従業員満足度の違い

エンゲージメントサーベイとは異なる従業員向けの指標に「従業員満足度調査」があります。従業員満足度調査では給与額、有給、福地厚生、上司・同僚との関係など、従業員が企業の与えるものに満足しているかを測定します。従業員満足度の高さは離職率低下、モチベーションアップに繋がります。

しかし、福利厚生や報酬では、従業員が自社のためにエンゲージメントを持って働こうとすることは難しく、業績が傾くなどして、企業が従業員に高い報酬、優れた福利厚生などを与えられなくなった際には、従業員が離れてしまうことが考えられます。

一方、エンゲージメントサーベイでは、従業員が持つ企業理念への共感、ないし企業が扱うサービス・商品などの好意を測ります。従業員が自社愛を持つ場合、企業が傾いて報酬や福利厚生をこれまで通り与えられなくなった際にも、従業員と企業の絆が変わらないことも少なくありません。

関連記事:従業員エンゲージメントとは?計測方法からメリット・デメリット・事例まで徹底解説

エンゲージメントサーベイを行う目的

エンゲージメントサーベイを企業が行う目的は以下の3つです。

・企業の課題を可視化する
・従業員と企業の間にある問題を把握する
・人事施策に活用する

それでは一つずつ解説します。

企業の課題を可視化する

エンゲージメントサーベイを企業が行う目的の1つ目は、企業の課題を可視化することです。エンゲージメントとは従業員と企業の心の繋がりであり、これを目で見ることは不可能なた、従業員のエンゲージメントを把握するためにエンゲージメントサーベイがあります。エンゲージメントサーベイは従業員のエンゲージメントを数値化し、可視化し現在の状況を明らかにします。

エンゲージメントサーベイを実施することで、従業員の心の満足に向けて対策を練ることが可能になるのです。現状に近く、正確なデータをエンゲージメントサーベイによって獲得するためには、適切なデータ収集、従業員が回答しやすい環境を整えることが不可欠です。

従業員と企業の間にある問題を把握する

エンゲージメントサーベイを企業が行う目的の2つ目は、従業員と企業の間にある問題を把握することです。エンゲージサーベイで明らかになった回答をきっかけに、企業側は従業員が抱いている本音に気付くことができます。結果によっては、「もう少し満足度が高かったはずでは?」「従業員の心が組織から離れている」と驚くこともあるかもしれません。このような結果が出た際は、社員にサーベイを行った結果についてフィードバックした後、企業全体で解決策を話し合うことが求められます。組織全体で問題点について意見交換し、従業員と企業の間のギャップを埋めて行くことがサーベイを行う意義と言えます。

人事施策に活用する

エンゲージメントサーベイを企業が行う目的の3つ目は、人事施策に活用することです。エンゲージメントサーベイを行うことで、コミュニケーション不足、モチベーションの低下などといった人事上の課題が明らかになることもあるでしょう。エンゲージメントサーベイの結果から、企業が追及する理想と従業員のギャップ、及び問題のありかを把握できたら改善につなげていく必要があります。

会社全体で人事上の問題を共有し、それに基づいて評価制度の見直しなどの施策を立てていくことが重要です。エンゲージメントサーベイを行うだけでなく、改善・組織開発などに活かしていくことが大切です。

エンゲージメントサーベイによって得られるメリットや効果

エンゲージメントサーベイによって得られるメリットや効果は以下の3つです。

・従業員のモチベーションの向上
・生産性と業績の向上
・優秀な人材の確保

それでは一つずつ解説します。

従業員のモチベーションの向上

エンゲージメントサーベイによって得られるメリットや効果の1つ目は、従業員のモチベーションの向上です。エンゲージメントサーベイを行うことで、従業員の心の満足度や状態を把握できるようになります。サーベイを定期的に行うことによって、従業員の変化に気付けるようになります。実施を継続する中で、大きな変化が表れている従業員には、適切なフォローをしやすくなります。

生産性と業績の向上

エンゲージメントサーベイによって得られるメリットや効果の2つ目は、生産性と業績の向上です。エンゲージメントサーベイで得られたデータを人事施策に取り入れることで、従業員のモチベーションアップに繋がり、それが生産性と業績の向上につながっていきます。働き甲斐を感じている従業員、自社愛を持つ従業員は、仕事のパフォーマンスが高いと一般的に言われています。サーベイによって従業員が抱える問題などを明らかにし、改善策を立てることは、企業の生産性と業績の向上にも繋がります。

優秀な人材の確保

エンゲージメントサーベイによって得られるメリットや効果の3つ目は、優秀な人材の確保です。エンゲージメントサーベイは,求人媒体や人材紹介会社ではなく、社員の紹介によって人材を採用するリファラル採用を増やすことも可能です。リファラル採用の大きなメリットとして、社員が自社に適していると考える知人を紹介するため、紹介された側と企業のミスマッチが起きにくいことを挙げられます。

エンゲージメントが高い社員の場合、「知人を自社に迎え入れたい」という気持ちが出てきやすい傾向にあります。そのため、エンゲージメントの高い社員が多く在籍している企業は、紹介制度で社員を増やしていくことが可能になります。

エンゲージメントサーベイのデメリットと課題

エンゲージメントサーベイのデメリットと課題は以下の3つです。

・費用と時間がかかる
・従業員にネガティブな感情が生まれる
・結果が活かされないと不満に変わる

それでは一つずつ解説します。

費用と時間がかかる

エンゲージメントサーベイのデメリットと課題の1つ目は、費用と時間がかかることです。エンゲージメントサービスは利用するにあたり利用料がかかり、調査を専門家に依頼するに時の費用も必要です。あわせて、回答、回答後のフィードバックは従業員の業務時間を削ることになりますので、残業代などの支払いが必要になる可能性があることも覚えておきましょう。

また、調査開始からフィードバックまでの時間が長いため、結果が出て、課題の解決に進むまでにある程度の時間がかかることを事前に理解しておく必要があります。エンゲージメントサーベイは一回きりの調査でなく、定期的に行うものです。あらかじめ、年間の費用と回答・フィードバックにかかる費用と時間を試算して、自社の現状に合った仕組みを導入することをおすすめします。

従業員にネガティブな感情が生まれる

エンゲージメントサーベイのデメリットと課題の2つ目は、従業員にネガティブな感情が生まれることです。従業員によってはエンゲージメントサーベイについて「めんどくさい」「業務時間が削られて迷惑だ」といったマイナスの感情を抱きます。調査時点においてエンゲージメントが低い場合、十分な回答を得られなかったり、真剣に回答をしてもらえなかったりすることもあります。こうした事態を招いてしまうと、エンゲージメントを活かすことができず、かかった費用はすべて無駄になってしまいます。従業員から適切な回答を得るためには、調査の意義・目的をしっかりと伝える必要があります。

結果が活かされないと不満に変わる

エンゲージメントサーベイのデメリットと課題の3つ目は、結果が活かされないと不満に変わることです。エンゲージメントサーベイに回答した従業員は、サーベイの結果を気にし、自分や同僚の回答によって何かが変わることを期待します。フィードバックがなかったり、改善が見られなかったりする場合、従業員は企業に対して不信感を抱くようになり場合によっては、サーベイの導入で従業員の心が離れてしまう懸念もあります。エンゲージメントサーベイを行う場合、調査とフィードバックはセットです。従業員からの回答をすぐには活かせなくとも、「回答を受け取った」ことを伝える必要は最低限あります。

エンゲージメントサーベイの導入から課題解決へのステップ

エンゲージメントサーベイの導入から課題解決への3ステップを解説します。

・目的を明確にし全従業員に通知する
・調査を実施し課題を認識する
・課題解決のための対策を打つ

それでは一つずつ解説します。

目的を明確にし全従業員に通知する

エンゲージメントサーベイの導入から課題解決への3ステップの1番目は、目的を明確にし全従業員に通知することです。エンゲージメントサーベイを取り入れる際は、一部の従業員のみならず、全ての従業員に調査の目的を通知した上で、回答を依頼する必要があります。「なぜエンゲージメントサーベイを実施するのか」を伝え、エンゲージメントサーベイの理解を得た上で実施しましょう。

調査を実施し課題を認識する

エンゲージメントサーベイの導入から課題解決への3ステップの2番目は、調査を実施し課題を認識することです。従業員から回答を受け取ったら、自社の現状を把握していきます。「どのような不満を持つ従業員がいるか」「従業員は何を求めているのか」などをしっかりと分析しましょう。調査結果から現状の課題を正しく、しっかりと把握する必要があります。

課題解決のための対策を打つ

エンゲージメントサーベイの導入から課題解決への3ステップの最後3番目は、課題解決のための対策を打つことです。従業員全員の調査結果が出たら、企業が改善すべき課題を分析し、解決のための方法を考えていく必要があります。エンゲージメントサーベイは従業員からの回答を集めることのみを目的にする調査ではなく、課題解決のための対策を打つところまで続いています。回答してくれた従業員からの期待を裏切らないようにするため、課題を分析し、何をすべきかを考えていく必要があるのです。

エンゲージメントサーベイは一度行ったら終わりではなく、年に何度か行うことを前提としている調査です。単発的に行うのではなく、継続的に行い、自社の社員の満足度や、企業の現状を常に把握している必要があります。

関連記事:社員のワークエンゲージメントを高めるために抑えておくべき基礎知識

まとめ

本記事ではエンゲージメントサーベイの意味やメリット・デメリットや効果、導入後の課題解決のステップについて解説しました。エンゲージメントサーベイは従業員の自社への満足度や愛着心を測定する調査であり、エンゲージメントサーベイの実施によって、企業は従業員のエンゲージメントを表面化させることができます。実施者には調査によって明らかになった自社の現状を把握し、問題に対する解決策を提案・実行していくことが求められます。
エンゲージメントの高い社員が多くいる企業は、業績が高い傾向にあり、それは社員のモチベーションの高さ、優秀な人材の獲得のしやすさに関係しています。企業が長期間に及んで安定した経営を行うためには、従業員が高いエンゲージメントを持っていることが大前提と言えるため、エンゲージメントサーベイを行うことは従業員の状態を知るためには有効な手段となります。

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