従業員エンゲージメントとは?計測方法からメリット・デメリット・事例まで徹底解説

2023年01月07日(土) エンゲージメント

こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。

従業員エンゲージメントは、日本では少しずつ浸透しつつある考え方で従業員の企業への信頼度を表します。従業員エンゲージメントが高いと従業員は会社の理念を共有しながら業績の向上のために自ら貢献する意思を発揮します。日本の企業での従業員エンゲージメントは世界でも最も低い水準という調査もあり、これからのグローバルな世界の中で生き抜くためには改善することが求められます。本記事では従業員エンゲージメントは何かという基本的なことから、従業員エンゲージメントを高める方法やメリット、低い場合のデメリットを解説します。

従業員エンゲージメントとはなにか

「エンゲージメント」の直訳は「婚約」、「契約」といった意味ですが、ビジネス用語としてのエンゲージメントは「企業・商品などへの愛着心」という意味になります。従業員エンゲージメントとは従業員の企業への信頼や企業に対する貢献意欲、及び愛社精神という意味になります。従業員エンゲージメントが高い企業は離職率が低い傾向にあります。従業員は企業理念、企業のサービス・商品などを愛しているため、業績が多少悪くなったとしても離職しないケースが多いです。従業員は愛社精神を持っていることからも困難な状況に陥っても、企業の力になろうと業務を行うためです。

一方、従業員エンゲージメントの低い企業は優秀な人材が流出しやすい傾向にあります。従業員は企業に対して愛着や愛社精神を持っていないため、チャンスを見計らっては現在よりも良い待遇の企業に転職したいと考えている場合があり、従業員エンゲージメントが低い場合、企業の業績が悪化したら、多くの社員がすぐに離れていきます。

従業員エンゲージメントに類似した言葉としてワークエンゲージメントがあります。ワークエンゲージメントは従業員エンゲージメントの先駆けとも言われる言葉で、従業員自身の仕事への肯定的な心理状態のことを言います。現在、頻繁に使用されるようになった従業員エンゲージメントはより包括的な意味をもち、従業員の仕事への意欲のみなならず、企業ビジョンへの共感、信頼関係なども含めたものです。

関連記事:社員のワークエンゲージメントを高めるために抑えておくべき基礎知識

従業員エンゲージメントを測るための3つの要素

従業員エンゲージメントを測るための3つの要素をは以下の通りです。

  • 理解度(Rational)
  • 共感度(Emotional)
  • 行動意欲(Motivational)

それでは一つずつ解説します。

理解度(Rational)

従業員エンゲージメントを測るための3つの要素の1つ目は、理解度(Rational)です。従業員が企業理念、企業が向かう方向性に対して理解を示していることは、業務を意欲的に進めるために不可欠です。従業員が経営目標・理念に理解を示さない場合、業務に積極性をもって取り組むことが難しくなります。企業は従業員に対し、企業理念、将来的ビジョンを共有し、理解を示してもらうよう努力することが大切です。これらを怠った場合、結果的に従業員に愛社精神は根付かず、従業員の業務への意欲も向上しない傾向にあります。

共感度(Emotional)

従業員エンゲージメントを測るための3つの要素の2つ目は、共感度(Emotional)です。企業の理念や方向性に共感している従業員は、自分が勤めている企業に誇りを持ち、その業務に参画できることに喜びを感じていることが多い傾向にあります。企業側は従業員から共感を生み出すにあたって、従業員に業務を行う意義を理解させる必要があり、従業員の共感度をアップさせるためには、企業は従業員とのコミュニケーションを大切にし、互いの思い・考えを常に理解し合うことが重要です。

行動意欲(Motivational)

従業員エンゲージメントを測るための3つの要素の3つ目は、共感度(Emotional)です。企業の目標やビジョンを理解し、自分の仕事にやりがいを持つ社員は業務に対して意欲的に取り組みます。企業が掲げる目標を達成するために、自分が組織の一員としてどう行動すべきかを考え、積極的に行動します。従業員自身の意欲的な行動によって企業の業績が向上したり、周囲から評価されたりすると、企業への共感、愛情はさらに深まります。行動意欲の高さはエンゲージメントの向上に重要と言えます。

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従業員エンゲージメントを高めるメリット

従業員エンゲージメントを高めるメリットは以下の3つです。

  • 従業員の生産性向上し業績が上がる
  • 顧客満足度が上がる
  • 優秀な人材の確保

それでは一つずつ解説します。

従業員の生産性向上し業績が上がる

従業員エンゲージメントを高めるメリットの1つ目は、従業員の生産性向上し業績が上がることです。従業員エンゲージメントの高さは企業の生産性向上に大きく関係します。従業員が自分の仕事に意義を感じ、企業が掲げる目標達成のために主体的に努力することで、企業の生産性が向上するためです。従業員が愛社精神、帰属意識を持って業務に一生懸命取り組むことで、企業の業績がアップします。

従業員エンゲージメントの高い従業員は帰属意識が強く、自分が就いている仕事に満足しているため、転職を検討することも少なくなります。そのため、優秀な人材の流失を防ぐことができ、かつベテラン従業員が増えるため、企業全体のパフォーマンスも高いものとなります。

一方、従業員エンゲージメントの低い企業では、従業員はやる気や目標を持たず、その場しのぎの仕事を行うため、企業の生産性・業績は下降していきます。従業員エンゲージメントの低い企業が競争に勝ち抜くことは困難と言えます。

顧客満足度が上がる

従業員エンゲージメントを高めるメリットの2つ目は、顧客満足度が上がることです。従業員エンゲージメントの向上は企業への貢献意欲にも繋がり、仕事を主体的、かつ責任をもって行うようになり、従業員のこうした姿勢は顧客の満足度アップに繋がります。顧客の満足度が高まれば、業績も上がり、かつ従業員も仕事にやりがいを感じるようになります。好循環ができるため、企業はより一層成長していくことができるのです。

優秀な人材の確保

従業員エンゲージメントを高めるメリットの3つ目は、優秀な人材の確保です。従業員エンゲージメントが高い従業員は企業への帰属意識が強いため、転職を好みません。例えば、他社から今よりも良い条件でスカウトされた場合でも、「自社を裏切りたくない」「今の仕事を続けたい」といった思いから断るケースも多いです。エンゲージメントの高い従業員は、自分の仲間を自社に招き入れたいという思いを抱くこともあるでしょう。従業員エンゲージメントの高い企業はリファラル採用との相性も良く、優秀な人材や自社の理念にマッチする人材を獲得することが比較的容易です。

従業員エンゲージメントを重要視しないデメリット

従業員エンゲージメントを重視しないデメリットは以下の2つです。

  • 従業員のモチベーションが上がらない
  • 離職が進む

それでは一つずつ解説します。

従業員のモチベーションが上がらない

従業員エンゲージメントを重視しないデメリットの1つ目は、従業員のモチベーションが上がらないことです。従業員エンゲージメントを重視しない場合、従業員のモチベーションが上がらず、従業員のモチベーションが低下の一途を辿る可能性があります。従業員が抱える不満、企業への不信感などを放っておくと、従業員は自身の仕事と真摯に向き合う姿勢を失っていくことで。企業の生産性の低下、さらには業績の低下という悪循環を生み出すことにも繋がります。

離職が進む

従業員エンゲージメントを重視しないデメリットの2つ目は、離職が進むことです。仕事に対してモチベーションの上がらない従業員は転職を検討するようになります。優秀な人材が他社に次々と流出していきます。その結果、企業内で優秀な自在が枯渇した状態になる可能性があります。残った人材は、「転職先が見つからない」「転職先を探す意欲がない」などといった事情を抱える者ばかりになりになり、意欲も向上心もない社員が高いパフォーマンスを発揮できるわけはなく、企業全体のパフォーマンス自体がはしだいに低下することが懸念されます。

従業員エンゲージメントの測定法

従業員エンゲージメントはアンケート調査によって一般的に測ります。その中でも、アメリカの大手調査会社であるギャラップ社が用意した12項目の質問が有効であると見做されています。以下、12の質問項目をみていきましょう。

  1. 仕事において何を期待されているか知っているか
  2. 仕事を適切に行うための設備やツールを持っているか
  3. 仕事において、毎日最も得意なことをするための機会を与えられているか
  4. 過去の7日間において、よい仕事をしたことについて認められたり褒められたりしたことがあったか
  5. 職場の上司や同僚など、誰かに一人の人間として気にかけてもらっていると感じるか
  6. 職場で自分の成長を促してくれる人は誰かいるか
  7. 職場で自分の意見を尊重してもらっていると感じるか
  8. 会社のミッションや目的を読むと、自分の仕事が意義あるものと感じられるか
  9. 職場の同僚は質の高い仕事をすることにコミットしているか
  10. 職場に親友はいるか
  11. 直近の6ヵ月間において、職場の誰かが自分の進歩について伝えてくれたか
  12. 直近1年間において、学びや成長の機会を得られたか

上記の質問項目を見る限り、従業員のエンゲージメントには自分が仕事をする意義の把握、社内での人間関係、自分に向けられている期待値が大きく関係することが分かります。人は誰かに承認され、自分の言動が他者の役に立っているかどうかで自分の存在意義を感じることができます。従業員エンゲージメントを高め、企業の業績をアップさせるには、各従業員の存在を認め、従業員に仕事を行う意義を伝えることが最重要なのです。

従業員エンゲージメントを高めた企業の事例

従業員エンゲージメントを高めた企業の事例を3つ紹介します。

  • スターバックス
  • SanSan株式会社
  • 大東電業株式会社

それでは一つずつ解説します。

スターバックス

従業員エンゲージメントを高めた企業の事例の1つ目は、スターバックスです。スターバックスでコーヒーを購入するとあたたかい気持ちになる方も多いことでしょう。また、カップにメッセージやイラストが書かれていると、思わず微笑んでしいます。スターバックスであたたかい気持ちになれるのは、スタッフの「顧客のため、店舗のために何かしたい」という欲求が関係します。これは、「組織が創り出す価値の一部になる欲求」であるエンゲージメントと近いものがあります。スターバックスのスタッフは自社が大切にする理念や価値観に共感しているからこそ、お客さまに対してにこやかに、かつ温かく自発的に行動できると言えます。

SanSan株式会社

従業員エンゲージメントを高めた企業の事例の2つ目は、SanSan株式会社です。SanSan株式会社はリモートワークをビジネス職とエンジニア職に導入したことで、ビジネス職のエンゲージメント低下が問題となりました。理由は、ビジネス職に就く社員の方が仲間との関係性やコミュニケーションを求める傾向にあったためです。

しかし、ビジネスツールを導入した結果、ビジネス職に従事する社員は在宅勤務後も仕事仲間との関係を向上させることが叶いました。リモートワークにおいても活発なコミュニケーションができるようになり、従業員のエンゲージメントに結び付きました。

大東電業株式会社

従業員エンゲージメントを高めた企業の事例の3つ目は、SanSan株式会社です。大東電業は社内報をNotePMを利用して電子化しました。その結果、多くの社員の目に社内報が届くようになり、かつコミュニケーションを活発にすることに成功しました。紙から電子になったことで、多くの社員が社内報を目にするようになり、さらには記事によってはコメントや「イイね」などのリアクションが付いています。

大東電業は現場がメインであるため、社外にいる社員も少なくありません。電子化されたことで、スマホやタブレットからもアクセスできるため、多くの社員から好評を得ています。社員の交流が盛んになり、社内報にアクセスしやすくなったことで、社員のエンゲージメントは高まりました。

関連記事:【導入事例】社内報・人事通達・会社連絡を紙運用から電子化に成功!現場社員に情報が届くようになった – 大東電業株式会社

まとめ

本記事では従業員エンゲージメントは何かという基本的なことから、従業員エンゲージメントを高める方法やメリット、低い場合のデメリットを解説しました。従業員エンゲージメントとは従業員の企業への帰属意識、愛社精神であり、エンゲージメントの高い従業員は自分の仕事に誇りを持ち、意欲的に業務を行うため、高いパフォーマンスを発揮しやすくなります。従業員エンゲージメントを高めるためには、従業員に自社の理念、目標を伝える必要があります。

また、従業員を一人の人間として認め、適切な評価を行うことも重要です。企業が従業員のエンゲージメントを高めることは、企業の成長、業績のアップにも密接に結び付きます。業績を上げたい企業、並びに優秀な人材の流出を防ぎたい企業は、従業員のエンゲージメントの向上に努めることをおすすめします。

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