組織で働く職場では、全ての従業員が不平不満を抱くことなく働けることは現実的ではなく、多かれ少なかれ改善点が存在しているものです。
そこで、よりよい職場にすべく、職場改善に取り組む必要があります。ただ、何も取っ掛かりがないと職場改善は困難です。しかし、職場改善提案のアイデアやその切り口があれば、より提案をしやすくなるのではないでしょうか。
本記事では、職場改善提案の切り口やアイデア、提案を行う際のポイントや提案書の記載事項までを紹介します。職場の改善点を職場に伝えたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
職場改善提案のアイデアを見つける切り口
ここでは、職場改善提案のアイデアを見つける切り口を4つ解説します。
- 現状の可視化
- 過去事例の活用
- ヒアリング調査
- 作業手順の書き出し
1つずつ見ていきましょう。
現状の可視化
業務フロー図の作成やKPIの設定を通じて、問題点や改善の余地を可視化しましょう。業務フロー図で業務の流れや関連部門を把握すれば、横断的な改善点を見出せます。また、KPIを設定すれば目標や進捗状況を数値化し、改善が必要な部分の特定が可能です。さらに、現場の従業員の意見を取り入れれば、より実践的な改善案を見出せます。
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過去事例の活用
自社や他社の成功事例・失敗事例も、自社の業務改善に役立つアイデアやポイントを考えるヒントになるでしょう。特に、同業他社の事例を参考にすることで、効率化に向けた具体的改善案の立案が可能です。また、過去の失敗事例より改善案実施時の注意点を推測することで、より効果的な提案につながります。
ヒアリング調査
現場の従業員から直接ヒアリングして情報を得ることで、実務での問題点や改善の余地を明確にできます。そこから具体的な改善案も見出せるでしょう。例えば、資料作成の効率化など、実務に即した改善提案が可能になるはずです。
作業手順の書き出し
作業手順の書き出しで具体的な業務プロセスを明確化すれば、既存業務プロセスの無駄や改善点を見つけられます。また、書き出した手順をチームで共有すれば、業務の標準化・ノウハウの共有を促進でき、組織全体の効率向上にもつながるでしょう。特に、複数の従業員が同じ業務を行っている場合、最も効率的な方法を選んでそれに基づき業務プロセスを標準化する提案も有効です。
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職場改善提案で考えうるアイデアの例18個
ここでは、職場改善アイデアを18個解説します。
- コミュニケーション改善
- 情報共有の効率化
- 文書の電子化
- マニュアル整備
- フローチャート作成
- プロセス見直し
- RPAの活用
- クラウドツールによる情報整備
- データベースの構築
- 業務改善ツールの活用
- 労働環境改善
- タイムマネジメント
- 顧客サービスの向上
- 人材育成
- リソース量と配分の見直し
- アウトソーシング
- 業務改善コンサルティング
- 不要な業務の削減
自社でも実施できそうなアイデアがあれば、積極的に挑戦してみましょう。
コミュニケーション改善
定期的なミーティング・チャットツールの活用・オープンなオフィス環境など、部署間の情報伝達とチームワークを向上させる施策は様々です。また、従業員同士が意見や感想を共有しやすい環境を整備すれば、よりよい職場づくりが実現できるでしょう。
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情報共有の効率化
日々の情報共有については、クラウドベースの情報共有ツールを活用すればリアルタイムでの情報更新や共有が可能です。定例ミーティングや日報・週報を効果的に活用し、業務の進捗状況や問題点を明確に把握しましょう。
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文書の電子化
文書の電子化では、紙媒体の文書をデジタル化することで、情報の検索性や共有効率を高める狙いがあります。電子署名の導入により承認プロセスが迅速化され、クラウドストレージを活用して、重要文書を安全に管理できる点もメリットです。
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マニュアル整備
業務マニュアルの整備を進めることで、新人教育や業務の標準化を促進し、ミスの防止や生産性向上に役立ちます。現行マニュアルがあれば、その見直しと情報収集を行って一層わかりやすい言葉や図解を用いて作成し直しましょう。定期的な評価と改善を繰り返し、より精度の高いマニュアルを作り上げることがポイントです。
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フローチャート作成
フローチャートで業務プロセスを視覚化することで、効率化のポイントを特定しやすくなります。対象業務を細かく分解し、シンボルや矢印を用いてフローチャートを作成すれば、業務の流れや責任範囲が明確になるでしょう。
>関連記事:【2025年版】クラウド型フローチャート作成ツールおすすめ5選を徹底比較!(無料あり)
プロセス見直し
プロセス見直しでは、既存プロセスから余計な手間やコストを削減することで、業務効率の向上を図ります。現状の業務プロセスを詳細に分析し、自動化ツールの導入や業務管理システムの整備を行うことで、一層効率的な業務遂行が可能となるでしょう。
>関連記事:ビジネスプロセスとは|具体例や改善方法、フレームワークも紹介
RPAの活用
RPA(Robotic Process Automation)で繰り返し作業を自動化すれば、作業スピードがミスなくスピードアップするため、従業員がよりコアな業務に集中できます。RPAに行ってもらう業務とシステム自体の選定を適切に行い、より効果的な自動化を実現させましょう。また、導入後は定期的なメンテナンスやアップデートが欠かせません。
>関連記事:RPAとは?基本機能と導入効果を徹底解説
クラウドツールによる情報整備
クラウドツールを活用した情報整備により、社内外での情報共有が容易になるためリモートワークにも対応できます。クラウドストレージや業務アプリケーションを導入すれば、場所やデバイスにとらわれない業務環境を実現できるでしょう。
データベースの構築
データベースを構築すれば、情報管理や検索を効率化できるため意思決定の質が向上します。適切な設計・整備を実施することで、情報の整理・分析が容易になり、セキュリティ対策やバックアップ管理も促進されます。
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業務改善ツールの活用
業務改善ITツールを活用し、タスク管理・プロジェクト管理・社内コミュニケーションなどの効率化・自動化を実現できます。業務改善ツールは多種多様なので、自社の課題やITリテラシーなどを考慮して最適なツールを選びましょう。
労働環境改善
労働環境改善を行うことで、従業員のモチベーション向上とストレス軽減につながります。オフィス環境の整備・フレックスタイム制度の導入・福利厚生の充実などで、働きやすい環境を実現しましょう。
タイムマネジメント
タスクの優先順位付けやタイムトラッキングツールの活用でタイムマネジメントを行うことで、業務効率化が図れます。また、定期的な研修やワークショップで従業員のタイムマネジメントスキルを向上させてもよいでしょう。
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顧客サービスの向上
CRMシステムで顧客情報を一元管理することで、マーケティングやアフターサービスの効果を高め、顧客サービスを向上できます。また、定期的な研修で顧客対応スキルの向上を図ることも有効です。
人材育成
人材育成とスキルアップでは、研修制度の充実やメンタリング制度の導入で従業員のキャリアアップを支援します。また、スキルアップ支援制度で資格取得や外部研修への参加を奨励してもよいでしょう。
リソース量と配分の見直し
業務プロセスの見直しや効率的な購買戦略策定を通じ、業務のリソース量と配分を見直しましょう。また、省エネルギー機器の導入やエコフレンドリーな取り組みを通じ、コスト削減も実現できます。
アウトソーシング
アウトソーシングの活用により、専門性の高い外部リソースを効果的に活用できます。また、経理業務やシステム開発などコア業務以外をアウトソーシングすれば、社内リソースをコア業務に集中させることが可能です。
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業務改善コンサルティング
業務改善コンサルティングを受ければ、専門家の知見を活用して業務改善のスピードや成果を向上させられます。業界や企業規模を考慮して適切なコンサルタントを選定し、目標設定や範囲を明確にしましょう。
不要な業務の削減
不要な業務の削減を行う際には、定期的な業務プロセスレビューや社内アンケートで、不要な業務を明確化します。そして、関連部門とのコミュニケーションを密にし、影響を最小限に抑えつつ不要な業務を減らしていきましょう。
職場改善提案を行う際のポイント
ここでは、職場改善提案を行う際のポイントを、3つ解説します。
- 効果測定しやすい提案がおすすめ
- 自分だけで実現可能性を判断しない
- 課題への優先順位付け
1つずつ見ていきましょう。
効果測定しやすい提案がおすすめ
効果が測定しやすい提案においては、効果と実現可能性が重要な評価ポイントです。作業時間の短縮・費用削減・処理件数の増加・ミスの低減など、数値で効果が把握できる定量的な指標を設定しましょう。また、効果が表れるまでの時間・コスト・必要な人的リソースについても具体的な数値でシミュレーションしなければなりません。
自分だけで実現可能性を判断しない
ささいなことや一般的な内容だからと自己判断で決めつけず、まずは一回他のメンバーにアウトプットしてみる姿勢も必要です。自分では大したことがない、もしくは実現不可能と考えていたアイデアも、他のメンバーの協力やアドバイスがあれば大きな成果につながるかもしれません。最終的には採用の是非は上司次第ですが、自分の中だけで留める必要はあまりないと考えましょう。
課題への優先順位付け
課題を優先順位付けする前に、まずできる限り多くの課題を書き出しましょう。その後、売上向上や無駄削減などの目的に対して、それぞれの課題がどの程度の効果をもたらすか、あるいは実現可能性はどの程度かなどを考えて優先順位付けします。このプロセスにより、より効果的な改善提案が可能です。
職場改善提案書で掲載すべき項目
最後に、職場改善提案書で掲載すべき項目を5つ解説します。
- 現状分析
- 改善方法・効果
- スケジュール
- コスト
- 補足事項
1つずつ解説していきましょう。
現状分析
まずは現状分析として、現状の業務内容と問題点を記載しましょう。その際には、定量的な数値やグラフなどを用いて、わかりやすく記載することがポイントです。担当人数・工数・発生しているミスの割合などを記載し、改善する必要性を明示します。
改善方法・効果
具体的な改善方法と効果についても記載しましょう。その際には、あくまでも具体的で現実的な内容を記載することが必要です。数値で定量的に目標や効果を示すと、よりわかりやすく効果をイメージできます。
スケジュール
改善計画のスケジュールでは、プロジェクトごとに詳細な工程を示しましょう。実施時期・期間・マイルストーンを明確にすれば、計画的に改善活動を実施できます。
コスト
改善策に必要なコストについては、経費・人員・工数などを予測可能な範囲で具体的に記載しましょう。これにより、上司からの承認を得やすくなり、円滑な改善活動の開始につながります。
補足事項
補足事項には、導入時の問題点・デメリット・想定されるリスクとその回避策などを記載しましょう。他にも必須ではありませんが、懸念事項を予め示しておくと一層現実的な改善提案となり、スムーズに実施できるはずです。
まとめ
職場改善提案のアイデアを見つけるには、過去事例の活用やヒアリング調査などが有効です。アイデアとしては、マニュアル整備やアウトソーシングなどさまざまな手法が考えられます。
職場改善提案を行う際には、自分だけで実現可能性を判断しないことや、課題への優先順位付けなどがポイントです。職場改善提案書には、現状分析やスケジュールなどを記載しましょう。
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