ドキュメント管理の課題にはどのようなものがあるのか、それぞれの課題への対策について知りたい、と考える担当者も多いと思います。現在どのような運用体系で文書を管理しているかによって、それぞれの課題と必要な対策が変わります。本記事では、ドキュメント管理の課題について、紙・メール・ファイルサーバーのツール別に分けて解説していきます。
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目次
紙のドキュメント管理の課題
まずは紙のドキュメント管理に関する課題について、以下3点を挙げます。
- 保管スペースのコスト
- セキュリティ対策が弱い
- 検索が困難
それぞれ解説していきます。
保管スペースのコスト
紙によるドキュメント管理での課題の1つ目は、保管スペースのコストです。紙書類を保管するためには、膨大なスペースとコストが必要になります。企業には、見積書・発注書・納品書・請求書・契約書・稟議書・報告書など、長期間保管しなければならない文書が多いです。そのため、書類を保管するための専用倉庫を持ち、定期的に紙書類を配送している企業もあります。
紙文書を管理するためには膨大なコストがかかり、保管しなければならない紙が増えることで年々そのコストも増加していくケースが多いです。
セキュリティ対策が弱い
紙によるドキュメント管理での課題の2つ目は、セキュリティ対策が弱いことです。紙文書は、機密性の高い部屋や倉庫、キャビネットに保管することが多いですが、鍵を持っていれば誰でも参照したり、持ち出したりできてしまうというリスクがあります。その文書だけに対して、必要な人に絞って参照権を与えることも困難です。厳重な倉庫に保管したとしても、1つの倉庫にまとめて保管などをしていると、倉庫に入れば多くの文書が見れてしまうため、どうしてもセキュリティリスクがあります。
検索が困難
紙によるドキュメント管理での課題の3つ目は、検索が困難なことです。紙で管理を続けていると、数が増えていくほどそこから取り出すことが困難になります。過去の文書を探したいとなったときに、紙の山の中から何時間をかけて探すこともあります。また、何年も保管している文書は品質が劣化し、紛失のリスクもあるので検索して取り出す際も扱いに注意が必要です。
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メールによるドキュメント管理の課題
メールによるドキュメント管理の課題について、以下3点を挙げます。
- メールサーバーの容量圧迫
- 情報漏洩
- 重要情報が埋もれる
それぞれ解説していきます。
メールサーバーの容量圧迫
メールによるドキュメント管理の課題の1つ目は、メールサーバーの容量圧迫です。ドキュメントを従業員や外部に共有したいとき、メールにファイルを添付して送信することがあります。メール本文に補足事項も書けるため大変便利ではありますが、添付ファイルのあるメールを送信すればするほど添付ファイルは増え続け、いずれはメールサーバーの容量も逼迫するでしょう。
そうなると、メールサーバーの管理者は従業員に連絡し、メールボックスを定期的に整理すること、不要なものを削除することなどをアナウンスします。過去のメールにはやり取りの経緯など重要な内容を含むことがあるため、現場の従業員にとってはできるだけ削除したくないものでもあります。
情報漏洩
メールによるドキュメント管理の課題の2つ目は、情報漏洩です。メールには、宛先記入ミスによる誤送信のリスクがあります。どんなに気をつけても、スペルミスや誤って同姓同名の従業員を宛先にしてしまうことで、関係者以外にファイルを送ってしまう恐れがあるのです。メールでドキュメント管理をすることは、注意を払っても情報漏洩リスクにつながる可能性は否めません。
重要情報が埋もれる
メールによるドキュメント管理の課題の3つ目は、重要情報が埋もれることです。日々の業務で新しいメールを受信していると、しっかりと管理していないがために昔の重要なメールがどこに行ったかわからなくなるケースがあります。検索機能はあるものの、検索にヒットしない、過去のメールをたどるにも量が多すぎて時間がかかるということがあります。
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ファイルサーバーによるドキュメント管理の課題
ファイルサーバーによるドキュメント管理の課題について、以下5点を挙げます。
- 二重管理
- 容量圧迫
- 情報漏洩リスク
- 検索してもヒットしない
- 版管理が困難
それぞれ解説していきます。
二重管理
1つ目の課題は、二重管理です。ファイルサーバーでドキュメント管理をする場合、念の為にと、従業員はローカルPCにも同じものを残しておくことが多いです。なぜなら、ファイルサーバーだけに保持しておくのは不安だと感じることや、ネットワークがつながらないときにもすぐにファイルを参照できるようにしたい、などの理由があるからです。従業員の端末に同じファイルを保管しておけば簡単に参照できるので、本人にとっては一時的に便利といえます。
しかし、二重管理となると余計な容量が必要になることや、最新版がどこになるかわからない、という問題が生じます。
容量圧迫
2つ目の課題は、容量圧迫です。ファイルサーバーがあれば、とりあえず入れておこうと何でも格納する従業員は多いものです。そうなると容量制限につながります。NASなどのファイルサーバーは、従業員一人あたりの格納容量制限ができないものもあります。
ファイルサーバーの容量を圧迫しないようにするためには、従業員にファイルの削除を依頼して整理してもらう、もしくはストレージを追加して容量を増やすことでさらに格納できるように対応するなどがあり、どちらも手間もコストもかかります。本当に必要なドキュメントであれば拡張も大事な対策ですが、中には不要なファイルも多く入っているため不要な拡張はおすすめしません。ファイルサーバーは格納のしやすさからどうしても容量圧迫しやすい、という課題を抱えることが多いです。
情報漏洩リスク
3つ目の課題は、情報漏洩リスクです。ファイルサーバーでドキュメントを管理すると、機密情報がファイルサーバーのあらゆるところに置かれてしまうリスクがあります。ファイルサーバーに適切なアクセス権が設定されていないと、その業務に関係のない従業員にも見えてしまうため、悪意を持った人が盗むことも考えられます。ファイルサーバーで管理する場合は、適切に階層分けをして必要な従業員のみにアクセス権を与えるなど、注意が必要です。
検索してもヒットしない
4つ目の課題は、検索しても目的のドキュメントがヒットしないことです。検索したキーワードがドキュメントのファイル名やドキュメントが保存されているフォルダ名などに含まれていないと、検索してもヒットしない可能性があります。たとえドキュメントの本文に検索したキーワードが書かれていても、本文まで検索する機能がなければ、ファイル名に含まれていない限り探し出せません。そのような場合、知っている人に聞いてファイルを探さなければならない、など手間がかかってしまいます。
版管理が困難
5つ目の課題は、版管理が困難なことです。ファイルサーバーは文書管理システムなどと違って、1つのファイルで複数の版を管理することが困難です。複数管理するためにはファイル名に「v0.0.1」「v0.0.2」などの版情報を明示的に書いて管理する必要があります。運用ルールによってはファイルを更新するたびに名前を変える必要がありますが、急いでいることで運用ルールを忘れてしまい、正しく版管理ができなくなるなどの問題があります。
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ドキュメント管理の課題全般への対策
ドキュメント管理の課題全般への対策について、以下4点を挙げます。
- ルールを定める
- ペーパーレス管理
- 階層分け
- 文書管理システムの導入
それぞれ解説していきます。
ルールを定める
1つ目の対策は、ルールを定めることです。ルールを決めて、必要な文書を必要な場所のみに保管し、運用しやすい状態を整えることが大切と言えます。ドキュメント管理を成功させるためにもしっかりとルールを定めましょう。例えば、書類は必要が無くなったら削除することが挙げられます。また、ファイル名・フォルダ名の命名規則も大切です。
ルールを定める際に重要なのは、従業員がルールを徹底できるかどうかです。細かく決めると、ルールを覚えるのも煩わしいと感じる従業員もいるため、誰もが守れてシンプルでわかりやすいルールを設定しましょう。
ペーパーレス管理
2つ目の対策は、ペーパーレス管理です。紙文書であれば電子化することをおすすめします。電子化できれば保管スペースをなくすことはもちろん、紙や印刷にかかるコストも抑えられます。また、ファイル名で検索できるなど検索性を高められます。ペーパーレス管理を行えば、コスト削減と利便性向上につながります。
階層分け
3つ目の対策は、階層分けです。どこに何のドキュメントが保管されているか、誰が見てもわかりやすい階層を設定し、階層分けを行いましょう。適切に階層分けして従業員全員がルールを守れば、文書の保存や取り出しも簡単に行えます。自社の運用に合わせた階層を定めること、シンプルな階層にすることが大切です。
文書管理システムの導入
4つ目の対策は、文書管理システムの導入です。ドキュメント管理に適した文書管理システムを導入すれば、保管スペースのコストがかかりません。また、検索性・版管理・保持期間経過後の自動削除などの機能が優れており、容量圧迫や二重管理も防げます。さらには、アクセス権の設定・アクセスログ・ドキュメントの変更履歴管理など、情報漏洩対策も実装されています。文書管理に特化したシステムやソリューションもあるので、調べてみてください。
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まとめ
本記事では、ドキュメント管理の課題と課題全般への対策について解説しました。ドキュメント管理は放っておくと煩雑になってしまうため、早い段階で適切な管理方法に見直すことが大切です。文書管理システムやソリューションなどで自社にあった管理方法を選びましょう。
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