ドキュメント管理の階層の分け方について、どのような階層の分け方が良いのか、年度・目的・文書の種類など何別に分ければ運用が楽なのかなど、迷うことはありませんか。文書を適切に管理するためには、階層分けが重要です。組織担当者は長く運用しやすい階層を考えて、事前にルールを設定しなければなりません。本記事では、階層分けが重要な理由と方法、コツについて丁寧に解説していきます。
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目次
ドキュメント管理は階層分けが重要
ドキュメント管理では、階層分けが極めて重要です。文書管理を疎かにしていると、多くのファイルが溜まり続けて、煩雑化しやすい傾向にあります。そのため、「気づけば管理するのが大変な状態になっていた」というケースも多いです。ドキュメント管理が煩雑化しやすい原因は、過度なフォルダ数や、保管場所の細分化とされています。厳密なルールを決めて細分化すると、いくつもの階層が必要となり、文書格納や、参照する度に深い階層を辿らなければならりません。そうなると、文書管理の効率を下げてしまうことにも繋がります。
逆に、階層ルールを全く定めていない場合、文書が分散されて格納される、同じ種類の文書を一覧表示することも時間がかかるなどの問題にも繋がります。ドキュメント管理は、ある程度大まかなカテゴリー分けをしたフォルダ階層にして、運用しやすい状態を作ることが大切です。
ドキュメント管理の階層分けの方法
ドキュメント管理の階層分けの方法として、以下4点を説明します。
- 目的別に分ける
- 年度月度別に分ける
- フェーズ単位で分ける
- 種類別に分ける
それぞれ解説します。
目的別に分ける
方法の1つ目は目的別に分けることです。管理する目的毎にフォルダ階層を分けましょう。例えば、契約書や会計に必要な文書、企業活動に必要な文書、ナレッジ共有に必要な文書などの目的があります。目的別にわけることで、目的を持って文書を必要とする人が、必要な時にすぐに取り出すことができるでしょう。
年度月度別に分ける
方法の2つ目は、年度月度別に分けることです。例えば2022年・2023年度など、年度単位のフォルダに分けて階層管理すると、過去年度の文書を探したい時に、年度を指定して探すことができるので大変便利です。年度が変わったら運用担当者が過去月分を別のフォルダにアーカイブすれば、格納容量をおさえながらもいつでも参照できるようになります。年度月度に分ければ、過去のファイルも簡単に探し出せるることでしょう。
フェーズ単位で分ける
方法の3つ目はフェーズ単位で分けることです。例えばスケジュール計画や実行・改善計画など業務フェーズに分ければ、業務の進捗が見やすくなります。またフェーズが変われば別のフォルダに格納するため、1つの階層に多くの文書が存在することも少なくなり、一覧で表示しやすいと言えます。これらの理由から、フェーズ単位で階層を分けることもおすすめです。
種類別に分ける
方法の4つ目は、種類別に分けることです。ドキュメントの種類として、発注書類や契約書類・マニュアル・請求書などがあります。種類別は、目的別に階層を分けることと近いように感じますが、目的のみで階層を分けると大雑把な階層になりがちです。目的と種類別とを組み合わせて階層を分けると、より運用がしやすくなります。扱う文書の多さ、用途によって種類別に分けることも検討しましょう。
請求書などについては、格納前後の処理フローもあるため、その辺りも意識できると良いです。
ドキュメント管理で階層分けを上手く行うコツ
ドキュメント管理で階層分けを上手く行うコツについて、以下7点を説明します。
- シンプルなルールを定める
- 目的を共有する
- 他の従業員を意識する
- フォルダ名に検索キーワードを入れる
- 何でもフォルダを作る
- 定期的に配置を見直す
- 保存文章を明確にする
それぞれ解説していきます。
シンプルなルールを定める
コツの1つ目は、シンプルなルールを定めることです。メンバー全員が適切に階層分けして文書管理するためには、明確なルールが必要です。ルールを定める際は、従業員誰もが長く守れるようなシンプルであることが大切と言えます。運用開始後、その時の状況に応じて現場が運用しやすいルールに変えることも柔軟に検討しましょう。
目的を共有する
コツの2つ目は、目的を共有することです。階層分けのルールを徹底するためにも、従業員に対して階層分けの目的をしっかりと伝えておくことが大切です。目的を周知すれば、従業員一人一人が責任を持って書類を管理し、書類の紛失を予防できます。
目的を共有しないままルールだけを定めても、従業員にとっては保存場所がわかりにくく、探すのも大変など管理が煩雑になりがちです。ドキュメントを探す時間は一回あたり小さいと思われがちですが、積み重ねれば大きな時間ロスになります。組織全体の生産性低下、重要情報流失にもつながりかねないので、事前に管理目的を共有しましょう。
他の従業員を意識する
コツの3つ目は、他の従業員を意識することです。階層分けは自分だけでなく、他のメンバーがドキュメントを参照するために必要ということを意識しましょう。階層分けする際は、自分の視点に偏ったフォルダ体系でないかの確認、その業務を知らない従業員でも簡単に探すことができるかを意識した階層分けを心がけることが大切です。
フォルダ名に検索キーワードを入れる
コツの4つ目は、フォルダ名に検索キーワードを入れることです。その文書を探すための検索キーワードをフォルダにも入れれば、フォルダ名を見て、必要な文書が入っているかを判断できます。
階層分けを整えても、運用が始まれば従業員全員が階層分けをきちんと理解していないことも多いです。また、文書をどの場所に格納したら良いか迷う時にも、フォルダ名に検索キーワードがあると格納時にもわかりやすいと言えます。できるだけ、その文書を探し出せるようなキーワードをフォルダ名にセットしてあげましょう。
何でもフォルダを作る
コツの5つ目は、「何でもフォルダ」を作ることです。ドキュメントの中には、どこに入れたらよいかわからないものも多く存在します。その都度、階層分けを考えて、管理するのは非常に大変です。そのような困った場合に備えて何でも入れても大丈夫な一時フォルダを一つ作りましょう。重要なのは入れっぱなしにするのではなく、定期的に何でもフォルダを参照して、どのようなファイルが多いのかを確認し、格納場所・管理ルールを見直すことも大切です。
定期的に配置を見直す
コツの6つ目は、定期的に配置を見直すことです。ドキュメントの階層は、最初整えても、運用時にさまざまな要因で崩れる可能性があります。例えば急いでいるときの資料作成、階層ルールに慣れていない従業員による登録、予期せぬミスなどが挙げられます。また従業員のアクセス権も適切に見直す必要があります。
1ヶ月に1回程度で単位で見直すのが望ましいですが、難しい場合は四半期・半期など組織変更のタイミングに合わせて定期的に見直すようにしましょう。
保存文章を明確にする
コツの7つ目は、保存文書を明確にすることです。必要な文書のみを保存する、必要でないものは除外することが、ドキュメントの階層管理においても非常に重要です。
社内で扱う全ての文書を保存し続けることは、コストが膨大になるため現実的ではありません。ストレージの追加やサーバーの台数の増加などにより、年数が経つほど管理コストが増えるからです。書類によっては10年以上保存しなければならない資料もありますし、1年間だけ保存すればよい文書もあります。不要な書類を廃棄しやすいように、階層の仕組みをつくることも大切です。
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ドキュメント管理の階層分けで注意すべき事項
ドキュメント管理の階層分けで注意すべき事項として、以下2点を説明します。
- 階層を細かくしない
- 細かなルールを決めない
それぞれ解説していきます。
階層を細かくしない
注意事項の1点目は、階層を細かくしないことです。階層が細かすぎると、参照する・階層をたどって保存する・文書を探すなど、一つ一つの手間に時間がかかってしまいます。階層は最初はおおまかで構いません。従業員がどこの階層を見れば何があるかすぐに判断できること、楽に運用が回るかを一番に意識しましょう。最初はシンプルな階層で運用を開始して、現場と話し合いながら階層をどう分ければ良いか相談することもおすすめです。
細かなルールを決めない
注意事項の2点目は、細かなルールを定めないことです。細かなルールは本人はよくても周りができるかどうかはわかりません。また、ルールを覚えること自体を煩わしく感じる従業員もいるかもしれません。すると、次第に従業員がルールを守らないようになるリスク、それぞれが独自のルールで管理してしまう恐れもあります。大事なのは従業員全員が運用しやすい管理ルールであること、シンプルでわかりやすいことです。細かなルールではなく、わかりやすいものにしましょう。
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まとめ
本記事ではドキュメント管理に欠かせない階層について紹介しました。ドキュメントの階層管理において、「運用する従業員がそのルールを長く守り続けられるか」「運用の変化にルールがついてこれるか」を意識することが大切です。そのため、わかりやすいルールを決めて、シンプルな階層毎に分けることを心がけましょう。
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