働き方改革に効果的なリモートワーク(テレワーク)を解説

2020年06月17日(水) テレワーク

労働人口の低下に歯止めをかけるべく、政府主導で進められている「働き方改革」。その一環として注目を集めているのが、オフィスに出社することなく業務を行える「リモートワーク」です。興味を持っているものの、具体的な内容がよくわからないという人も多いのではないでしょうか。今回は、リモートワークの基礎知識を踏まえ、導入するメリットや課題、実際に導入している企業の事例などを紹介していきます。

働き方改革とは

働き方改革とは、労働者が自分の都合に合わせ、柔軟で多様な働き方を選べるような社会の実現を目指して行われる改革のことです。政府主導で進められ、2019年4月からは関連法案の一部施行も始まりました。このような改革が行われることになった背景には、日本が抱える深刻な労働力不足の問題が影響しています。活発な経済活動を実現するには、企業で実際に業務を担う労働者の存在が欠かせません。ところが、内閣府が発表した「人口・経済・地域社会の将来像」によると、日本の人口は2013年をピークに減少の一途をたどっています。人口が減るということは、必然的に労働人口も減りつつあるということです。

2060年にはピーク時の半分にまで落ち込むと予想されており、さまざまな業種・分野で深刻な労働力不足が懸念されています。このままでは、国そのものの生産性、つまり国力が低下しかねません。この問題を解決するために、政府が積極的に取り組み始めたのが「働き方改革」なのです。働き方改革では、労働力を増加させるために、これまで働いていなかった層の就労促進や人口の減少を抑えるための出生率の上昇、労働者の生産性向上などを主な目的としています。それを実現するために、長時間労働の解消や雇用形態における格差の是正といった、さまざまな関連法案や施策を通して課題の解決が模索されているのです。

参考:テレワークで大活躍!Web会議システム おすすめ12選を徹底比較

 

リモートワーク(テレワーク)とは

リモートワークとは、テレワークとも呼ばれる新たな働き方のことです。「remote(離れた場所)」「work(働く)」を合わせた造語であり、場所や時間にとらわれない新たなスタイルの働き方を意味しています。主に「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務」の3パターンに分かれ、どのテレワークを導入するかは企業が自由に決めて構いません。

在宅勤務

在宅勤務は、労働者が自宅でパソコンや電話などを活用し、オフィスとやり取りをしながら働きます。

モバイルワーク

モバイルワークは移動中や出先など、ちょっとした時間にデバイスを使って働く方法です。

サテライトオフィス

サテライトオフィスは、自宅やオープンスペースではなく、企業が準備した働くためのスペースで業務を行います。その企業が専用で使用するスポットオフィスや専用サテライトもあれば、複数の企業が共同で使用するサテライトやレンタルオフィスもあるなど、そのスタイルはさまざまです。

政府は将来的に全労働人口の10%をリモートワーカーにすることを目指しており、導入した企業に助成金が支給されるなど、リモートワークは働き方改革の中でも重要視されています。

 

リモートワークのメリット

メリット1 離職率の低下

育児や介護、病気・怪我の療養などを理由として、やむなく退職を選択する労働者も珍しくありません。毎日オフィスに出社して働くことが難しいため、働きたくても働けなかったのです。この点、リモートワークが可能になると、こういった事情のある労働者が自宅や近所で働けるようになるため、退職せずに済む可能性が高まります。離職率が低下すれば、新たな人材が戦力になるまで一時的な生産性の低下が起きたり、新たな人材を採用・育成するためのコストや時間がかかったりするリスクを軽減できるでしょう。また、オフィスから遠く離れた地域からでも働いてもらえるため求人への応募増加も期待できますし、働きやすい環境が整った企業だとしてブランドイメージの向上も見込めます。リモートワークの環境が整うことは、労働者と企業双方にとって大きなメリットがあるのです。

メリット2 コスト削減

リモートワーカーが増えると、恒常的にオフィスに出社する労働者の数が減少します。このため、労働者へ支給する交通費の削減が可能です。また、人数が減ればオフィスの規模を縮小することもでき、賃料や通信費、照明・空調などにかかる電気代などの節約につながります。消費電力量の削減は環境負荷の軽減にもつながり、社会的な意義も得られるでしょう。

メリット3 非常時のリスク分散

大規模な地震や水害などが起きた場合、オフィスにすべての労働者と設備が集中していると、甚大な被害が発生します。この点、リモートワークで労働者とパソコンなどの備品が分散していれば、事業の継続性確保が可能です。ダメージを受けなかった場所の労働者が働いてカバーでき、リスク分散に役立ちます。

参考:事例から見るテレワーク 導入企業に起こっている7つの効果・メリット

 

リモートワークの課題

課題1 長時間労働になりやすい

リモートワークには、仕事とプライベートとの切り替えが難しく、長時間労働になりやすいという課題があります。これは生活スペースで働く在宅勤務で特に多く見られる課題ですが、それ以外のリモートワークでも、同僚や上司の目が届きにくい分、同様に長時間労働をしてしまうケースが珍しくありません。そもそもリモートワークは長時間労働解消を目指した働き方改革の一環なので、逆効果になってしまうのは無視できない問題です。

課題2 勤怠管理が難しい

長時間労働になりやすいという課題の一方で、逆に業務を「サボる」労働者が出る恐れもあります。リモートワークは基本的に労働者が一人で業務を行うため、上司や同僚の目が届きにくく、正確な勤怠管理が非常に難しいのです。特に、自宅にはテレビや趣味の道具などの誘惑が多く、業務に集中できなくなる労働者も少なくありません。このような問題を解決するには、事業場外みなし労働制を導入したり、リモートワーク用のしっかりとした勤怠管理システムを整備したりすることが欠かせません。

課題3 情報漏洩リスクが高まる

リモートワークでは、外部のデバイスから社内システムにアクセスして業務を行うのが一般的です。セキュリティ対策が不十分なデバイスだと、ウィルス感染などで機密情報が外部に流出するリスクが高まります。ほかにも、労働者が出先でデバイスを紛失したり、第三者に業務中のパソコン画面を盗み見られたりする恐れもあるため、徹底したセキュリティ対策が必要です。

参考:テレワーク導入の課題とその具体的な解決策とは?

 

リモートワークの活用事例

ケース1 ヤフー株式会社

大手ポータルサイトの運営でも知られる「ヤフー株式会社」は、2014年に全正社員を対象にリモートワークを導入しました。前日までに申請しておけば、月5回を限度として、自宅以外でも自由に働く場所を決められるという先進的な取り組みを実践しています。対象となる従業員はノートパソコンとiPhoneを貸与され、そのデバイス以外では社内システムにアクセスすることができません。貸与したデバイスは遠隔操作が可能であり、万が一、従業員が紛失したとしても情報漏洩などのリスクを最小限に抑えられる体制を整えています。

web会議システムを導入し、インターネット上で電話や会議、チャットや資料共有まで可能にするなど、コミュニケーションを円滑にするための環境整備も万全です。柔軟な働き方が可能になったことで従業員から好評を得られ、97.2%という高い産休復職率を実現しています。このような積極的な取り組みが国にも認められ、総務省が主催する「テレワーク先駆者百選」で総務大臣賞を受賞するに至っています。

ケース2 東急リバブル

大手不動産会社の「東急リバブル」は、2015年に試験的にリモートワークを導入し、対象者の7割から「業務効率が上がった」と高評価が得られました。これを受け、2016年から正式にリモートワークを導入しました。育児や介護によってオフィスに出社しにくい従業員から運用を開始し、2017年は事務スタッフ、2018年は営業職を含めた全社員と対象を段階的に広げ、課題などを見極めながら慎重に進めています。月6回を上限として在宅勤務を認めるだけでなく、店舗の一角をサテライトオフィスにするなど、営業職のためのリモートワーク環境も整備されました。情報漏洩対策には、データを従業員のデバイスに残さないクラウド式のシステムが導入されています。

参考:テレワーク・リモートワーク導入に欠かせない!5つの必須ツールとその使い方 | NotePM

 

メリットの多いリモートワーク!導入するときは十分な準備を

企業・従業員の両方に、数多くのメリットをもたらすリモートワーク。働き方改革が推進される現代では、そのニーズもますます高まっていくでしょう。ただし、メリットだけでなく課題もあるため、安易な導入はおすすめできません。セキュリティ対策や勤怠管理システム、コミュニケーションツールといった課題解決に必要なものを整え、万全の体制でリモートワークを導入しましょう。

 

リモートワークでナレッジ共有に最適な「社内wiki」

NotePM-Banner

NotePM – ほしい情報、すぐ見つかる「社内wiki」
URL: https://notepm.jp/