業務マニュアルの整備には大きな手間とコストがかかるため、なかなか踏み出せないという企業も多く存在しているようです。ですが、マニュアルの不在はさまざまなトラブルの要因となってしまいます。
この記事では、マニュアルがないことで起こり得る課題や、マニュアル整備がうまくいかない理由などを紹介します。自社にも該当していないかどうか、ご確認ください。あわせて、マニュアルを整備する際のポイントについても解説していきます。
業務マニュアルについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
業務マニュアルとは?わかりやすい作り方や無料テンプレートを紹介
業務効率化のためのマニュアルの作り方!作成手順やツールの選び方を解説
目次
「マニュアルがない会社」の特徴
マニュアルがない会社には、以下のような特徴があります。
- 業務が忙しくてマニュアルを作れない
- マニュアルを読む文化がない
- イレギュラーなトラブルに対応できなくなることを懸念している
そもそも、日頃の業務が忙しい場合、マニュアルを作る優先度が低くなり、マニュアルが会社に存在しないケースがあります。
また、過去にマニュアルを作成したものの、内容がわかりにくくて社員が必要性を感じていないケースもあるでしょう。
これらのケースには、マニュアル作成ツールを利用して、資料作成にかかる時間を短縮したり、検索しやすくしたりするのがおすすめです。
マニュアルを作成すると、イレギュラーなトラブルに対応できなくなると管理者層が懸念している場合、マニュアルがないことがあります。
ただ、イレギュラーなトラブルこそ、同様のトラブルが発生したときに備えて、ノウハウを共有しておくことが大切です。
「マニュアルがない会社」で起こりがちなトラブル
そもそも、マニュアルがない、という状態は問題があるのでしょうか。マニュアルがないことで起こることが予想されるトラブルを、見てみましょう。
教育やトレーニングのコストが大きくなる
手間や費用といった「コスト」が大きなネックとなって、マニュアルの整備が進まないというケースは多いことでしょう。ただしマニュアルがないままでいると、新入社員や異動した社員へトレーニングを施す際には先輩がつきっきりで教えることになります。その都度、手間や人件費といった「ランニングコスト」が必要になっていくため、結果として総合的なコストは大きくなってしまうことでしょう。
業務品質や生産性が低下する
マニュアルがない環境では、業務の進め方についての従業員間の「共通理解」が欠けてしまいます。これにより、チームワークがうまく働かず生産性が低くなってしまうことが考えられます。
また、業務や成果物に対する基準もないため、品質が低い状態も見過ごされたりしていくことになるでしょう。「正しい業務プロセス」が明確になっていないことで、ミスや問題が発生するリスクも高くなっていきます。
法的なリスクが高くなる
マニュアルは、従業員が法的要件や業界の基準に従って作業を行なうための指針となります。また、マニュアルにより業務プロセスが明確になっていなければ、「稟議を誰が承認するべきか」も不明確になっていくでしょう。
この状況で問題が発生した場合、責任者は誰で、問題解決は誰が指揮するべきか、といった判断ができず対応は遅れていきます。業務ミスも発生しやすいため、さまざまな面から法的なリスクが高まってしまうと言えるでしょう。
マニュアルを整備するメリット
マニュアルを適切に整備・運用していくためには、コストや手間が必要です。それでも整備した方が良い「メリット」についても紹介しましょう。
従業員のスキルアップにつながる
マニュアルの効果は、参照することで基本的な「マニュアル業務」をスムーズに進められるというだけにはとどまりません。さらに重要なのは、「ベテラン従業員によるノウハウ」を継承する媒体となることです。
従業員の能力を底上げするのはもちろん、「どのような目標を見据えてスキルを磨いていくべきか」が明確になることで、業務そのものに対するモチベーションを高める指標にもなっていきます。
改善点が見つかりやすくなる
マニュアルとして明文化する過程は、「なんとなく慣例的に」行なわれてきた業務の進め方を客観的に見直すチャンスです。
また、マニュアルに沿って多くの従業員が一貫した方法で業務を進めていくことにより、「業務の検証を繰り返し行なっていく」という役割も担います。
これにより、業務上で見過ごされてきた問題が可視化され、解決方法やより効率的な手法などの改善点を発見でき、組織内での展開も容易になるでしょう。
顧客満足度が向上する
マニュアルの整備によって、サービスや成果物の品質を一定の基準以上で担保できるようになります。
また、標準的な手順やプロセスが定められていることで、ヒューマンエラーの発生も抑えることも可能です。エラーや質の低いサービスが減れば、当然、顧客満足度の向上につながっていきます。
事業の継続性が高まる
業務をマニュアル化することで、知識やノウハウが継承されやすくなります。「この人物がいなければ仕事が進まない」といった属人化を避け、従業員の退職・異動があった際にも事業継続への影響を最小限に抑えられるでしょう。
属人化の解消については、こちらの記事で詳しく解説しています。
属人化を解消するには?業務標準化を成功に導くポイントや事例を紹介
マニュアルの整備がうまくいかない原因
マニュアルの作成から運用まで、整備がうまくいかない原因としてよくある事例を紹介します。自社に当てはまるものがないか、ぜひ確認してみてください。
事例その① 経営層の理解不足
マニュアル整備には、どうしても手間や人材リソース、コストが必要です。そのため経営層やリーダーがマニュアル整備に積極的でなければ、なかなかプロジェクトは進まず、後回しにされてしまうでしょう。
事例その② 現場の参加不足
マニュアルは、実務上の実用性がなにより重要です。
業務内容に詳しくない人事部がマニュアルを作成し、実際に使用する現場のメンバーが関わっていない、というケースも数多く見られます。
マニュアル作成担当者が業務の理解が浅ければ、内容が薄かったり実務と乖離していたりするため、実用性は低くなってしまうでしょう。
事例その③ 複雑すぎる業務内容
そもそも業務が複雑なため、マニュアル化しにくいというケースもあります。
文字だけでは説明しきれない業務内容では、写真や図表を活用することで理解度が深まるものもあるでしょう。
ですが、それらの「素材」を用意するための手間やコストも必要となります。
事例その④ 内容が更新されない
マニュアルを一旦作成したとしても、実はその後も内容を更新し続ける「運用」が欠かせません。
業務プロセスが変化したり、最新のノウハウが生まれたりするたびに、実務と乖離した内容となってしまうためです。
「古いマニュアルはあるけど、ほとんど参照されていない」という会社も多いのではないでしょうか。
マニュアルがない会社でも簡単に社内マニュアルを作成できるツール「NotePM」
マニュアルを整備するためのポイント
マニュアルがない会社で、マニュアルの整備を進めるためには、まず「手間とコストを抑える」ことが重要です。
部分的な整備から始める
マニュアルがない会社で、すべての業務をゼロから一度にマニュアル化しようとすると、そのドキュメント量は膨大になってしまい、完成までに多くの時間と手間がかかってしまいます。
そこでまずは、「とりあえずできるところから」のスモールスタートを目指すと良いでしょう。かかるコストも少なくなるうえ、部分的な成功を積み重ねることで全体のマニュアル化へと進むノウハウも蓄積されていきます。
効果的な業務マニュアルの作り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
効果的な業務マニュアルの作り方を、事例も交えてわかりやすく解説!
気軽に更新できるようにする
マニュアルを整備するという取り組みには、継続的な更新を行なっていくことも必然的に含まれます。
紙媒体のマニュアルではすぐに更新内容を反映するのは難しいため、Webなどを通じて組織内へ広く展開できる電子媒体が適しているでしょう。
検索しやすくする
マニュアルの内容が充実していたとしても、必要な情報を必要な時に素早く見つけられなければ、意味がありません。
マニュアルや関連ドキュメントを検索できるシステム、目次や索引なども必要です。
ツールを活用してマニュアル作成が成功する理由
ツールを活用することで、マニュアル作成が成功する理由について、解説します。
マニュアル作成ツールについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
【徹底比較】マニュアル作成ツールおすすめ20選|選び方と導入事例も紹介
マニュアル作成を効率化できる
マニュアル作成ツールにはテンプレートがついており、ゼロから自分で資料を作る手間がかかりません。
見やすいマニュアルを作成するには、記載する内容の決定から構成の検討、運用後の情報更新が必要です。
これらの作業には手間がかかりますが、マニュアル作成ツールを利用することで効率化でき、マニュアル作成の風土を醸成できます。
マニュアルの管理がしやすい
マニュアル作成ツールを活用することで、社内のノウハウ・ナレッジを一元管理できます。
社内ノウハウを口頭や紙ベースで済ませている場合、マニュアル作成・更新に時間がかかるでしょう。
ツールを導入することによって、すぐに必要な情報を検索できるようになります。
また、ツール内でのアクセス権限を設定でき、情報漏洩を防ぐことが可能です。
マニュアルがない会社でも簡単に社内マニュアルを作成できるツール「NotePM」
マニュアル作成ツールは『NotePM』がおすすめな理由
マニュアル作成ツールに『NotePM』がおすすめな理由を解説します。
テンプレート機能で効率的にマニュアルを作成できる
マニュアル・ナレッジの作成と共有に特化したツールであるNotePMには、業務マニュアルを含めた多彩なテンプレートが用意されています。
これらを活用すれば、手間をかけずにマニュアルの作成・整備を進められます。
検索性に優れている
NotePMを活用すれば、wikiページはもちろん添付ファイルの内容も含めた全文キーワード検索や、タグの設定が可能となります。
検索したキーワードがハイライトされ、前後の文章も表示されるプレビュー機能などを備えているため、情報へ迅速にアクセス可能です。そのため、ユーザーフレンドリーな機能を付加したマニュアルを簡単に整備できます。
マニュアルの更新がしやすい
NotePM上で保管されたドキュメントファイルであれば、PCやスマホからすぐにマニュアルを参照でき、すぐに情報を更新できます。
従業員が共同で編集でき、意見やアイデアを出し合えるコメント機能も備えており、幅広い現場のメンバーが気軽に参加可能です。
これにより、自然とマニュアルが更新されていく風土を醸成することもできるでしょう。
また、自動で履歴が保存されるため、以前のバージョンへ戻すといった操作も簡単に行なえます。
NotePMを活用してマニュアル作成に成功した事例
NotePMを活用したことで、マニュアル作成に成功した事例を紹介します。
株式会社Rhelixa
株式会社Rhelixaは、ゲノム解析・次世代シーケンスなどの技術を用いて、顧客課題に適した解析の受託・ソリューション提供を行う企業です。ノウハウが属人化されていて、社員個人の持つ情報に偏りがありました。
社員のスキルアップや、社内でのノウハウ蓄積のために、NotePMの導入に至りました。NotePMの操作性の高さから、マニュアルを頻繁に投稿できるようになり、ナレッジ共有への社員意識が変化したとのことです。
株式会社Rhelixaの事例については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【導入事例】属人化していたノウハウや解析事例を社内共有。医師・学術分野の研究をサポート – 株式会社Rhelixa
PayPay銀行株式会社
PayPay銀行株式会社はインターネット上で利用可能な金融サービスを提供する企業です。カスタマーセンターで使っていたマニュアルの検索方法が難しく、必要な情報をすぐに見つけられず、問い合わせ対応に時間がかかっていました。
この問題を解決するためにNotePMを導入したことによって、お気に入り機能などを活用できるようになり、問い合わせた対応の保留の時間・回数を短縮できました。また、画像の挿入・編集機能によって、マニュアル作成を大幅に効率化できたとのことです。
PayPay銀行株式会社の事例については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【導入事例】カスタマーセンターの長年の課題が解決!検索機能向上で従業員の満足度UP – PayPay銀行株式会社
マニュアルがない会社はツールを活用しよう
マニュアルがない会社のままでは、さまざまなトラブルや課題が生まれてしまうリスクが大きく高まります。とはいえ、コストや手間、さらにさまざまな要因から、うまく整備できないケースが多いことも事実です。
そこで今回は、業務マニュアルを整備し、そのメリットを最大限に活かすためのポイントも紹介しました。「マニュアルがない会社」からの脱却を、NotePMにもぜひお手伝いさせてください!