こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。
システム開発においてテストは必須事項ですが、バグがないか細かく確認しようとすると、時間がかかってリリースの遅れにつながりかねません。また、目視でテストを行うと、バグの漏れやそもそもテストすること自体を忘れてしまうこともあるでしょう。
その場合におすすめのツールが、CI/CDツールです。CI/CDツールを活用することで、テストを自動化して、テストを早く確実に実施できます。また、ソースコードの品質向上や生産性向上にもつながるでしょう。
そこで今回は、CI/CDツールの意味や選ぶポイントなどを解説し、おすすめのCI/CDツールを8選紹介します。
目次
CI/CDツールとは?
CI/CDは開発手法の一つで、継続的インテグレーション(CI)と継続的デリバリー(CD)を組み合わせたものです。CI/CDツールを導入することで、コード品質のチェックやバグ発見、テスト自動化、自動化デリバリー、デプロイメントの実現など様々な効果が得られます。これにより、開発者やチーム全体の生産性向上につながるでしょう。ここでは、CI/CDツールをより深く知るための基礎知識として、以下の4つを解説します。
- CIの意味
- CDの意味
- 継続的デプロイとの違い
- CI/CDツールの代表的機能を一覧で比較
それでは、1つずつ解説します。
関連記事:【2024年版】テスト自動化ツールおすすめ7選を徹底比較!必要性・メリット・成功ポイントも詳しく紹介
CIの意味
1つ目は、CIの意味です。
継続的インテグレーション(CI:Continuous Integration)では、自動ビルドとテストがメインです。新しいコミットがメインブランチに統合される際、アプリケーションの安定性を確認するために行う、自動テストが重視されます。
CDの意味
2つ目は、CDの意味です。
継続的デリバリー(CD:Continuous Delivery)では、コード変更後ステージング環境にデプロイをし、システムテスト等を実施します。この方法には、自動テストと自動リリースプロセスが含まれ、いつでも簡単にアプリケーションをデプロイできます。リリース周期も、ビジネス要件に応じて毎日や毎週など柔軟に設定可能です。ただし、継続的デリバリーの利点を最大限活用するには、トラブルシューティングが容易な小さなバッチでリリースし、早期に実稼働環境へデプロイすることとよいでしょう。
継続的デプロイとの違い
3つ目は、継続的デプロイとの違いです。
継続的デプロイは、開発プロセスにおいて、すべてのプッシュを実稼働環境に自動でデプロイする方法です。これにより、手動作業が不要となり、承認のためのパイプラインが滞ることを防げます。継続的デリバリーと継続的デプロイとで異なる点は、ビルドを実稼働環境にプッシュする際に、手動で該当のボタンを押すか自動で行うかと言えるでしょう。
CI/CDツールの代表的機能を一覧で比較
4つ目は、CI/CDツールの代表的機能です。以下のとおり一覧表でまとめました。
機能 | 概要 |
オーケストレーション | ワークフローの作成とジョブのスケジューリングを行い、開発プロセスの各局面を自動化 |
テストの自動化 | コードがリリース・統合されると自動的にテストが行われ、問題がある場合素早く特定 |
デバッグ | コード内のエラーを確認し、コードが正しく構築されているか検証 |
クラウドネイティブ展開 | 3rdパーティーのクラウドインフラ使用時に、セキュリティ保護済みのクラウドサービスコネクターより展開を簡素化し、ワークフローを構築 |
アクセス制御 | 重要なデータに関して、ユーザーアクセス権限を設定 |
CIサーバ | テストや展開のため、コードをビルドサーバに受け渡し |
ビルドオートメーション | ビルドの自動化で、開発・展開時間の短縮 |
フィードバック管理 | 開発者からの質問やユーザーからのコメント受け取りが可能 |
マニュアル作成・ナレッジ管理が浸透するサービス ⇒「NotePM」
NotePMのPDF資料をダウンロード ⇒ こちらから
CI/CDツールのメリット
ここでは、CI/CDツールのメリットとして、以下の5つを解説します。
- リリースまでの時間短縮
- ソースコードの品質向上
- バグ検出・修正の促進
- テスト漏れの防止
- 生産性向上
それでは、1つずつ解説します。
リリースまでの時間短縮
メリットの1つ目は、リリースまでの時間短縮です。
ソースコードの変更を全環境にて手作業で反映・リリースする場合、合計数ヶ月かかることも珍しくありません。しかし、CI/CDの活用によりリリース作業を自動化することで、リリースまでの時間を大幅に削減できるでしょう。特に、アジャイル開発のように週単位で開発が行われるプロジェクトでは、CI/CDを導入すれば大幅なスピードアップが期待できます。
関連記事:アジャイル開発とは|メリット・デメリットや成功事例を紹介
ソースコードの品質向上
メリットの2つ目は、ソースコードの品質向上です。
従来、ソースコードの変更箇所は目視でチェックを行っていたため、チェック漏れの発生に加え、属人化したコードがリリースされることもありました。しかし、CI/CDであれば自動でソースコードのチェックを行うため、ソースコードの修正箇所が一目瞭然となります。これにより、エラーや既存機能への影響を容易に確認できるでしょう。その結果、ソースコードの品質を安定させられ、ソースコードの属人化も抑制できます。
バグ検出・修正の促進
メリットの3つ目は、バグ検出・修正の促進です。
CI/CDを活用すれば、手動でテストするよりも高頻度でテストが実施できるため、早期にバグを発見できる可能性を高められるでしょう。その結果、他の機能に影響するリスクを軽減した状態で、修正を実行できます。特にアジャイル開発においては、自動化による業務負担軽減とテスト精度向上による品質アップを両立可能です。また、バグ検出が容易になる上に、開発効率も向上します。
テスト漏れの防止
メリットの4つ目は、テスト漏れの防止です。
ソースコードの修正後は、テストの実施が必須です。ただ、手動でテストを行っていると、人的ミスでテストを忘れることがあるかもしれません。しかし、CI/CDを導入すればテストを自動化できるため、テスト忘れを防げます。また、テストコマンドの実行手間も削減できるでしょう。万が一テストを忘れると、リリース後に不具合が発覚して損害を発生させてしまうことがあるかもしれません。テストの自動化によって、そのリスクが低減させましょう。
生産性向上
メリットの5つ目は、生産性向上です。
CI/CDツールを活用すれば、リリース作業を自動化でき、業務負担が大きく軽減されます。これにより作業効率が向上し、今まで注力できなかったタスクに時間を割くことができるでしょう。また、ユーザー視点の仕様変更や新機能追加もできるようになる上、ソースコードの品質向上やバグ検出もしやすくなるため、一層の品質向上が期待できます。
関連記事:企業の生産性向上について徹底解説!定義やメリット・実現のための方法まで解説
CI/CDツールを選ぶポイント
ここでは、CI/CDツールを選ぶポイントとして、以下の2つを解説します。
- クラウドかオンプレミスか
- 拡張や連携がどの程度可能か
それでは、1つずつ解説します。
クラウドかオンプレミスか
ポイントの1つ目は、クラウドかオンプレミスかです。
CI/CDツールは、クラウド型とオンプレミス型に大別され、それぞれメリット・デメリットが異なります。クラウド型はインターネット経由でサービスが提供されるため手軽に始られる反面、カスタマイズ性に劣ることに注意しなければなりません。一方オンプレミス型は、柔軟にカスタマイズしやすいものの、自らサーバーを用意・運用しなければならない分導入・運用コストが必要です。自社にとってより適切なツールを考える際には、1つのチェックポイントとして覚えておきましょう。
関連記事:オンプレミスとは?クラウドとの違い・メリット・デメリットや使うべきシーンを解説
拡張や連携がどの程度可能か
ポイントの2つ目は、拡張や連携がどの程度可能かどうかです。
拡張性の高い方が、有力な選択肢になる可能性が高いでしょう。オンプレミス型の場合、優れた拡張機能を持つツールが多いですが、クラウド型でも汎用性な拡張機能を使えるツールが存在します。また、APIやプラグインなどの連携機能にも注目しましょう。これらの機能があれば、今後のシステム連携に役立つかもしれません。大切なことは、将来の運用を見据えてツールを比較検討することです。
CI/CDツールのおすすめ8選を比較
ここでは、おすすめのCI/CDツールとして、以下の8つを紹介します。
- CircleCI
- Bitbucket Pipelines
- Jenkins
- GitHub Actions
- GitLab
- AWS CodePipeline
- Azure DevOps
- Travis CI
それでは、1つずつ解説します。
CircleCI
CircleCIは、CircleCI社が提供しているCI/CDツールです。AWSやSlackなどのツールと接続して、機能を拡張できます。監査ログや制限付きコンテキストなどのセキュリティ機能も高く、万全のコード管理体制を実現できるでしょう。ホームページにはチュートリアルやeBookもあり、利用時には参考になります。導入事例も多数紹介されているので、自社に似た課題を解決した事例があれば、大いに参考になるでしょう。
CircleCIの特徴
- 希望者はコミュニティへの参加も可能
- ホームページ上のチャットボットを活用
- 無料プランあり
Bitbucket Pipelines
Bitbucket Pipelinesは、ATLASSIAN社が提供しているCI/CDツールです。並行処理数に制限はないため、複数のプロジェクトでCI/CDを実行したい場合でも効率的に実行できます。セットアップや構成も、数クリックや短いコードで手軽に行えることがメリットです。開発言語も主要なものには一通り対応しています。また、デプロイも自動化できるため、人為的ミスを削減する観点からもメリットがあると言えるでしょう。
Bitbucket Pipelinesの特徴
- 有料プランはビルドの所要時間で料金を決定
- Bitbucket組み込みのサービス
- 無料プランあり
URL: https://www.atlassian.com/ja/software/bitbucket/features/pipelines
Jenkins
Jenkinsは、オープンソースのCI/CDツールです。社内で使い慣れたツールを、容易に自動化パイプラインに組み込めるため、既存のソフトウェア資産をそのまま活用しながらCI/CDを実行できます。また、機能を拡張してくれるプラグインを、自ら新たに作成することも可能です。日本語対応はしていませんが、日本でも多数導入実績があるため、日本語教材や日本での勉強会もあります。
Jenkinsの特徴
- 1,800個以上のプラグインを使える
- ホームページ上のチュートリアルが参考になる
- インストールして簡単に使える
GitHub Actions
GitHub Actionsは、GitHub社が提供しているワールドクラスのCI / CDツールです。GitHub上の仮想サーバーでCI/CDを実行できるため、自分たちが運用する負担を軽減できます。もちろん、自前の物理サーバーを使いたい場合は、それも可能です。また、GitHubに関わる処理を自動化したい場合は、GitHubに関連するサービスだけに、スムーズに実現できるでしょう。JavaやPHPなど主要な開発言語に対応している点も安心です。
GitHub Actionsの特徴
- すべてのGitHub APIやその他パブリックAPIと連携可能
- ホームページで便利なドキュメントを参照
- 無料プランあり
URL: https://github.co.jp/features/actions
GitLab
GitLabは、GitLab社が提供しているプラットフォームです。CI/CDでコード開発を自動化して、作業効率を向上させてくれます。また、セキュリティ面でも統合テストや脆弱性管理を行うので、安心して使えるでしょう。これらの機能を単一プラットフォームで実現しています。お客様の成功事例も数多く紹介されているので、自社でもGitLabを導入したい方は参考にしてみてください。
GitLabの特徴
- カスタマーポータルサイトあり
- GoogleやGitHubのアカウントでも登録可能
- 30 日間無料トライアル(クレジットカード情報不要)
URL: https://about.gitlab.com/ja-jp/
AWS CodePipeline
AWS CodePipelineは、Amazon Web Services社が提供しているフルマネージドCIサービスです。パイプラインのリリースを自動化し、開発しているシステムのアップデートを素早く確実に行うために役立ちます。コードの変更があれば、速やかに変更部分をテストしてバグを見つけ出してくれるでしょう。また、プラグインを効果的に活用すれば、よりニーズに適応した運用が可能になります。
AWS CodePipelineの特徴
- SNSでも情報発信
- ホームページ上のチャットボットを利用可能
- 無料利用枠あり
URL: https://aws.amazon.com/jp/codepipeline/
Azure DevOps
Azure DevOpsは、Microsoft社が提供しているモダンな開発サービスです。アジャイル計画ツールであるAzure Boardsや、CI/CDであるAzure Pipelinesなど、テストや開発に役立つ機能を多数有しています。既存ワークフローも踏まえて、最適な使い方を試してみましょう。セキュリティ面も強化されており、77カ国で8,500人超えの専門家を確保しているため、海外で事業を実施していてセキュリティに不安を感じている場合でも安心です。
Azure DevOpsの特徴
- 1,000超の拡張機能
- MicrosoftやGitHubのアカウントでログイン可能
- 無料でアカウント作成可能
URL: https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/devops/
Travis CI
Travis CIは、Travis CI社が提供しているCIツールです。GitHubと連動してCIを実行できるツールで、ベンダー側のサーバーでテストを行うため、導入に複雑な設定は必要ありません。テスト結果は、APIやメールを通じて知らせてくれます。また、テストに問題がなければ、指定のホスティングサービスに、ソフトウェアをデプロイしてくれます。対応言語も豊富なので、あなたの会社で採用している開発言語にも対応しているか確認しましょう。
Travis CIの特徴
- リポジトリ上でコードの状態を常に確認できる
- GitHub上でソースコードを公開
- オープンソースソフトウェア向けであれば無料
URL: https://www.travis-ci.com/
まとめ
今回は、CI/CDツールの意味や選ぶポイントなどを解説し、おすすめのCI/CDツールを8選紹介しました。CI/CDは、継続的インテグレーション(CI)と継続的デリバリー(CD)を合わせた概念で、オーケストレーションやデバックなどの機能を発揮します。CI/CDツールを用いることで、バグ修正やテスト漏れの防止につながるでしょう。また、それによりリリース時間の短縮とソースコードの品質向上、さらには生産性向上まで実現できることもメリットです。
CI/CDツールは多数存在しますが、導入目的や利用方法などによって異なります。まずはクラウドかオンプレミスかを確認し、拡張・連携がどの程度が可能か確認しましょう。また、まずは今回紹介した8つのツールから選んでみてはいかがでしょうか。
NotePM(ノートピーエム) は、Webで簡単にマニュアル作成できて、強力な検索機能でほしい情報をすぐに見つけられるサービスです。さまざまな業界業種に導入されている人気サービスで、大手IT製品レビューサイトでは、とくに『使いやすいさ・導入しやすさ』を高く評価されています。
NotePMの特徴
- マニュアル作成、バージョン管理、社外メンバー共有
- 強力な検索機能。PDFやExcelの中身も全文検索
- 社内FAQ・質問箱・社内ポータルとしても活用できる
- 銀行、大学も導入している高度なセキュリティ。安全に情報共有できる
URL: https://notepm.jp/