成果に結びつく日報や週報の書き方を部下に指導するときのポイントとコツ

2024年12月03日(火) 日報・週報

部下が提出する日報や週報にマネージャーとして満足できていますか。多くの企業で日報や週報は、マンネリ化し、提出するだけの目的になってワンパターンの報告内容しか書かれていない現実があります。しかし、日報や週報の報告内容が優れていると、部下の仕事内容、業務の進捗状況、目標達成のために解決しなければならない課題、マーケットの最新状況などが早期に正確に把握できます。これにより、マネージャーは必要な対策を迅速に立案・実施することで目標を達成できます。

また、内容のある週報や日報には適切なコメントによるフィードバックをすることで部下のスキルアップやモチベーションアップも可能です。業務に役に立つ日報や週報を部下に書かせるためにはマネージャーによる書き方の指導が欠かせません。日報や週報の書き方に悩んでいる部下や、部下から内容のある報告を求めたいときの日報や週報の書き方の指導ポイントとコツについて紹介します。

日報や週報をより有効に活用するためには、『日報をただの業務報告書で終わらせない! 日報や週報の真の目的とフィードバックのポイントを解説』の記事も参照してください。

日報や週報に求められる基本的な内容

日報や週報は、ただその日(または週)の業務を報告するためのものではありません。日報や週報の内容をマネージャーと部下、そしてチームのメンバー全員が共有し、マネージャーが必要なコメントを部下にフィードバックすることが必要です。これによって業務を効率的に推進して目標の達成と、部下のモチベーションアップやスキルアップを実現できます。そのためにはマネージャーと部下の両方が、特にマネージャーは日報や週報に書かれる内容に関し、しっかりした認識を持っていなくてはなりません。

日報や週報に記載されるべき2つの基本内容

日報や週報を業務に生かすには、報告として書かれる内容に2つのポイントがあることをしっかり認識しておく必要があります。1つ目のポイントは、基本事項のため部下にも認識されていることです。あとは、書く内容の質を上げさせることが必要です。2つ目のポイントは、ルーチン化した日報や週報では認識されず、意識しないと放置されて書かれることが少ない内容です。

1つ目のポイント 業務活動の報告
業務活動の報告は、日報や週報の報告フォーマットに記載項目が書かれているため、決められた項目に沿って業務内容に関する必要かつ十分な情報を書かせることで、業務の進捗状況や、目標達成のための課題が見えてきます。部下の仕事を管理し、業務目標を達成するために欠かせない報告内容です。

2つ目のポイント 業務活動から得た気づきの報告
上記の業務活動報告は、起きている現象や状況に対する正確な報告が求められます。一方、それだけでは現状把握のみで終わります。業務活動から得られた以下の気づきを積極的に日報や週報、および口頭で部下に報告させることで、部下自身、組織、および企業の次の飛躍につながっていきます。

  • 業務から得た反省点や具体的な改善策
  • 業務をよりよく推進するための改善策、組織のあり方の提案
  • 提案内容を具体的に実行することによるメリット、デメリット、リスクなど仮説を立て、その検証

これを通じて、業務を振り返ることは、部下のスキルアップ、マネージャーやほかのメンバーと共有すべき情報やナレッジが得られるので重要です。日報や週報が持つ役割などは、『日報や週報の役割は?書き手も読み手も納得の活用法』の記事を参照してください。

日報や週報の記載項目と書き方のポイント・コツ

日報や週報には、基本的に必要な内容があります。活用できる日報や週報にするためには、マネージャーとして必要な項目やそのポイント、コツを部下に指導しなければなりません。なお、書き方や書くときに便利なテンプレートは、『週報の書き方(例文とテンプレート付き)』や『短時間で完成度の高い日報を作成する書き方のポイント(テンプレートあり)』を参照してください。

日報・週報に必要な項目

会社や部署によって多少異なりますが、一般的に、日報や週報には次のような項目が必要とされています。これは、日報や週報をベースにしたPDCAサイクルをうまく回すためです。部下には、次のような情報が過不足なく記述されているように指導しましょう。

基本情報
作成した者の名前、部署、日付など、基本的な情報を書きます。日報や週報の内容を整理するためには必要です。

その日(または週)の目標(Plan)
その日(または週)の目標で、業務内容(行動)のもととなるものです。目標がしっかりしているかどうかで、行動が大きく変わります。ただし、達成できる程度の現実的な目標にすることが重要です。

業務内容(Do)
その日(または週)にどのような業務を行ったのかという内容です。その業務をどのように行ったのか、どのくらいの時間がかかったのかなど、詳細に記述するよう指導します。最初は時系列で書くように指導しますが、慣れてきたら「詳しく報告する業務」と「簡単な記述でかまわない業務」がわかってきます。

行動の成果や結果(Check)
目標をもとに行動した結果、どうなったのかという内容です。良かった点と改善が必要な点を、隠さず、またうそもつかずに明記するよう指導します。成果があれば成功の要因とさらに改善できる点を、成果がなかったり失敗したりした場合は、失敗の原因と悪かった点を明記させることが大切です。

所感とフィードバック(Action)
行動のなかで気づいたこと、疑問点、課題と対策、改善すべき点などです。これからの業務に役立つような内容にすること、感想文にはならないようにすることを指導します。

次の目標(Plan)
今日(または今週)の目標と行動を踏まえ、次の目標を設定するよう指導します。連続して少しずつ進化しており、少しずつ大きな成果に続くような目標が理想的です。

特記事項
マネージャーに相談したいことや不安に感じていることがあれば記述するよう指導します。必ず書かなければいけないものではありません。

コメント欄
マネージャーやチームリーダーなど日報や週報を読んで作成者にコメントを付ける欄です。適切なコメントを付けることで部下のスキルアップやモチベーションアップを実現することが可能です。コメントの重要性やコメントの付け方のポイントは、『日報や週報へのコメントで業務がレベルアップ!効果的なフィードバックとは?』の記事を参照してください。

日報や週報の3つのチェックポイント

日報や週報は、以下の内容がきちんと書けているかをチェックします。

5W3Hを意識して書けているか
「いつ(When)」「どこで(Where)」「だれが(Who)」「なぜ(Why)」「何を(What)」「どのように(How)」「どれくらい(How many、How much)」の5W3Hが必要に応じて明確になっているかの確認。

抽象的でなく具体的に、定性的でなく定量的に書けているか
主観でなく、客観的な事実を具体的に記述できているか、数字や固有名詞などの具体的な事実を記述し、箇条書きなどわかりやすく簡潔に書けているかの確認。

感想でなく、自分の考えを加えた所感を書けているか
所感とは「〇〇であった、〇〇だと思った」などの表面的な感想と異なり、業務内容や結果を深く考察し、これからの具体的な解決策や、成功要因を分析した結果の意見や判断理由などを述べることです。これにより目標達成を効率的・効果的に行えるようになり、応用力を養えて、スキルアップを実現できます。このような所感が書けているかの確認。

日報や週報の作成に使うツール

日報や週報を毎日(毎週)書くことは部下にとって大きな負担になるため、ツールを活用してできるだけ負担にならないようにしなければなりません。ツールとしては、「メール」「WordやExcelなどのパソコンアプリ」と「日報アプリ(日報ツール・サービス)」があります。書く手間と負担を軽減できて、書きやすいのは日報アプリという専用のツールです。日報アプリの利用は、日報や週報に記載された情報やナレッジを共有して活用するのにも便利です。詳細は『NotePM – ほしい情報、すぐ見つかる / 社内wikiでナレッジ共有」』を参照してください。

日報や週報の作成に使われる主なツールと、ツールごとのメリットやデメリットを簡単に説明します。

メール

メールの本文に日報や週報の内容を記述する方法です。手軽に使えますが、日報や週報の内容を活用できにくく、単なる報告のみの使い方しかできません。メリットは、誰でも使いやすく、スマホやパソコンで出先から送れることです。デメリットは、内容の集計や分析ができず、ほかのメールに埋もれて活用が困難なことです。

Word、Excel

WordやExcelでテンプレートを作成し、日報や週報をファイルにしてメールで送ったり、ファイルサーバーで共有したりして利用します。メリットは、使い慣れていること、量が少なければ集計や分析も簡単なことです。デメリットは、1回の日報や週報ごとに1つのファイルになるので、大量に蓄積されると扱いにくく、その結果、活用しにくいことです。

日報アプリ

日報アプリは、日報や週報を作成して管理するための専用システムのため、コストが発生しますが、日報や週報を業務として戦略的に活用し、社員のスキルアップを図るには最適です。メリットやデメリットは、以下のとおりです。

1.メリット
・日報や週報の作成画面がテンプレート化されていて入力しやすい
・日報や週報の情報がデータベース化され、一括検索や共有がしやすい
・プロジェクトの進捗や商談の経過を可視化できるので管理しやすい
・日報や週報をベースにしたPDCAサイクルを回しやすい
・クラウドサービスで時間や場所を問わず使える

2.デメリット
・サービスを導入・利用するコストがかかる
・利用方法を教育する手間と時間がかかる

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日報や週報は単なる日記ではなくデータベースの“もと”という意識を持たせる

日報や週報は、ただその日(または週)の業務を報告するためだけのものではありません。その日の業務を振り返って明日の業務につなげていく、また業務をデータベース化して会社の資産にするためのものです。そのためには、あらかじめ部下にデータベース化しやすい日報や週報を作成してもらう必要があります。データベース化しやすい日報や週報にするには、マネージャーの指導が不可欠です。コメントで日報や週報へのフィードバックをこまめに行うことで、より良い日報や週報が提出されて業務を効率的に遂行できます。

おすすめの情報共有ツール「NotePM」

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