チームビルディングとは?目的から役立つゲームまで解説

2024年01月28日(日) プロジェクト管理

こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。

チームビルディング(Team Building)は、ここ25年ほどの間に、日本でも多くの組織でリーダシップ研修、人材開発の現場で導入されるようになっています。このチームビルディングが十分に効果を発揮すれば、優れたチームを作ることが可能となり、結果的に1人では達成できない目標をチームで達成することも可能となります。この記事では、チームビルディングの意味だけでなく、その目的やチームビルディングに役立つゲームまで解説していきます。

チームビルディングとは

チームとは、「目的・目標・ゴールに向け、一丸となって向かっている組織」を意味します。その上でチームビルディングを定義すると、「チームを作っていく取り組み、しくはそのための手法やプログラムなど」となります。もう少し詳しく説明すると、「メンバー同士が主体的に自分らしさ、多様性を発揮しつつ、相互に関わりながら一丸となって共通のゴールを達成しようとチャレンジできる組織をつくるための取り組み全般」と言えるでしょう。

昨今、ビジネスが複雑化しており、変化に対してより素早く柔軟に対応することが必要になってきました。そのため、各個人の自発的な行動と互いに協力関係を発揮するためにチームビルディングの重要性が高まっています。

チームビルディングの対象者

チームビルディングの対象者は、会社組織における全ての人です。ただ、役職によって、チームビルディングで特にどのようなことを達成すべきか異なってきます。それぞれ以下の表にまとめます。

内定者・新入社員 ・組織に新たに加わったばかり
・社会人としての基本姿勢を学んでもらう(「主体性を持って仕事に取り組む」、「仕事を最後までやり遂げる」など)
・チーム間のコミュニケーションスキルを高める
・メンバー間でお互いの強みや弱みを把握し、補い合える関係を構築
中堅社員・リーダー ・直接末端のスタッフをまとめる役割(係長・現場監督・チームリーダーなど)
・新しい組織において基盤となるリーダーの育成
・組織の変革を担う人物の育成
管理者 ・中間管理職(経営者の意思を中堅社員・リーダーに伝える
、目標達成のために戦略を実行)
・それぞれの中堅社員・リーダーが所属する部門やエリアの枠を越えて、各メンバーが一つの方向を向いて同じ目標を目指す組織作り
・部下の育成スキルを向上させる
経営者 ・組織のトップ(経営に関する方針や計画を策定し、組織を統制)
・組織のビジョンを共有し、チーム一丸で組織運営に取り組めるようにする
・自主的に動き、組織を率いる能力をアップさせる

チームビルディングの目的

チームビルディングの目的は、「1人では達成できない目標を、チームで取り組むことで達成すること」です。それには、メンバー各自の能力や経験をしっかり引き出すことが必要です。さらに具体的に書くと、チームビルディングは以下の目的を達成することで、メンバー各自の能力や経験を引き出してくれます。

コミュニケーションの活性化 ・チーム内でコミュニケーションを活性化することは、チームを機能させるために不可欠
・専門的な知識がなくとも、チーム内でのコミュニケーションを活性化できるチームビルディング手法は多数存在
・メンバーの価値観や考え方も理解できるため、リーダーは最適な人員配置や役割分担を考えやすくなる
マインドセットの形成 ・メンバーに、「このチームで目標を達成したい」という想いをもってもらう
・チームに一体感をもたらす
ビジョンの浸透 ・内定者や新入社員、新プロジェクトの立ち上げ時に特に有効
・来期の目標や新プロジェクトの目標達成に向けて、チームのビジョンを共有
・チームに一体感をもたらす

チームビルディングの効果

チームビルディングは、チームに対して以下の二つの効果をもたらしてくれます。それぞれの効果について解説します。

  • チームの一体感醸成
  • チームのモチベーションアップ

チームの一体感醸成

チームビルディングによって、チームに一体感を醸成できます。チームが大きな成果を出すために欠かせないことの一つは、一体感です。一体感は、ビジョンや目標をチームのメンバーで共有して、各自がチームの成果にコミットしていくことで育っていきます。いくら優秀なメンバーが揃っていても、一体感がない組織では個人プレーばかりになり、チーム全体では大きな成果は期待できません。チームビルディングによって一体感を醸成すれば、各自がチームの成果への意識を高めてくれることでしょう。

チームのモチベーションアップ

チームビルディングは、チームのモチベーションアップにも寄与します。チームビルディングでは、以下のプロセスを経ます。

  • チームの方向性の決定
  • メンバーの役割明確化

これらにより、メンバー個人が行うべき行動がはっきりとするため、メンバーに迷いがなくなります。また、今行っている仕事にはどのような意義があるか、チームにどのような貢献ができるのか明確になります。そのため、メンバーの意識やモチベーションを高められるため、チームのモチベーションアップにも寄与します。

チームビルディングの5プロセス

チームビルディングの効果を十分に得るには、適切な段階を踏んで行っていくことが大切です。ここでは、「タックマンモデル」と呼ばれる、チームビルディングの5プロセスについて解説していきます。

形成期 ・メンバーが決まり、チームが形成されたばかりの段階
・メンバー同士の理解が不十分。チームの目標も不明確
・チーム内で緊張感があることが多い
・メンバー同士の相互理解と、目標達成を妨げる要因・課題をリーダー主導で見つけることが重要
混乱期 ・メンバーが決まり、チームが形成されたばかりの段階
・メンバー同士の理解が不十分。チームの目標も不明確
・チーム内で緊張感があることが多い
・メンバー同士の相互理解と、目標達成を妨げる要因・課題をリーダー主導で見つけることが重要
統一期 ・メンバーが決まり、チームが形成されたばかりの段階
・メンバー同士の理解が不十分。チームの目標も不明確
・チーム内で緊張感があることが多い
・メンバー同士の相互理解と、目標達成を妨げる要因・課題をリーダー主導で見つけることが重要
機能期 ・チームとして機能している段階
・一人ひとりの自立的な行動やメンバー同士のサポートにより、チームとしての成果が現れてくる
・リーダーがメンバーをサポートしたり、チームビルディングの手法を活用することで、機能期を持続させたい
散会期 ・プロジェクトの終了やメンバーの異動などにより、チームとしての活動が終わる段階
・散会期のメンバー同士が、お互いを称え合う、もしくは解散を惜しむ声が多ければ、チームビルディングが成功していいチームが作れたと判断できる
・メンバーとしては、一区切りつくことで気分新たに次の仕事に臨むことができる

チームビルディングの手法

ここでは、チームビルディングの手法を5つ表にまとめて解説します。

ゲーム ・お楽しみ要素があり、気軽に取り組める
・チームが結成されたばかりの時に、メンバーの緊張を解く
・勝つには、メンバーの役割分担や時間配分を意識する必要がある
・戦略的思考を養う
アクティビティ ・スポーツやダンスなどで、チーム全員で体を動かす
・メンバーの団結力を高める
・チームワーク向上
・コミュニケーション活性化
イベント ・バーベキューや社員旅行
・仕事以外での、ありのままの姿をお互いに知ることができる
・メンバーのプライベートを知ることで、コミュニケーションに役立てる
・相互理解や関係性の強化
ワークショップ ・自主的な共同作業
・議論や試行錯誤を繰り返しながら最終的に成果を出す経験を得る
・メンバーに主体的に行動してもらいたいときに有効
・チームビルディングに役立つ
日常業務の中 ・チームビルディングのために特別な時間を割くのが難しくても、日常業務の中でチームビルディングを心がけるだけでも効果あり
・メンバーの人格を尊重
・互いにサポートし合う
・チームにとって有益な情報を共有

関連記事:チーム力を向上するナレッジマネジメントとは?ありがちな失敗例と、成功に導く方法を紹介

チームビルディングに役立つゲーム

先ほど、チームビルディングの手法の一つに「ゲーム」があると書きました。チームビルディングに役立つゲームは多数存在しますが、ここではその中から4つピックアップして紹介します。

・ヘリウムリング

ゲーム内容 ・1つのチームで1つのフラフープを囲み、各自利き手の人差し指の第一関節に乗せるゲーム
・そのまま時間内にフラフープを皆で地面に置くことができたら成功
・失敗したら最初の高さからやり直し
狙い・効果 メンバー間の連携感や相手への思いやりの心を養い、チームワークを強化

・スカベンジャーハント

ゲーム内容 ・制限時間内にお題の写真を撮影してくるゲーム
・チームごとに屋外に出て撮影し、制限時間内に最もお題の写真を早く正確に揃えられたチームが優勝
・撮影後はチームで振り返りを実施
狙い・効果 ・チームで一つの課題に取り組むことで一体感を形成
・役割分担を元にチームに貢献する経験を得る

・マインフィールド

ゲーム内容 ・障害物を配したコースを2人1組で通り抜けるゲーム。最も早くゴールしたチームが優勝
・一人は目隠しし、もう一人が指示役でお互いに声をかけあう
狙い・効果 ・メンバーへの信頼感を養う
・的確な指示やチームコミュニケーションを行う力を養う

・NASA

ゲーム内容 ・「機械の故障で月に不時着した宇宙飛行士」という設定・320km先の母船にたどり着くため、マッチや宇宙食など15個のアイテムを重要度の高い順に並び変えるゲーム
・まず個人で順位を考えた後、チームで議論してチームとして一つの答えを出す
狙い・効果 ・チーム間で合意形成を得る過程を学ぶ
・強調して問題解決する経験を得る
・各自が自分の意思決定のクセを知る

まとめ

この記事では、チームビルディングについて解説してきました。チームビルディングによって優れたチームを作ることができれば、1人では達成できない目標もチームで達成できるはずです。しかし、チームビルディングの目的や期待する効果を明確にし、正しいプロセスを経て適切な手段を用いないと、十分にチームビルディングを達成できません。この記事を参考にして、あなたのチームでもぜひチームビルディングを成功させてください。

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