コールセンターマニュアルの作り方|記載内容と作成手順を解説

2025年12月22日(月) マニュアル作成

コールセンターを運営していると、オペレーターによって応対の質が違う、新人の教育に時間がかかりすぎる、ベテランスタッフが辞めると業務が回らなくなる、といった悩みを抱えることは少なくありません。

こうした課題を解決する鍵となるのが、業務内容や応対手順を体系的にまとめた「コールセンターマニュアル」です。マニュアルを整備することで、誰が対応しても一定の品質を保てるようになり、新人教育の期間を短縮でき、属人化によるリスクも軽減できます。

この記事では、コールセンターマニュアルの作成を検討している方に向けて、以下の内容を詳しく解説します。

  • マニュアルが必要な理由と導入効果
  • 作成すべきマニュアルの種類と記載内容
  • 実務に沿った具体的な作成手順
  • マニュアルを現場で活用し続けるための運用のコツ
  • 作成・管理を効率化できるツールの比較

マニュアル作成は一度きりの作業ではなく、継続的に更新・改善していくものです。この記事を参考に、自社のコールセンターに最適なマニュアルを作成し、応対品質の向上と業務効率化を実現してください。

コールセンターマニュアルの目的と必要性

コールセンターでマニュアルを作成する最大の目的は、オペレーターごとの応対品質のばらつきをなくし、誰が対応しても均一なサービスを提供できる体制を作ることです。応対品質のばらつきは、顧客満足度や企業イメージに直接影響する重要な課題として、多くのコールセンターで認識されています。

マニュアルがない、あるいは整備が不十分な状態では、オペレーターは自己流で対応せざるを得ません。その結果、ベテランと新人で案内内容が異なる、同じ問い合わせに対して別の回答をしてしまう、といった事態が発生します。こうした不統一は顧客の不信感を招き、クレームや顧客離れにつながるリスクがあります。

また、マニュアルがないと新人教育も非効率になります。教育担当者が口頭で説明するだけでは、教える人によって内容が変わったり、説明漏れが発生したりします。コールセンター運営のコストの大部分を占める人件費には、採用費や研修費用も含まれており、教育は重要な投資要素です。マニュアルを整備することで、教育の標準化と効率化が実現でき、新人が戦力化するまでの期間を短縮できます。

さらに、特定のベテランオペレーターだけが持っている知識やノウハウが属人化していると、その人が休んだり退職したりした際に業務が回らなくなるリスクもあります。マニュアルにナレッジを集約することで、組織全体の知識として蓄積し、誰でもアクセスできる状態を作ることが可能です。

マニュアルが解決する3つの課題

コールセンターマニュアルは、現場が抱える主要な課題を解決する具体的な手段となります。ここでは、マニュアル導入によって改善できる3つの代表的な課題を説明します。

■応対品質のばらつき

オペレーターによって案内内容や言葉遣いが異なると、顧客は「前回と言っていることが違う」と混乱します。マニュアルで応対手順や説明内容を統一することで、誰が対応しても同じ品質のサービスを提供できるようになります。特に、複数のオペレーターが交代で対応する場合や、繁忙期にアルバイトスタッフを増員する場合には、マニュアルによる標準化が不可欠です。

■新人教育の非効率

マニュアルがないと、新人教育は先輩オペレーターの口頭説明や実地訓練に頼ることになります。この方法では、教える人によって内容が変わったり、説明漏れが発生したりするリスクがあります。マニュアルがあれば、新人は自分のペースで学習でき、教育担当者の負担も軽減されます。また、研修内容を標準化できるため、全員が同じ知識を持った状態で現場に出ることができます。

■ナレッジの属人化

ベテランオペレーターだけが知っているイレギュラー対応の方法や、過去のトラブル事例への対処法などは、その人が休んだり退職したりすると組織から失われてしまいます。マニュアルにこうした知識を蓄積することで、組織の資産として保存し、誰でも必要なときに参照できる状態を作れます。これにより、特定の人に依存しない安定した運営体制を構築できます。

マニュアル導入による効果

マニュアルを導入することで、コールセンターの運営には具体的な改善効果が現れます。ここでは、多くの企業が実感している主な効果を紹介します。

■研修期間の短縮

体系的にまとめられたマニュアルがあれば、新人オペレーターは自分で学習を進められます。先輩オペレーターに都度質問する必要が減り、教育担当者の負担も軽減されます。また、ロールプレイングの際にマニュアルを参照しながら練習できるため、実践的なスキルを効率的に身につけられます。結果として、新人が独り立ちするまでの期間を短縮でき、人材育成コストの削減にもつながります

■応対品質の安定化

マニュアルで応対手順や説明内容を標準化することで、オペレーター全員が同じレベルのサービスを提供できるようになります。顧客は誰に問い合わせても正確で一貫した回答を得られるため、信頼感が高まります。また、モニタリングや品質評価の際にも、マニュアルを基準として客観的な評価ができるようになり、継続的な品質改善のサイクルを回しやすくなります。

■オペレーター離職率の低下

マニュアルが整備されていると、新人オペレーターは「何をすればいいかわからない」という不安を感じにくくなります。また、困ったときにすぐ参照できる情報があることで、精神的な負担が軽減されます。こうした環境は、オペレーターの定着率向上にもつながります。特に、コールセンター業界は離職率が高い傾向にありますが、マニュアルによるサポート体制の充実は、働きやすい職場作りの重要な要素です。

コールセンターマニュアルの種類と記載内容

コールセンターで必要なマニュアルは、業務の内容や目的によっていくつかの種類に分けられます。それぞれのマニュアルが果たす役割を理解し、自社に必要なものを優先的に作成することが重要です。

ここでは、コールセンターで一般的に作成される4種類のマニュアルについて、それぞれに記載すべき内容と作成のポイントを解説します。すべてを一度に作る必要はありません。まずは現場で最も必要とされているマニュアルから着手し、段階的に整備していくことをおすすめします。

基礎知識マニュアル

基礎知識マニュアルは、オペレーターが業務を行う上で最低限知っておくべき情報をまとめたものです。会社の基本情報、取り扱う商品・サービスの詳細、社内ルールなどを体系的に整理します。新人オペレーターが最初に学ぶ教材として活用されることが多く、研修の土台となる重要なマニュアルです。

会社・サービスの基本情報

企業理念や事業内容、主力商品・サービスの特徴や仕様を記載します。オペレーターは顧客に対して自社のことを正確に説明できる必要があるため、会社の歴史や強み、競合との違いなども含めて整理しておきましょう。商品・サービスについては、価格、機能、利用条件、よくある質問への回答例なども盛り込むと実務で役立ちます。

また、顧客が混同しやすい類似商品の違いや、プランごとの比較表なども用意しておくと、オペレーターが自信を持って案内できるようになります。商品情報は変更されることも多いため、更新の責任者と頻度を明確にしておくことも重要です。

社内ルール・規定

勤務時間や休憩のルール、服装規定、情報セキュリティポリシーなど、オペレーターが守るべき社内規定を明記します。特に情報セキュリティに関しては、顧客情報の取り扱い方法、パスワード管理、持ち出し禁止事項などを具体的に記載し、コンプライアンス違反を防ぐための注意喚起を行います。

また、欠勤や遅刻の連絡方法、トラブル発生時のエスカレーション手順なども含めておくと、オペレーターが迷わず行動できます。社内ルールは法改正や社内方針の変更によって更新されることがあるため、定期的な見直しが必要です。

ビジネスマナー・応対マニュアル

ビジネスマナー・応対マニュアルは、電話応対の基本的な作法や言葉遣いをまとめたものです。コールセンターの印象は、オペレーターの話し方や態度で大きく変わります。このマニュアルでは、第一声の挨拶から電話の切り方まで、応対の流れを具体的に示し、誰が対応しても丁寧で好印象な応対ができるようにします。

基本的な電話マナー

受電時の第一声は「お電話ありがとうございます。○○会社の△△でございます」のように、明るくはっきりとした声で名乗ります。保留の際は「少々お待ちください」と断りを入れ、長時間待たせる場合は30秒ごとに状況を伝えます。転送する際も、相手に転送先と理由を説明してから行います。

電話を切る際は、顧客が先に切ったことを確認してから静かに受話器を置きます。こうした基本動作を一つひとつマニュアルに記載し、ロールプレイングで練習することで、自然に身につけられます。また、NG例も併記しておくと、避けるべき行動が明確になります。

敬語・言葉遣いのルール

尊敬語、謙譲語、丁寧語の使い分けは、コールセンターの応対品質を左右する重要な要素です。例えば、「見る」は尊敬語で「ご覧になる」、謙譲語で「拝見する」となります。よく使う動詞の敬語変換表を用意しておくと、オペレーターが迷わず正しい表現を選べます。

また、クッション言葉の活用も大切です。「恐れ入りますが」「お手数をおかけしますが」といった言葉を文頭に添えることで、依頼やお断りの印象を柔らかくできます。マニュアルには、シーンごとのクッション言葉の例文を豊富に掲載し、実際の会話で使えるようにしましょう。

システム・ツール操作マニュアル

コールセンターでは、CRM(顧客管理システム)、電話システム、社内チャットツールなど、さまざまなシステムを使用します。システム・ツール操作マニュアルは、これらの操作手順を画面キャプチャ付きで解説し、オペレーターが迷わず操作できるようにするためのものです。

システムの起動方法から、顧客情報の検索、通話記録の入力、ステータスの変更まで、業務で使う機能を網羅的に記載します。特に、エラーが発生した際の対処法や、よくあるトラブルのFAQも含めておくと、オペレーターが自己解決できる範囲が広がります

システムはバージョンアップによって画面や操作手順が変わることがあるため、マニュアルも定期的に更新する必要があります。更新の際は、変更点を明示し、全オペレーターに周知することが重要です。

トークスクリプト・フローチャート

トークスクリプトは、問い合わせ内容別の応対台本です。オペレーターが何を話すべきかを具体的に示すことで、応対の質を均一化できます。フローチャートは、会話の流れを視覚的に表したもので、顧客の回答に応じて次にどう対応するかを分岐図で示します。

例えば、商品の注文受付であれば、「お電話ありがとうございます」という第一声から始まり、注文内容の確認、配送先の聞き取り、支払い方法の案内、最後の確認と感謝の言葉まで、一連の流れを台本化します。フローチャートでは、顧客が「キャンセルしたい」と言った場合、「返品したい」と言った場合など、パターンごとの対応を分岐させて記載します

トークスクリプトは、新人オペレーターにとっては安心材料となり、ベテランにとっても応対の質を保つための参考資料となります。ただし、台本通りに読むだけでは機械的な印象を与えるため、顧客の状況に応じて柔軟に対応できるよう、研修でも指導することが大切です。

【コラム】トークスクリプト作成のポイント

トークスクリプトは、最初から完璧なものを作ろうとせず、まずは基本的な流れを作成し、実際の応対で使いながら改善していくことが重要です。ベテランオペレーターの応対を録音し、良い表現を抽出してスクリプトに反映させる方法も効果的です。また、スクリプトには「顧客の反応を見て柔軟に対応する」といった注記を入れておくと、機械的な応対を防げます。

コールセンターマニュアルの作成手順

コールセンターマニュアルを作成する際は、やみくもに書き始めるのではなく、計画的に進めることが成功の鍵です。ここでは、実務に即した5つのステップに分けて、マニュアル作成の具体的な流れを解説します。

各ステップでは、誰が何をどのように行うべきかを明確に示しますので、自社の状況に合わせて参考にしてください。マニュアル作成は一度で完璧なものを作ろうとせず、まずは基本的な内容を作成し、運用しながら改善していく姿勢が重要です。

ステップ1:作成体制の構築と情報収集

マニュアル作成の第一歩は、誰が責任を持って作成を進めるかを決めることです。通常は、コールセンターのマネージャーやSVがプロジェクトリーダーとなり、ベテランオペレーターや各業務の担当者を巻き込んで作成チームを組みます。

次に、現場で実際に行われている業務内容や応対手順を収集します。ベテランオペレーターにヒアリングを行い、日常的にどのような問い合わせが多いか、どのような手順で対応しているか、困ったときにどう対処しているかを聞き取ります。また、過去の通話記録やクレーム事例、よくある質問なども参考資料として集めます。

この段階で、既存のマニュアルや業務手順書があれば、それらも確認します。古い情報や不要な内容を削ぎ落とし、現在の業務実態に合った内容を整理することが重要です。情報収集は時間がかかる作業ですが、この土台がしっかりしていないと、実用的なマニュアルは作れません。

ステップ2:ペルソナ設定とフローチャート作成

情報収集が終わったら、想定する顧客像(ペルソナ)を設定します。例えば、「初めてサービスを利用する20代女性」「長年利用している60代男性」など、典型的な顧客パターンを複数想定します。ペルソナを明確にすることで、どのような言葉遣いや説明が適切かを判断しやすくなります。

次に、問い合わせパターンごとの応対フローをフローチャートにします。例えば、「商品の注文」「配送状況の確認」「返品・交換の依頼」など、主要な問い合わせ内容ごとに、受電から終話までの流れを図式化します。フローチャートでは、顧客の回答によって対応が分岐する箇所を明確にし、どのパターンでもスムーズに対応できるよう設計します。

フローチャートは、複雑な応対手順を視覚的に整理するのに役立ちます。また、作成過程で業務の無駄や非効率な部分が見えてくることもあるため、業務改善のきっかけにもなります。完成したフローチャートは、次のステップでトークスクリプトを作成する際の設計図となります。

ステップ3:トークスクリプトの作成

フローチャートをもとに、実際の会話形式でトークスクリプトを書き起こします。トークスクリプトは、オペレーターが何を話すべきかを具体的に示す台本です。ここでは、オープニング、ヒアリング・提案、クロージングの3つのパートに分けて作成します。

オープニングトークの作成

オープニングトークは、電話を受けた最初の挨拶から、顧客の用件を確認するまでの流れを台本化します。例えば、「お電話ありがとうございます。○○会社カスタマーサポート、担当の△△でございます。本日はどのようなご用件でしょうか」といった具合です。

第一声は明るく丁寧に、会社名と自分の名前をはっきり伝えることが重要です。また、顧客が用件を話し始めたら、途中で遮らずに最後まで聞くこともマニュアルに記載しておきます。オープニングの印象が悪いと、その後の応対全体の評価が下がるため、特に丁寧に作り込みましょう。

ヒアリング・提案トークの作成

ヒアリングトークでは、顧客のニーズや状況を正確に把握するための質問例を用意します。例えば、「いつ頃からその症状が出ていますか」「現在お使いの製品の型番を教えていただけますか」など、必要な情報を引き出すための質問をリスト化します。

提案トークでは、ヒアリング内容をもとに、適切な解決策や商品を案内します。例えば、「お客様のご利用状況ですと、こちらのプランがおすすめです」といった具合に、理由とともに提案する流れを台本化します。複数の選択肢がある場合は、それぞれのメリット・デメリットを簡潔に説明できるようにしておきます。

クロージングトークの作成

クロージングトークは、応対の最後に行う確認と感謝の言葉です。例えば、「それでは、本日は○○のご注文を承りました。配送先は△△様で、お届けは×月×日の予定です。他にご不明な点はございませんか」といった具合に、内容を復唱して確認します。

最後に「本日はお電話いただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします」と感謝の言葉を伝え、顧客が電話を切ったことを確認してから静かに受話器を置きます。クロージングが丁寧だと、顧客は「また利用したい」と感じやすくなります。

ステップ4:レイアウト編集と見やすさの向上

トークスクリプトや業務手順を書き終えたら、次はマニュアル全体のレイアウトを整えます。文字だけが並んでいるマニュアルは読みにくく、必要な情報を探すのに時間がかかります。見出しを階層化し、重要な箇所は太字や色を使って強調するなど、視覚的に分かりやすくする工夫が必要です。

また、図やイラスト、フローチャートを適宜挿入することで、文章だけでは伝わりにくい内容も理解しやすくなります。特にシステム操作マニュアルでは、画面キャプチャを多用し、どのボタンをクリックするかを矢印で示すなど、視覚的なガイドを充実させましょう。

目次や索引も重要です。マニュアルのページ数が多い場合、目次があれば目的の情報に素早くたどり着けます。また、用語集を巻末に用意しておくと、専門用語の意味を確認したいときに便利です。マニュアルは「読み物」ではなく「参照資料」であるため、検索性と使いやすさを最優先に設計しましょう。

ステップ5:ロールプレイングとブラッシュアップ

マニュアルが完成したら、実際に使ってみることが重要です。ベテランオペレーターや新人オペレーターに協力してもらい、マニュアルを見ながらロールプレイングを行います。このとき、マニュアル通りに対応できるか、分かりにくい箇所はないか、不足している情報はないかを確認します。

ロールプレイングで出た意見やフィードバックをもとに、マニュアルを修正します。例えば、「この表現では意味が分かりにくい」「この手順が抜けている」といった指摘があれば、すぐに改善します。現場の声を反映することで、実用性の高いマニュアルに仕上がります

また、マニュアルは一度作って終わりではありません。運用を開始してからも、定期的に見直しを行い、商品・サービスの変更や新しい問い合わせパターンに対応して更新し続けることが大切です。マニュアルを「生きた文書」として育てていく姿勢が、コールセンターの品質向上につながります。

マニュアル作成・運用を成功させるポイント

マニュアルを作成しても、現場で活用されなければ意味がありません。ここでは、マニュアルが形骸化せず、実際に役立つ資料として機能し続けるための運用ノウハウを紹介します。

よくある失敗パターンとして、「作っただけで満足してしまう」「更新されず古い情報のまま放置される」「オペレーターが見ない」といったことが挙げられます。こうした事態を避けるために、作成後の運用体制をしっかり整えることが重要です。

現場の声を反映し続ける仕組み

マニュアルを実用的なものに保つためには、現場のオペレーターからの意見を継続的に収集し、反映する仕組みが必要です。例えば、月に一度のミーティングでマニュアルに関する改善提案を募ったり、オペレーターが気づいた点をいつでも報告できる専用のフォームを用意したりします。

特に、新人オペレーターの意見は貴重です。ベテランにとっては当たり前のことでも、新人には分かりにくい箇所があるかもしれません。また、実際に応対していて「マニュアルに載っていない問い合わせがあった」「この手順では対応しきれなかった」といった事例が出てきたら、すぐにマニュアルに追加します。

現場の声を反映する担当者を決めておくことも重要です。誰が責任を持ってマニュアルを更新するかが曖昧だと、改善提案が出ても放置されてしまいます。担当者は、定期的にフィードバックを確認し、必要に応じてマニュアルを改訂する役割を担います。

定期的な更新とバージョン管理

商品やサービスの内容が変わったり、新しい問い合わせパターンが増えたりすると、マニュアルも更新が必要になります。更新のタイミングを明確にし、例えば「四半期ごとに見直す」「新商品リリース時に必ず更新する」といったルールを設けておきましょう。

また、マニュアルを更新する際は、バージョン番号や更新日を記載し、どこが変更されたかを明示することが重要です。オペレーターが古いバージョンを見て誤った対応をしてしまうことを防ぐため、最新版を常に分かりやすい場所に配置し、古いバージョンは削除するか、アーカイブとして別の場所に保管します。

マニュアルの更新情報を全オペレーターに周知することも忘れてはいけません。更新があったことを朝礼やメールで伝え、変更点を確認してもらう時間を設けることで、全員が最新の情報を共有できます。こうした運用を支援するツールとして、NotePMのようなナレッジ管理ツールの活用も有効です。NotePMでは、編集履歴が自動的に記録され、誰がいつ何を変更したかを簡単に確認できるため、バージョン管理の手間を大幅に削減できます。

マニュアルに頼りすぎない応対力の育成

マニュアルは応対の基本を示すものですが、すべての状況に対応できるわけではありません。顧客の状況や感情は一人ひとり異なるため、マニュアル通りに話すだけでは不十分な場合もあります。オペレーターには、マニュアルを基礎としながらも、臨機応変に対応できる力を育てることが重要です。

そのためには、ロールプレイングや実際の応対記録を振り返る研修を定期的に実施します。例えば、クレーム対応の事例を共有し、「このときマニュアル通りに対応したが、顧客の怒りが収まらなかった。どうすればよかったか」といったディスカッションを行います。こうした振り返りを通じて、応用力や判断力が養われます。

また、ベテランオペレーターの応対を録音し、良い対応例として共有することも効果的です。マニュアルには書かれていない、声のトーンや間の取り方、共感の示し方といった細かなテクニックを学ぶことで、オペレーター全体のスキルが底上げされます。

検索性と使いやすさの確保

マニュアルが充実してページ数が増えると、必要な情報を探すのに時間がかかるようになります。応対中に素早く情報を見つけられないと、顧客を待たせることになり、満足度が下がります。そのため、マニュアルの検索性を高める工夫が必要です。

具体的には、詳細な目次を作成し、章ごとに内容を明示します。また、キーワードで検索できる索引を巻末に用意したり、タグ付けを行って関連情報を素早く見つけられるようにしたりします。紙のマニュアルよりも、デジタル形式で全文検索ができるようにすると、さらに便利です。

ナレッジ管理ツールを活用すると、こうした検索性の課題を大幅に改善できます。例えば、NotePMは、ファイルの中身まで全文検索できる機能があり、キーワードを入力するだけで該当する情報が瞬時に表示されます。また、フォルダとタグで情報を整理することで、目的の情報に素早くアクセスできる環境を構築できます。応対中にオペレーターが迷わず情報を見つけられることは、顧客満足度の向上に直結します。

専門用語を避け初心者にも分かりやすく

マニュアルは、新人オペレーターでも理解できる言葉で書くことが基本です。業界特有の専門用語や社内用語を多用すると、初心者は内容を理解できず、マニュアルを読むこと自体が負担になってしまいます。できるだけ平易な言葉で説明し、どうしても専門用語が必要な場合は、初出時に必ず説明を加えます。

また、用語集を別途作成し、マニュアルの巻末や専用ページに掲載しておくと便利です。オペレーターが分からない言葉に出会ったとき、すぐに意味を確認できる環境を整えることで、学習効率が上がります。用語集には、社内略語や商品名の正式名称なども含めておくとよいでしょう。

【コラム】マニュアルの言葉遣いで気をつけるポイント

マニュアルでは、「~してください」ではなく「~します」という表現を使うと、指示ではなく手順として受け取られやすくなります。また、「簡単に」「すぐに」といった曖昧な表現は避け、「3ステップで」「30秒以内に」など具体的な数字を使うと、オペレーターが行動しやすくなります。

マニュアル作成に役立つツール・テンプレート

コールセンターマニュアルを効率的に作成し、運用していくためには、適切なツールの活用が欠かせません。ここでは、マニュアル作成や情報共有に特化したツールを5つ紹介します。

それぞれのツールには、画像・動画を使った視覚的なマニュアル作成に強いもの、システム操作を自動記録できるもの、ナレッジ共有や検索性に優れたものなど、異なる特徴があります。自社の規模や目的、ITリテラシーに合わせて、最適なツールを選びましょう

主要ツールの比較表

まずは、5つのツールの基本情報を一覧表で比較します。料金や主な機能を確認し、自社のニーズに合うツールの目星をつけましょう。

ツール名 提供会社 カテゴリ 料金(目安) 主な特徴
Teachme Biz 株式会社スタディスト マニュアル作成特化型 月額65,780円~ 画像・動画ベースの視覚的マニュアル作成、AI自動生成
Dojo 株式会社テンダ 多機能・コンテンツ作成型 要問い合わせ システム操作の自動記録、eラーニング教材作成
NotePM 株式会社プロジェクト・モード ナレッジ共有・社内Wiki型 月額4,800円~ 全文検索機能、編集履歴管理、手軽に導入可能
COCOMITE コニカミノルタジャパン株式会社 シンプル・簡単操作型 月額29,600円~ 固定フォーマットで簡単作成、マルチデバイス対応
Confluence Atlassian 高機能・カスタマイズ型 無料~月額600円/ユーザー 豊富なテンプレート、他ツールとの連携、大規模管理

各ツールの特徴と選定ポイント

ここからは、各ツールの詳細な特徴と、どのような企業・用途に適しているかを個別に解説します。

Teachme Biz

Teachme Bizは、業界トップクラスのシェアと認知度を誇るマニュアル作成ツールです。画像や動画をベースにしたステップ形式のマニュアルを、直感的な操作で作成できる点が最大の特徴です。コールセンターの応対手順など、視覚的な説明が有効な業務に適しています。

マニュアルの閲覧状況やテスト機能を活用することで、教育の進捗管理やオペレーターの習熟度を可視化できます。また、AIによるマニュアルの原案生成や動画の自動分割機能により、作成時間を大幅に削減できる点も魅力です。料金は月額65,780円からで、別途初期費用が必要です。

Dojo

Dojoは、システム操作マニュアルの作成に強みを持つツールです。システム操作を自動で記録し、画面キャプチャ付きのマニュアルを自動生成できるため、コールセンターで使用するCRMや電話システムの操作説明を効率的に作成できます。

HTML5や動画など多様な形式で出力でき、eラーニング教材としても活用可能です。また、テスト機能や学習管理システム(LMS)も搭載しており、オペレーターの理解度を測定したり、進捗管理を行ったりできます。料金は要問い合わせで、ライセンス買い切り型とクラウド版(月額80,000円~)があります。

NotePM

NotePMは、「社内版Wikipedia」のような使いやすさで、マニュアルだけでなく社内のあらゆる情報を蓄積・共有できるナレッジ管理ツールです。比較的安価で導入しやすく、情報が分散しがちなコールセンターのナレッジ一元化に適しています。

Web上で簡単に文書が書ける高機能エディタとテンプレート機能により、誰でも手軽にマニュアルや文書を作成できます。また、WordやExcel、PDFなど様々なファイルの全文検索に対応しており、必要な情報をすぐに見つけ出せる点が大きな強みです。編集履歴が残り、誰がいつ更新したかを確認できるため、情報の信頼性を担保しやすい仕組みも備えています。料金は月額4,800円から(8ユーザーまで)と、他のツールと比べて導入しやすい価格設定です。

COCOMITE

COCOMITEは、シンプルな操作性と固定フォーマットにより、誰でも簡単に見栄えの整ったマニュアルを作成できるツールです。PC操作に不慣れな人でも使いやすく、マニュアル作成の属人化を防ぎたい場合に有効です。

固定フォーマットに沿って入力するだけで、誰でも簡単に見栄えの揃ったマニュアルを作成できます。また、PCだけでなくスマートフォンやタブレットにも対応しており、場所を選ばずにマニュアルの作成・閲覧が可能です。全文検索やタグ検索など豊富な検索機能も備えています。料金は月額29,600円から(エントリープラン)で、別途初期費用150,000円が必要です。

Confluence

Confluenceは、IT業界で広く利用されている高機能なナレッジ管理ツールです。豊富なテンプレートとカスタマイズ性の高さが特徴で、議事録やプロジェクト計画、要件定義書など様々なドキュメントを作成できます。コールセンター業務に関連する多様な情報を集約・活用したい場合に最適です。

Jiraなど他のAtlassian製品や外部ツールとの連携が豊富で、業務プロセス全体を効率化できます。また、複数人での同時編集やコメント機能により、リアルタイムでの共同作業やフィードバックが可能です。料金は無料プランあり(10ユーザーまで)で、Standardプランは月額600円/ユーザーから(11ユーザー以上の場合)となっています。

コールセンターのマニュアル作成・運用を効率化したいならNotePMがおすすめ

コールセンターマニュアルは、応対品質の均一化、新人教育の効率化、ナレッジの属人化解消といった重要な役割を果たします。マニュアルの作成は、情報収集からトークスクリプトの作成、レイアウト編集、現場でのブラッシュアップまで、計画的に進めることが成功の鍵です。

作成後も、現場の声を反映し続ける仕組みや定期的な更新、検索性の確保など、運用面での工夫が欠かせません。マニュアルを「生きた文書」として育てていくことで、コールセンター全体の品質向上と業務効率化を実現できます

マニュアルの作成・管理を効率化したい場合は、ナレッジ管理ツールの活用を検討しましょう。特に、情報の一元化や検索性、更新管理に課題を感じている場合は、NotePMのような全文検索機能や編集履歴管理に優れたツールが役立ちます。まずは無料トライアルで実際の使い勝手を確認し、自社の業務に合うかを試してみることをおすすめします。