【導入事例】お問い合わせ電話の保留時間が3分→1分に短縮。ペーパーレス化にも繋がった70年の歴史を持つメーカーのNotePM活用術 – 株式会社ホタルクス

2024年05月24日(金) 導入事例

会社名 事業 NotePMの利用人数
株式会社ホタルクス 照明器具やランプなどの製造・販売・開発 114名

照明器具やランプなどの製造・販売・開発をおこなっている株式会社ホタルクス。1950年に蛍光ランプ試作からスタートし、以来照明器具分野において70有余年の歴史を有します。もともとは紙文化だった同社ですが、NotePMを導入し問い合わせ対応工数の削減やペーパーレス化に成功しています。今回は導入までの流れや、同社の虎の巻化に繋がっているというNotePMの具体的な活用方法について伺いました。
https://www.hotalux.com/

目次

ダイジェスト

導入部門
  • 受注センター
  • 経営企画
  • お客様相談室
  • 修理受付センター
  • 営業支援(関東、関西、福岡)
  • 営業
導入目的
  • ナレッジの共有・蓄積をおこない、問い合わせ工数削減などの業務改善に繋げたい
課題
  • 知識が属人化しており、スキルのある人に頼って業務を回していた
  • 社内外からの問い合わせ対応に時間がかかり、目標応答率を下回っていた
  • 膨大な紙資料を管理しており、在宅ワークの際にバインダーを持ち帰らなければならなかった
効果
  • お客様をお待たせする保留時間や1件あたりの問い合わせ対応時間が半減し、応答率が約10%向上した
  • ナレッジの共有が進み、電話応対スタッフのストレス軽減に繋がった
  • 紙資料の処分が進み、社内が綺麗になった
使い方
  • マニュアルや製品情報の掲載
  • 顧客対応時の成功事例を共有
  • 電話応対時にも分かりやすい画像を使った社内FAQ など

※今回はオンラインWeb会議で、経営管理本部の森川様、受注センターの嶋本様、お客様相談室の石本様、谷口様にインタビューさせていただきました。

照明器具を中心に農業用照明やUV殺虫器なども販売

―事業概要を教えてください。

森川:私たちは照明器具やランプなどの製造・販売・開発をおこなっています。もともとはNECのラジオ事業部から派生した企業で、滋賀県の大津で蛍光ランプを作り始めました。その後、甲賀の工場で照明器具の製造を50年ほど前からおこなっています。

2019年にNECグループから独立し、現在も住宅用や施設用の照明器具を中心に商品展開しています。最近は光技術を応用し、赤色LED電球を用いた農業用照明やUV殺虫器も発売しています。

社内外からの問い合わせ対応に課題

―NotePM導入のきっかけを教えてください。

石本:エンドユーザー様からの問い合わせ対応をしているお客様相談室では、スタッフ個人がメモで情報管理をしていました。管理の仕方も人それぞれでナレッジ共有ができておらず、スキルがある人に頼って仕事を回している状態でした。お客様相談室はベテランが多くなんとか乗りきれていましたが、お客様への情報の伝え方がスタッフによって微妙に違ったり、個人個人の解釈でお客様対応を進めてしまうことが課題となっていました。

農業用照明やUV殺虫器といった新しい商品を発売するにあたり、今までの体制では問い合わせに対応できなくなってきました。主に電話対応をおこなっているのは派遣スタッフなのですが、業務への不安を感じるスタッフも出てくるようになり、どうにかこの状況を改善しなければと感じ始めました。

―具体的にはどんなことを問題視していましたか。

石本:スキルが高い人が休むとお客様への回答に時間がかかってしまったり、お客様に折り返しのご連絡となってしまうことが問題でした。

お客様相談室には、1日あたり100件前後、メールや電話での問い合わせがあります。問い合わせ応答率を部内の目標としていますが、1件あたりの対応時間が長くなると次の問い合わせに対応するまでに時間がかかり、目標応答率に到達できないことがありました。

嶋本:受注センターでは主に弊社の得意先企業様からの電話問い合わせに対応しています。問い合わせ件数は1日あたり250〜300件で、休み明けは300件を越えることもあります。受注センターもお客様対応室と同様に、1件の問い合わせの解決までに時間がかかってしまい、新規の問い合わせをとりこぼしてしまうことがありました。

また、受注センターには当社の営業部門のメンバーからも1日20件ほど電話での問い合わせがありますが、自社営業の対応に手を取られて、お客様の対応に手が回らなくなるという状況も発生してしまっていました。

現場の課題感からボトムアップで上層部にNotePM導入を提案

―NotePM導入までの流れを教えてください。

森川:最初はチャットボットの導入を検討しましたが、運用面で課題が多く、取りやめました。

石本:その後、情報・知識を集約できるナレッジ管理ツールがあると知り、いくつかのツールを試したのちNotePMを導入することに決めました。ツール導入を決めてからは半年程度で導入に至りました。

―NotePM導入決定はトップダウンでおこなわれたのでしょうか。

石本:トップダウンではなく、現場の課題意識から上層部に提案して導入しました。

谷口:NotePM導入にあたっては、幹部向けの社内資料を作成し、社長への説明をおこないました。

石本:最初は必要性の理解を得るのが難しかったのですが、NotePMは弊社の虎の巻化に繋がると説明しました。お客様相談室だけでなく、営業部門を含めた全社で利用していけるという点が、承認を得られた決め手になったと思います。

―データの移行はどのようにおこないましたか。

石本:すべての資料やメモ書きを出して、手作業でページを作っていきました。最初は試行錯誤しましたが、軌道に乗ってからは社員が自主的に情報を入れてくれるようになりました。NotePM導入前は誰かに聞かないと解決できなかったことや、まだ社内共有されていないであろう情報など、今まで埋もれていたナレッジがどんどん蓄積されています。

ページ作成にあたって現場の混乱はありませんでしたか。

NotePMはとても扱いやすく、操作方法を細かく教えたり調べたりしなくても直感的にどんどん操作を進められます。弊社では独自のNotePM記載ルールを定めているのですが、検索時のヒット率も高く、重宝しています。

社内問い合わせが10分の1減、顧客対応時間も半減

―NotePM導入後、どのような効果がありましたか。

嶋本:受注センターでは当社の営業部門からの問い合わせ件数の削減と、お客様から問い合わせをいただいた際にお待たせする時間(保留時間)の削減に繋がりました。

営業からの問い合わせは以前は1日20件あったのが2~3件になり、現在では以前の10分の1程度、1日あたり5~6分の対応で済んでいます。NotePMに載せてない情報があれば電話がかかってくるので、その情報をまとめてNotePMにアップするようにしています。以前は電話で対応していたので言葉では伝えきれないこともありましたが、今はスマホでNotePMを見て、画像や資料で理解してもらえるようになりました。新人の営業からも好評です。

また、お客様からの問い合わせも以前は2~3分お待たせしていましたが、1分以内に返せるようになりました。

谷口:お客様相談室では、お問い合わせ応答率が10%程度向上しました。問い合わせ対応時間も1件あたり6~7分かかっていたのが3~4分前後となり、受注センター同様に保留時間の削減に繋がっています。

石本:エンドユーザー様からのお電話に対応するお客様相談室では厳しいご意見をいただくことも多いです。問い合わせ対応がスムーズになることでスタッフの不安やストレスを取り除いてあげられたことを嬉しく思っています。

以前は商品情報を膨大な量の紙資料で管理していました。スタッフが個人個人で資料を作っていたのですが、コロナ禍で在宅で電話対応する際に、大量の紙資料を家に持ち帰っており、その姿を見て大変心苦しく思っていました。まだ残っている紙資料もありますが、保留時間の削減と同時に紙資料もかなり削減できました。

情報共有もメールでおこなっていたので情報が埋もれてしまい、メールを探す手間が発生していました。今もいったんはメールで情報共有しますが、あとで情報を取り出したい場合はNotePMを検索すればよいので、メールを探す時間がなくなりました。

―意図していなかった効果はありますか。

森川:職場がきれいになりました。

嶋本:ペーパーレス化はかなり進んだと感じています。紙資料はまだ多少残っていますが、バインダーを開いている社員が減りました。ほとんどいないという印象です。

―新人研修にも活用していますか。

嶋本:受注センターは新人が多いのですが、マニュアルなどをNotePMに載せて、分からないことはとりあえずNotePMを開いて検索する習慣がついてきています。ベテランと新人間の知識の受け渡しが可能になり、新人を教育する側の負担も減りました。

NotePMで社内のさまざまな情報を分かりやすく管理

―業務マニュアルや手順書の作成について教えてください。

嶋本:社内で使っているシステムの使い方や製品の改廃情報、配送手数料表のような物流関係情報などを分かりやすく記載しています。営業から電話問い合わせがあった際、今までは口頭での説明だったので伝えられることに限りがありましたが、NotePMであれば表や図で見てもらえるため営業の理解度向上にも繋がっていると感じます。

NotePMにアップロードしている配送手数料表

石本:お客様が返金をご希望された場合の対応もマニュアルにまとめています。個人のお客様の場合と販売店様の場合にわけて対応手順を記載しています。

返金対応のマニュアル

―メーカー特有の使い方はありますか。

石本:メーカー特有の使い方としては、製品の仕様関連情報もNotePMに掲載しています。たとえば、アプリと連動して動作する商品があるのですが、スマホの機種変更などでアプリが消えてしまった際に再ダウンロードできることが周知されていなかったため、再ダウンロード方法についてのページを作成しました。

アプリの再DL方法について

嶋本:新入社員にはすぐにNotePMに登録してもらいますが、新入社員はページ作成よりも検索して欲しい情報を取り出すことに重点的に取り組んでもらっています。

たとえば、新入社員がよく閲覧する資料に製品のカタログがあります。弊社は紙カタログを廃止しており、WEBカタログしかありません。カタログを閲覧したいときには弊社HPからダウンロードする必要があるのですが、弊社HPのどこにカタログが掲載されているかをNotePMで確認できるようにしています。

製品のWEBカタログの掲載場所を記載しているページ

―電話応対をスムーズにおこなうための工夫はありますか。

嶋本:社内FAQのページでは、検索しやすいよう製品ごとにフォルダを作っています。画像やPDFの添付ファイルを掲載して、電話応対中にストレスがかからないよう分かりやすくすることを心がけています。

社内FAQ内のページ

―社内の成功事例をNotePMで共有されていると伺いました。

谷口:お客様に寄り添って丁寧な応対を心掛けることで、お客様から「ありがとう」のお言葉をいただいた時は、私たちにとって何より嬉しくモチベーションの向上にも繋がります。
そういった成功事例をNotePMで共有し、日々、お客様応対の質の向上を目指しております。

お客様からの返信例

―プライベートノートはどのように使われていますか。

谷口:発売前の開発商品の情報やお客様の個人情報が含まれる内容などは全社公開せず、プライベートノートで管理し、お客様相談室の担当者だけが閲覧できるようにしています。

プライベートノート

―その他、管理されている情報はありますか。

嶋本:量販店やホームセンターで取り扱っている大手の得意先様のプライベートブランドに関する情報を管理しています。商品の入れ替えがあった際などに社内ポータルに掲載されるので、その情報を分かりやすく編集して、NotePM上に掲載しています。

NotePMの魅力は直感的な操作のしやすさ

―NotePMをご利用いただいた率直な感想をお聞かせください。

森川:NotePMは初心者でも直感的に画面が作りやすいと感じます。レイアウトもイメージ通り作れますし、検索もヒットさせやすいです。全般通してわかりやすく使える点が他社ツールと比較しても優れていると感じます。

石本:お客様相談室のスタッフは年齢層が高いこともあり、導入当初は新しいツールへの抵抗もありました。なかなか使ってもらえない時期がありましたが、NotePMがあることで顧客対応がうまくいった等の成功体験を積むうちに積極的に利用してもらえるようになりました。

ITに強い若いスタッフに関しては、招待だけすれば何も教えなくても作業を進められており驚いています。

谷口:NotePMは自分が作ったページを何人のメンバーが見たかが表示されます。数字で分かる点も、やりがいに繋がります。

—お忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございました