「Slackを社内Wikiとして使えたら便利なのに」と感じたことはありませんか?
実は、Slackには公式な「Wiki機能」はありません。しかし、Slackに備わっているチャンネルや、スレッド、ピン留め、Slack Canvasなどを上手に活用すれば、社内の情報共有やナレッジの蓄積を行える簡易的な社内wikiとして活用でます。
本記事では、Slackを使って社内wikiのようにナレッジを管理する方法とそのデメリット、代替手段を解説します。
Slackで思い描くナレッジ管理ができるかどうかの参考にしてみてください。
目次
Slackで社内wikiのようにナレッジ管理する3つの方法
Slackは、ビジネスチャットツールであり、社内コミュニケーションの円滑化および活性化を目的として利用されます。ただし、使い方によってはナレッジの共有や管理も可能です。
ここでは、Slackを使って社内wikiのようにナレッジを管理する方法を3つ紹介
- Slack Canvasでナレッジをまとめる
- ナレッジ管理用チャンネルを立ち上げる
- ブックマーク機能を活用する
いずれも簡単にできるので、ぜひ試してみてください。
>関連記事:【ビジネスチャット】Slackとは?基本機能・使い方・料金プラン・競合ツールとの違いを徹底解説!
>関連記事:社内wikiとは?導入のメリットと定着の失敗例、おすすめツール3選を紹介
1.Slack Canvasでナレッジをまとめる
Slack Canvasは、2023年4月に導入された比較的新しい機能で、各チャンネルやダイレクトメッセージ(DM)に紐づけて作成できるドキュメントスペースです。従来のチャット形式では流れがちな情報を整理し、固定情報として参照しやすくすることを目的としています。
福利厚生のナレッジ共有のためにCanvasを立ち上げると、以下のように表示されます。
具体的には、テキスト入力はもちろん、画像、ファイル、さらには他のチャンネルのSlack Canvasへのリンクも挿入可能です。箇条書きやチェックリストといった書式設定も利用できるため、たとえば以下のような情報をまとめるのに役立ちます。
- プロジェクトの概要や目的
- チームのルールやガイドライン
- 会議のアジェンダや議事録(簡易版)
- チャンネル内でよく参照されるドキュメントへのリンク集
- 簡単な操作マニュアルやFAQ
このようにSlack Canvasを活用することで、チャンネルの「掲示板」や「説明書」のような役割を持たせることが可能です。
Slack Canvasのメリット・デメリットをまとめたので、参考にしてみてください。
Slack Canvasのメリット | Slack Canvasのデメリット |
---|---|
・ナレッジを視覚的に整理できる ・Slack上でコミュニケーションとナレッジ管理を完結できる ・チャンネルやDMと関連情報を紐づけて管理できる ・テンプレートを活用して簡単に作成できる |
・無料プランでは制限がある ・編集履歴やアクセス権限の管理はできない ・検索条件の絞り込みにコツが要る ・複雑な構造のドキュメントや大量の情報の管理には不向き |
無料プランでは1チャンネルにつき1つのSlack Canvasしか作成できないという制限がある点には注意が必要です。
Slack Canvasの作成方法
Slack Canvasの作成方法を簡単に紹介します。
まずは、Canvasを作成したいチャンネルやDMを開き、画面上部の「Canvasを追加する」ボタンをクリックしてください。
表示がない場合は、「+」ボタンをクリックして「Canvas」を選択します。
独立したCanvasを立ち上げる場合は、ホーム画面の左側にある「・・・」ボタンをクリックし、「Canvas」を選択してください。なお、この機能は有料版のみ利用できます。
Canvasを立ち上げると、最初は以下のように表示されます。
チャンネル概要は、テンプレートを活用して簡単に作成が可能です。下部の「テンプレートを調べる」をクリックすると、以下のようにテンプレートが表示されるので、目的に合ったものを選びましょう。
たとえば、福利厚生テンプレートを活用すると、カード形式のレイアウトになります。
タイトルや文言を調整すれば、ナレッジ管理が可能です。
あとは「ファイルを追加する」や「リンクを追加する」を活用して、ナレッジを蓄積しましょう。
Slack Canvasの活用例
Slack Canvasの活用例は、次のとおりです。
活用例 | 内容 |
---|---|
プロジェクトのナレッジ共有・管理 | プロジェクトの概要や進捗、成果物をチームで共有する |
FAQ・社内マニュアルの一元管理 | よくある質問や業務手順を整理して蓄積する |
会議議事録の作成と管理 | 会議の要点や決定事項を記録・共有する |
社内研修・オンボーディングの管理 | 新入社員向け資料や手続き情報を共有する |
顧客対応ナレッジベースの構築 | 問い合わせ対応フローやテンプレートを管理する |
マーケティングキャンペーンの情報共有 | キャンペーン概要や進捗、成果を可視化する |
社内ナレッジハブとしての活用 | 部署横断的に情報共有を行う |
Slack Canvasをナレッジ共有・管理のポータルとして活用すると、Slack上でコミュニケーションと情報共有を一元化でき、業務効率の向上につながります。
2.ナレッジ管理用チャンネルを立ち上げる
Slackのチャンネルにメモをする形で、個人やチームの備忘録として活用する方法もあります。
通常のチャットと同じ方法で利用できるため、現在Slackを利用中なら簡単に導入可能です。
ただし、検索機能はSlack Canvasと同じなので、一般的な社内wikiツールよりも弱い点に留意しましょう。
チャンネルを使ったナレッジ管理のメリット・デメリットをまとめると、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・Slack上でコミュニケーションとナレッジ管理を完結できる ・新しい操作方法を覚えなくてもすぐ使える |
・視覚的に情報をキャッチしにくい ・チャンネルやDMごとのナレッジ管理ができない ・検索条件の絞り込みにコツが要る ・無料版は過去の情報を閲覧できなくなる |
チャンネルを活用するときは、スレッドごとにナレッジを蓄積します。無料版は90日以上経ったスレッドをチャンネルのホーム画面から閲覧できなくなるため、長期間のナレッジ管理には不向きです。
そのため、チャンネルを使ったナレッジ管理は、一時的・短期的な活用に適しています。
チャンネルの立ち上げ方
チャンネルの立ち上げ方を簡単におさらいしておきましょう。
まずは、左側のバーから「チャンネルを追加する」を選択し「新しいチャンネルを作成する」をクリックしてください。
すると、以下のように表示されるので「空のチャンネル」か、任意のテンプレートを選びましょう。
「次へ」をクリックしたあとは、チャンネル名を指定してください。
チャンネルを立ち上げたら、メンバーを招待しましょう。
3.ブックマーク機能を活用する
Slackのブックマークは、Slack上のメッセージをいつでも見返せるように、リスト形式で保管する機能です。
ワンクリックでブックマークできるため、だれでも簡単に利用できます。
ただし、ブックマークしたリストは個人でしか閲覧できないため、チームや部署など組織単位でのナレッジ管理には、不向きです。
ブックマーク機能を使ったナレッジ管理のメリット・デメリットをまとめると、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・個人でナレッジを簡単にストックできる ・新しい操作方法を覚えなくてもすぐ使える |
・ブックマークしたスレッドやメッセージが削除されると閲覧できなくなる ・個人でしか閲覧できない |
個人単位のナレッジ管理方法を探している場合は、試してみてください。
ブックマーク機能の使い方
ブックマーク機能は、スレッドやメッセージごとに利用できます。
まずは、ブックマークしたいスレッドかメッセージを選択します。
スレッドを選択して「ブックマークする」をクリックしてください。以下のようにマークが表示されるときは、マークをクリックするとブックマークできます。
ブックマークしたスレッドやメッセージは「後で」から確認できます。チェックマークをクリックすると「完了」、時計マークをクリックするとリマインド設定が可能です。
アーカイブに移動すれば、ブックマーク状態を保存し続けられます。そのため「進行中」はタスク管理、アーカイブでナレッジ管理といった使い分けが可能です。
Slackで社内wikiのようにナレッジ管理するメリット
Slackを社内Wikiのように活用することで、チームの情報共有やナレッジ管理がよりスムーズになります。ここでは、「Slack Wiki」として運用することで得られる主なメリットを紹介します。
- 導入のハードルが低い
- リアルタイムな情報共有でチームが活性化する
- 限定的ながら検索性が確保されている
導入のハードルが低い
すでにSlackを企業やチームで利用している場合、そのままSlackを利用できるため、新たにWikiツールを導入する際に必要な以下のような工程が不要になります。
- 導入コスト(契約、設定など)
- 社内への導入説明や調整
- ツール操作のトレーニング
- 利用ルールの整備と周知
Slackをすでに利用していると、普段の会話の延長線上で情報を共有・蓄積していけるため、「ナレッジを共有する文化」を自然に醸成しやすいという利点があります。
具体的には、業務手順やFAQ、顧客対応テンプレートなどをチャンネル内に固定投稿(ピン留め)することで、簡易的なWikiとして機能させることが可能です。
リアルタイムな情報共有でチームが活性化する
Slackの最大の特長は、リアルタイムなコミュニケーション能力です。新しい情報や変更点を即座にチーム全体に周知したり、特定の情報に対して迅速にフィードバックや質疑応答を行ったりできます。
【具体例】
- 新しい社内ルールの案をスレッドに投稿 → 即座にフィードバックを収集
- トラブル事例を共有 → 対応策をその場でディスカッション
- 重要ファイルをアップロード → 内容確認後にそのまま質問・相談へ移行
このようにSlackでは、情報の投稿・確認・意見交換が一連の流れでスムーズに行えるため、意思決定や課題解決のスピードが格段に向上します。
特にリモートワークや分散チームが増える中で、Slackの「即応性」は、他のナレッジ共有手段と差別化される強みといえるでしょう。
限定的ながら検索性が確保されている
Slackにはメッセージやファイルを検索する機能が備わっています。実際、「Slack」という名前も Searchable Log of All Conversation and Knowledge(すべての会話と知識を検索可能に)というコンセプトから生まれています。
Slackの検索機能の特徴は、以下のとおりです。
- キーワードでの全文検索
- 投稿者(from:)、チャンネル(in:)、期間(before:/after:)での絞り込み
- ファイル名や種類によるフィルタリング
- 結果の並び替えやプレビュー表示
これにより、たとえば「昨年の業務フロー変更に関する議論」「ある営業案件に関するメモ」など、過去の重要なやり取りをピンポイントで探し出すことが可能です。
ただし、あくまでSlackの検索は「チャットの履歴を探す」機能に近く、専用のWikiツールと比べると階層構造やタグ管理、バージョン履歴などの高度な整理機能には限界がある点に注意しましょう。
Slackを社内wikiのように活用する際のデメリット・注意点
Slackは手軽に情報共有ができる便利なツールですが、「Slack wiki」としてナレッジベース的に活用しようとする際には、いくつかの注意したいデメリットがあります。これらのポイントを理解しておくことで、Slackをナレッジ管理に適切に活かす判断ができるようになります。
- 情報が「フロー情報」として流れやすい
- 無料プランの制限で、情報の長期保存ができない
- 情報の整理・構造化が難しく、全体が見えづらい
- UI変更による通知の見落としリスクがある
情報が「フロー情報」として流れやすい
Slackは本来、リアルタイムのチャットコミュニケーションに特化したツールです。そのため、投稿された情報は「タイムライン上に流れていくフロー型の情報」として扱われます。これは、静的に情報を整理・保存する従来のWikiのストック型情報とは大きく異なります。
たとえば、過去に共有した重要な議論やノウハウも、数日後には他の会話に埋もれてしまい、検索しない限り発見が困難になるでしょう。
ピン留めやブックマーク機能を活用しても、情報が多くなるほど管理が煩雑になり、目的の情報にたどり着くまでに手間がかかるケースも少なくありません。
Slack wikiを活用するには、「重要な情報は別途整理・転記する」などの運用ルールを整備する必要があります。
無料プランの制限で、情報の長期保存ができない
Slackを無料プランで利用している場合、過去90日分までのメッセージ履歴しか検索・閲覧できないという制限があります。この仕様は、長期的にナレッジを蓄積・活用する「社内Wiki」の目的と相反します。
たとえば、数ヶ月前に決定された重要な業務フローや、顧客とのやり取りの記録などが、知らないうちに閲覧不能になってしまうこともあるでしょう。また、ファイルの保存容量にも制限があるため、画像・PDF・ドキュメントの保管先としても限界があります。
さらに、Slack Canvasを活用したナレッジ管理も、1チャンネルあたり1つのCanvasまでという制限があり、本格的な情報整理には向かない場合もあるでしょう。
Slack wikiを運用する場合は、有料プランの導入や、Canvasと外部ツールの併用も検討する必要があるでしょう。
情報の整理・構造化が難しく、全体が見えづらい
一般的なWikiツールやナレッジベースでは、以下のような機能により、情報が体系的に整理されています。
- 階層構造(親子ページ)
- タグやカテゴリによる分類
- 相互リンクによる関連付け
- バージョン管理や編集履歴の保持
しかし、Slackはチャットベースの設計思想であるため、これらの構造的な整理機能がほとんど備わっていません。スレッドやチャンネルで話題を分類することは可能ですが、情報が複数の場所に散らばり、「全体像を把握しにくい」「情報の重複や漏れが発生しやすい」といった課題が出てきます。
特にメンバーが増えるにつれて、「どこに何があるのか分からない」「似たような内容が複数箇所にある」といった問題が発生しやすくなります。
Slack wikiを成功させるには、運用ルールや整理の工夫が必要です。
UI変更による通知の見落としリスクがある
Slackは定期的にUI(ユーザーインターフェース)のアップデートを行っています。
たとえば過去には、通知やメンションが複数のワークスペースにまたがって「ホーム」画面に統合されたことで、どのワークスペースの通知なのかが分かりにくくなり、情報の見落としが増えたという声もありました。
このような仕様変更が、意図せず情報の発見性やアクセス性に悪影響を与える可能性もゼロではありません。特にSlackを業務の中核に据えている場合、このリスクは無視できない要素となります。
Slack wikiの運用では、こうしたUIの変化や機能制限にも柔軟に対応できるよう、定期的な運用の見直しやサポート体制の整備が求められます。
Slackと社内wikiツールを連携してナレッジ管理しよう!
Slack単体で本格的な社内Wikiを運用するには、情報の流動性、検索性の限界、無料プランの制約など、いくつかの課題があります。
これらの課題を解決し、Slackのリアルタイム性と専用ツールの情報蓄積・整理能力を両立させる有効な手段が、「NotePM」などの「社内Wikiツール」と呼ばれる外部ツールとの連携です。
Slackと連携できる社内wikiツールを活用すれば、投稿先のチャンネルを指定して自動共有することも可能です。
ツールを適切に使い分け、効果的に運用しましょう。
ナレッジを簡単に蓄積・共有できる社内wikiツール「NotePM」
Slackと外部Wikiツールを連携するメリット
Slack単体では難しいナレッジ管理の課題も、外部のナレッジベースツールとの連携によって解決が可能です。具体的には以下のようなメリットが得られます。
- 重要情報の確実な蓄積とストック化
- 高度な検索機能と情報の体系化
- 情報更新の自動通知で見逃し防止
- 業務効率の向上とツール間のシームレスな連携
重要情報の確実な蓄積とストック化
Slack上の会話はフロー型で流れていきやすいという性質がありますが、外部Wikiツールと連携することで、必要な情報だけを選別・転送し、確実に保存・蓄積することが可能です。
Slack上で議論されたナレッジや決定事項、共有された資料などを、簡単な操作でWikiに記録することで、後から誰でもアクセス可能な状態を維持できます。
高度な検索機能と情報の体系化
専用のWikiツールでは、全文検索、タグ・フォルダによる分類、バージョン管理、リンク構造の作成といった、情報整理・活用に欠かせない機能が充実しています。
Slackでは難しい情報の構造化・視認性の向上が可能になり、ナレッジの再利用性が飛躍的に高まります。
情報更新の自動通知で見逃し防止
外部Wikiに新しいページが作成されたり、既存ページが更新されたりしたときに、その通知をSlackのチャンネルに自動で投稿できます。
これにより、Slackを見ているだけで最新のナレッジ更新に気づくことができ、情報の見落としを防ぎつつ、社内周知もスムーズになります。
業務効率の向上とツール間のシームレスな連携
一部のWikiツールでは、Slack内からWikiの情報を直接検索・投稿できる連携機能も用意されています。
たとえば、スラッシュコマンドやボットを使ってWikiの中身を検索したり、新しいナレッジを登録したりすることで、ツールを切り替える手間を減らし、業務の効率化が可能です。
【チェックリスト】「Slackの社内Wiki」の運用状況を自己診断
Slackを情報共有の中心に据えていて、「情報の散在」や「検索性の低さ」に課題を感じ始めている場合もあるでしょう。
とくにSlackを社内Wiki的に運用している場合、情報量やメンバー数の増加とともに、ツール本来の設計とのギャップが顕在化しやすくなります。
以下のチェックリストを活用して、自社の「Slackの社内Wiki」運用状況を客観的に把握し、改善の必要性を検討してみてください。
【「Slackの社内Wiki」の運用状況チェックリスト】
次の各項目に、どれだけ該当するかをチェックしてください。
[ ] 過去の重要なやり取りや決定事項の確認に、Slack内で5分以上かかることが多い
[ ] 「あの話、どこに書かれていたか?」といった確認が社内で頻繁に発生する
[ ] Slackの無料プランを使用しており、90日以上前の情報にアクセスできない/不安がある
[ ] 業務マニュアルや手順書などが体系化されず、Slack内に点在している
[ ] 新入社員や異動者の情報キャッチアップが非効率で、オンボーディングに時間がかかっている
[ ] 情報が特定の担当者に依存しており、その人物がいないと内容が把握できない(属人化)
[ ] チャンネル数が多く、どこにどの情報があるのか全体像を把握できない
[ ] 重要な情報が日々の会話に埋もれ、見落としや重複対応が発生している
[ ] ファイルの最新版が不明確で、検索・共有に時間がかかっている
[ ] 情報整理ルール(ピン留め、スレッド管理など)が形骸化している、または守られていない
診断結果と次のアクション
「Slackの社内Wiki」の運用状況チェックリストの該当数ごとに、次に取ったほうがよいアクションを解説します。
該当数 0~2項目の場合
Slackを活用した情報管理はおおむね機能していると考えられます。ただし、将来的な組織拡大や情報量増加に備え、ナレッジの体系化やツール連携の準備を進めるとより安定した運用が可能です。
該当数 3~5項目:
Slack Wiki運用における構造的課題が顕在化し始めている状態です。情報の発見性や、属人性、検索性といった観点から、運用体制や情報設計の見直しが必要です。ナレッジ基盤ツールの導入を検討したほうが良いでしょう。
該当数 6項目以上:
すでにSlackを社内Wikiとして活用するには限界を超えている可能性がある状況です。情報管理の非効率が業務生産性や組織全体のパフォーマンスに影響を及ぼしている可能性があるため、以下のような対応を検討してみてください。
- 専用ナレッジマネジメントツールへの移行
- Slackとの連携設計(通知連携・自動転送ルールなど)
- 情報構造の再定義(カテゴリ分類、テンプレートの活用)
Slackと連携できる社内wikiツール5選
Slackと連携できる社内wikiツールのうち、代表的なサービスを5つ紹介します。
- NotePM
- Confluence
- Guru
- Kipwise
- Stock
自社に合った運用ができるかどうかを確認し、試してみましょう。
>関連記事:社内wikiツールおすすめ15選【2025年最新】有料・無料プランを詳しく紹介
NotePM
引用:NotePM公式サイト
「NotePM(ノートピーエム)」 は、ナレッジの共有・管理を直感的に行える社内wikiツールです。マニュアルや業務手順書などをフォルダで階層管理でき、情報をわかりやすく整理できます。Slackと連携すれば、「NotePM」のページ更新時にSlackへ通知を送ることが可能です。
【社内wikiとして活用できる機能】
- フォルダ階層・カテゴリ・タグを使ってナレッジを分類できる
- 動画や画像を埋め込み視覚的にわかりやすいナレッジを共有ができる
- ファイルの中身まで全文を対象に検索できる
- テンプレート機能でナレッジ共有の方法を標準化できる
- 柔軟なアクセス制限でナレッジ管理を効率化できる
【おすすめの人】
- 社内に点在するナレッジを一元管理したい人
- だれもが簡単にナレッジ共有・検索できる環境を整えたい人
- あらゆる社内情報の共有を一元化したい人
【料金体系】
【その他の比較ポイント】
- 無料トライアル:あり(30日間)
- 対応デバイス:PC・スマートフォン・タブレットなどのマルチデバイス
- セキュリティ:SSO/SAML認証・2段階認証・IPアドレス制限・閲覧履歴管理・アカウントロック・アクセスログ/監査ログ・接続端末の確認・解除
ナレッジを簡単に蓄積・共有できる社内wikiツール「NotePM」
>関連記事:Slack(スラック)連携
Confluence
「Confluence(コンフルエンス)」は、チームのコラボレーションとナレッジ共有をサポートする社内wikiツールです。Slackと連携すれば「Confluence」の更新やコメントを指定したチャンネルに反映できます。
【社内wikiとして活用できる機能】
- データベースビューでナレッジを一覧化・整理できる
- テーブルやカード表示で視覚的に情報を把握できる
- タグやフィルター機能で必要な情報に素早くアクセスできる
【おすすめの人】
- ナレッジを視覚的にわかりやすく管理したい人
- あらゆる社内情報の共有を一元化したい人
【料金体系:100ユーザー利用の場合】
- Free:月額0円/ユーザー
- Standard:月額840円/ユーザー
- Premium:月額1,610円/ユーザー
- Enterprise:要問い合わせ
【その他の比較ポイント】
- 無料プラン:あり
- 対応デバイス:PC・スマートフォン・タブレットなどのマルチデバイス
- セキュリティ:ユーザー権限設定・データ暗号化・監査ログ
>関連記事:Confluence(コンフルエンス)とは?機能・メリット・活用事例を解説
Guru
引用:Guru公式サイト
「Guru(グル)」は、AIによって強化された社内wiki・イントラネット・エンタープライズ検索を統合した社内wikiツールです。Slackと連携することで、Slack内から「Guru」の情報を共有・検索できます。
【社内wikiとして活用できる機能】
- AI検索機能で必要な情報を瞬時に引き出せる
- ナレッジベースとイントラネットを統合して運用できる
- 他ツールと連携して分散情報を一元化できる
【おすすめの人】
- 業務中にすぐナレッジを呼び出したい人
- あらゆる社内情報の共有を一元化したい人
【料金体系】
- オールインワン:月額約2,250円/ユーザー(ボリュームディスカウント適用時)
- カスタム:要問い合わせ
【その他の比較ポイント】
- 無料プラン:あり(30日間)
- 対応デバイス:PC・スマートフォン・タブレットなどのマルチデバイス
- セキュリティ:SSO・ロールベースのアクセス制御・プライベートAIモデル対応
Kipwise
引用:Kipwise公式サイト
「Kipwise(キップワイズ)」は、Slackと連携して使える、AI搭載の次世代社内wikiツールです。Slackと連携すれば、Slack上の質問に対して「Kipwise」に蓄積されたナレッジをもとに自動回答してくれます。また、Slackから直接ナレッジを追加することも可能です。
【社内wikiとして活用できる機能】
- フォルダ階層・カテゴリ・タグを使ってナレッジを分類できる
- テンプレート機能でナレッジ共有の方法を標準化できる
- ドキュメントごとに閲覧・編集権限を細かく設定できる
【おすすめの人】
- Slackを中心にナレッジ共有を行いたい人
- 部門横断でドキュメントを整備・共有したい人
【料金体系:年間契約の場合】
- プレミアム:月額1,100円/ユーザー
- ブランド:月額2,200円/ユーザー
- その他:要問い合わせ
【その他の比較ポイント】
- 無料プラン:あり(14日間)
- 対応デバイス:PC・スマートフォン・タブレットなどのマルチデバイス
- セキュリティ:権限設定・ワークスペース管理・履歴管理機能
Stock
引用:Stock公式サイト
「Stock(ストック)」は、「チームの情報を最も簡単に管理できる」ことをコンセプトにした社内wikiツールです。Slackと連携すると、Slackのメッセージをワンクリックで「Stock」に保存できます。
【社内wikiとして活用できる機能】
- フォルダ・タグを使ってナレッジを分類できる
- 閲覧権限の制限で情報公開範囲を柔軟に管理できる
- 添付ファイルの自動プレビューで情報把握がしやすい
【おすすめの人】
- とにかくシンプルに情報共有したい人
- Slackの情報が流れてしまい困っている人
【料金体系】
▼ビジネスプラン:年間契約の場合
- フリープラン:無料
- ビジネス5:月額2,750円
- ビジネス10:月額5,500円
- ビジネス20:月額11,000円
- ビジネス30:月額16,500円
※30人以上の場合は、人数ごとに変動
▼エンタープライズプラン:年間契約の場合
- フリープラン:無料
- ビジネス5:月額5,500円
- ビジネス10:月額11,000円
- ビジネス20:月額22,000円
- ビジネス30:月額33,000円
※30人以上の場合は、人数ごとに変動
【その他の比較ポイント】
- 無料プラン:あり
- 対応デバイス:PC・スマートフォン・タブレットなどのマルチデバイス
- セキュリティ:暗号化・編集履歴管理・閲覧権限設定・誤削除防止機能
Slackと社内wikiツール「NotePM」を連携してナレッジ管理を効率化した事例
ここでは、Slackと社内wikiツール「NotePM」を連携してナレッジ管理を効率化した事例を3つ紹介します。
- 事例1.社内wikiの日報をSlackで通知
- 事例2.Slackの専用チャンネルからナレッジを登録
- 事例3.Slackと社内wikiの連携で検索性の向上と属人化の解消を実現
自社に導入する社内wikiツールを選ぶときの参考にしてみてください。
事例1.社内wikiの日報をSlackで通知
リモートワークが中心の働き方をする株式会社Rocalでは、社員に業務報告として日報を提出してもらっています。
もともとSlackで日報を提出してもらっていましたが、提出状況を管理するために社内wikiツールの「NotePM」で投稿してもらうようにしました。
その結果、NotePMの導入後は日報の進捗を把握しやすくなり、生産性が向上しています。
>関連記事:【導入事例】Slackとの連携で日報の提出状況を簡単に把握!リモートワークならではの業務効率化に成功 – 株式会社Rocal
事例2.Slackの専用チャンネルからナレッジを登録
株式会社もしもでは、全社のナレッジ共有ができていないことが課題となり、社内wikiツールの「NotePM」を導入しました。
「NotePM」を選んだ理由はSlackと連携できるうえ、欲しい情報にたどり着きやすいことです。
導入後は「NotePM」で社内システムの使い方、業務マニュアル、社内ルール、新入社員向け資料を共有しています。
さらに、個々が持つナレッジを投稿したり、Slackで 「NotePM」連携用チャンネルを作ったりして、残したいナレッジを登録したりといった使い方も実践しています。
>関連記事:【導入事例】 チャット連携の柔軟性が魅力。社内のナレッジ共有がスムーズに! – 株式会社もしも
事例3.Slackと社内wikiの連携で検索性の向上と属人化の解消を実現
グリニッジ株式会社では、Slackによる情報共有に限界を感じていました。情報が流れてしまい検索しづらく、同じ質問を繰り返す非効率なやりとりや、属人化した業務が課題となっていたためです。
そこで、ナレッジを一元化できる「NotePM」を導入しました。その結果、Slack連携により更新情報をリアルタイムで共有しつつ、マニュアルや議事録、問い合わせ対応情報を蓄積できています。
また、検索性が大きく向上し、顧客対応のスピードアップや新入社員教育の効率化、業務の標準化が実現されました。
>関連記事:【導入事例】NotePM×Slack連携で社内ナレッジの検索性を高めて業務の属人化を解消 – グリニッジ株式会社
ナレッジを簡単に蓄積・共有できる社内wikiツール「NotePM」
Slack Wikiに関するよくある質問と回答(Q&A)
Q. Slackの無料プランでも社内Wikiとして使えますか?
A. はい、基本的な運用は可能ですが、長期的なナレッジ管理には大きな制約があります。
Slackの無料プランでも、チャンネル作成、スレッド、ファイル共有、「Slack Canvas」(チャンネルにつき1つ)といった機能を使って、簡易的なWiki運用を始めることは可能です。
しかし、以下の点に注意が必要です。
- メッセージ履歴が90日間に制限される(過去の情報が自動で削除される)
- ファイルの保存容量が5GBまで
- Canvasもチャンネルごとに1つまで
これらは、ナレッジの長期保存や構造的な情報整理を行う上で障壁となる場合があります。Slackを無料プランで運用する場合は、「情報が消える前提」で定期的な転記や整理が必要です。
Q. Slackの情報を効率よくWikiとして残す方法は?
A. Slack内の重要な会話やファイルは、専用の社内Wikiツール(例:NotePM)に連携・転記するのが効率的な方法です。多くの専用ツールはSlack連携機能を備えており、数クリックで情報を整理・保存できます。
Q. Slack Wikiがうまくいかない主な原因は何ですか?
A. 主な理由として、以下の点が挙げられます。
- 情報が流れて埋もれやすい:重要な投稿も新着メッセージに押し流され、見つけにくくなる。
- 構造的な整理が困難:フォルダやタグの体系的な管理ができず、ナレッジの全体像が把握しにくい。
- 検索機能に限界がある:無料プランでは90日以内、有料でも検索の柔軟性には限界。
- 運用ルールが形骸化しやすい:整理ルールが守られず、メンテナンスも属人化。
- 情報の信頼性が担保しにくい:誰でも気軽に投稿できる反面、正確性や更新状況が曖昧になりがち。
Slackは「リアルタイムな対話」を目的に設計されたツールであり、情報の蓄積・構造化には向いていないという前提を理解することが大切です。
Q. SlackとNotePMのような専用Wikiツールは、どのように使い分けるべきですか?
A. SlackとNotePMのような専用Wikiツールは、それぞれの得意分野を活かして使い分けるのが効果的です。「フロー情報」と「ストック情報」という概念で考えると分かりやすいでしょう。
【Slack(フロー情報)】
日々の業務連絡、短期間での情報共有、リアルタイムなディスカッション、一時的なファイル共有など、流動的で即時性が求められるコミュニケーションに適しています。
【専用Wikiツール(ストック情報)】
手順書や、業務マニュアル、ノウハウ集、社内規定など、組織として長期間にわたり蓄積・活用すべき、構造化された知識や情報資産の管理に適しています。NotePMは、強力な検索機能、版管理、テンプレート機能、柔軟なアクセス権限設定などが強みです。
具体的な連携としては、Slackでの議論で生まれた重要な結論や決定事項をNotePMに記録し、NotePMで作成・更新されたドキュメントの通知をSlackの関連チャンネルに流す、といった形が考えられます。これにより、情報の見逃しを防ぎつつ、知識を確実に蓄積・活用できます。
Q. 「Slack Wiki」から専用ツールに移行するタイミングは?
A. 以下のような兆候が出てきたら、移行を検討したほうが良いでしょう。
- 「あの情報どこだっけ?」とSlack内検索に時間がかかる
- 重要な情報が90日を過ぎて消えてしまった
- 新人教育・情報引き継ぎが非効率になっている
- どの情報が最新か分からなくなってきた
- 同じ質問やミスが繰り返されている
- セキュリティやアクセス権限の管理に不安がある
これらは、Slack単体でのナレッジ管理に限界が来ているサインです。情報の再利用性や、蓄積性、セキュリティを重視するなら、早めのWikiツール導入をおすすめします。
Slackと社内wikiツールを連携してナレッジ管理を効率化しよう
本記事では、Slackを社内Wikiとして活用するための具体的なアプローチ、その利点と無視できない限界、そしてSlackの強みを活かしつつ情報管理の質を高めるための外部ツール連携という選択肢について解説してきました。
Slackは、その手軽さから情報共有の入り口として魅力的なツールです。しかし、チャットベースである特性上、情報が時系列で流れやすく、体系的な知識として蓄積・管理するには工夫と限界が伴います。特に無料プランの90日間というメッセージ保存期間は、長期的なナレッジマネジメントにおいては大きな障壁となり得ます。
Slack上でコミュニケーションとナレッジ管理の一元化は難しいため、社内wikiツールとの併用がおすすめです。
「NotePM」は、Slackと連携できる社内wikiツールです。「NotePM」の更新をSlackに通知でき、情報共有を迅速化できます。30日間の無料トライアルを利用して、ぜひ使い心地をお確かめください。