Microsoft Teams のWiki機能は2024年1月に廃止されましたが、過去のWikiデータはSharePoint上に.mhtファイルとして残っており、2026年3月現在もアクセス可能です。突然の廃止通知で対応が後回しになっていた方も、今からでもデータを取り出せます。
ただし、WikiデータをOneNoteへ自動エクスポートする機能(「詳細を取得」ボタン)は2024年2月にすでに終了しています。現在データを確認するにはSharePointから直接取り出す必要があります。公式の後継ツールとしてはOneNoteとMicrosoft Loopが用意されており、用途によって使い分けが求められます。検索性やページ単位の権限管理を重視する場合は、NotePMのような社内wikiツールも選択肢になります。

目次
Teams Wiki廃止の経緯と現在のデータ状態

Teams Wikiの廃止は一度に行われたのではなく、3段階に分けて段階的に実施されました。廃止の経緯を正確に把握しておくと、現在のデータ状態を理解しやすくなります。
廃止スケジュールの内容はMicrosoftが発行したメッセージセンター通知(MC496248)に基づくもので、Microsoft Tech Communityの公式アナウンスによると、Stage1・Stage2・Stage3の3段階で構成されています。

Stage1は2023年3月初旬で、この時点から新規Wikiの作成が停止されました。既存のWikiはまだ閲覧・編集できる状態でしたが、新たに作ることはできなくなりました。Stage2は2023年10月中旬で、TeamsチャネルのWikiタブが非表示になり、Wikiへのアクセスが事実上困難になった組織も多かったとみられます。
Stage3は2024年1月です。WikiタブおよびWikiアプリへのアクセスが完全に不可となり、Teams上からWikiを参照する手段がなくなりました。
Teams Wikiと並行して提供されていたOneNoteへの自動エクスポート機能も、2024年2月に終了しています。この機能はWikiページの画面にあった「詳細を取得」ボタンから利用できるものでしたが、現在は機能していません。そのため、今からデータを確認するにはSharePointを通じた手動取得が唯一の方法となります。
では、データはどこにあるのでしょうか。Teams Wiki廃止後もSharePointの「Teams Wiki Data」ライブラリに.mhtファイルとして残存しており、SharePointから直接アクセスできる状態です。ただし、Microsoftはこのデータをいつ削除するかについて明示的なスケジュールを公表していません。保持期限が不明である以上、データが必要な組織は早めに確認・取得しておくことを推奨します。
SharePointから旧Wikiデータを取り出す手順

Wikiデータの取り出しは、Teamsからではなく、SharePointを経由して行います。操作の流れは大きく「SharePointのフォルダにアクセスする」「.mhtファイルをダウンロードして開く」の2ステップです。プライベートチャネルのWikiを確認する場合は追加の注意点があります。以下の順で確認していきます。
- SharePointのWikiフォルダにアクセスする
- ダウンロードした.mhtファイルを開く
- プライベートチャネルのWiki確認時の注意点
1. SharePointのWikiフォルダにアクセスする
まず、Wikiが存在していたチャネルに移動します。Teamsの画面上部にある「ファイル」タブを選択し、ファイル一覧の上部に表示される「SharePointで開く」をクリックします。ブラウザが起動し、そのチャネルに紐付いたSharePointサイトが表示されます。
SharePointが開いたら、左側のナビゲーションメニューから「サイトコンテンツ」を選択します。表示されるライブラリの一覧の中に「Teams Wiki Data」があれば、そこをクリックしてください。チャネル名に対応したフォルダが存在し、その中に.mhtファイルが格納されています。
「Teams Wiki Data」が一覧に表示されない場合があります。このライブラリは隠しライブラリとして設定されているため、サイトコンテンツには出てこないケースがあります。その場合は、SharePointサイトのURLに直接「/Teams%20Wiki%20Data」を追加してアクセスします。例えばサイトのURLが「https://contoso.sharepoint.com/sites/チーム名」であれば、「https://contoso.sharepoint.com/sites/チーム名/Teams%20Wiki%20Data」と入力します。この直接URL入力の方法は広く知られた手順です。
フォルダの中にはチャネル名のサブフォルダが作成されており、その中に各Wikiページが.mhtファイルとして格納されています。一覧で確認できたら、次のステップに進みます。
2. ダウンロードした.mhtファイルを開く方法
SharePointから.mhtファイルをダウンロードする際に注意が必要です。SharePointから直接ダウンロードした場合、ファイルが.mhtではなく.eml形式で保存されることがあります。.emlはメールのフォーマットですが、内部的な構造は.mhtと互換性があるため、拡張子を変えることで閲覧できます。
具体的な手順は以下のとおりです。ダウンロードされたファイルの拡張子が.emlになっている場合、ファイル名の「.eml」の部分を「.mht」または「.html」に変更します。Windowsでは拡張子の変更に「はい」の確認が求められますが、そのまま変更して問題ありません。
ファイルを開くブラウザは、Microsoft Edgeを使うとスムーズです。EdgeはMHTMLフォーマットをネイティブでサポートしているため、拡張機能なしで.mhtファイルをそのまま表示できます。Google Chromeでは.mhtファイルの表示に対応していないことがあり、拡張機能が必要になる場合があります。
なお、Wikiに画像が含まれていた場合、ダウンロードしたファイルで画像が正しく表示されないことがあります。これは画像の参照先がTeamsのサーバーを向いていることが原因です。テキスト情報は確認できますが、画像を含むWikiは別途SharePoint上で画像ファイルを個別に確認する必要があります。

3. プライベートチャネルのWiki確認時の注意点
標準チャネルと異なり、プライベートチャネルは親チームとは独立した専用のSharePointサイトを持ちます。そのため、Wikiデータの保存場所も別のSharePointサイトになります。標準チャネルのSharePointサイトにアクセスしてもプライベートチャネルのWikiデータは見つかりません。
プライベートチャネルのSharePointサイトURLを確認するには、Teamsでそのプライベートチャネルを開き、「ファイル」タブから「SharePointで開く」を選択します。開いたURLがそのプライベートチャネル専用のSharePointサイトです。あとは標準チャネルと同じ手順で「Teams Wiki Data」ライブラリにアクセスします。
また、プライベートチャネルのSharePointサイトへのアクセス権限は、そのチャネルのメンバーに限定されます。IT管理者であっても、プライベートチャネルのメンバーでなければSharePointサイトにアクセスできないことがある点に注意してください。データを取得する担当者がメンバーに含まれているかを事前に確認しておくと作業がスムーズです。
OneNoteとLoopの使い分け

Teams Wikiの廃止後、「どのツールをWikiの代わりに使えばよいか」という問いに対して、Microsoftは一本の後継ツールを指定したわけではありません。チャネルのメモ機能はOneNote、会議のメモ機能はLoopコンポーネントというように、用途に応じて後継が分かれています。
以下の比較表でOneNoteとLoopの特性をまとめます。

| 比較項目 | OneNote | Microsoft Loop |
| 主な用途 | チャネルのナレッジ蓄積、マニュアル作成 | 会議メモ、チャット内のリアルタイム共同編集 |
| 保存先 | SharePoint(チームサイト内) | 作成者のOneDrive(.loop形式) |
| 対応チャネル種別 | 標準・プライベート・共有チャネル | 標準チャネルのみ(プライベートチャネルは不可) |
| オフライン編集 | 対応 | 非対応 |
| 手書き入力 | 対応 | 非対応 |
| リアルタイム共同編集 | 対応(遅延あり) | 対応(即時反映) |
OneNoteの特徴とWiki代替としての活用
OneNoteはTeams Wikiの代替として最もよく使われる選択肢です。リッチテキスト、画像の貼り付け、手書き入力、オフライン編集に対応しており、Wikiよりも表現の幅が広くなっています。特に画像や図を多用したドキュメントでは、OneNoteのほうが扱いやすい場面が多いです。
ただし、OneNoteにはWikiとは異なる情報構造があります。OneNoteは「ノートブック → セクション → ページ」という階層で情報を管理しますが、Teams Wikiはチャネル単位のフラットなページ構成でした。移行後に情報整理の仕方を再設計しないと、ページが散在して参照しにくい状態になりがちです。
TeamsチャネルにOneNoteを追加するには、チャネルの上部にある「+」タブ追加ボタンから「OneNote」を選択します。既存のOneNoteノートブックをタブとして追加するか、新規作成するかを選べます。プライベートチャネルでも同様の手順でタブを追加できます。
Microsoft Loopの特徴と現時点の制限
Microsoft Loopには「Loopコンポーネント」と「Loopワークスペース」の2つの形態があります。Loopコンポーネントはチャット投稿やチャネル投稿の中に埋め込んで使う小さな共同編集ブロックで、Loopワークスペースはページや複数のコンポーネントをまとめて管理する単独の作業空間です。
Microsoft LearnのLoop概要ページによると、LoopコンポーネントはTeamsのチャネル、チャット、Outlookメールなどに挿入して利用でき、リアルタイムで全員の編集が即時反映される設計です。ファイルは作成者のOneDriveに.loop形式で保存されます。
一方で、現時点では重要な制限が2つあります。1つ目はプライベートチャネルでの制限です。Microsoft Learn Q&Aの回答によると、プライベートチャネルではLoopタブを追加しようとしても保存ボタンが無効化された状態になり、タブを追加できません。プライベートチャネルを多用している組織では注意が必要です。

2つ目は既存ワークスペースのリンク問題です。Microsoft Learn Q&Aの情報によると、チャネルタブにLoopを追加する操作は、そのチャネルに紐付いた新規ワークスペースを自動生成する仕組みになっており、すでに作成済みのLoopワークスペースを既存のチャネルタブにリンクする機能は2026年3月時点では実装されていません。先にLoopワークスペースを作ってからTeamsに組み込もうとする場合、現状では対応できないことを踏まえて設計する必要があります。
なお、もう1つの選択肢としてSharePointページがあります。SharePointページはリッチなWebページとして情報を発信するのに向いており、社内ポータルや部署の情報掲示板として活用されています。OneNote・Loopと組み合わせる形で利用することも可能です。
社外ナレッジツールを検討する際の3つの判断基準

OneNoteとLoopで要件が満たせる場合は公式ツールを活用するのが最もシンプルです。ただし、組織によっては「検索精度が不十分」「ページ単位の権限管理が必要」「Teamsとより深く統合したい」といった理由から、Notion、Confluence、NotePMなどの社外ナレッジツールを検討するケースがあります。そうした検討の際に確認すべき判断基準を3つ整理します。
判断基準1: Teams連携の深さ
社外ツールを導入してもTeamsを日常の起点として使い続ける場合、ツールをTeamsタブとして直接埋め込めるかどうかは重要な確認点です。タブ統合の可否に加え、ツール内の更新をTeamsチャネルに通知として届けられるか、Microsoft 365アカウントのシングルサインオン(SSO)に対応しているかも合わせて確認します。SSOが使えないツールは、社員ごとに別途アカウント管理が発生するため運用コストが上がります。
判断基準2: 全文検索の精度
ナレッジベースとして機能させるには、蓄積した情報を素早く引き出せる検索性能が不可欠です。特にWordやPDFなどの添付ファイル内のテキストまで検索対象に含まれるかどうかは、ツールによって差があります。日本語を扱う組織では、形態素解析による日本語の正確な分かち書きに対応しているかも確認ポイントになります。

判断基準3: 権限管理の粒度
Teams Wikiはチャネル単位でアクセス制御される仕組みでしたが、組織によってはページ単位で閲覧・編集権限を細かく設定したいケースがあります。たとえば、部署内の一部メンバーのみが編集でき、他は閲覧のみといった設定や、社外のゲストユーザーに一部のページだけを公開するといった運用です。こうした要件がある場合は、ページ単位の権限設定とゲストアクセスへの対応を事前に確認します。
なお、ツールの機能の豊富さと運用の定着しやすさは必ずしも比例しません。多機能なツールほど、情報整理の設計が担当者に依存しやすくなり、運用ルールの整備に時間がかかる傾向があります。ITリテラシーが高くない社員も日常的に使う環境では、操作の単純さを重視することが長期的な定着につながります。
移行先としてナレッジ共有ツールのNotePMもおすすめ

| 運営会社 | 株式会社プロジェクト・モード |
| サービス種別 | ナレッジ共有・社内Wiki |
| 主な利用者層 | 中小企業、部門単位のチーム |
| 主な機能 | Wiki、マニュアル作成、全文検索、変更履歴管理 |
| 料金 | 全プランで全機能利用可、閲覧専用ユーザーは編集ユーザーの3倍まで無料追加 |
NotePMは日本企業向けに設計された社内Wiki・ナレッジ共有ツールです。すべてのプランで全機能を使えるため、プランによって機能差が生じにくい設計になっています。閲覧専用ユーザーを編集ユーザーの3倍まで無料で追加できる点は、情報を読む側のメンバーが多い組織にとってコスト面での利点があります。
全文検索機能が充実しており、蓄積したドキュメントの中から必要な情報をすぐに探し出せます。マニュアルや手順書の作成・更新に適した編集インターフェースも整っています。
Teams Wiki廃止後の対応まとめ

Teams Wikiはすでに廃止されていますが、過去のデータ自体はSharePointに残っています。問題はそのデータにMicrosoftが明示的な保持期限を設けていない点で、いつ削除されるかは現時点では不明です。
まずデータの確認・保全を優先すべき方は、TeamsチャネルのWikiに重要な情報を蓄積していた場合です。SharePointの「Teams Wiki Data」ライブラリにアクセスし、.mhtファイルをダウンロードしてEdgeで開く流れを本記事の手順で確認してください。プライベートチャネルのWikiはSharePointサイトが別になるため、確認する場所を間違えないよう注意が必要です。
後継ツールを選定中の方は、チャネルのドキュメント管理を続けるならOneNote、会議や作業中のリアルタイム共同編集を強化するならLoopが出発点になります。プライベートチャネルを多用している場合はLoopの利用に制限があるため、OneNoteを中心に設計するほうが現実的です。OneNote・Loopでは検索精度や権限管理の要件が満たせないと判断した場合に、社外ナレッジツールの検討に進むとよいでしょう。Word・PDF内まで全文検索でき、ページ単位の権限管理にも対応したNotePMも候補の一つです。
いずれの場合も、まずSharePointのWikiデータを確認してから後続の設計を進めることをお勧めします。
