ペーパーレス化の進め方は?事前準備やよくある課題・解決策を徹底解説

2025年10月28日(火) 文書管理

 

働き方の多様化や法改正などを背景に、社会全体でペーパーレス化が推進されています。しかし、ペーパーレス化といっても、業界や職種によって電子化できる情報や手法は異なります。そのため、「自社に適したペーパーレス化の進め方がわからない」と困っている方もいるでしょう。

本記事では、ペーパーレス化の具体的な進め方について解説します。ペーパーレス化を導入するうえでよくある課題や、スムーズに進めるポイント、おすすめのペーパーレス化ツールや成功事例も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

目次

ペーパーレス化とは

ペーパーレス化とは、企業内の紙媒体の情報を電子化し、保存・活用することです。ペーパーレス化が推進される背景には、コロナ禍をきっかけとしたリモートワークの推進とDX(デジタルトランスフォーメーション)が挙げられます。

ペーパーレス化は、社員一人ひとりがライフスタイルに合った多様な働き方を実現しつつ、生産性を高めるうえで重要な要素の一つです。

関連記事:ペーパーレス化とは?目的やメリット・デメリット、おすすめのツールなども解説

ペーパーレス化を進めるのに必要な事前準備

ペーパーレス化を成功させるには、入念な事前準備が欠かせません。これから社内でペーパーレス化を進める場合は、以下の事前準備を押さえておきましょう。

  • 電子帳簿保存法の内容を確認する
  • 取引先に電子化の対応状況を確認する
  • 電子化のリスクを把握する
  • 電子データにアクセスできる環境を整える

以下では、ペーパーレス化に必要な事前準備について解説します。

電子帳簿保存法の内容を確認する

ペーパーレス化を進めるうえで確認すべきなのが「電子帳簿保存法」です。電子帳簿保存法は、帳簿や領収書、請求書、決算書など、税務関係帳簿書類のデータ保存を可能とする法律です。

2024年1月から事業者に義務化された「電子取引データの保存」にはとくに注意しましょう。具体的には、メールやクラウドサービスで受け取った請求書や領収書などの電子データを紙に出力せず、電子データのまま保存するというルールです。

そのため、電子帳簿保存法に対応すること自体が、ペーパーレス化の重要な土台となります。

参考:電子帳簿等保存制度特設サイト|国税庁

関連記事:【2025年版】電子帳簿保存システムのおすすめ11選を徹底比較!メリット・デメリット・選び方も紹介

取引先に電子化の対応状況を確認する

自社でペーパーレス化を進めても、取引先の協力が得られなければ、紙の書類が残る可能性があります。

ペーパーレス化の状況は、企業によってさまざまです。すでにペーパーレス化が進んでいて電子取引に積極的な企業もあれば、紙媒体での対応を希望する企業や、紙に押印した書類しか受けつけていない企業もあります。臨機応変に対応するためにも、まずは取引のある企業に電子化の対応状況を確認しましょう。

電子化のリスクを把握する

ペーパーレス化を進める前に、リスクがあることも把握しておきましょう。

ペーパーレス化ではデータの管理・運用を、ペーパーレス化に用いるツールや機器に依存することになります。そのため、障害が発生してサービスが中断したりデータを紛失したりする恐れがある点に注意が必要です。

また、サイバー攻撃によって情報漏洩するリスクも考えられます。リスクを最小限に抑えるためにも、導入するツールやサービスがどのようなセキュリティ対策や、バックアップ体制を備えているか事前に確認しておきましょう。

関連記事:クラウドの安全性って大丈夫?安全なサービスの見極め方や有効なセキュリティ対策を解説!

電子データにアクセスできる環境を整える

ペーパーレス化を進める際は、社員が電子データへアクセスできる環境を整備しましょう。

具体的には、ファイルを保存・共有するためのサーバーやクラウドストレージを用意し、社員ごとのアカウント発行やフォルダ構成の設計を進める必要があります。利用目的に応じて閲覧や編集の権限を設定すれば、セキュリティを確保しながら業務効率を上げられます。

また、業務で使用するパソコンやタブレットなどの準備も欠かせません。初期設定やセキュリティソフトの導入、アカウント登録を一括で済ませれば、導入後もスムーズに運用できるでしょう。

失敗しないためのペーパーレス化の進め方

ペーパーレス化を進めるには、失敗を避けるために事前に導入手順を確認しておくことが重要です。具体的なペーパーレス化の進め方は、以下のとおりです。

  1. 目的とゴールを明確にする
  2. 電子化する書類・情報の優先度を決める
  3. 各部署のペーパーレス化担当を決めてヒアリングを行う
  4. ツールを選定する
  5. 運用ルールを決める
  6. 社員に周知して実行する
  7. 効果分析・改善を行う

以下では、各手順について詳しく解説します。

1.目的とゴールを明確にする

まず、ペーパーレス化によって達成したい目的とゴールを明確にしましょう。

目的がはっきりしていないと社員にペーパーレス化のメリットが伝わりにくくなります。人によっては「ツールの使い方がわからないから紙のままでいい」と思ってしまい、ペーパーレス化が進みづらくなるおそれがあります。

目的を考える際は、コピー用紙やインク代などのコスト削減、労働生産性向上といったKPIもあわせて設定していくのもポイントです。具体的な数値目標を掲げることで、社員と目的を共有しやすくなります。

2.電子化する書類・情報の優先度を決める

次に、電子データに完全移行したい書類・情報を洗い出し、優先順位をつけましょう。

一度にすべての書類を電子化するのは時間と労力がかかります。そのため、優先順位が高いものから段階的に導入できるよう、スケジュールを組みます。

優先順位は、重要度が高い書類や、導入効果が明確に出やすいものを高めに設定するのがポイントです。たとえば、電子帳簿保存法で定められている書類のように法律が絡むものや、とくに印刷コストがかかっている書類などがあります。

3.各部署のペーパーレス化担当を決めてヒアリングを行う

会社全体での方針が決まったら、部署ごとにペーパーレス化を推進する担当者を決めましょう。

担当者にはペーパーレス化の目的を共有したうえで、認識のすり合わせを行います。現時点での業務フローを把握しながら、書類・情報の電子化が現場の実情にあっているか確認することで、現場目線のペーパーレス化計画が立てられます。

さらに担当者を通して社員のITリテラシーを把握しておくことも、適切なツールを選ぶうえで重要なポイントです。

4.ツールを選定する

次に、ペーパーレス化に必要なツールを選びます。

ペーパーレス化に使えるツールは多種多様にあるため、迷ってしまう方も多いでしょう。しかし、目的や企業規模、社員のITリテラシーなどの観点から比較していくことで、自社にあったツールを絞り込めます。

ある程度候補が出せたら、無料トライアルを活用して現場の社員にも使ってもらい、使用感をヒアリングするのがおすすめです。

5.運用ルールを決める

ツールを導入する際は、運用ルールを決めましょう。ルールがないままでは、情報の属人化や検索性の低下を招き、生産性を落とす原因になりかねません。

効果的にツールを導入するためにも、業務フローやファイル名、入力フォーマットなどの運用ルールを決めることが大切です。作成したルールはツールの使い方を含めたマニュアルとしてまとめておくと、導入後にわからないことがあっても社員が自力で解決しやすくなります。

6.社員に周知して実行する

ペーパーレス化の詳細や運用ルールを全社に発信し、必要に応じて説明会などを開催して社員の理解を深めましょう。とくに、本格導入前に質疑応答の機会を設けることは、スムーズなペーパーレス化を実現するためにも重要です。

社員の不安を事前に解消することで、ペーパーレス化を浸透させられるでしょう。

7.効果分析・改善を行う

ペーパーレス化は、導入して終わりではありません。導入後は事前に決めたスケジュールやKPIにもとづいて、定期的に効果を分析することが重要です。

もし目標が未達成であったり、運用がうまくいっていなかったりする場合は、原因を究明して運用ルールを見直しましょう。

ペーパーレス化をスムーズに進めるポイント

ペーパーレス化で期待通りの成果を出すには、以下の5つのポイントを確認しておきましょう。

  • 段階的に進める
  • 目的のデータを探しやすいよう整備する
  • 何に紙文書を使っているか洗い出す
  • 社員のITリテラシーに合ったツールを選ぶ
  • システム障害や災害に備える

スムーズなペーパーレス化を実現するためにも、以下では各ポイントを紹介します。

段階的に進める

ペーパーレス化は、段階的に進めることが重要です。

対象の書類や情報をすべて同時にペーパーレス化しようとすると、業務フローが大幅に変わるため社員が対応しきれない可能性があります。そのため、少しずつペーパーレス化を進めることがポイントです。社員のペーパーレス化への抵抗感を減らし、スムーズに導入できるようになるでしょう。

目的のデータを探しやすいよう整備する

ペーパーレス化で業務効率化を実現するには、ただ書類を電子化するだけでなく、電子化した情報を活用しやすい仕組みを作ることも重要です。

ファイル名のルールが統一されていなかったり、複数のフォルダやツールに分散してしまったりしている状況では、ペーパーレス化に成功しているとは言えません。

目的のデータが探しづらかったり、間違った情報を参照してしまったりして、かえって生産性が下がってしまいます。

そうした事態を避けるためにも、情報の整理やバージョン管理が簡単に行えるツールや、検索性の高いツールを選ぶと良いでしょう。

何に紙文書を使っているか洗い出す

ペーパーレス化をスムーズに進めるには、まず社内でどのような業務に紙文書が使われているかを洗い出しましょう。

会議資料や稟議書、契約書、請求書など、日常業務のどの場面で、どれくらいの紙が使われているのかを具体的にリストアップします。現状を整理することで印刷コストがかかっている業務や、電子化により効率化を見込める業務が可視化されます。

紙文書をまとめることで、優先的に取り組むべき対象が明確になり、効果的で無駄のない導入計画を立てられるでしょう。

社員のITリテラシーに合ったツールを選ぶ

社員のITリテラシーに差がある場合、操作が複雑なツールを導入してしまうと使いこなせず、ペーパーレス化が進まない可能性が高まります。ツールを選ぶうえで重要なのは、ITが得意な人だけでなく、全社員がストレスなく使えることです。

たとえば、説明書を読まなくても直感的に使えるツールや、マルチデバイスに対応したツールであれば、ペーパーレス化を後押ししやすくなるでしょう。

システム障害や災害に備える

ペーパーレス化の導入では、システム障害や災害への備えを考えておくことも重要です。

電子データは便利ですが、システム障害やサイバー攻撃などにより、データを失うおそれがあります。予期せぬトラブルを防ぐためにも、定期的にバックアップを取得し、障害発生時にも業務を止めずに復旧できる仕組みを整えましょう。

一方で、紙の資料も火災・水害・紛失などの物理的なリスクがあり、必ずしも安全とはいえません。ペーパーレス化によりデータをクラウド上で管理すれば、複数拠点でバックアップを持つことも可能になります。結果として、災害や事故に対する備えを強化し、事業継続性を高めることにつながるでしょう。

ペーパーレス化を進めることによる課題と解決策

ペーパーレス化は、便利さと効率性を高められますが、導入や運用において課題もあります。とくに、以下の2点は企業が直面しやすい課題です。

  • システムに慣れるまで時間がかかる
  • 長期的な運用が考えられていない

以下では、ペーパーレス化による課題と解決策について解説します。

システムに慣れるまで時間がかかる

ペーパーレス化の課題として、従業員が新しいシステムに慣れるまで時間がかかることが挙げられます。

新しいシステムの導入は、ITに苦手意識を持つ人や操作の習得に時間を要する人にとって負担になります。また、長年慣れ親しんだやり方を変えることに対し、今までの方法で満足していた人からは、非効率的に感じられることもあるでしょう。

課題を解決するには、ツールの導入と並行して、操作研修会を定期的に開催したり、気軽に質問できるヘルプデスクを設けたりするのが効果的です。全社員が問題なく使えるような環境を整えることで、ペーパーレス化がよりスムーズに進められます。

長期的な運用が考えられていない

ペーパーレス化の運用がうまくいかない場合、長期的に考えられていないことが原因に挙げられます。

ペーパーレス化は、導入してすぐに定着するものではありません。短期的な成果を急いで進めようとすると、現場の混乱を招き、結果として運用が途中で止まってしまう可能性があります。

課題を解決するには、あらかじめ中長期的な計画を立てましょう。また、どの文書から電子化するか、導入ツールの選定時期、業務や部署ごとの移行スケジュール、最終的な完了目標までを段階的に整理することが重要です。

ペーパーレス化を進める4つのメリット

ペーパーレス化を進めることには、以下の4つのメリットがあります。

  • 生産性が向上する
  • コストを削減できる
  • テレワークに対応できる
  • セキュリティ強化につながる

メリットを理解したうえでペーパーレス化を進めると、最大限の効果を引き出せます。以下では、各メリットについて詳しく解説します。

生産性が向上する

ペーパーレス化は、業務上の無駄を削減し、生産性を向上させます。従来の紙媒体の業務では、書類を探す、印刷して配布する、承認印をもらうために移動するなど、非効率な作業が発生していました。

しかし、ペーパーレス化により電子媒体での運用に変更すると、必要な情報はキーワード検索で瞬時に見つけ出せるようになります。また、ワークフローシステムを活用すれば申請・承認プロセスもオンラインで完結し、意思決定のスピードが向上するでしょう。

さらに、普及が進む電子契約システムを利用すれば、今まで紙と印鑑で行っていた契約作業も、デジタル上でスムーズに進められるようになります。

コストを削減できる

ペーパーレス化は、コストの削減につながります。

まず、用紙代やトナー・インク代、複合機のリース・メンテナンス費用など、業務で発生する印刷関連コストが大幅に削減されます。また、データをクラウド上で運用すれば、紙の書類を郵送する際の送料や、機密文書を廃棄処分するための専門業者への委託費用も不要です。

さらに、紙書類の保管に必要だったキャビネットや外部倉庫の賃料などの保管コストも必要なくなります。データをサーバーやクラウドに集約すれば、オフィススペースの有効活用にもつながるでしょう。

テレワークに対応できる

ペーパーレス化は、テレワークをはじめとする場所にとらわれない働き方に対応できます。電子化されたデータはオンラインで取り扱えるため、クラウド上に保存したファイルには社内外を問わずアクセス可能です。そのため、商談中に外出先から必要な資料を確認したり、その場で修正したりすることもできます。

とくにテレワーク環境では、紙書類を使う際は郵送や持ち帰りの手間がかかります。しかし、電子文書ならメールやチャットツールから瞬時に共有できるため、スムーズな情報連携が可能になり、業務効率を向上させられるでしょう。

セキュリティ強化につながる

ペーパーレス化は、セキュリティ強化につながります。

文書を電子化すれば、ファイルやフォルダごとにアクセス権限を設定でき、権限のない社員による不正な閲覧や改ざんを防止します。また、バックアップ機能があるツールで管理すれば、万が一データが損失しても復元できるため、重要な情報を失うリスクの軽減が可能です。

一方、紙の文書はプリンターへの置き忘れや、人的ミスによる情報漏洩のリスクがあります。ペーパーレス化は不要な印刷や複製を減らすことで、文書の紛失や社外流出などの危険性を根本から低減できます。

ペーパーレス化を進めるのに便利なツール

ペーパーレス化に必須なツールは、以下のとおりです。

  • OCR
  • オンラインストレージ
  • 文書管理システム

以下では、それぞれのツールの概要や、活用するメリットを紹介します。

OCR

OCRとは、PDFや画像からテキスト情報を読み取り、テキストデータに変換するツールです。

印刷された文字だけでなく、手書きの文字も判別してテキストデータに変換するため、紙媒体しかない書類も電子化が可能です。GoogleドキュメントにもOCR機能がありますが、一つずつテキストを抽出する必要があるため、大量の書類を電子化するには手間がかかります。

本格的にペーパーレス化を進めるのであれば、AIにより高精度な読み取りと一括処理に対応するOCRツールの導入がおすすめです。

関連記事:【2025年版】AI OCRおすすめ6選を徹底比較!

オンラインストレージ

オンラインストレージは、クラウド上でデータを保存するツールです。

データをクラウド上で一元管理するため、インターネット環境さえあれば、社内外のどこからでもアクセスできます。そのため、リモートワークや外出先からでも、スムーズなデータ共有が可能です。

さらに、ツールによってはファイルのバージョン管理や複数人での同時編集などに対応しているサービスもあるため、共同作業の効率を向上できる点も魅力です。

関連記事:【2025年最新】オンラインストレージ・クラウドストレージ比較20選!おすすめのサービスも紹介

文書管理システム

文書管理システムは、さまざまな電子文書を保管・活用するためのツールです。オンラインストレージとの違いは、文書に特化した機能がついているケースが多いことです。

たとえば、文書管理システムは以下のような機能を備えています。

  • 検索機能が高性能で、添付ファイルの中身も含めた全文検索に対応
  • 各種稟議書の申請・承認を自動で行うワークフロー機能
  • 保管期限を設定できるライフサイクル管理に対応

文書管理システムに備えている充実した機能は、さまざまな電子文書の作成・管理・活用を後押ししてくれるため、ペーパーレス化を成功に導きやすいでしょう。

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ペーパーレス化を進めるためのツールの選び方

ペーパーレス化を効果的に進めるには、自社の業務に合ったツールを選ぶことが重要です。ツール導入後に使いづらさやコスト面で不安を感じないよう、ツール選びの際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • コストは妥当か
  • 操作がわかりやすいか
  • サポート体制が整っているか
  • 導入前のトライアルがあるか
  • 既存システムと連携できるか

以下では、選び方について具体的に解説します。

コストは妥当か

ペーパーレス化ツールを導入する際は、費用に見合った効果が得られるかどうか、コストの妥当性を検討することが重要です。

ツールによっては機能が多すぎたり、容量が過大であったりして、結果的にコストが割高になる場合もあります。導入前に自社の業務フローを踏まえ、どのくらいの頻度で利用するか、どの業務の効率化につながるのかを具体的にシミュレーションすることが大切です。

自社の課題に直結する機能を洗い出し、本当に必要なものだけを備えたシステムを選ぶことが、ペーパーレス化をスムーズに進められるようになるポイントです。

操作がわかりやすいか

ペーパーレス化ツールを選ぶ際は、全社員にとって操作がわかりやすいかどうかを確認しましょう。

高機能なツールを導入したとしても、社員が使いこなせなければ、かえって業務効率が低下するおそれがあります。とくに紙中心の業務に慣れた組織では、新しいシステムに抵抗感を示す人もいるでしょう。

操作がわかりやすく、IT経験の浅い社員でも短期間で使い方を理解できるツールであれば、早期の導入効果が期待できます。ただし、機能が複雑すぎると教育コストが増大し、定着に時間がかかるため、誰でも簡単に使えるツールを選ぶことが重要です。

サポート体制が整っているか

導入後のサポート体制が充実しているかどうかも、ペーパーレス化ツールを選ぶ際の重要な判断基準です。高機能なツールでも、操作方法がわからなかったり、トラブル時に自力で解決できなかったりすれば、うまく活用できないおそれがあります。

そのため、運用開始時のサポート体制を必ず確認しましょう。マニュアルやFAQが整備されているか、またチャットや電話、メールなどで直接問い合わせできるサポート窓口があるかまで事前に確認しておくと、万が一のトラブルの際も安心感があります。

手厚いサポート体制は、導入後の安定した運用につながるでしょう。

導入前のトライアルがあるか

ペーパーレス化ツールを選ぶ際は、導入前にトライアルがあるか確認しましょう。多くのツールには、一定期間無料で使えるトライアル版や無料プランが用意されています。

導入を決める前に試しておくと、操作性や機能が自社の業務に合うかどうかを確かめられます。また、トライアルにより「思っていた操作感と違った」「必要な機能が足りなかった」のような導入後のミスマッチを未然に防ぐことが可能です。

既存システムと連携できるか

ペーパーレス化ツールを選ぶ際は、既存システムと連携できるかも重要なポイントです。ツールは単体で使うより、社内の既存システムと連携させることで効果を発揮します。

たとえば、経費精算ツールと会計ソフトが連携できないと、データを手作業で入力し直すことになり、効率化の意味が薄れてしまいます。ツールの効果を最大限引き出し、業務効率化を図るためにも、導入前には現在利用している業務システムとの連携方法を確認することが重要です。

ペーパーレス化に役立つ文書管理システムなら「NotePM」


URL:https://notepm.jp/

NotePMは、社内の情報を電子化して一元管理し、ペーパーレス化を進めるための機能が充実した文書管理システムです。

NotePMの特徴は、資料や情報をすぐに見つけられる検索機能です。ファイル名だけでなく、PDFやWord、Excelなどのファイルの中身まで検索対象となります。そのため、膨大なデータのなかから必要な情報をすぐに見つけ出すことが可能です。

また、Web上で文章執筆や画像編集ができるエディタで、マニュアル作成をスムーズにできるため、情報共有もしやすい環境が整います。

さらに、通信の暗号化や24時間365日のサーバー監視などのセキュリティ対策も充実しており、企業の重要な情報を安全に管理できる点も魅力です。

NotePMを使ったペーパーレス化の成功事例

ペーパーレス化を進める企業のなかには、NotePMの活用により成果を上げている事例もあります。代表的な成功事例として、以下の3社が挙げられます。

  • 大東電業株式会社
  • 株式会社ホタルクス
  • 株式会社ベクトル

以下では、NotePMを活用したペーパーレス化の成功事例について解説します。

大東電業株式会社

大東電業株式会社

送電線・情報通信工事を行う1962年創業の老舗企業「大東電業」では、情報共有方法に課題を感じていました。以前は全社へのお知らせはメールで、人事通知や社内表彰などの情報は紙で郵送していましたが、社員の多くは工事で外出しているため、重要な情報が届きにくい状況でした。

そこで導入したのが、文書管理システムの「NotePM」です。NotePMの導入後は、社内向けのお知らせにくわえて、議事録や報告書(日報など)、新入社員向けマニュアルなどを共有するために活用しています。

スマホやタブレットから確認できるので、より多くの社員に見てもらえるようになりました。閲覧履歴が残るうえ、スタンプやコメントで反応がもらえるため、社内コミュニケーションも活性化しました。

関連記事:【導入事例】社内報・人事通達・会社連絡を紙運用から電子化に成功!現場社員に情報が届くようになった – 大東電業株式会社

株式会社ホタルクス

株式会社ホタルクス

照明メーカーの株式会社ホタルクスは、「NotePM」の導入により、ペーパーレス化と顧客対応の効率化を実現しています。

NotePM導入前は、知識が個人のメモに依存して属人化し、特定の熟練スタッフに頼る体制が課題でした。しかし、新しい商品発売のために、今までの体制では問い合わせ対応が追いつかなくなっていました。

そこで、マニュアルや製品情報、社内FAQをNotePMに集約した結果、1件あたりの対応時間が半減し、問い合わせ応答率は約10%向上しています。さらに、紙資料の削減も進み、スタッフの負担軽減と業務効率化を同時に達成しています。

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株式会社ベクトル

株式会社ベクトル

株式会社ベクトルは「NotePM」の導入により、ペーパーレス化が促進され、業務効率を大幅に向上させています。

以前は紙のマニュアルを社員間で順番に回して閲覧していました。しかし、紙による管理は徐々に量が増えて、どれが最新情報かわからないという問題が生じていました。

そこで、NotePMを導入したところ、必要な情報が見つけやすくなり、業務効率化が実現しています。その結果、窓口業務で7〜8分かかっていた対応が5分以内に終わるようになり、効率的に業務を進められるようになっています。

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ペーパーレス化の進め方や成功事例を参考に効率的な働き方を実現させよう

ペーパーレス化は、コスト削減や業務効率化、働きやすさの向上など、企業と社員の双方にメリットがあります。しかし、ペーパーレス化の導入には費用も手間もかかるため、実現するのは簡単ではありません。

ペーパーレス化により業務効率化を目指すには、しっかりと事前準備を進めたうえで、社内にペーパーレス化の目的を適切に共有し、段階的に導入していきましょう。社員が無理なく取り組めるよう、電子化した情報の共有には使いやすく、情報を見つけやすいツールを選ぶのもポイントです。