【2024年版】AI OCRおすすめ6選を徹底比較!

2024年10月17日(木) AI

事務処理の効率化のために普及してきたOCRが、AI技術を搭載して大きく進化しています。従来は人の手で設定された内容に沿って読み取り処理を行う補助装置という位置づけでした。しかし、最新のソフトウェアでは人工知能が持つ学習機能によって、より人の手を離れる自動化に近づいてきたと企業から注目を集めています。

本記事では、AI OCRの基本的知識、AI OCRのメリットやデメリット、またAI OCRを導入する際のポイントをはじめ、おすすめのAI OCRを紹介します。

AI OCRとは何か

手書き文字や印刷された文字をイメージとして読み取り、デジタル文字に変換する技術をOCR(Optical Character Recognition/Reader)といいます。事前に設定した情報を元に読み取りを行うため、読み取りたい単語を増やしたいときなどは都度設定変更を行う必要がありました。これに対してAI OCRは、従来のOCRにAI技術(人工知能技術)を盛り込んだ発展型のシステムです。AI技術の特徴である深層学習により、人が登録しなくても自発的に単語を覚えて読み取ったり、定型帳票ではないフリーフォーマットの文書にも対応したりと高い汎用性から業務効率の改善が期待されています。

AI OCR導入のメリット

AI OCR導入のメリットは、以下の3つです。

  • RPAとの連携が可能
  • 文章の流れを考慮した読み取りが可能
  • 業務効率の向上が期待できる

それでは、1つずつ見ていきます。

RPAとの連携が可能

AI OCR導入のメリットの1つ目は、RPAとの連携が可能なことです。RPA(Robotic Process Automation)はPCで行う定型業務を自動化するシステムです。連携イメージについて請求書発行業務を例に説明します。従来のRPAで行う処理は、取引先リストと請求データを突合して自動で請求書を印刷するといった単純作業でした。請求書を印刷するための元データ作成は人の手で行わなければならず、印刷前の入力作業や確認作業に時間を取られていました。

ここにAI OCRを連携すると、注文書の受領時点から業務をシステム化することが可能です。まずAI OCRで注文書のスキャンイメージから明細情報を抜き出し、会計システムに合わせた形にデータの自動仕訳を行ってシステムに登録します。その後、会計システムから出力される請求データを元にRPAで請求書発行処理を行います。担当者は適宜データの正誤確認を行うだけでよいため、事務処理時間の大幅短縮が期待できます。

関連記事:【2024年版】RPAツール・製品 おすすめ10選を徹底比較!

文章の流れを考慮した読み取りが可能

AI OCR導入のメリットの2つ目は、文章の流れを考慮した読み取りが可能なことです。従来のOCRは文脈を考慮しないため、淡々とシステムが認識した通りの変換を行います。その結果、文書とは関係ない類似文字として読み取る場合もあるため、担当者は一文字ずつ確認する必要がありました。これに対してAI OCRは単語や前後の文脈から読み取りが可能なため、細かな確認を省略できることにより業務の効率化が見込めます。

業務効率の向上が期待できる

AI OCR導入のメリットの3つ目は、業務効率の向上が期待できることです。これまで人が担当していたデータ入力作業をAI OCRが行うことで作業効率の向上が期待できます。従来のOCRでも一定の効果を得ることはできましたが、誤った読み取りと修正に時間を要することもあり想定以上の効果を感じにくいことがありました。しかしAI OCRは学習機能によって精度が高まるため、回数を重ねるごとに担当者の作業が最低限で完了できるようになり作業時間短縮の実感を期待できます。

AI OCR導入のデメリット

AI OCRのデメリットは、精度があがっても人の手を離れることは難しいということです。システムという性質上、自身で対処できない何らかのトラブルが発生した場合に停止することがあります。停止に気づかず放置してしまうと当日の作業ノルマが達成できずスケジュール遅延など後工程に影響を及ぼす可能性もあるため、担当者が定期的に確認する作業が必要です。また、人の目で判断が難しい手書き文字は正確に読み取れないことも少なくありません。システム導入と併せて担当者の稼働を削減しすぎてしまうと、後々余計なコストが発生する場合があるので運用ルールをしっかりと定めて活用することが大切です。

AI OCRの導入で押さえたいポイント

AI OCRの導入で押さえたいポイントは、以下の2つです。

  • 読み取ったデータを確認する工数を確保しておく
  • 情報漏えいのリスク対策を検討する

それでは、1つずつ見ていきましょう。

読み取ったデータを確認する工数を確保しておく

AI OCRの導入で押さえたいポイント1つ目は、読み取ったデータを確認する工数を確保しておくことです。どんなに読み取り精度が高いサービスでも100%完全にミスをしないシステムは存在しません。そのため、システムの読み取りが完了した後に人の目で確認する工程を必ず設けましょう。自社での確認が難しい場合は、確認や修正作業をアウトソーシングするサービスもあるので状況に応じて利用を検討することもおすすめします。

情報漏えいのリスク対策を検討する

AI OCRを導入で押さえたいポイント2つ目は、情報漏えいのリスク対策を検討することです。これまではオンプレミス型が多かったOCRシステムですが、近年はクラウド型のサービスも多くリリースされています。導入が容易で使用環境に左右されないなどのメリットが多い反面、外部に情報を持ち出すことになるためセキュリティが心配です。利用したいサービスのセキュリティが自社要件を満たしているか、サービス仕様の確認をおすすめします。また、取り扱うデータが個人情報や機密情報の場合はオンプレミス型のサービスにするなど用途に合わせて柔軟に変更しましょう。

AI OCRのおすすめ6選を徹底比較!

ここでは、AI OCRのおすすめ6選を紹介します。

Tegaki

Tegakiは、手書き文字の認識率99.2%の高精度を誇るAI OCRサービスです。ディープラーニングを活用した独自開発のアルゴリズムを使用し、ひらがな・カタカナ・漢字・数字・アルファベット・記号など、幅広い手書き文字を認識します。クラウド・オンプレミスのどちらにも対応しており、要望に応じたカスタマイズも可能です。

Tegakiの特徴

  • スキャナやカメラで撮影したPNG/JPG/PDFを高速で読み取り
  • 50社を超えるパートナーとシステム連携可能
  • 金融機関や公的施設でも多く採用される高い信頼度

URL: https://www.tegaki.ai/

 

スマートOCR

スマートOCRは非定型帳票の読み取りに強いAI-OCRサービスです。読み取り箇所をエリア指定する定型帳票方式のAI-OCRに比べ、指定したキーワード周辺にある値を抽出する非定型帳票方式は少ない帳票定義テンプレートで運用することができ、帳票の書式変更にも対応しやすいことが特徴です。また、料金体系が枚数単位となっており、読み取り項目数単位のAI-OCRサービスに比べて料金体系はリーズナブルかつシンプルです。

スマートOCRの特徴

  • 非定型帳票を得意とし、複雑なレイアウトの表データも抽出が可能
  • 画像のゆがみや傾きを補正する高度な前処理により、スマホ写真のデータ化も高精度
  • RPA要らずで共有フォルダ、メール、FAXと連係しOCR処理の自動化が可能

URL: https://www.smartocr.jp/

 

e.Typist v.15.0

e.Typist v.15.0は、世界58ヶ国語に対応しているPCインストール型のOCRソフトです。活字文書は元原稿の文字がつぶれたりかすれたりしていても補正しながら認識するため、高い認識率で変換処理を行います。高性能でありながらパッケージライセンスは1つあたり2万円前後と導入しやすい価格も魅力です。

e.Typist v.15.0の特徴

  • 背景・カラー文字・表レイアウトを抽出して元原稿に近い状態をWordやExcelへ再現
  • パソコンから転送されたファイルをスマートフォンやタブレットで受信して管理できるアプリあり
  • 無料で試せる体験版あり

URL: https://mediadrive.jp/products/et/

 

AnyForm OCR

AnyForm OCRは、信頼精度99.97%を実現するオンプレミス型の帳票データ化ソフトです。性質の異なる従来のOCRとAI OCRを同時使用する特許技術「WOCR」を搭載し、人手のかかる確認作業を大幅に削減します。社内システムとの連携による効率化機能の他に、手書きの日本語の認識精度を強化するオプションも提供しています。

AnyForm OCRの特徴

  • ノンプログラミングなので自社で帳票設計可能
  • Microsoft SQL Serverを利用した基幹システムなどのマスターデータをダイレクト参照
  • 帳票処理の優先度に応じた帳票の自動振分機能

URL: https://www.hammock.jp/anyform/

 

DX Suite

DX Suiteは、2020年度AI OCR市場シェアNo.1のクラウド型のAI OCRサービスです。月々の利用量に応じて3つのプランから選択できます。それぞれの月額費用に読み取り無料枠が含まれていますが、枠を超過すると以降の読み取りは従量課金となります。月額費用も高額ではないため、繁忙期の波によって読み取り量が変動するという企業におすすめです。

DX Suiteの特徴

  • ユーザーの多くが採用の決め手に選んだ手書き文字の高い認識精度
  • 事前の読み取り枠の設定が不要で、項目を選択するだけで該当データを抽出
  • 1か月間有料で機能を確認できるトライアルプランあり

URL: https://dx-suite.com/

 

LAQOOT

LAQOOTは、システムと人による作業を組み合わせた読み取りで認識率100%を実現させるクラウド型のAI OCRサービスです。ユーザーがイメージをアップロードすると、AI OCRで読み取ったデータをクラウド上の作業者がチェック・修正してユーザーへ送信します。ユーザーは人のチェックが完了した精度の高いデータを受領するため、最終確認と最低限の修正作業のみの自動化を実現することが可能です。

LAQOOTの特徴

  • イメージのOCRをほぼ完全に自動化
  • 日本語と英語の2言語に対応
  • ブラウザ提供サービスのため他社RPAと連携設定することが可能

URL: https://laqoot.com/

 

まとめ

本記事では、AI OCRの基本的知識、AI OCRのメリットやデメリット、またAI OCRを導入する際のポイントをはじめ、おすすめのAI OCRを紹介しました。労働人口が減少している現代において、単純作業を効率化していくための施策は多くの企業の課題となっています。AI OCRを活用した業務改善で、新しい企業価値を発掘してみませんか。まずはお試しから新たな可能性を見つけてみましょう。

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