こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。
企業のペーパーレス化を実現するには、社員の協力が欠かせません。しかし、社内でペーパーレス化を推進しているものの、現場から「意味がないのでは」「かえって不便になった」といった不満の声が上がって困っているケースもあるでしょう。実際、ペーパーレス化を含むDXは、順調に進んでいる企業よりも難航しているケースのほうが多いようです。
そこで今回は、ペーパーレス化がうまくいかない理由を6つ紹介します。ペーパーレス化のメリットや、課題を乗り越えてスムーズに実現するコツについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ペーパーレス化の現状
そもそもペーパーレスとは、紙媒体をデジタル化する取り組みのことです。「DX白書2023」によると、事業規模の小さい企業ほどペーパーレス化を含むDXが進んでいない傾向にあります。医療・福祉業界はとくに低く、2020年までに取り組んでいる法人の割合は全体の9.3%です。IT業界をのぞいて依然として低い傾向にあり、ほかにも小売・飲食・サービス業や運送業などではDXが進んでいない企業の数が目立ちます。
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「ペーパーレス化は意味ない」と言われる理由
そもそも、ペーパーレス化について社員から不満が出る原因はどこにあるのでしょうか。主な理由を6つ紹介します。
手書きメモやハンコ(物理印)と併用している
アナログとデジタルが混在してしまい、かえって手間が増えてしまっていることが原因です。
紙媒体には、手書きで直接メモを書き込んだり、付箋を貼ったり、赤ペンでマーキングできたりといった魅力があります。しかし、データ化することで勝手が変わってしまったことで、使いづらさを感じて「ペーパーレス化は意味がないのでは」と言われるかもしれません。
また、物理印での押印が必須のままだと、プリントアウトして押印しスキャンで読み込むという手間が発生します。工程がかえって増えていることで、「すべて紙のままのほうが早いのでは」と感じてしまうでしょう。
社員のITリテラシーが不足している
ペーパーレス化には、オンラインストレージや文書管理システム、OCRといったITツールが欠かせません。しかし、ペーパーレス化ツールを導入しても社員がツールの使い方がわからないと、旧来のままの方法で情報共有・保管や文書作成がされてしまいます。
導入コストが高額で予算の確保が難しい
ペーパーレス化のために導入するツールには、費用が高額なものもあります。たとえばOCRの費用相場は、初期費用が10〜20万円、月額費用が1〜3万円程度です。利用人数が多いほど高額になるため、企業規模によってはかなりの負担になるかもしれません。このように導入するにも継続的に使用するにもコストがかかるため、経営層がペーパーレス化への理解がないと導入が難しいでしょう。
システム障害のリスクがある
ペーパーレス化の範囲によっては、ツールや機器に障害が起きると業務が正常に行えなくなってしまうことがあります。また、サイバー攻撃によって情報漏洩のリスクも考えられるでしょう。ペーパーレス化ではそうしたリスクを完全に払拭するのは難しいため、「意味がない」と言われることがあります。
書類や情報を探しづらい
紙媒体を自分でファイリングしていた時と比べて、ペーパーレス化後に探している情報や書類を探すのに時間がかかってしまうケースもあります。その原因は、複数のツールを導入して情報が分散してしまったり、ファイル名の表記が統一されていなかったりすることです。自力で目的の情報が探し出せないと、結局人に直接問い合わせることになってしまいます。問い合わせ件数が増加し、業務効率が低下するリスクもあるでしょう。
具体的な効果が見えづらい
ペーパーレス化は基本的に売上へ大きく影響することはないため、効果が測りづらい傾向にあります。コピー用紙やインク代などは削減効果が出やすいものの、ペーパーレス化にあたってツールの導入費用が追加でかかっています。そのため、導入時にしっかり目標を設定していないと「あまり効果が出ない」という印象を持ってしまうリスクがあるでしょう。
ペーパーレス化のメリット
ペーパーレス化の進め方によってはデメリットが目立つケースもありますが、メリットもあります。あらためてペーパーレス化のメリットを振り返ってみましょう。
業務効率化を実現できる
ペーパーレス化した書類・情報はデジタルデータのまま共有するため、印刷にかかる手間が不要になります。たとえば見積書や請求書などに押印する場合、紙媒体では印刷→押印→スキャンという段階を踏む必要があります。しかし、電子印鑑を活用してデジタルのみで完結できれば、スピーディーに対応可能です。また、情報共有もメールやチャットなどを使ってオンタイムで簡単に行えます。そのため、業務効率化に効果的です。
セキュリティを強化できる
セキュリティの観点でも、ペーパーレス化は魅力的です。紙媒体を厳重に管理するには、鍵のついたキャビネットなどが必要です。一方で、ペーパーレス化に用いるクラウドツールは、強固なセキュリティ対策が行われています。そのため、盗難や紛失のリスクを抑えられるでしょう。
コストを削減できる
ペーパーレス化によって、印刷や保管にかかるコストを削減できます。そのうえ、印刷やファイリングに必要だった時間を他の業務に当てられるため、残業削減につながる可能性もあります。ペーパーレス化の効果を把握するためにも、現時点で紙媒体の印刷や管理にかかっているコストを把握すると良いでしょう。
バックアップが簡単になる
紙でしか存在しない書類は、物理的に紛失してしまうと、情報そのものが失われる。クラウド上に保管すると、ベンダーが契約しているサーバーにデータを保管することになる。仮に会社の所在地が火災や地震などの災害が起きてもデータは無事なため、事業継続性を高められる。
情報検索性が向上する
電子化した情報の保管場所を把握していれば、キーワードを入力するだけで簡単に探し出せるようになります。紙の辞書よりも電子辞書のほうが、素早く目当ての項目にたどり着けるのと同じ理屈です。書類や情報をしっかり整理していれば、紙媒体よりも目的の情報を探しやすくなるでしょう。
環境問題や働き方の多様化につながる
紙の使用量削減によって、環境問題に配慮する企業姿勢をアピールできます。さらに、業務で扱う情報・書類を電子化することで、オフィス以外の場所でも働きやすくなることも魅力です。リモートワークに対応することで、社員の定着率アップにもつながるでしょう。
ペーパーレス化を実現するポイント
ペーパーレス化にあまり協力的ではない社風の企業で、ペーパーレス化を成功に導くためのコツを4つ紹介します。ペーパーレス化の詳しい進め方は次の記事で紹介していますので、あわせて確認してみてください。
関連記事:ペーパーレス化の進め方とは?便利なツールや成功事例を紹介 – NotePM
経営陣や従業員の理解を得てリソースを確保する
ペーパーレス化を進めるには、手間も費用も必要です。また、ペーパーレス化にともない社員全員が業務フローを変えることになるため、1人ひとりの協力が欠かせません。まずは目的や目標数値を明確にしたうえで、経営陣や従業員を説得していきましょう。
段階的に導入する
ペーパーレス化することで業務フローも変わるため、一気に進めてしまうと社員が対応しきれない可能性が高いでしょう。優先順位をつけて段階的に導入していくことで、無理なく実現しやすくなります。
スマホやタブレットなどの身近な端末を活用する
ペーパーレス化用のツールをPCのみに対応しているものを選んでしまうと、ペーパーレス化の範囲が限られてしまいます。とくに、小売店や飲食店のようにスタッフ全員がPCを使用するわけではない職場では、「ペーパーレス化は意味がない」と捉えられやすくなるでしょう。そうしたリスクを避けるためにも、スマホのように日常的に使用しているデバイスで使えるツールを選ぶことで、ペーパーレス化のハードルを下げられます。
導入効果を見える化する
印刷費のコストカットや労働生産性などの目標数値を設定し、達成度を随時共有することも重要です。進捗状況を具体的に伝えることで、社員もペーパーレス化の効果を理解しやすくなります。
ペーパーレス化の注意点
企業内のすべての書類や情報をペーパーレス化すればいいわけではありません。ペーパーレス化が向いているのは、他の人と共有する情報と、稟議書のようにフォーマットが決まっている情報です。e-文書法でも、緊急時に必要な書類や、免許証・許可証のように現物性が高い文書はペーパーレス化の対象外となっています。
ペーパーレス化の成功事例
中国・四国エリアでドラッグストアを運営する「ザグザグ」では、店舗スタッフ用マニュアルを紙で印刷してファイリングし、店舗スタッフに共有していました。また、マニュアルは社員各自がExcelで作成していたため、店舗によって内容が変わっていたそうです。
しかし、スタッフから使いづらいという声が挙がり、管理方法を見直すことになり、ペーパーレス化を推進しました。ペーパーレス化に活用するために、検索しやすく、機能がシンプルなツールを探して見つけたのが、社内wikiツールの「NotePM」です。現場からの要望に応えての導入だったため、導入後はスムーズに浸透し、店舗でのマニュアル検索時間も大幅に削減することに成功しました。
関連記事:【導入事例】マニュアル検索時間が5分→30秒に!目指すは店舗での「脱・紙マニュアル」- 株式会社ザグザグ
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まとめ
ペーパーレス化は業務フローの変更を伴うため、社員全員の協力が欠かせません。ペーパーレス化の導入時には計画的にスケジュールや目標を設計していくことで、社員が取り組みやすくなります。ペーパーレス化すべき情報がなにかをしっかり取捨選択したうえで、段階的に推進していきましょう。社員のITリテラシーや貸与するデバイスに違いがある企業でのペーパーレス化には、NotePMがおすすめです。
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