ナレッジ共有の天敵「暗黙知」その正体と形式知への転換法

2021年10月17日(日) ナレッジ共有

こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。

業務を効率的に行うには社内のナレッジを全社員が活用できるようにすることが必要ですが、多くの企業でナレッジの共有はあまりできていません。なぜ進まないのでしょうか? その原因のひとつは、多くのナレッジが暗黙知として社内に眠って存在しているからです。暗黙知とは何か、共有が困難な暗黙知はどのようにすれば共有ができるのか、その考え方や方法について解説します。

ナレッジ共有を行う上で知っておくべき暗黙知・形式知とは

ナレッジには大きく分けると暗黙知と形式知という2種類があります。

暗黙知とは

暗黙知とは、言語化(文章、図表、数式などで説明すること)が困難なナレッジのことです。具体的には、自転車の乗り方、泳ぎ方、陶芸で陶器を作るときの指先の感覚、長年の経験と勘から生まれる優秀な人材の判別方法、営業で早くクロージングに持っていける話法などが暗黙知です。暗黙知は、実際に経験することで得られるコツやノウハウと呼ばれるものです。暗黙知も文章、図表、数式などで一定のことまでは説明できますが、最も重要な部分までは伝えられません。

暗黙知は、言語化が困難なことから、その社員しかできない特定の業務になったり、あるいはその社員でないと業務の内容がわからない状態になったりするというナレッジの属人化が起こります。なお、属人化は、その社員が非常に優れたレベルまでスキルアップできてスペシャリストになれたことの証明のため企業にとっては決して悪いことではありません。例えば、デザインや広告コピーを販売する会社であれば、売上増や顧客の囲い込みのメリットも生まれます。しかし、一般的にメリットよりもデメリットが上回ります。

形式知とは

形式知とは、暗黙知に対する概念で言語化できるナレッジのことです。形式知は、多く集めて蓄積し、検索を容易にすることで、何かわからないことがあったときに百科事典、辞書、参考書のように便利に使えて、業務効率や生産性を向上させられます。もし、蓄積されていなければ、知っていそうな社員に一人ひとり聞いて回らねばなりません。そうならないためには1カ所に簡単に蓄積できて、いつでも、どこからでも、検索ができるような環境を構築する必要があります。ナレッジ共有を進めていない企業では、経理や財務、営業、開発、広告・販促など個々のナレッジは関係部署に分散されているため、十分に活用されていない課題を抱えています。

重要なナレッジを暗黙知のままにしておくデメリット

暗黙知は放置すると以下のデメリットが発生します。

暗黙知のナレッジは全社員による共有・活用ができない
明文化されていないナレッジは、それを持っている社員しか活用できません。1人のスペシャリストよりも、複数のスペシャリストがいるほうが、メリットが大きいことはいうまでもありません。

暗黙知を持った社員の退職・転職で社内にナレッジが蓄積・継承されない
暗黙知のまま放置すると、その社員が退職・転職または異動した場合、業務の効率、質が低下し、最悪は業務不能に陥る可能性もあります。また、ナレッジを継承できなくなります。ナレッジは社員個人のものではなく企業の資産のため、継承できないと企業にとって大きな損失です。

暗黙知を持っている社員の生産性が低下する
一般的に、業務に習熟し、工夫している優秀な社員が暗黙知を持っています。優秀な社員は、忙しいことが多く、その社員が暗黙知をほかの社員に教えることが多くなると、その優秀な社員の生産性が低下します。また、わざわざ自分が努力して身につけた暗黙知を丁寧に教えないことが考えられます。

暗黙知を形式知に変えナレッジ共有を実現するSECIモデルとは

暗黙知は、そのまま放置しておかないで形式知にして全社員が共有して活用できるようにしたほうが、メリットが大きくなります。そこで、一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏らによって提示されたによって提示された暗黙知を形式知に変えるために必要なフレームワーク「SECIモデル」について解説します。

「SECIモデル」は、4つのプロセスを繰り返し実践していくことで、暗黙知を形式知へと変換し、ナレッジ共有を実現します。

1.Socialization(共同化)
暗黙知を持っている社員と同じ作業・体験をすることで、暗黙知を暗黙知として伝承します。この時点ではナレッジの明文化はされていないため、まだ暗黙知のままです。

2.Externalization(表出化)
暗黙知を形式知に変換するプロセスです。可能な限りわかりやすく暗黙知を文章、図表、数式などで表現します。

3.Combination(連結化)
前のプロセスで形式知となったものと、既存の形式知を組み合わせ、新たな形式知を創造するプロセスです。業務マニュアルの更新やシステムの追加といったものから、これまでにない新たなアイデアまでさまざまな形式知を創出します。

4.Internalization(内面化)
前のプロセスで形式知化された(頭で理解した)ナレッジを、「わかる」から「できる」ようになるために体験し習得し、暗黙知にするプロセスです。ここで得た暗黙知をもとに、また「1.Socialization(共同化)」に戻り、同じプロセスを繰り返しながらさまざまなナレッジを暗黙知から形式知へと変換していきます。

暗黙知から効率的に形式知へ変換する方法

SECIモデルのプロセスをできるだけスムーズに循環させて暗黙知を形式知にしていくには、「形式知を1カ所に蓄積」「暗黙知が広がることを促し、別のナレッジと結びつけること」をしなければなりません。そのためには以下のことが必要です。

ナレッジを活用するビジョンを策定
企業としてナレッジを活用する明確なビジョンを策定して、それを推進する担当者を設定し、SECIモデルの推進や以下の暗黙知の洗い出し、場の設定など暗黙知を形式知にするためのマネジメントを行います。

埋もれている、気づかれていない暗黙知を洗い出す
暗黙知を持っている社員にとって普通のことであるため、暗黙知であることに気づいていないことがあります。埋もれている暗黙知を洗い出すことから始めることが必要です。

ナレッジの共有、創造、活用の場の設定
暗黙知から形式知となったナレッジ、最初から形式知のナレッジは蓄積・共有され、そしてナレッジが組み合わされ新しく創造され、活用される場が必要です。場は、社内wiki、社内SNSなどの情報共有ツールのほか、談話室、ミーティングの開催などです。最低限、ナレッジの書き込み、蓄積、共有ができる社内wikiは必要です。

社内wikiやそれ以外の情報共有ツールについては、以下の記事もご一読ください。

社内wikiの導入から活用までの完全マニュアル 成長企業が実践する情報共有術!

【2021年版】社内wikiツール おすすめ15選(有料・無料)

蓄積した暗黙知は常に形式知に言語化する癖をつけることが重要

長年の経験で得た暗黙知は、自分で実践するのは簡単ですが、自分以外の社員に伝えることは簡単ではありません。しかし、難しいからといって、自分のなかにだけ留めていては暗黙知が形式知になることもなく属人化してしまい企業として業務効率化や生産性を向上させられません。SECIモデルを使いできるだけ形式知にして全社員が共用できるように蓄積・活用することが必要です。そこで、必要になるのが社内wikiです。最もナレッジの蓄積・共有・活用ができるツールです。

参考:【2021年版】ナレッジ共有ツール タイプ別おすすめ 10選

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