採用面接は、企業にとって優秀な人材を見極める重要な場面です。しかし、初めて面接官を任されたとき、「何を聞けばいいのか」「どう進めればいいのか」「法律的にNGな質問はないか」と不安を感じる方は少なくありません。
面接を成功させるには、事前の準備、適切な質問、公正な評価という3つのステップが欠かせません。特に、応募者の本音を引き出す質問力と、就職差別につながるNG質問を避ける知識は、面接官として必須のスキルです。
この記事では、面接官の役割と心構えから、面接の具体的な進め方、すぐに使える質問集、法律で禁止されているNG質問まで、面接マニュアルとして必要な情報を網羅的に解説します。面接マニュアルや評価シートを社内で一元管理し、全面接官が同じ基準で評価できる体制を整えるためのツール活用法も紹介しますので、面接の質を高めたい方はぜひ参考にしてください。
目次
面接官の役割と心構え
面接官は単に応募者を評価するだけの存在ではありません。応募者にとって、面接官は企業の顔そのものです。面接官の態度や質問の仕方ひとつで、応募者が抱く企業イメージは大きく変わります。ここでは、面接官が担うべき3つの役割と、公正な評価を行うために必要な心構えを解説します。
面接官が担う3つの役割
面接官には、応募者の見極め、企業の顔としての役割、応募者への魅力付けという3つの重要な役割があります。それぞれの役割を正しく理解し、バランスよく実践することが、採用の成功につながります。
応募者の見極め
面接官の最も基本的な役割は、応募者が自社で活躍できる人材かどうかを多角的に評価することです。履歴書や職務経歴書に書かれた内容だけでなく、実際の会話を通じて、スキル、経験、価値観、コミュニケーション能力などを総合的に判断します。
見極めでは、応募者の過去の実績や行動パターンを深掘りすることが重要です。「どのような課題に直面し、どう解決したのか」「チームでどのような役割を果たしたのか」といった具体的なエピソードを引き出すことで、応募者の実力や人柄を正確に把握できます。
企業の顔としての役割
応募者にとって、面接官は企業そのものです。面接官の態度、話し方、質問の内容が、応募者の企業イメージを決定づけます。たとえ優秀な応募者であっても、面接官の対応が悪ければ、入社を辞退される可能性があります。
企業の顔として、面接官は常に丁寧で誠実な対応を心がける必要があります。応募者の話を最後まで聞く、質問に対して正直に答える、時間を守るといった基本的なマナーが、企業への信頼感を生み出します。
応募者への魅力付け
面接は、企業が応募者を選ぶ場であると同時に、応募者が企業を選ぶ場でもあります。面接官は、自社の魅力を効果的に伝え、応募者の志望度を高める役割も担っています。
魅力付けでは、企業のビジョンや事業内容、働く環境、成長機会などを具体的に説明することが大切です。ただし、誇張や嘘は逆効果です。現実的な情報を正直に伝えることで、入社後のミスマッチを防ぎ、長期的な定着につながります。
面接官に必要な心構え
面接官として公正な評価を行うためには、選ぶ側であると同時に選ばれる側でもあるという意識、認知バイアスへの注意、応募者目線での対応という3つの心構えが欠かせません。
選ぶ側・選ばれる側の両面を意識する
面接は、企業が応募者を評価する場であると同時に、応募者が企業を評価する場でもあります。優秀な人材ほど複数の企業から内定を得ているため、面接官の対応次第で入社を辞退されるリスクがあります。
この意識を持つことで、応募者に対して敬意を持った対応ができるようになります。上から目線の質問や、応募者を試すような態度は避け、相互理解を深める対話の場として面接を進めることが重要です。
認知バイアスに注意する
人間は誰でも、無意識のうちに偏った判断をしてしまう傾向があります。これを認知バイアスと呼びます。面接官がよく陥りやすいバイアスには、確証バイアス、ハロー効果、類似性バイアスなどがあります。
確証バイアスとは、最初に抱いた印象を裏付ける情報ばかりを集めてしまう傾向です。たとえば、応募者の第一印象が良かった場合、その後の回答を好意的に解釈しがちです。ハロー効果とは、ある一つの優れた特徴に引きずられて、他の能力も高く評価してしまう傾向です。有名大学出身というだけで、実務能力まで高いと判断してしまうケースが該当します。類似性バイアスとは、自分と似た経歴や価値観を持つ人を高く評価してしまう傾向です。
これらのバイアスを完全に排除することは難しいですが、まずはその存在を認識することが第一歩です。評価シートを活用し、複数の項目で客観的に評価する仕組みを作ることで、バイアスの影響を減らすことができます。
応募者目線で本音を引き出す
面接で最も重要なのは、応募者の本音を引き出すことです。応募者は緊張していることが多く、建前の回答に終始してしまいがちです。面接官が威圧的な態度を取ったり、一方的に質問を投げかけたりすると、応募者は本音を話せなくなります。
応募者目線で考え、話しやすい雰囲気を作ることが大切です。笑顔で接する、相づちを打つ、応募者の回答に共感を示すといった小さな配慮が、応募者の緊張をほぐし、本音を引き出すきっかけになります。また、一方的な質問ではなく、対話を通じて応募者の考えを深掘りする姿勢が、相互理解を深めることにつながります。
面接前の準備リスト
面接を円滑に進めるためには、事前の準備が欠かせません。応募書類の読み込み、採用基準の明確化、質問事項の洗い出しなど、準備すべき項目は多岐にわたります。ここでは、面接前に必ず確認すべき準備リストを具体的に紹介します。
応募書類の事前確認
面接前には、応募者の履歴書と職務経歴書を必ず読み込んでおきましょう。書類を読まずに面接に臨むと、応募者に対して失礼であるだけでなく、面接の質が大きく低下します。
書類を読み込む際は、経歴の空白期間、転職回数、職務内容の変化、保有資格など、気になるポイントをメモしておきます。これらのポイントは、面接で深掘りすべき質問項目になります。また、応募者の強みや実績を事前に把握しておくことで、面接での会話がスムーズになります。
書類に記載されている内容を鵜呑みにせず、面接で事実確認を行うことも重要です。特に、具体的な成果や実績については、「どのような状況で」「どのように取り組んだのか」を詳しく聞くことで、応募者の実力を正確に見極めることができます。
採用基準・評価項目の明確化
面接官は、自社が求める人物像を正しく理解しておく必要があります。採用基準が曖昧なまま面接を行うと、評価がぶれてしまい、採用の質が安定しません。
採用基準は、スキル、経験、価値観、コミュニケーション能力など、複数の項目で構成されます。これらの項目ごとに、どのレベルを求めるのかを事前に明確にしておきましょう。たとえば、「営業経験3年以上」「チームマネジメント経験あり」「自社のビジョンに共感できる」といった具体的な基準を設定します。
また、評価項目ごとに優先順位をつけることも大切です。すべての項目で満点の応募者はほとんどいません。どの項目を重視し、どの項目は妥協できるのかを事前に決めておくことで、採用判断がスムーズになります。
質問事項と評価シートの準備
面接で聞くべき質問をあらかじめリスト化しておくと、面接がスムーズに進みます。質問リストは、アイスブレイク用の質問、経歴確認の質問、志望動機の質問、価値観を確認する質問など、目的別に整理しておくと便利です。
評価シートも事前に用意しておきましょう。評価シートには、評価項目、評価基準、メモ欄を設けます。面接中にメモを取ることで、後から振り返りやすくなり、他の面接官との情報共有もスムーズになります。
面接マニュアルや評価シートを社内で一元管理することも重要です。NotePMのような情報共有ツールを活用すれば、面接マニュアルや評価シートを一元管理し、全面接官が最新版にアクセスできる環境を整備できます。高機能エディタにより、ITツールに不慣れな面接官でも簡単にマニュアルを作成・編集でき、柔軟なアクセス制限により役職や部門ごとに適切な情報共有が可能です。未読管理・閲覧履歴機能により、全面接官がマニュアルを確認したかを把握でき、準備の徹底を促進できます。
【コラム】面接マニュアルの更新頻度
面接マニュアルは、採用市場の変化や自社の採用方針の変更に合わせて定期的に見直す必要があります。少なくとも半年に1回は内容を確認し、必要に応じて更新しましょう。クラウドツールで管理していれば、更新時に全面接官へ自動通知できるため、常に最新の情報を共有できます。
面接の基本的な流れと進め方
面接には、アイスブレイクから始まり、経歴確認、志望動機の確認、逆質問、クロージングという標準的な流れがあります。この流れを理解し、各段階で何を確認すべきかを把握しておくことで、面接を効果的に進めることができます。ここでは、60分の面接を想定した標準的な進行手順を解説します。
アイスブレイクと自己紹介
面接の最初の10分は、応募者の緊張をほぐし、話しやすい雰囲気を作ることに集中します。応募者が緊張したままでは、本音を引き出すことが難しくなります。
アイスブレイク(5分)
アイスブレイクでは、軽い雑談を通じて応募者の緊張をほぐします。天候や交通手段、会社までのアクセスなど、答えやすい話題を選びましょう。「今日は暑いですね」「会社までは迷わず来られましたか」といった質問から始めると、応募者も答えやすくなります。
アイスブレイクでは、応募者の回答を評価する必要はありません。あくまで雰囲気を和らげることが目的です。笑顔で接し、相づちを打ちながら、応募者がリラックスできるよう配慮しましょう。
面接官の自己紹介・企業概要説明(5分)
アイスブレイクの後、面接官自身の自己紹介と企業概要の説明を行います。面接官の名前、所属部署、役職、担当業務などを簡潔に伝えましょう。自己紹介をすることで、応募者との距離感が縮まり、対話がしやすくなります。
企業概要の説明では、事業内容、企業のビジョン、働く環境などを簡単に紹介します。ただし、長々と説明すると面接の時間が足りなくなるため、5分以内にまとめることを意識しましょう。詳しい説明は、面接の最後の逆質問の時間に行うこともできます。
経歴・スキルの確認
面接の中盤20分は、応募者の経歴やスキルを深掘りする時間です。履歴書や職務経歴書に書かれた内容を確認し、具体的なエピソードを引き出すことで、応募者の実力を見極めます。
事実確認の質問(10分)
まずは、履歴書や職務経歴書に書かれた内容の事実確認を行います。「前職ではどのような業務を担当していましたか」「具体的にどのような成果を上げましたか」といった質問を通じて、書類の内容が正確かどうかを確認します。
事実確認では、曖昧な回答に注意しましょう。たとえば、「チームで売上を伸ばしました」という回答に対しては、「チームの中でどのような役割を担いましたか」「具体的な数字を教えてください」と深掘りすることで、応募者の実際の貢献度を把握できます。
スキル・経験の深掘り(10分)
事実確認の後は、応募者のスキルや経験をさらに深掘りします。「これまでで最も困難だったプロジェクトは何ですか」「その困難をどのように乗り越えましたか」といった質問を通じて、応募者の問題解決能力や思考プロセスを確認します。
深掘りの質問では、STAR法(Situation, Task, Action, Result)を意識すると効果的です。状況、課題、行動、結果という4つの要素を順番に聞くことで、応募者の行動パターンを体系的に把握できます。たとえば、「どのような状況でしたか」「どのような課題がありましたか」「あなたはどのような行動を取りましたか」「その結果どうなりましたか」という流れで質問します。
志望動機・価値観の確認
面接の後半20分は、応募者の志望動機や価値観を確認し、自社とのマッチ度を見極める時間です。スキルや経験が優れていても、価値観が合わなければ、入社後に早期離職につながる可能性があります。
志望動機の確認(10分)
志望動機を確認する際は、「なぜ当社を志望されたのですか」という質問から始めます。応募者の回答が表面的な場合は、「数ある企業の中で、当社を選んだ理由は何ですか」「当社のどの点に魅力を感じましたか」とさらに深掘りします。
志望動機の確認では、応募者が自社についてどれだけ調べているかも重要なポイントです。企業のビジョンや事業内容を理解せずに応募している場合、入社意欲が低い可能性があります。逆に、具体的な事業内容や企業の強みについて言及できる応募者は、入社への本気度が高いと判断できます。
価値観・キャリアビジョンの確認(10分)
価値観を確認する質問では、「仕事をする上で大切にしていることは何ですか」「どのようなときにやりがいを感じますか」といった質問が有効です。応募者の価値観が自社の文化や風土と合っているかを見極めます。
キャリアビジョンの確認も重要です。「5年後、10年後にどのようなキャリアを描いていますか」という質問を通じて、応募者の成長意欲や長期的な展望を確認します。自社で実現できるキャリアパスと応募者の希望が一致しているかを見極めることで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
逆質問とクロージング
面接の最後の10分は、応募者からの質問を受け付け、事務連絡を行い、面接を締めくくる時間です。この時間の使い方次第で、応募者の志望度を高めることができます。
応募者からの質問受付(5分)
逆質問は、応募者の志望度や理解度を測る重要な機会です。「何か質問はありますか」と尋ね、応募者からの質問に丁寧に答えましょう。質問の内容から、応募者がどのような点に関心を持っているか、どれだけ自社について調べているかを把握できます。
質問がない応募者や、調べればわかるような質問をする応募者は、志望度が低い可能性があります。逆に、具体的な業務内容や企業文化について深掘りする質問をする応募者は、入社への本気度が高いと判断できます。
事務連絡とクロージング(5分)
面接の最後には、今後の選考フローや結果連絡の時期を明確に伝えます。「次回は最終面接を予定しています」「結果は1週間以内にメールでご連絡します」といった具体的な情報を提供することで、応募者の不安を軽減できます。
クロージングでは、応募者に感謝の気持ちを伝えましょう。「本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございました」と一言添えるだけで、応募者に好印象を与えることができます。面接の最後まで丁寧な対応を心がけることが、企業イメージの向上につながります。
すぐに使える面接質問集
面接で何を質問すればいいかわからないという悩みは、多くの面接官が抱えています。ここでは、目的別・評価項目別に整理した具体的な質問例を50個紹介します。これらの質問をそのまま使うこともできますし、自社の状況に合わせてアレンジすることもできます。
アイスブレイク・導入の質問
アイスブレイクでは、応募者がリラックスして答えられる質問を選びます。以下のような質問が効果的です。
- 今日は会社まで迷わずに来られましたか
- 最寄り駅からはどのくらいかかりましたか
- 今日は暑いですね、外は混んでいましたか
- 当社のオフィスの雰囲気はいかがですか
- 面接前に何か飲み物はいかがですか
- 緊張していますか、リラックスして大丈夫ですよ
これらの質問は、応募者の緊張をほぐすことが目的です。回答の内容を評価する必要はありません。笑顔で接し、応募者が話しやすい雰囲気を作ることに集中しましょう。
経歴・スキル確認の質問
経歴やスキルを確認する質問では、具体的なエピソードを引き出すことが重要です。以下のような質問が有効です。
- これまでのキャリアを簡単に教えてください
- 前職ではどのような業務を担当していましたか
- これまでで最も大きな成果は何ですか
- その成果を上げるために、どのような工夫をしましたか
- チームで仕事をする際、どのような役割を担うことが多いですか
- これまでで最も困難だったプロジェクトは何ですか
- その困難をどのように乗り越えましたか
- 失敗した経験があれば教えてください
- その失敗から何を学びましたか
- あなたの強みは何ですか
- その強みを発揮したエピソードを教えてください
- あなたの弱みは何ですか
- その弱みを克服するために、どのような努力をしていますか
これらの質問を通じて、応募者の実務能力や問題解決能力を見極めます。回答が曖昧な場合は、「具体的にどのような状況でしたか」「その時あなたはどのような行動を取りましたか」とさらに深掘りしましょう。
志望動機・入社意欲を確認する質問
志望動機を確認する質問では、応募者の本気度や企業理解度を測ります。以下のような質問が効果的です。
- なぜ当社を志望されたのですか
- 数ある企業の中で、当社を選んだ理由は何ですか
- 当社のどの点に魅力を感じましたか
- 当社の事業内容についてどのように理解していますか
- 当社で実現したいことは何ですか
- 前職を退職する理由は何ですか
- 転職を考えたきっかけは何ですか
- 当社で働くことで、どのような成長を期待していますか
- 内定が出た場合、いつから入社できますか
- 他に選考中の企業はありますか
志望動機の質問では、応募者が自社についてどれだけ調べているかが重要です。表面的な回答の場合は、「具体的にどの事業に関心がありますか」「当社のビジョンについてどう思いますか」とさらに深掘りしましょう。
価値観・人柄を見極める質問
価値観や人柄を確認する質問では、応募者の考え方や仕事への姿勢を見極めます。以下のような質問が有効です。
- 仕事をする上で大切にしていることは何ですか
- どのようなときにやりがいを感じますか
- どのような職場環境で働きたいですか
- 理想の上司像を教えてください
- チームで働くことと、一人で働くこと、どちらが好きですか
- 仕事とプライベートのバランスについてどう考えていますか
- 5年後、10年後にどのようなキャリアを描いていますか
- 自分を一言で表すとしたら、何と言いますか
- 周囲からどのような人だと言われますか
- 休日はどのように過ごしていますか
これらの質問を通じて、応募者の価値観が自社の文化や風土と合っているかを確認します。価値観のミスマッチは、入社後の早期離職につながる可能性があるため、慎重に見極めましょう。
評価項目別の質問例
面接では、コミュニケーション能力、協調性、ストレス耐性、主体性といった評価項目ごとに質問を用意しておくと、応募者を多角的に評価できます。ここでは、評価項目ごとの具体的な質問例を紹介します。
コミュニケーション能力を測る質問
コミュニケーション能力を確認する質問では、対人関係や情報伝達の能力を見極めます。
- 上司や同僚とのコミュニケーションで心がけていることは何ですか
- 意見が対立した場合、どのように対処しますか
- 難しい説明をわかりやすく伝えるために工夫していることは何ですか
- 顧客やクライアントとのコミュニケーションで苦労した経験はありますか
- その苦労をどのように乗り越えましたか
これらの質問を通じて、応募者が他者と円滑にコミュニケーションを取れるかを確認します。具体的なエピソードを引き出すことで、応募者の実際のコミュニケーションスタイルを把握できます。
協調性を確認する質問
協調性を確認する質問では、チームワークや周囲との関係構築力を見極めます。
- チームで仕事をする際、どのような役割を担うことが多いですか
- チームメンバーと意見が合わなかった場合、どのように対処しますか
- チームの成果を上げるために、あなたはどのような貢献をしましたか
- 苦手なタイプの人とどのように接していますか
- チームで協力して成功した経験を教えてください
協調性の質問では、応募者がチームの一員として機能できるかを確認します。自己主張が強すぎる場合や、逆に受け身すぎる場合は、チームワークに支障をきたす可能性があるため注意が必要です。
ストレス耐性を見極める質問
ストレス耐性を確認する質問では、プレッシャーへの対処法や困難の乗り越え方を見極めます。
- プレッシャーを感じる場面はどのようなときですか
- そのプレッシャーにどのように対処していますか
- これまでで最もストレスを感じた経験は何ですか
- そのストレスをどのように解消しましたか
- 締め切りに追われた経験はありますか
- その際、どのように対応しましたか
ストレス耐性の質問では、応募者が困難な状況でも冷静に対処できるかを確認します。ストレスへの対処法が具体的であれば、実際にストレスに直面した際も適切に対応できる可能性が高いと判断できます。
主体性・成長意欲を測る質問
主体性や成長意欲を確認する質問では、自発的な行動や学習姿勢を見極めます。
- 自ら提案して実現したことはありますか
- 新しいスキルを習得するために、どのような努力をしていますか
- 最近学んだことは何ですか
- それをどのように仕事に活かしていますか
- 自己成長のために取り組んでいることは何ですか
- 今後身につけたいスキルは何ですか
主体性の質問では、応募者が受け身ではなく、自ら行動できる人材かを確認します。成長意欲が高い応募者は、入社後も積極的にスキルを磨き、企業に貢献してくれる可能性が高いと判断できます。
【コラム】質問リストのカスタマイズ方法
ここで紹介した質問は、あくまで基本的なテンプレートです。自社の業種や職種に合わせてカスタマイズすることで、より効果的な面接が実現できます。たとえば、営業職であれば「最も困難だった商談」、エンジニアであれば「最も技術的に難しかったプロジェクト」といった具体的な質問を追加しましょう。
面接官のNG質問・NG行動
面接では、法律で禁止されている質問や、応募者に不快感を与える行動を避ける必要があります。不適切な質問をしてしまうと、企業のコンプライアンス意識が疑われるだけでなく、優秀な応募者を失うリスクもあります。ここでは、厚生労働省が定める公正な採用選考の基準に基づき、面接官が避けるべきNG質問とNG行動を具体的に解説します。
聞いてはいけないNG質問
厚生労働省は、公正な採用選考の基本として「応募者の基本的人権を尊重すること」と「応募者の適性・能力に基づいて行うこと」の2点を挙げています。就職差別につながるおそれがあるとして、採用選考時に配慮すべき14項目が提示されており、これらは大きく分けて「本人に責任のない事項」と「本来自由であるべき事項」の2つに分類されます。
職業安定法では、業務の目的達成に必要な範囲を超えて個人情報を収集することは原則として認められていません。また、男女雇用機会均等法では、性別を理由に採用で差別することは禁止されており、女性にのみ結婚・出産後の就業継続について質問することなどは不適切とされます。ハローワークが令和5年度に把握した不適切な採用選考745件のうち、「家族に関すること」の質問が多くを占めています。
本人に責任のない事項
「本人に責任のない事項」には、本籍・出生地、家族(職業、続柄、健康、学歴など)、住宅状況、生活環境・家庭環境などが含まれます。これらは応募者の適性や能力とは関係がないため、質問してはいけません。
具体的なNG質問の例は以下の通りです。
- 本籍地はどこですか
- 出身地はどこですか
- ご両親の職業は何ですか
- 家族構成を教えてください
- 兄弟は何人いますか
- 持ち家ですか、賃貸ですか
- お住まいの地域はどのような環境ですか
- ご両親は健康ですか
これらの質問は、応募者の能力とは無関係であり、就職差別につながる恐れがあります。たとえ悪意がなくても、雑談のつもりで聞いてしまうと、コンプライアンス違反となる可能性があるため注意が必要です。
思想信条に関わる事項
「本来自由であるべき事項」には、宗教、支持政党、人生観・生活信条、尊敬する人物、思想、労働組合・学生運動などの社会運動、購読新聞・雑誌・愛読書などが含まれます。これらは個人の内面的な自由に関わる事項であり、採用選考で質問してはいけません。
具体的なNG質問の例は以下の通りです。
- 信仰している宗教はありますか
- 支持している政党はありますか
- 尊敬する人物は誰ですか
- 人生で大切にしている信条は何ですか
- 学生時代に政治活動や社会運動に参加していましたか
- 普段どのような新聞を読んでいますか
- 愛読書は何ですか
- 休日は何をして過ごしていますか(思想信条を探る意図がある場合)
これらの質問は、応募者の思想信条を探る意図があると判断され、就職差別につながる恐れがあります。たとえば、「尊敬する人物は誰ですか」という質問は一見無害に見えますが、応募者の思想や価値観を探る意図があると解釈される可能性があるため、避けるべきです。
聞いてしまいがちなNG質問例
一見問題なさそうに見えても、実はNGな質問もあります。特に、女性にのみ結婚・出産の予定を尋ねることや、通勤時間や家族構成を詳しく聞くことは、不適切な質問に該当する可能性があります。
具体的なNG質問の例は以下の通りです。
- 結婚の予定はありますか(女性にのみ質問する場合)
- お子さんの予定はありますか(女性にのみ質問する場合)
- 結婚後も働き続けますか(女性にのみ質問する場合)
- 通勤時間はどのくらいですか(住所を探る意図がある場合)
- ご家族は転勤に同意していますか(家族構成を探る意図がある場合)
- お子さんの保育園は決まっていますか(家族構成を探る意図がある場合)
これらの質問は、男女雇用機会均等法に違反する可能性があります。結婚や出産に関する質問は、女性にのみ行うと性別による差別と見なされます。また、通勤時間や家族構成に関する質問は、業務に必要な範囲を超えた個人情報の収集と判断される可能性があるため、注意が必要です。
面接官が取るべきではないNG行動
面接官の態度や行動は、応募者の企業イメージに直結します。威圧的な態度、準備不足、面接官が話しすぎるといったNG行動は、優秀な応募者を逃す原因になります。ここでは、面接官が避けるべき具体的なNG行動を解説します。
威圧感・不快感を与える言動
面接官が威圧的な態度を取ると、応募者は本音を話せなくなります。高圧的な態度、否定的な反応、無表情での対応などは、応募者に不快感を与えるだけでなく、企業イメージを損なう原因になります。
具体的なNG行動の例は以下の通りです。
- 腕を組んで話を聞く
- 応募者の発言を遮る
- 批判的なコメントをする
- 無表情で反応を示さない
- 応募者の回答に対して否定的な態度を取る
- スマートフォンを見ながら話を聞く
- 時計を何度も見る
これらの行動は、応募者に「この会社では働きたくない」と思わせる原因になります。面接官は常に笑顔で接し、応募者の話を最後まで聞く姿勢を持つことが大切です。
準備不足で面接に臨む
履歴書を読んでいない、質問が曖昧、面接の目的が不明確といった準備不足は、応募者に対して失礼であるだけでなく、面接の質を大きく低下させます。
具体的なNG行動の例は以下の通りです。
- 応募者の名前を間違える
- 履歴書に書いてあることを重複して聞く
- 面接の目的や流れを説明しない
- 質問が場当たり的で一貫性がない
- 評価シートを用意していない
- 面接時間を大幅に延長または短縮する
準備不足は、企業の信頼性を損なう原因になります。面接前には必ず応募書類を読み込み、質問リストと評価シートを用意しておきましょう。
面接官が話しすぎる
面接は、応募者の話を聞く場です。面接官が一方的に話してしまうと、応募者の本音を引き出すことができません。自社の自慢話に終始する、応募者の話を最後まで聞かないといった行動は避けるべきです。
具体的なNG行動の例は以下の通りです。
- 自社の自慢話に終始する
- 応募者の話を最後まで聞かない
- 質問に対して長々と説明する
- 応募者が話す時間よりも面接官が話す時間の方が長い
- 応募者の回答を待たずに次の質問に移る
面接では、応募者が話す時間を7割、面接官が話す時間を3割程度にすることが理想です。応募者の話を最後まで聞き、適切な相づちを打ちながら、対話を進めることが大切です。
オンライン面接の注意点
新型コロナウイルスの影響により、オンライン面接が急速に普及しました。オンライン面接は、移動時間の削減や遠方の応募者との面接が可能になるといったメリットがある一方で、対面面接とは異なる注意点もあります。ここでは、オンライン面接特有の準備事項とコミュニケーション上の工夫を解説します。
技術的な事前準備
オンライン面接では、通信環境の不備や機材トラブルが面接の質を大きく低下させます。事前に技術的な準備を徹底することが、スムーズな面接を実現する鍵です。
通信環境とツールの確認
安定したインターネット接続は、オンライン面接の大前提です。Wi-Fi接続よりも有線接続の方が安定性が高いため、可能であれば有線接続を推奨します。また、使用するビデオ会議ツール(Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなど)の動作確認を事前に行いましょう。
事前のテスト通話を行うことも重要です。音声や映像が正常に機能するか、画面共有ができるかなどを確認しておきます。また、通信トラブルに備えて、電話での面接に切り替えられるよう、応募者の電話番号を事前に確認しておくと安心です。
カメラ・音声の設定
カメラの位置は、目線の高さに設置することが理想です。カメラが低すぎると見下ろすような印象を与え、高すぎると見上げるような印象を与えます。また、適切な照明を確保することで、表情が明るく見えるようになります。逆光にならないよう、窓を背にしないように注意しましょう。
背景はシンプルに整理しておきます。散らかった部屋が映り込むと、応募者に悪い印象を与える可能性があります。バーチャル背景を使用する場合は、違和感のないシンプルなものを選びましょう。マイクの音量も事前に確認し、応募者の声がクリアに聞こえるよう調整します。
オンライン面接でのコミュニケーション
オンライン面接では、対面面接と比べて表情や反応が伝わりにくいという課題があります。コミュニケーション上の工夫を意識することで、応募者との相互理解を深めることができます。
リアクションを大きく取る
画面越しでは、うなずきや相づちといった反応が伝わりにくくなります。そのため、対面以上に大きくリアクションを取ることが重要です。応募者の話を聞いているときは、意識的に大きくうなずく、「なるほど」「そうなんですね」といった相づちを声に出すといった工夫をしましょう。
また、カメラを見て話すことも大切です。画面を見ながら話すと、応募者からは目線が下を向いているように見えてしまいます。カメラを見て話すことで、応募者とアイコンタクトを取っているような印象を与えることができます。
音声トラブルへの配慮
オンライン面接では、音声が途切れたり、タイムラグが発生したりすることがあります。定期的に「聞こえていますか」と確認することで、音声トラブルを早期に発見できます。また、タイムラグを考慮して、応募者の回答を待つ時間を少し長めに取ることも大切です。
音声トラブルが発生した場合は、焦らず冷静に対処しましょう。「少し音声が途切れてしまったので、もう一度お願いできますか」と丁寧に伝えることで、応募者も安心して対応できます。
応募者への配慮
オンライン面接では、通信環境による不利益が生じないよう、応募者への配慮が必要です。接続トラブルが発生した場合は、柔軟に対応しましょう。たとえば、面接時間を延長する、別の日時に再設定するといった対応が考えられます。
また、通信環境が原因で応募者の回答が途切れた場合、その内容を低く評価しないよう注意が必要です。技術的なトラブルは誰にでも起こりうるものであり、応募者の能力とは無関係です。公正な評価を行うためにも、トラブルへの寛容さを持つことが大切です。
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面接を成功させるには、面接官の役割と心構えを理解し、事前準備を徹底し、適切な質問を通じて応募者を見極めることが重要です。また、法律で禁止されているNG質問を避け、公正な採用選考を実施することも欠かせません。
面接の基本的な流れは、アイスブレイク、経歴確認、志望動機の確認、逆質問、クロージングという段階で進めます。各段階で何を確認すべきかを理解し、応募者の本音を引き出す対話を心がけましょう。オンライン面接では、技術的な準備とコミュニケーション上の工夫が特に重要です。
面接マニュアルや評価シートを社内で一元管理し、全面接官が同じ基準で評価できる体制を整えることで、採用の質を安定させることができます。面接の準備から実施、評価まで、一貫した基準で進めることが、優秀な人材の採用につながります。
面接マニュアルや評価シートの作成・共有を効率化したい場合は、NotePMの導入がおすすめです。NotePMは、社内マニュアルやナレッジ共有に特化したツールでありながら、強力な検索機能と柔軟なアクセス制限機能を兼ね備えています。高機能エディタにより、ITツールに不慣れな面接官でも簡単にマニュアルを作成・編集でき、未読管理・閲覧履歴機能により、全面接官がマニュアルを確認したかを把握できます。無料トライアルも用意されているため、まずは実際に試してみて、自社の面接準備に活用できるかを確認してみてください。


