企業のなかで一定の権限を持つようになったり責任者の近くで働くようになったりすると、指示書や通達文を作成することがあります。しかし、報告書などと違って作成する機会が少ないために、そもそもどのような文書か知らない人も多いはずです。
この記事では指示書・通達文とは何かから始めて、基本構成や例文、注意点などを解説します。
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目次
指示書・通達文とは
指示書・通達文は業務の規律や事柄を通知したり指示・命令したりするための文書で、目的は社員に一律に規律を守らせること、組織の業務を円滑にするための指示・命令を守らせることです。その性質上、社長や部署の責任者など一定の権限を持つ人が従業員に対して提示します。
企業では指示書・通達文は社内規定改定や解雇・懲戒処分などを伝えるときに用いられます。また、省エネ対策など具体的な内容の指示書・通達文も存在します。
指示書・通達文と似た文書には訓令や通知書がありますが、厳密には区別されていません。公文書では業務の根幹に関することを訓令で、指示書・通達文ほど強制力がないことを通知書で伝える傾向があります。
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指示書・通達文の書き方のポイント
指示書・通達文を書くときに重要なポイントは3つあります。
内容に間違いがなく、正しく伝わること
1つ目は内容に間違いがなく、誰が読んでも正しく伝わるという点です。内容に間違いがないのは当然のことですが、気を付けなければならないのは、複数の解釈が可能な文章を書いてしまうことです。これを防ぐために、指示書・通達文では箇条書きなどを使ってできるだけ簡潔に書く形式がよく用いられます。
誰への指示・通達なのか明記
2つ目は誰から誰への指示・通達なのか明記することです。指示書・通達文には発信者と宛先(指示・通達先)を必ず明記しなければなりません。仮に省エネ対策など会社全体で取り組むような内容であれば、全従業員が対象であることを明記しましょう。
過度に命令口調や威圧的にならないように
3つ目のポイントは過度に命令口調や威圧的にならないようにすることです。指示書・通達文の内容は社内規定の順守など、強制力を持った内容になることが多いといえます。しかし、間違いなく実施してもらいたいと発信者側が考えるあまり、高圧的な文章になってしまうのは避けたいところです。特に「だ・である調」の文末表現を用いるときには注意が必要です。社内向けにはどちらでも可能ですが、一般的に取引先など社外に対して指示書・通達文を出すときの文末表現は「です・ます調」にします。
指示書・通達文の構成・項目
指示書・通達文は 「指示・通達の日付」「宛先」「発信者」「タイトル」「本文」 で構成されます。日付には和暦、西暦どちらも使われます。多くの企業では指示書・通達文のフォーマットがあるので、これらに従うのが妥当といえるでしょう。
宛先は「社員各位」「○○部長、○○課長」「○○室長殿」などとします。発信者は「山田太郎」など氏名だけを書く場合や「経理部長 山田太郎」のように書く場合があります。また、フォーマットによっては、氏名の右横に印を押します。
タイトルは指示・通達の内容を簡潔に表すタイトルを付けます。例えば「○○の社内規定の運用について」「交通費に関する制度変更のお知らせ」などです。公文書では「○○について(通達)」などと書き、通達文であることを明示する方法を取っています。本文は指示・命令の内容の摘要をまず書き、別記に箇条書きで内容を書くことが多いといえます。
また、内容によっては 「目的」「方法」「条件」 などと項目を付けて記述することもあります。
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指示書・通達文の例文
ここからは指示書・通達文の例文を紹介します。
【社内向けに省エネ対策のルールを社員各位に通達する文書】
令和2年2月10日
社員各位総務部長
○○○○印省エネ対策に関連した経費削減について
省エネ対策に関連して、以下のように決定しましたので、各位ご協力のうえ職務の遂行をお願いいたします。
記
1.7月1日~8月31日の省エネルギー月間におけるエアコンの設定温度は28度とし、それ以下の温度に設定しないこと。
2.白熱電球が切れた場合には、インバーター照明に切り替えること。
3.特別な理由がない場合、パソコンの電源を入れたまま退社することは不可。
以上
【解雇・懲戒処分を行う指示書・通達文】
平成28年3月15日
○○部○○課
○○○○殿株式会社○○
代表取締役○○○○懲戒解雇通知書
貴殿は平成28年3月1日に故意による器物破損及び業務妨害行為を行いました。この行為は当社就業規則第〇条〇号に該当します。よって同規則第〇条に則り、平成28年4月1日付をもって貴殿を懲戒解雇とすることをここに通知します。
指示書・通達文を書くときの注意点
指示書の場合は特に、従業員や取引先の相手に協力してもらえる書き方をするのが大切です。よくある失敗は、あまりに内容が細かすぎることです。指示書に多数の項目が書かれていれば、受け取った側はやる気を失ってしまうかもしれません。
また、仮に掲示板に貼り出すのであれば、読む側が受け取れる情報量とバランスを取った内容にするべきなのです。指示書・通達文は命令調になりやすく、従業員などのストレスを生んでしまうこともあり得ます。
先に紹介した省エネ対策の例では、エアコンの温度を下げられないことに不満を持つ人もいるはずです。たとえばノーネクタイ着用を許可するなど、規則を厳しくした代わりに緩和したルールがあれば併記しておくとよいでしょう。
また「ご協力をお願いします」など一言添えると印象がよくなります。
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テンプレートを活用しながら正しい指示書・通達文を作成しよう
指示書・通達文は、業務の規律や事柄を通知したり指示・命令したりするための文書です。内容によっては従業員などに対して強い拘束力を持つので、十分注意して書きたいところです。
指示書・通達文には厳密な定義はありませんが、最低限記述しなければならない項目と一般的な構成のテンプレートがあります。
本記事で紹介した例文なども役立てながら、正しい指示書・通達文を作成しましょう。
指示書や通達文を含め、ビジネスで情報共有を行うコツについて知りたい方は、ぜひ下記記事をご参照ください。
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