ECサイトでの購入やメルマガの登録などで、ユーザーが情報入力を行う際、入力フォームの内容や量によってはユーザーが途中離脱してしまうケースも珍しくありません。コンバージョン率が上がらず、お悩みの運営者も多いのではないでしょうか。そんなときに役立つのが、入力フォームを最適化する「EFOツール」です。今回は、EFOツールの基本的な知識をはじめ、活用する際のメリットやデメリットなど気になる点を解説していきます。
目次
EFOツールとは
EFOツールとは、ユーザーがより快適に入力フォームに情報を入力できるよう、入力フォームを最適化するツールのことを指します。たとえばECサイトで商品を購入する場合、ユーザーは氏名や郵便番号、住所、メールアドレスなど、さまざまな情報を入力しなければなりません。必要な作業ではあるのですが、ユーザーの中にはこの手間を面倒に感じ、途中で購入を諦めたり他サイトへ流れたりしてしまうケースがあります。このような事態を避けるために、入力サポートを行ってユーザーのフラストレーションを下げ、コンバージョン率を上げるために活用されるのがEFOツールなのです。
EFOツールが注目される理由
一般的にEFOツールを活用していない入力フォームの場合、ユーザーの離脱率は何と平均70%以上にも達すると言われています。入力フォームまで来てくれたユーザーのうち、実に10人中7人を逃している計算です。これがいかに利益の損失につながっているか、言うまでもありません。利益を高めるには離脱率を下げることが急務であり、そのためにはユーザーが簡単に情報を入力できるフォームの整備が必要です。すでに入力フォームまで訪れているユーザーである点を考慮すれば、フォームの改善が顧客獲得につながる可能性は非常に高いと考えられます。この点からも、フォームの最適化が可能なEFOツールの活用が大きな注目を集めているのです。
EFOツールのメリット
コンバージョン率の改善が期待できる
入力フォームまでたどり着いたユーザーは、サイトが提供するサービスや商品に高い興味を持っていると考えられます。それにもかかわらず、「入力項目が多くて面倒」「時間切れでせっかく入力したのに無駄になった」など、フォームの使い勝手が悪いせいで離脱されるのは非常にもったいない事態です。EFOツールを導入すると、さまざまな入力サポート機能を利用できます。これにより、ユーザーが情報を入力する手間やフラストレーションをできる限り減らし、コンバージョン率の改善が可能です。
ログ解析が可能になる
多くのEFOツールでは、入力段階でユーザーがどのような行動を取ったかを記録するログ機能を備えています。どの項目でユーザーが離脱しやすいのか、どれくらい時間をかけているのかなど、フォームの改善に役立つ情報を得られるのは大きなメリットです。フォーム改善後に再度ログ解析を行えば、改善策の効果を確認したり、新たな課題を発見したりすることもできます。
ユーザーの満足度アップ
EFOツールにより入力作業が簡単になれば、サイトを訪れるユーザーの満足度はアップします。リピーターの獲得につながるだけでなく、「使いやすいサイトだ」「ユーザーのことを考えている」とブランドイメージの向上も期待できるでしょう。その結果、サイト自体を魅力的な営業ツールとして活用することも可能です。
EFOツールのメリットとは?導入効果を最大化させるポイントを紹介
EFOツールのデメリット
最適化に失敗することもある
EFOツールにより入力フォームを改善すると、入力項目を減らしたり、サイトのデザインがガラッと変わったりすることも珍しくありません。この場合、必要な情報が足りなくなり、サービスや商品を適切に提供できなくなるなどの問題が起きる可能性もあります。従来のサイトと異なるため、逆に「使いにくい」と感じ以前からのユーザーが離れてしまう恐れもあるでしょう。外部情報との連携機能を利用する場合は、個人情報が漏洩するリスクにも注意が必要です。このように、改善の内容によっては最適化に失敗してしまう可能性もあるため、事前に慎重にツールの活用方法を検討することが欠かせません。
コストがかかる
FEOツールを導入する場合、初期費用のほかに月額費用がかかるケースがほとんどです。具体的な費用は導入するツールによって大きく変わり、機能が充実したツールだと初期費用で30万円、月額3~5万円ほどかかるものもあります。安いツールだと月額1万円以下からありますが、効果的な機能を利用できないケースもあるので注意が必要です。
導入しただけでは効果がないこともある
どれほど高性能なEFOツールを導入しても、うまく運用できなければ効果は期待できません。EFOツールの分析や入力フォームの改善策などに詳しい従業員がいない場合、宝の持ち腐れになってしまう恐れもあります。うまくツールを活用するためには、担当者の教育や定期的なフォームの再作成など継続的な取り組みも欠かせません。
EFOツールの選定ポイント
機能が充実しているか
EFOツールは、それぞれ備えている機能が異なります。たとえば背景カラーリングによる入力箇所の表示や、郵便番号による住所自動入力、フリガナの自動入力や外部サービスとの情報連携などが可能です。ほかにも、ページを離脱しようとしたり、入力から一定時間が経過したりしたときにアラートが鳴るなど、実に多彩な機能が利用できます。入力フォーム改善のために必要な機能を明確にし、それが備わったツールを選ぶのが基本です。また不要な機能はオフにできるなど、使い勝手の良さにつながるカスタマイズの自由度についても確認しておきましょう。
レポート機能が充実しているか
EFOツールは導入後も問題点などを見つけ出し、より良いものへと改善していく必要があります。そのためには、ツールが作成するレポートなどの情報分析が欠かせません。原因の特定や改善しやすさなど、レポート機能が優れているかどうかにも注目して選びましょう。格安のツールでは、このようなレポート機能やログ機能がついていないものもあるので、導入前に確認が必要です。
コストパフォーマンスは妥当か
一般的に、EFOツールは機能が多く高性能であればあるほどコストが高くなります。ただし機能が多くても、優れているとは限りません。大切なのは、自社が求める機能をしっかり備えているかどうかという点です。初期費用や月額費用などと比較しながら、バランスの取れたツールを選びましょう。
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EFOツール おすすめ9選
上記ポイントを踏まえて、おすすめEFOツール・サービスをご紹介します。
formy
formy(フォーミー) は、資料請求数の改善などを目的としたEFOツールです。フォーム作成、データの収集・分析からフォームの改善までの全てが可能となっています。一連の作業が簡単にできるので、時間と手間がかからず、業務の効率アップにもつながります。またEFOを初めて導入する企業にとっても、使い勝手が良いツールといえるでしょう。初回申込みの場合、30日間は無料で試せます。初月以降も月額6000円という、分かりやすいワンプライスで使い続けられるのも魅力です。
formyの特徴
- 記入に必要な項目を選択するだけで簡単にエントリーフォームを作成可能
- 各記入項目の数などのデータを自動で収集してくれるので、分析がしやすい
- 管理画面から簡単にフォームの仕様変更ができるので、最適なフォーム改善がしやすい
料金プラン(月額)
• 6,000円
formy
URL: https://formy.jp/
SiTest
SiTest は、ヒートマップ解析、A/Bテスト、フォーム改善をオールインワンで実現できるEFOツールです。これらの機能を高速で処理できるため、課題発見から改善までのサイクルに素早く対応できます。「インターネット広告代理店」が開発しているので、広告連携機能も充実しています。また導入前後の無料サポートが、充実しているのも特徴です。導入前には無料のオンラインデモで使用感が体験でき、導入後は無料でカスタマーサポートが利用可能できます。
SiTestの特徴
- 「8つのヒートマップ解析ツール」を標準搭載し、ユーザーの行動を分かりやすく視覚化
- A/Bテストの設定が簡単にでき、ランディングページを高速で最適化できる
- AIによるアクセス解析で、瞬時に課題が見つかるレポーティング機能を搭載
料金プラン(月額)
• お問い合わせ
SiTest
URL: https://sitest.jp/
EFOcats
EFOcats は、スマートフォン上で「1画面1質問」の入力フォームによりユーザーのカート離脱率を大幅改善できるツールです。ユーザーがフォーム入力の際に感じるストレスを解消し、「直感で使いやすく」利用できるフォーム画面作りをモットーとしています。サイト訪問時のユーザー心理を研究したうえでフォームを設計・開発しているので、ユーザーエクスペリエンスの向上も期待できるツールです。使用しているフォームを変えずに、スマートフォンを最適化したい場合にも向いています。
EFOcatsの特徴
- フォーム編集の必要がなく、タグを設置するだけで簡単にフォームが作成できる
- 全11種の入力サポートにより、ユーザーの入力ミスを防ぎ、途中離脱率を低減
- 項目別の成績レポート機能で、ユーザーの離脱ポイントをいち早く発見できる
料金プラン(月額)
• 初期費用 300,000円
• 30,000円/1ドメイン(SPサイト最適化)
• 50,000円/1ドメイン(SP+PCサイト最適化)
EFOcats
URL: https://www.fcafe.com/efocats/
スマートUPフォーム
スマートUPフォーム は、PCとスマートフォンの両方のサイトに実装可能なEFOツールです。パソコン独自の機能にも、スマートフォンならではの機能にも対応できる入力支援サポート機能が備わっています。ユーザビリティに配慮したこまやかな入力サポート機能や、一目で分かりやすいレポート機能も充実しています。コストパフォーマンスの面でも優れており、高い費用対効果が期待できるツールです。
スマートUPフォームの特徴
- システム本体をインストールできるため、ランニングコストが一切不要
- スマートフォンの特徴を活かした独自サポート機能でストレスフリーな入力を実現
- 各種設定やフォームへの組込みは全てスタッフが担当するので、短期間で導入できる
料金プラン(月額)
• 利用プランに応じて
スマートUPフォーム
URL: https://suf.jp/
エフトラEFO
エフトラEFO は、3300件を超える豊富な導入実績を誇るEFOツールです。導入だけで平均22%の改善効果があったとの実績も出しています。また、導入のしやすさにもこだわっており、最短15分で導入できる点も魅力です。初心者でも直感的に操作できる画面設定になっていますが、代行設定を依頼もできます。また、24時間365日体制で安全性を監視しているため、システムの安定性に信頼が置けます。
エフトラEFOの特徴
- 分かりやすい入力時の事前指示やエラー表示でユーザーの迷いを解消
- 各フォームの成績を、項目別に分かりやすく視覚化したレポート機能を搭載
- 設定画面では便利なプレビュー機能があるので、慣れない人でも簡単に操作可能
料金プラン(月額)
• 30,000円〜
エフトラEFO
URL: https://f-tra.com/ja/efo/
EFO CUBE
EFO CUBE は、カート連携実績数、入力補助機能数共にトップを誇っています。高い品質により多くの企業から信頼されるEFOツールといえるでしょう。導入後の手厚いサポートも魅力です。困ったことがあればサポートセンターに気軽に問い合わせができるのはもちろん、希望すれば定期的にレポートを送ってくれたり、フォーム改善案を作成してくれたりします。またテスト導入してみて成果が出なければ、全額返金保証してくれる制度もあります。
EFO CUBEの特徴
- 26個もの入力補助機能を搭載しているので、多種多様なフォームに対応可能
- 外部ID連携機能を搭載することにより、連携アカウントで入力した情報をすぐに反映できる
- 項目別の詳細なデータ解析機能により、改善案の作成がしやすい
料金プラン(月額)
• 50,000円/1ドメイン
EFO CUBE
URL: https://www.efo-cube.info/
Gyro-n EFO
Gyro-n EFO は、ユーザーを離脱させないための工夫に優れた最適化ツールです。フォーム入力の際、ユーザーに必要事項を瞬時に分かりやすく知らせるので、ストレスを与えない設計になっている点が魅力です。Yahoo!、facebookとの連携やMA連携フォームへの実装対応も行っています。また導入に当たっても、タグを挿入するだけで簡単に導入できるので既存のフォームを変更する必要がありません。導入企業とユーザー、双方にとって使い勝手のよいツールとなっています。
Gyro-n EFOの特徴
- サポートチームが各社のフォームに合わせた最適な入力支援設定をしてくれる
- エラーや離脱率だけでなく、それらが発生する条件やタイミングまで解析可能
- さまざまなタイプのフォームに対応しており、特殊なフォームでも実装可能
料金プラン(月額)
• お問い合わせ
Gyro-n EFO
URL: https://www.gyro-n.com/efo/
Butterfly
Butterfly は、既存のサイトの課題発見から改善までをカバーできるプラットフォームです。プロセスを重視した分析とA/Bテストにより、時間をかけずに課題改善のための仮説立てを行えます。また既存サイトのボトルネックを、すぐに特定しやすいことも特徴です。管理画面のテストに当たっては、デザイナーやエンジニアを用意する必要はなく、一人でもテストできます。導入後は専門のサポート担当者がついてくれるので、分からないことがあればすぐに問い合わせできるのも便利です。
Butterflyの特徴
- 「Story設定」機能により、ページ全体の改善が効率よく行える
- 「流入元設定」機能で、ユーザーのモチベーション別にページを出し分けできる
- マウスのみで画像やテキストの挿入、コンテンツ位置の変更が可能
料金プラン(月額)
• 初期費用 50,000円
• 120,000円
Butterfly
URL: https://butterfly.geeen.co.jp/
フォームアシスト
フォームアシスト は、EFOツールのパイオニアとも呼べる歴史があり、さまざまな事例を蓄積しています。よって多様な課題に対応した改善策を、提案できる点が魅力です。サービスも自社開発しているため、基本機能だけでは改善困難な特殊な課題にも対応しています。導入に当たっても、タグを設置するだけで簡単に画面を整えられるので、初心者でも操作しやすい点がメリットです。
フォームアシストの特徴
- 分かりやすいアシスト機能で、手間のかかる項目を丁寧にサポート
- カスタム機能により、顧客独自の課題に対しても改善策を提案
- インターフェイスを改良し、可視化することで簡単に課題点を抽出可能
料金プラン(月額)
• お問い合わせ
フォームアシスト
URL: https://efo.showcase-tv.com/formassist/
EFOツールの導入事例
株式会社ウェルクス
保育士や幼稚園教諭の求人情報を掲載する「株式会社ウェルクス」のサイトでは、もともとSNSのアカウントから入力フォームへデータを自動入力できる入力サポートツールを利用していました。そこで大きな効果を確認できたことで入力フォームの全体的な施策の必要性を感じ、EFOツールの導入を決断しています。株式会社ウェルクスが導入したツールでは、ログ解析からコンバージョン率の変化を確認できるテスト機能が搭載されており、導入前の入力フォームと導入後のフォームで比較検討が行われました。
その結果、ツール導入前と比べてコンバージョン率が1.67倍、直帰率は77.3%から72.5%へと改善したのです。この事例では大幅なフォームの再作成などは行わず、シンプルにEFOツールを導入しただけで効果的な成果を得られました。
株式会社クオリティナンバーワン
パソコンに関する教材をインターネット上で販売する「株式会社クオリティナンバーワン」では、ITリテラシーが低い顧客層が多いため、ネット上で注文を完結できないという悩みを抱えていました。そこで、インターネット上での注文を簡単にしてもらえるよう、EFOツールによる入力フォームの改善を始めます。ページの遷移数や遷移率を「見える化」して問題点をピックアップしたり、解析機能によりユーザーの動きをチェックしたりして、ユーザーが入力時に何につまずいているのかを明確にしました。
その点を改善し、EFOツールによる入力サポートなども行ったことで、入力フォームからの注文完了率が167%も改善しました。これにより電話対応にかかるコストや手間を削減し、浮いた資金を広告への投資に回すなど良い影響が得られています。
導入前と後では大違い!入力フォームの離脱率に悩んでいる場合はEFOツールの活用を
ユーザーにとって、さまざまな情報を何箇所にも分けて入力しなければならないのは非常に面倒な作業です。少しでもユーザーのフラストレーションを緩和し、コンバージョン率を上げるためには、さまざまな入力サポート機能が欠かせません。数多くのツールの中から自社の課題を解決するものをうまく選び、ユーザーの離脱を防いで業績アップにつなげましょう。
NotePM(ノートピーエム) は、Webで簡単にマニュアル作成できて、強力な検索機能でほしい情報をすぐに見つけられるサービスです。さまざまな業界業種に導入されている人気サービスで、大手IT製品レビューサイトでは、とくに『使いやすいさ・導入しやすさ』を高く評価されています。
NotePMの特徴
- マニュアル作成、バージョン管理、社外メンバー共有
- 強力な検索機能。PDFやExcelの中身も全文検索
- 社内FAQ・質問箱・社内ポータルとしても活用できる
- 銀行、大学も導入している高度なセキュリティ。安全に情報共有できる
URL: https://notepm.jp/