人の出入りが多い企業では、仕事の引き継ぎがうまくいかず悩むことも多いでしょう。「キャパオーバーで引き継ぎができない」「前任者から急に引き継いでしんどい」のように困っている方もいるでしょう。
引き継ぎは異動や退職時だけでなく、プロジェクトへの合流・離脱時や、仕事の巻取り時などにも必要です。
今回は、仕事の引き継ぎで“あるある”な課題を紹介します。あるあるな課題を把握しておくことで、後任者への引き継ぎがぐちゃぐちゃになるのを事前に防ぐことが可能です。
また、引き継ぎを成功させるコツや、引き継ぎに便利なツールについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
仕事の引き継ぎに関するあるある
引き継ぎとは、退職や異動などで担当者が変わるときに、次の担当者がスムーズに仕事を進められるように情報を伝えることです。仕事内容や進捗、関係者、必要な資料、専門知識、ノウハウなど、業務に必要な情報を正確に伝えることが目的です。
異動や退職に際して仕事の引き継ぎを行ったものの、「うまくいった!」と自信をもって言えるような経験がある人は少ないのではないでしょうか。そうした仕事の引き継ぎに関する“あるある”な悩みを5つ紹介します。
- 時間が足りず情報共有が不十分・いい加減
- 周囲・後任者が前任者の業務内容を把握していない
- 引き継ぎ内容が実際の業務と異なる
- 資料や情報の場所がわからない・ぐちゃぐちゃ
- リモート中心のため対面で教える機会がない
時間が足りず情報共有が不十分・いい加減
異動や退職が決まってから慌てて引き継ぎを始めると、通常業務と並行して準備を進めなければならず、十分な時間を確保しにくくなります。
その結果、説明が口頭だけにとどまったり、情報が不足した資料だけが残されたりと、引き継ぎが不完全な状態で終わることがあります。
こうした状況では、後任者が業務中に「どうすればいいのか」「必要な資料はどこにあるのか」といった疑問を頻繁に抱え、業務の停滞やミスにつながる恐れがあるでしょう。最悪の場合、顧客対応に支障をきたし、会社の信頼を損なうリスクも否めません。
特に引き継ぎの期間が短いときは、何を優先して伝えるべきか、どのように伝えれば理解されやすいかといった工夫が求められます。
周囲・後任者が前任者の業務内容を把握していない
前任者の業務が属人化していたことが原因で、十分な引き継ぎが行われないケースもあります。この場合、後任者がわからないことがあったときに、同じ部署の人に質問しても誰も答えられません。
とくに社外とのやり取りが多い部門であれば取引先ごとの事情、バックオフィス部門であれば社員や部署ごとの事情などが引き継ぎされないままになっていると、業務に支障が出てしまいます。
そうした個別の事情まで把握することは難しいため、後任者に負担がかかってしまうでしょう。
引き継ぎ内容が実際の業務と異なる
引き継ぎで共有された情報が、実際の業務と異なっていたり、古いまま更新されていなかったりするケースは意外と多く見られます。
たとえば、前任者が伝えた作業手順がすでに変更されていたり、参照すべき最新の資料が別の場所に保存されていたりする場合があります。こうした情報のズレが原因で、後任者が誤った方法で業務を進めてしまう事態が起きかねません。
結果として、顧客からのクレームや納期の遅延、契約の誤解による損失が発生し、会社全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
特に、業務の変化が頻繁な職場や、複数人で担当する複雑な業務では、引き継ぎ内容の正確性と最新状態の維持が欠かせません。
資料や情報の場所がわからない・ぐちゃぐちゃ
マニュアルや資料などの管理が行き届かず、どこにあるのかわからない状態になっていることもあります。前任者にとっては、引き継ぎに必要な情報を集めるのに時間がかかってしまいます。
さらに引き継ぎ後も場所がわからないままだと、必要な情報を探そうとするたびに業務の手が止まってしまい、生産性も上がりづらくなるでしょう。
リモート中心のため対面で教える機会がない
リモートワークが主流となった今、オフィスで直接教える機会が減り、対面ならではの引き継ぎが難しくなっています。
この影響で、言葉だけでは伝えにくい業務の細かいニュアンスや、「なぜその手順なのか」といった背景の理解が不足しやすくなるのです。また、相手の表情や反応が見えにくいため、説明がしっかり伝わっているかどうかを把握しづらく、認識のズレも生じやすくなります。
こうした課題を乗り越えるには、ビジネスチャットでのやり取りだけでなく、定期的なオンラインミーティングの実施や、画面共有を使った操作説明、質問の時間を十分に設けるといった工夫が必要です。
単なる連絡手段にとどまらず、どうすれば情報を正確かつ確実に伝えられるかを意識したコミュニケーション設計が、リモート環境での引き継ぎにおいて重要です。
仕事の引き継ぎが発生するケース
仕事において引き継ぎが発生するケースは、以下のとおりです。
- 前任者の昇格
- 前任者の退職・求職
- 人事異動
- 進行中のプロジェクトへの合流
- 前任者のリカバリー
上記のようなケースにおいて仕事の担当者がいなくなったり、途中からプロジェクトに合流する場合に、引き継ぎが必要となります。
仕事の引き継ぎは異動・退職時以外にも必要
異動や退職、休職などに限らず、前任者が同部署のマネジメント職に昇格したときや、プロジェクトへの合流・離脱、タスクの巻き取りなどの際にも引き継ぎは発生します。仕事の引き継ぎは日常的に発生しうるため、日頃からいつでもスムーズに引き継げるよう準備しておくことが大切です。
仕事の引き継ぎを成功させるコツ
課題が発生しやすい引き継ぎを、成功に導くためのコツを3つ紹介します。
>「引き継ぎ用マニュアルの作成ツールは『NotePM』」についてはこちら
>「NotePMを活用した引き継ぎ用マニュアルの作成に成功した事例」はこちら
引き継ぎ用マニュアルを作成する
口頭の説明や簡単なメモだけでは、情報が抜けたり誤解が生じたりしやすく、後任者がスムーズに業務を引き継ぐのは難しくなります。そこで大切なのが、誰が読んでもわかりやすく、必要な情報が整理された「引き継ぎ用マニュアル」の作成です。
このマニュアルがあれば、後任者は業務の全体像を正しく理解し、自分で判断しながら仕事を進められるようになります。また、将来さらに引き継ぎが発生したときにも役立つ、継続的に使える資料としての価値も高いです。
引き継ぎマニュアルを作成する際は、テンプレートを利用することで、効率的に内容をまとめられます。キャパオーバーを避けるために、テンプレートを活用してみてください。
テンプレートをNotePMで利用する(無料)
テンプレートをダウンロードする(個人情報入力なし)
引き継ぎマニュアルについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
【無料】業務マニュアルを簡単に作れるテンプレート10選!
引き継ぎマニュアルの作成はなぜ重要?作成のポイントはどこ?
十分な引き継ぎ期間を設ける
どれだけ優れたマニュアルがあっても、後任者が業務を正しく理解し、ひとりで対応できるようになるには時間がかかります。
引き継ぎ期間が短すぎると、マニュアルを読むだけで精一杯になり、実践的な知識や経験、現場で必要な判断力が身につかないまま業務を任される恐れがあります。
そのため、可能な限りゆとりある引き継ぎ期間を確保し、計画的に進めることが重要です。理想的なのは、後任者が実際の業務を体験しながら、疑問をその場で前任者に確認できる「OJT(実務研修)」の時間を設けることです。
この期間を通して、マニュアルではカバーしきれないノウハウや判断基準、関係者とのやり取りのコツなどをしっかり伝えられます。
引き継ぎスケジュールを立てる際は、業務の複雑さや後任者の経験を考慮し、余裕をもった計画を心がけましょう。
日頃からナレッジマネジメントに取り組む
特定の担当者しか業務内容を把握していない「属人化」は、スムーズな引き継ぎを妨げる大きな原因になります。
これを防ぐには、日常的に組織全体でナレッジマネジメント(知識の共有・管理)を行い、業務に関する情報を誰でも確認できる形で残す仕組みが必要です。
たとえば、業務マニュアルや手順書、チェックリスト、業務フロー図などのように、言葉や図で明確に記録された「形式知」として情報を整理しておくことで、担当者が変わってもスムーズな引き継ぎが可能になります。
「〇〇システム操作手順書」や「△△業務月次報告書作成ガイド」などがその一例です。
一方で、長年の経験や勘、状況に応じた判断など、言語化しにくい知識は「暗黙知」と呼ばれます。この暗黙知も、できる限り形式知として整理・共有することが、引き継ぎの質を高めるうえで重要です。
ナレッジマネジメントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ナレッジマネジメントツールおすすめ30選|導入のメリットや選び方を解説
検索性に優れている引き継ぎのマニュアルの作成ツール「NotePM」
丁寧な引き継ぎが重要な理由
丁寧な引き継ぎが重要な主な理由は、以下のとおりです。
- 業務効率と生産性を保つため
- 社内外の信頼を守るため
- 知識やノウハウを失わないため
- 後任者の不安を減らし、早く戦力化するため
業務効率と生産性を保つため
引き継ぎが不十分だと、後任者は手探りで業務を進めることになり、確認作業や過去の調査に時間を取られてしまいます。これにより、個人だけでなく組織全体の生産性が下がるリスクがあるのです。
一方、しっかりした引き継ぎがあれば、業務の停滞を防ぎ、後任者はすぐに仕事に取りかかれます。結果として、チーム全体の効率も高まり、生産性が維持・向上します。
社内外の信頼を守るため
担当者が変わった後の対応が雑になると、顧客や取引先との信頼関係が損なわれるリスクがあります。外部だけでなく、社内でも混乱が生じやすくなり、協力体制やチームの士気低下を招く要因にもなりかねません。
丁寧な引き継ぎは、そうした混乱を防ぎ、「この組織は信頼できる」という印象を社内外に与える大切な要素です。
知識やノウハウを失わないため
前任者が持つ業務知識や経験、工夫などは、組織にとって大切な資産です。引き継ぎが不十分だと、これらの情報が共有されず、せっかくのノウハウが失われてしまいます。
その結果、同じミスが繰り返されたり、改善のチャンスが失われたりする恐れがあります。適切な引き継ぎを通して、こうした知的財産を次の担当者にしっかり引き継ぐことが可能です。
後任者の不安を減らし、早く戦力化するため
十分な情報がない状態で新しい仕事を始めるのは、後任者にとって大きなストレスです。不明点が多ければ多いほど不安が増し、モチベーションの低下や早期離職につながる可能性もあります。
丁寧な引き継ぎによって、後任者は安心して業務に取り組めるようになります。その結果、早期に実力を発揮し、組織への貢献が期待できるようになるでしょう。
ツールを活用して引き継ぎ用マニュアルの作成が成功する2つの理由
マニュアル作成ツールを活用したことで、引き継ぎ用マニュアルの作成・運用が成功する主な理由は、以下のとおりです。
- 引き継ぎ用マニュアルの作成を効率化できる
- 質の高い引き継ぎ用マニュアルを作成できる
マニュアルの作成ツールについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
【徹底比較】マニュアル作成ツールおすすめ20選|選び方と導入事例も紹介
引き継ぎ用マニュアルの作成を効率化できる
マニュアル作成ツールにはテンプレート機能がついており、一目でわかりやすい引き継ぎ用マニュアルを簡単に作成できます。
マニュアルを作成するには、記載する内容の決定や、構成の検討、運用後の整備など、手間と労力がかかります。ツールを利用することで、これらの作業の効率化が可能です。
質の高い引き継ぎ用マニュアルを作成できる
引き継ぎ用マニュアルを作成する専用ツールには、テンプレートや見出し、箇条書き、表の作成機能などがあらかじめ備わっています。さらに、複数人で同時に編集できる「共同編集機能」を使えば、効率よく内容を整えられます。
これらの機能を活用すれば、単なる情報の羅列ではなく、視覚的にもわかりやすく、必要な情報にすぐアクセスできるマニュアルを作成することが可能です。
「質の高いマニュアル」とは、業務の目的、具体的な手順、注意点、関連資料などが整理されており、誰が読んでも同じように理解・実行できる内容のものを指します。
ツールによっては、画像や動画の挿入、改訂履歴の管理も可能なため、常に最新の状態を保ち、実践に即したマニュアルとして活用し続けることができます。
引き継ぎ用マニュアルの作成ツールは『NotePM』が一番おすすめな2つの理由
引き継ぎ用マニュアルの作成ツールとして、NotePMが一番おすすめである理由は、以下のとおりです。
- 検索性に優れている
- リアクション機能でコミュニケーションがしやすい
検索性に優れている
NotePMはツール内で作成したドキュメントだけでなく、Word・Excel・PDFなどのファイルの中身も全文検索できます。そのため、欲しい情報をすぐに見つけることが可能です。
NotePMで社内の文書を一元管理することによって、引き継ぎ業務を大幅に効率アップさせることもできます。情報が散在していて、どこに何があるかわからない場合におすすめです。
実際にNotePMを導入した企業では、検索時間を4割削減できた事例もあります。便利な検索機能により検索性に優れている点も、NotePMの強みといえます。
リアクション機能でコミュニケーションがしやすい
NotePMにはコメント・いいね機能が搭載されているので、コミュニケーションを取りやすいです。作成した文書へのリアクションを社内で共有できます。
また、チャットツールとの連携が可能であり、NotePMで作成・編集した文書を後任者にスムーズに共有可能です。
NotePMは単なるドキュメント作成ツールではなく、引き継ぎ業務をスムーズに行えるツールと言えます。
検索性に優れている引き継ぎのマニュアルの作成ツール「NotePM」
NotePMを活用して引き継ぎ用マニュアルの作成に成功した事例
ウルシステムズ株式会社は、もともと社員数3〜4人の会社でしたが、事業拡大により1〜2年で15名ほどに拡大しました。業務引き継ぎに課題を感じたきっかけは、コロナ禍によりリモートワークへシフトしたことです。それまではOJTによる口頭のみでの引き継ぎを行っていましたが、リモートでは情報の伝わりにくさが目立つようになりました。
そこで同社では、新人向けにノウハウを共有する仕組みづくりをはじめました。その際に役立ったのが、社内wikiツールのNotePMです。同社ではノウハウ共通ツールをいくつか検討し、フォーマットを統一しやすさ、情報の整理しやすさ、検索性の高さなどからNotePMを選びました。
導入後は取引先との打ち合わせの記録、社内打ち合わせの議事録、業務マニュアルなどを共有するのに使っています。UIがシンプルで新人にも操作しやすいため、NotePMの導入とともに「わからないことがあればNotePMを見る」という習慣が広がりました。
ウルフシステムズ株式会社の事例については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【導入事例】引き継ぎ・検索の時間を大幅削減!組織の拡大を支える人事部の業務をNotePM導入で効率化! – ウルシステムズ株式会社
引き継ぎの準備・実行 チェックリスト
引き継ぎの準備・実行が上手くいっているかのチェックリストを以下にまとめていますので、参考にしてみてください。
【引き継ぎの準備・実行 チェックリスト】
【フェーズ1:準備編】
☐ 後任者が決まり、引き継ぎの必要性を把握している
☐ 上司と引き継ぎの目的・範囲・期間・スケジュールについて話し合い、合意済み
☐ 日常業務・定期業務・プロジェクトなど、すべての担当業務をリストアップした
☐ 各業務について、優先度・難易度・進捗状況・所要時間などを整理した
☐ 引き継ぎ全体のスケジュールを作成し、上司・後任者と共有した
☐ 既存のマニュアルや資料を確認し、必要に応じて更新または新しく作成を始めている
☐ アカウント情報や使用システムのアクセス権限を整理済み(パスワードは安全に別途管理)
☐ 関連部署や社外関係者に、後任者の紹介・挨拶の予定を立てている
☐ 自分の通常業務の調整や、不在時の対応体制を整えた
【フェーズ2:引き継ぎ実行編】
☐ 引き継ぎ資料を後任者に渡し、説明の時間を設けた
☐ 実際の業務を一緒にやりながら教えるOJTを実施している
☐ 業務の背景や目的、注意点、過去のトラブルとその対応方法を具体的に伝えた
☐ 後任者の理解度を確認しながら、質問しやすい雰囲気をつくっている
☐ 関係部署や取引先に後任者を紹介し、必要なら同行もしている
☐ 定期的にミーティングを行い、進捗や不安点を早めにキャッチして対応している
☐ 後任者に一人で業務を任せる時間を設け、その結果をもとにフィードバックを行った
☐ 資料の記載漏れやわかりにくい部分をその都度修正している
☐ 緊急時の連絡方法やエスカレーション先を明確に伝えた
【フェーズ3:フォローアップ編】
☐ 引き継ぎスケジュールに沿って全業務が渡されたことを、前任者・後任者で確認した
☐ 上司に引き継ぎ完了を正式に報告した
☐ フォロー期間や連絡手段をあらためて確認した(チャット、メールなど)
☐ フォロー期間中は、後任者の質問に丁寧に対応しつつ、自立を促している
☐ 後任者がひとりで問題なく業務をこなせるよう、必要に応じて追加サポートを行っている
☐ 引き継ぎ全体を振り返り、良かった点や改善点をまとめてナレッジとして残した
「引き継ぎ」に関するよくある質問(Q&A)
Q. 引き継ぎ資料は、どれくらい詳しく書くべきですか?
A. 後任者が「資料を見れば、業務の8割は自分で進められる」レベルを目指しましょう。
詳細さは、後任者の経験や業務の難易度、引き継ぎにかけられる時間によって調整が必要です。
作成時は、以下の点を意識すると効果的です。
- 最初に業務の全体像と目的を書く
- 作業手順は専門用語を避け、わかりやすい表現で
- 判断が必要な場面では、基準や過去の事例を添える
- システム操作はスクリーンショットで視覚的に説明
- 重要だが頻度が低い対応も忘れず記載
- 関連資料や連絡先一覧もまとめておく
まずは主要業務から着手し、完璧を求めすぎず進めましょう。
作成後は後任者のフィードバックを受けて、必要に応じて更新していくのが理想です。
Q. 引き継ぎ期間が短いとき、どう対応すれば良いですか?
A. すべてを完璧に引き継ぐのは難しいという前提に立ち、限られた時間で何を優先すべきかを見極めましょう。
具体的な対策は以下の通りです。
対策 | 詳細 |
---|---|
業務の優先順位を明確にする | 「これが抜けると業務が止まる」という最重要事項から伝えます。 |
「口頭+資料」の組み合わせを活用 | 簡潔な資料を先に渡し、口頭では補足や質疑応答に集中しましょう。 |
後任者にも事前準備を依頼 | 資料を事前に読んでもらい、質問をまとめてもらうなどの協力を求めます。 |
引き継ぎ後のフォロー体制を決めておく | 短期間でも、チャットやメールで相談できる期間を設けておくと安心です(※期限は明確に)。 |
「引き継ぎメモ」だけでも残す | 最低限の業務手順、連絡先、資料の場所などを箇条書きでまとめましょう。 |
また、無理がある場合は上司に現状を報告し、業務負荷の調整やサポート体制の確保を相談することが大切です。
Q. 後任者がなかなか仕事を覚えてくれません。どうすれば?
A. 習熟スピードには個人差があります。焦らず、以下の方法で理解を促してみましょう。
方法 | 詳細 |
---|---|
理解度を定期的に確認する | 「分かった?」ではなく、「この作業やってみてどうだった?」など具体的に質問します。 |
説明方法を見直す | 専門用語が多すぎないか、話すスピードや資料の分かりやすさを振り返ってみましょう。図や実演も効果的です。 |
業務を小さなステップに分ける | 一度にすべてを教えず、段階的に覚えてもらい、成功体験を積み上げる形が有効です。 |
OJTの時間を増やす | 実際に作業をしてもらい、最初は付き添いながら、徐々に一人でできる範囲を広げていきます。 |
心理的安全性を確保する | 「すぐに完璧にできなくて当然」と伝え、質問しやすい雰囲気を作りましょう。 |
それでも改善が見られない場合は、上司に相談し、育成方法やサポート体制の見直しを検討する必要があります。
Q. 引き継ぐ業務の範囲は誰が決めますか?
A. 基本的には、前任者・後任者・上司の3者で協議し、最終的には上司が判断します。
それぞれの役割は以下の通りです。
役割 | 詳細 |
---|---|
前任者 | 現在の担当業務を洗い出し、重要度や必要スキルを整理 |
後任者 | 自身の経験をもとに、どこまで対応可能か、どんな支援が必要かを伝える |
上司 | 全体のバランスや優先順位を見て、範囲を調整・決定する |
実際には、前任者が業務リストを作成 → 上司と調整 → 後任者の意見を反映して確定、という流れが多いです。重要なのは、関係者の間で認識のズレが生まれないよう、丁寧に話し合いながら進めることです。
Q. 引き継ぎがうまくいったか、どう判断すれば良いですか?
A. 成功の判断基準は「後任者が業務を問題なく遂行できているかどうか」です。以下のポイントをチェックしてみましょう。
- 後任者が、日常業務を大きな支障なくこなしている
- 業務の品質やスピードが落ちていない
- 質問の回数が減り、自分で対応できる場面が増えている
- 顧客や他部署からの苦情・混乱がない
- 後任者が自信を持って業務に取り組んでいる
- 前任者が「もう任せられる」と思えている
これらを総合的に判断し、必要であれば1ヶ月後や3ヶ月後にレビューの機会を設けると、振り返りもしやすくなります。
仕事の引き継ぎで”あるある”な課題の対策をしよう
仕事の引き継ぎでは、時間のなさから情報共有を十分に実施できず、後任者の業務に悪影響が及ぶことがよくあります。また、最近はリモートワークの機会が増えたことで、直接教えられないまま担当者が交代になるケースも珍しくありません。
いざというとき慌てないよう、日頃からしっかりナレッジマネジメントに取り組み、引き継ぎ用マニュアルを用意しておくことが、引き継ぎを成功させるコツです。NotePMのように手軽にナレッジをシェアできるツールを活用しながら、スムーズに引き継ぎできる環境を整えてみてください。