こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。
新しい時代の総務部門のあり方として注目されているのが、「戦略総務」です。社会全体で働き方が多様化し、市場競争が激化するなかで、総務にも能動的な業務姿勢が求められています。従来、企業を引っ張っていく存在といえば営業や技術職が挙げられてきました。しかし、全社を統括する存在である総務も、企業の成長に大きく寄与すると言われています。
この記事では、「戦略総務」の定義や実現するためのポイントを紹介します。総務業務のBPOを担う会社での取り組み事例も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
「戦略総務」とは?通常の総務との違いは?
「戦略総務」とは、総務がバックオフィス部門として黒子的な役割に徹するのではなく、強い存在感を示す会社のことを表す言葉です。
通常の総務は、ルーティーン業務や他部署からの受け仕事が中心です。一方で戦略総務における総務部門は、企業の成長に必要な生産性向上・制度改革などにも主体的に取り組むことが特徴です。
そうした業務姿勢から、戦略総務は「攻めの総務」とも呼ばれています。
「戦略総務」の主な仕事内容
戦略総務における総務部門の主な仕事内容は、次の4つが挙げられます。
1.社内環境の整備・改善
備品の購入や、オフィスレイアウトの変更、オフィス移転などを通して、従業員が働きやすい環境を整備します。とくにコロナ以降は出社率が大幅に変わった企業も多いため、ハイブリッドワークに適した席配置や、出社時にコミュニケーションが生まれやすい空間づくりなどが求められています。
2.社内重要書類・印章の管理
従業員の履歴書や、官公庁・自治体・銀行などへ提出する重要書類、会社名や役職社名の印章を包括的に管理することも総務の役割です。戦略総務では、書類を提出する従業員も、重要書類の稟議権を持つ役職者もスムーズを取り交わせる仕組みづくりがとくに重要になってきます。
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3.経営戦略・意思決定の補佐
経営陣が意思決定するための材料となる情報を調査・分析することも、総務の役割です。戦略総務では、経営陣に指示された要素だけでなく、役に立つ情報は何かを自身で考えて積極的に情報収集することが重要になってきます。
4.経営陣と現場をつなぐコミュニケーション
総務は社内でも経営陣と近いポジションだからこそ、現場と経営陣のパイプ役としての役割も求められています。たとえば情報共有でも、人事やニュースリリースといった経営陣から現場に向けたお知らせだけではなく、現場の声を拾い上げて経営陣に届けることも大切です。
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「戦略総務」が注目される理由
そもそも「戦略総務」という考えが広まったきっかけは何なのでしょうか。ここでは、「戦略総務」が注目されるようになった理由を紹介します。
テレワークの普及
コロナ禍をきっかけに普及したテレワークが、総務の働き方に大きな影響を与えました。総務の業務内容は備品管理や、従業員の各種申請対応など出社が前提とされているものが多かったため、オフィス系職種の中でもテレワーク率が低くなっています。総務省の調査によると、2022年度の事務職のテレワーク率は31.3%に留まっています。テレワークに対応するためには、総務業務のDXが必要です。
国内の労働人口減少
少子高齢化により、今後さらに社会全体で働き手不足が加速する見込みです。定年後のセカンドキャリアを選択する人が増えているため、ここ20年ほどは労働人口がほぼ横ばいではあるものの、60歳以下の人口は減少する一方です。限られた労働人口のなかで優秀な人材を確保するためには、待遇や福利厚生など働く環境を整備することで、離職を防ぐことが重要になってきます。
出典:図表1-3-3 労働力人口・就業者数の推移|令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-|厚生労働省
「戦略総務」の目標
業務や体制を改革するうえで、目標設定は重要です。ここでは「戦略総務」を目指すうえで目標にすべきポイントを紹介します。
コストの削減
総務の業務における成果は、営業やマーケティング部門のように売上では測ることは難しいため、どれほどコストを削減できたかを目標にするのがおすすめです。総務は消耗品や光熱費の管理も担っているからこそ、一般的な水準を越えてコストがかかっている部署・拠点の原因を究明しながら、会社全体の経費を抑えられます。
業務効率の最大化
各部署・拠点のパフォーマンスが向上できるよう、ムダを省くことを目的に、業務の仕組み化・自動化を進めることも重要になってきます。業務効率は「残業時間がどれくらい減ったか」「問い合わせ件数がどれくらい減ったか」などでも図れますが、労働生産性などの数値を目標として設定すると、より具体的な目標設定ができるでしょう。
従業員満足度(エンゲージメント)の向上
優秀な人材の離職を防ぐためにも、従業員満足度を高めることも大切です。従業員満足度を計測するには、従業員アンケートが有効です。従業員アンケートを実施することで、定性的な指標で従業員満足度の推移をチェックできるでしょう。
関連記事:従業員エンゲージメントとは?計測方法からメリット・デメリット・事例まで徹底解説
「戦略総務」を実現するポイント
「戦略総務」を実現するには、具体的にどんな施策が有効なのでしょうか。全社を巻き込んだ業務・体制改革に向けた取り組みを3つ紹介します。
業務プロセスの自動化・仕組み化
業務プロセスを見直し、ITツールやAI、機械などで自動化・仕組み化できる部分がないか探りながら、改善に取り組んでいきましょう。たとえばチャットボットを導入して問い合わせ対応にかける時間を削減したり、工場で異常検知・設備保全ツールを導入してヒヤリハットを検知したりといった方法があります。
関連記事:AIによる仕事効率化とは?注意点や活用が進む領域・事例を解説
福利厚生の見直し
福利厚生精度を整えることで、多様なライフスタイルの人が安心して働ける環境を目指しましょう。性別を問わず介護休暇や育児休業を取得しやすい環境を整えたり、食事手当や住宅手当を充実させたりするなどの方法が有効です。
コミュニケーションの活性化
総務部門は経営陣に近い立場だからこそ、経営陣と現場の距離を近づけるための取り組みに注力していきましょう。部署内での1on1ミーティングや、ビジネスチャットで手軽に業務連絡を取れる環境などももちろん大事ですが、ボトムアップなコミュニケーションができる仕組みづくりがポイントになってきます。
「戦略総務」に便利なITツール
「戦略総務」を目指すのであれば、ITツールを活用するのもおすすめです。ここでは、「戦略総務」の実現に役立つITツールを紹介します。
ワークフローシステム
ワークフローシステムは、見積書や経費申請、勤怠申請などの承認業務を自動化できるツールです。総務の承認業務を効率化できるうえ、意思決定スピードがアップするため、生産性向上につながります。
関連記事:【2024年版】ワークフローシステム(電子稟議) おすすめ12選を徹底比較
社内wikiツール
社内向けwikipediaである社内wikiツールは、経営陣や総務が発する社内のお知らせを共有できるほか、マニュアルや問い合わせ管理も行えるツールです。現場と経営陣の距離感を近づけて、ボトムアップなコミュニケーションを目指せます。必要な情報を一箇所に集約することで、総務部門以外の部署にとっても、探している情報を見つけやすくなるでしょう。
関連記事:【2024年版】社内wikiツール おすすめ15選(有料・無料)
「戦略総務」を実践する企業の事例
パソナ・パナソニック ビジネスサービスは、グループ内で総務のBPOサービスを提供する会社です。従来は全社に向けた情報発信に、自社開発の社内ポータルサイトを使っていました。情報を探すのにも更新するのにもかなり手間がかかることが課題でした。
そこで、業務効率化・エンゲージメント向上・コスト削減などを目指して、情報共有方法を社内ポータルサイトから社内wikiツール「NotePM」にリプレイスしました。移行プロジェクトは8ヶ月かけて進めていて、3ヶ月の切り替え期間を設けたため、各部署でも受け入れやすかったようです。社員の平均年齢は51歳(2023年時点)ですが、直感的に操作できるため年齢やITリテラシーを問わずに使いこなせています。
関連記事:【導入事例】社員1700人。社内wikiを活用して、業務効率や従業員満足度が大幅向上! – パソナ・パナソニック ビジネスサービス株式会社
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まとめ
総務が中心となって企業全体の働き方やコストを改善していく「戦略総務」により、テレワークの普及や少子高齢化などに適応しながら成長を目指せるでしょう。「戦略総務」を実現するうえで、目標(KPI)も大切です。総務の成果は営業のように数値で測りづらいものの、コスト削減額や問い合わせ件数の減少数などの定量的な評価や、従業員アンケートによる定性的な評価が可能です。そうした目標を設定したうえで、生産性向上に向けて、ITツールを活用しながら業務プロセスの自動化やコミュニケーションの活性化などの施策を実践みてください。
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