進化するWindows 11のファイル共有。適切な共有方法の選び方も解説

2024年11月14日(木) Windows11

 

PCやスマートフォンなどの情報デバイスが当たり前の存在となり、近年は複数のPCやデバイスを使用するケースも増えているものと思います。そのなかで必ず出てくるニーズが、「デバイス間でファイルを共有したい」というもの。

Windows 11では、こうしたファイルやフォルダーの共有機能も進化しています。そこで今回は、ファイル共有のための機能や設定方法について、詳しく解説していきます。

 

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Windows 11の共有機能について

Windows 11には、標準機能でもデバイス間のファイルを共有するための方法が複数、用意されています。その代表的な方法について、概要を解説します。

ファイルやフォルダーの共有とは

Windows 11には、PC内のデータを同じネットワーク上で共有するための機能が搭載されています。この機能を有効にすると、エクスプローラー上で他のデバイスからもファイルやフォルダーを閲覧・編集できるようになります。ネットワーク上でのファイル共有というとクラウドサーバーでやり取りする場合と似ていますが、Windows 11の標準搭載されている共有機能を利用する場合、アクセスしたいファイルが保存されているデバイスの電源がオフやスリープ状態になっていると共有できない点には注意が必要です。あくまで、簡易的にファイルをやり取りしたり、インターネットに繋がっていない閉じたネットワークのなかで安全にアクセスしたりする場合のための機能と考えておきましょう。

OneDriveで共有

OneDriveは、Microsoftが提供するクラウドストレージサービスです。Windowsでは、エクスプローラーから直接OneDriveへアクセスでき、ローカルに保存したデータとクラウド上のデータの区別を意識せずに操作できるようになっています。Microsoftアカウントを利用しているユーザーには無料で5GBの容量が提供されるほか、追加容量やMicrosft 365の購入で容量拡大も可能となっています。

近くのデバイスと共有

共有したいデバイス同士が物理的に近距離にある場合は、BluetoothやWi-Fiを使ってファイルを共有することもできます。ただし、この機能を利用できるのは共有するデバイスのOSがWindows 11、またはWindows 10である場合に限られており、それ以前のバージョンでは対応していません。

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Windows 11でファイルを共有するための準備

Windows 11の共有機能は、セキュリティへの配慮から最初はオフになっています。ネットワーク上で共有するための準備と設定を、わかりやすくステップに分けて解説します。

【STEP 1】ワークグループ名の設定画面を開く

Windows 11でファイルを共有するには、デバイスが同一のネットワーク上にあることを示すため、デバイスが所属する「ワークグループ名」を統一しておく必要があります。Windows OSをインストールした初期状態では「WORKGROUP」に設定されていますが、変更されていると共有できなくなってしまうため、それぞれのデバイスで確認しておきましょう。

ワークグループ名を確認するにはまず、スタートメニューの「設定」から「システム」を選択し、表示されたメニューの下部にある「バージョン情報」をクリックし、さらに「ドメインまたはワークグループ」をクリックします。ポップアップする「システムのプロパティ」ウィンドウで、「コンピューター名」タブの「変更」ボタンをクリックすると、「コンピューター名/ドメイン名の変更」が表示されます。

【STEP 2】ワークグループ名とコンピューター名を変更する

「コンピューター名/ドメイン名の変更」メニューのなかから「ワークグループ」をクリックすれば、入力欄でワークグループ名を変更できます。また、同じ画面内に表示される「コンピューター名」は、エクスプローラーでアクセスした際に、ネットワーク上にあるそれぞれのPCを区別するための名前として表示されるものです。あわせて、こちらもわかりやすい名前に変更しておいた方が良いでしょう。

【STEP 3】ネットワークの共有設定を開く

次に、スタートメニューの「設定」から「ネットワークとインターネット」を選択し、表示されたメニューの一番下にある「ネットワークの詳細設定」をクリックします。さらに表示されたメニューから「共有の詳細設定」をクリックすると、ネットワーク上でファイルを共有するための設定を変更できる画面が表示されます。

【STEP 4】設定するプロファイルの選択

「共有の詳細設定」画面に表示されている「プライベートネットワーク」「パブリックネットワーク」は、ネットワーク接続に関する設定をまとめた「プロファイル」の種類を指します。信頼できるネットワークのみに接続されている状態ではセキュリティを緩めた「プライベートネットワーク」、公共ネットワークを利用している場合はセキュリティの厳しい「パブリックネットワーク」のプロファイルが選択されます。ファイルの共有を許可するかどうか、それぞれのプロファイルで設定できます。すぐ有効にしたい場合は「現在のプロファイル」を選択すれば、使用中の環境の設定変更が可能となります。

【STEP 5】共有機能を有効にする

プロファイルを選択した後の設定画面で表示されている項目について、それぞれの意味を紹介します。「ネットワーク探索」は、接続しているネットワーク内で共有が有効になっているデバイスを自動で検索する設定。「ファイルとプリンターの共有」は、他のデバイスから使用しているPCへのアクセスを許可するかどうかの設定となります。両方のスライドスイッチをオンにすれば、Windows 11でファイルを共有するための準備は完了です。

Windows 11でファイル共有を許可する設定方法

「準備」のための設定が完了しただけでは、まだファイルやフォルダーにアクセスできる状態にはなっていません。個々のファイルやフォルダーを「共有許可」の状態にしていく必要があります。具体的な方法と各設定メニューについて、詳しく解説していきます。

共有したいフォルダーやファイルを指定

フォルダーやファイルごとに、アクセス許可の設定を行なっていく方法を紹介します。まずは、共有したいフォルダーやファイルをエクスプローラー上で右クリックし、「その他のオプションを表示」を選択します。表示されたメニューから、「アクセスを許可する」にカーソルを合わせ、「特定のユーザー」をクリック。

「共有する相手を選んでください」というメッセージウィンドウが表示されるので、右側のリスト選択ボタンをクリックして「Everyone」を選択、「追加」をクリックすれば、同じネットワークに接続されているすべてのPCからアクセスできるようになります。なお、特定のユーザー名を指定してアクセス許可を設定したい場合は、相手側PCのWindows OSに設定されたユーザープロファイル名を選択します。

アクセス許可のレベル設定

上記の操作で共有を設定した場合、そのままではアクセス許可の権限が「読み取り」のみとなっています。フォルダーやファイルを開いて閲覧することはできますが、編集や保存はできないという状態です。上書きや保存ができる編集権限にも許可を出す場合は、リストに追加されたユーザー名の横にある「▼」をクリックし、「読み取り/書き込み」の方にチェックを入れましょう。ユーザーの追加と設定が完了したら、「共有」ボタンをクリックすれば完了です。なお、ユーザー名横の「▼」をクリックした後に「削除」を選択すれば、そのユーザーを共有相手から外せます。

OneDriveによる共有

別のユーザー間ではなく、自分で利用しているPCの間でファイルやフォルダーを共有したい場合には、クラウドストレージサービスのOneDriveを利用する方法もあります。OneDriveに保存されたファイルやフォルダーへエクスプローラー上から直接アクセスできるため、同じMicrosoftアカウントでサインインしているPC同士ならどちらからもローカルに保存しているデータと同じ感覚で閲覧や編集が可能となります。ただし、インターネットに接続されたタイミングで同期されるため、オフラインのままではリアルタイムに共有することはできない点には注意しておきましょう。

また、別のユーザーや異なるネットワーク上にあるデバイスとOneDrive上のファイルを共有する場合は、共有リンクを発行する方法もあります。具体的な方法は、エクスプローラーで同期しているフォルダーやファイルを右クリックし、「共有」を選択、表示された画面の宛先にメールアドレスを入力して「送信」ボタンを押すと、メールアプリから共有リンクを送信可能です。もしくは、「共有」を選択した後の画面で「…」のボタンを押して「リンクのコピー」欄の「コピー」ボタンをクリックすると、クリップボードに共有リンクがコピーされるため、任意のコミュニケーション手段に貼り付けして送りましょう。

近距離共有機能による共有

BluetoothやWi-Fiを通じて、Windows PC同士が直接ファイルを共有できる近距離共有機能もWindows 11に搭載されています。使用するにはまず、「スタート」メニューから「設定」を開き、左側のメニューから「システム」を選択、「近距離共有」をクリックすると近距離共有機能の設定メニューが表示されます。このなかで「自分のデバイスのみ」を選択すると、使用中のPCでサインインしているMicrosoftアカウントが同一のPC間で共有を許可できます。また。「近くにいるすべてのユーザー」を選択すると、近距離共有が有効になっている付近のWindows PCを検出できるようになります。

近距離共有機能を有効にしてから、共有したいファイルをエクスプローラー上で右クリックし、「共有」を選択すると近距離共有画面がポップアップします。その画面で「近距離共有」欄に表示された付近のPC名をクリックすれば、ファイル転送が開始されます。受信する側では、「○○(PC名)から受信しています」というメッセージがアクションセンターの通知欄に届きます。「保存」「保存して開く」を選択すると、ダウンロードできます。

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Windows 11とスマートフォンと共有する方法

Windows PC間ではなく、Windows 11とスマートフォンの間でファイルを共有する方法についても紹介します。

PCとスマホをUSBケーブルで接続する

Windows 11のPCとスマートフォンを、USBケーブルで接続すればファイルを転送できるようになります。USBケーブルで接続するとスマートフォン側に通知が表示されるため、それに従ってファイル転送の許可を設定しましょう。ただし機種によっては、Windows PCの専用アプリをインストールするよう案内される場合もあります。接続されたスマートフォンは、Windows PC側からは外付けストレージのように認識されるので、エクスプローラー上からファイルの移動やコピーを行なえるようになります。

Nearby Share・AirDropで共有する

Nearby ShareはAndroidデバイス用、AirDropはiOS用の、ファイル共有機能のことです。Windows 11でも、アプリケーションをインストールすることで利用できます。ただし、共有できるファイルは画像・動画・ドキュメントなどの種類に限られ、容量も制限される点に注意が必要となるでしょう。


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まとめ

Windows 11では、ファイル共有のために様々な方法が用意されています。共有方法が増えてきたのは、リモートワークの普及や情報デバイスの多様化といった時代背景にあわせて機能が進化してきたため。必要に応じて、適切な方法を選択してください。

なおこの記事で解説したのは、基本的にはローカルで閉じたネットワークにあるPCやデバイスの間でファイルを共有する方法です。より広くファイルやフォルダーを共有したい、手間なく共有ルールを適用したい、といった場合は、NotePMなどの共有ツールを利用することをおすすめします。

※関連記事:ファイル共有サービスのNotePM・Microsoft One Drive・Google Driveを比較!機能や独自性をわかりやすく解説

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