FAQ(よくある質問)を整備したいけれど、「どのような形式で作ればいいかわからない」「質問と回答をどう整理すればいいのか迷う」という方もいるのではないでしょうか。
「FAQテンプレート」は、社内や外部向けのFAQ整備に役立ちます。テンプレートを使えば、質問と回答のフォーマットを統一でき、ゼロから構成を考える手間を省くことが可能です。
本記事では、FAQテンプレートの基本と活用メリット、無料で使えるおすすめテンプレートなどを解説します。効率的にFAQを整備したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
FAQとは
FAQとは「Frequently Asked Questions(よくある質問)」の略で、ユーザーから頻繁に寄せられる質問とその回答をまとめたものです。
Webサイトや製品・サービスに関する疑問を一覧化することで、ユーザーが知りたい情報をすぐに見つけられるようにするための仕組みです。
FAQを設けることで、問い合わせ対応の手間を減らせるほか、顧客満足度の向上にも効果があります。
とくに企業サイトやECサイトでは、サポートページや商品ページにFAQを設置しておくことで、ユーザー体験を改善しやすくなります。
>関連記事:社内FAQとは?作り方やおすすめのツール・システム12選(無料あり)を紹介
FAQとQ&Aの違い
FAQとQ&Aは似ていますが、目的と運用方法が異なります。
| Q&A | 「個別の質問と回答のやり取り」を指し、特定の場面で完結するもの |
| FAQ | 「よくある質問」を体系的に整理し、誰でもいつでも閲覧できるようにしたもの |
FAQとして、企業や組織がこれまでに受けた質問を蓄積して公開することで、同じ疑問をもつユーザーが自己解決できるようになります。
そのため、FAQはナレッジ(知識)共有の仕組みとしても活用されます。
>関連記事:FAQとは?Q&Aとの違いや効果、導入の流れをわかりやすく解説!
FAQのテンプレートを無料DLできるおすすめサイト
FAQを効率的に作成したい場合は、無料でダウンロードできるテンプレートを活用するのがおすすめです。
Excel形式やPowerPoint形式のテンプレートを使えば、フォーマット設計の手間を省き、質問と回答を整理するだけで見やすいFAQを作成できます。
ここでは、用途別におすすめの無料テンプレートサイトを紹介します。
社内用のナレッジ共有、顧客向けサポートページなど、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
【Excel向け】bizrouteの「Q&Aシート」
bizrouteが提供する「Q&Aシート」は、Excelで簡単にFAQを作成できるテンプレートです。
質問と回答を一覧形式でまとめられるため、社内マニュアルや問い合わせ対応履歴の整理に適しています。
入力欄にはカテゴリや質問内容、回答内容などが用意されており、誰でもすぐに使い始められます。
行の追加・削除も容易なため、自社の運用ルールに合わせて柔軟にカスタマイズ可能です。
【Q&Aシート(Q&A管理表)のExcelエクセルテンプレート】
・ファイル形式:Excel
・DL料金:無料
・カスタマイズ:OK
・URL:https://bizroute.net/qasheet_template.html
【Excel向け】Excelフリーソフト館の「ExcelFAQ」
Excelフリーソフト館が提供する「ExcelFAQ」も、無料で使えるFAQテンプレートのひとつです。
質問と回答を見やすく整理できる表形式のテンプレートで、複数シートを使ったカテゴリ分けにも対応しています。
社内業務の共有資料や、製品マニュアルの補助資料としても活用しやすく、操作もExcelだけで完結します。
シンプルなデザインなので、印刷して社内掲示板などで配布する用途にもおすすめです。
【FAQテンプレート・フォーマット・雛形】
・ファイル形式:Excel
・DL料金:無料
・カスタマイズ:OK
・URL:https://templateexcel.com/blog-entry-954.html
【PowerPoint向け】Canvaの「FAQテンプレート」
Canvaは、無料で使えるオンラインデザインツールであり、ブラウザ上で誰でも簡単に資料・画像・バナーなどを作成できます。
PowerPointのようなスライド作成や、Photoshopのような画像加工も非デザイナーが直感的に操作できるのが特徴です。
CanvaではFAQデザインテンプレートが豊富に用意されており、デザイン性の高いFAQ資料を無料で作成できます。
作成したテンプレートはCanva上で編集後、PowerPoint形式(.pptx)としてダウンロード可能なため、社内共有資料や提案書にも活用しやすいです。
【Canva FAQテンプレート・フォーマット・雛形】
・ファイル形式:.pptx
・DL料金:無料
・カスタマイズ:OK
・URL:https://www.canva.com/ja_jp/templates/s/faq/
【顧客向けFAQ】テンプレートに使えるサンプル例文
ここでは、業界ごとにFAQテンプレートとして使える具体的なサンプル例文を紹介します。
紹介する業界は以下の通りです。
- 小売・EC業界
- 金融業界(銀行・証券・保険)
- IT・SaaS業界
各業界の特性に合わせた質問・回答を参考にすることで、顧客からの問い合わせ対応を効率化できます。
小売・EC業界
小売・EC業界のFAQの例文は、以下のとおりです。
Q:注文後に配送先を変更できますか?
A:発送前であればマイページの「注文履歴」から配送先の変更が可能です。発送準備に入った注文は変更できませんので、カスタマーサポートまでご連絡ください。
Q:返品や交換はどのようにすればよいですか?
A:商品到着後7日以内であれば、未開封・未使用に限り返品・交換を承ります。マイページの「返品申請フォーム」からお手続きをお願いします。
Q:ギフトラッピングは対応していますか?
A:一部商品を除き、ギフトラッピングサービス(有料:300円)をご利用いただけます。注文時に「ギフト設定」にチェックを入れてください。
Q:領収書は発行できますか?
A:はい。商品発送後、マイページの「注文履歴」よりPDF形式でダウンロードできます。宛名や但し書きの変更も可能です。
Q:海外への配送は可能ですか?
A:一部地域を除き、海外配送に対応しております。送料・配送期間は地域により異なりますので、詳細は「配送ガイド」をご確認ください。
金融業界(銀行・証券・保険)
金融業界(銀行・証券・保険)のFAQの例文は、以下のとおりです。
Q:口座開設の申し込みに必要な書類は何ですか?
A:本人確認書類(運転免許証またはマイナンバーカード)が必要です。スマホアプリから撮影・アップロードするだけでお申し込みが完了します。
Q:投資信託の積立金額は途中で変更できますか?
A:可能です。ログイン後「積立設定」メニューから金額を変更し、翌月以降の引き落としに反映されます。
Q:自動車保険の更新手続きはいつからできますか?
A:満期日の60日前からお手続き可能です。マイページにログイン後、「契約更新」ボタンよりお進みください。
Q:クレジットカードの利用明細はどこで確認できますか?
A:会員専用サイトまたは公式アプリの「利用明細」メニューから、過去12ヶ月分の取引を確認できます。PDF形式でのダウンロードも可能です。
Q:住宅ローンの一部繰り上げ返済はできますか?
A:可能です。インターネットバンキングの「ローン返済」メニューから手続きできます。手数料は返済方法によって異なります。
IT・SaaS業界
IT・SaaS業界のFAQの例文は、以下のとおりです。
Q:ログインパスワードを忘れた場合は、どうすればいいですか?
A:ログイン画面の「パスワードをお忘れですか?」のリンクから再設定できます。登録メールアドレス宛にリセットURLを送信します。
Q:アカウントの権限を変更するには、どうすればいいですか?
A:管理者アカウントでログインし、「ユーザー設定」から権限を変更してください。変更は即時反映されます。
Q:データのバックアップは自動で行われますか?
A:はい。すべてのデータは毎日自動的にクラウド上にバックアップされ、安全に保管されています。
Q:無料トライアル期間の終了後はどうなりますか?
A:トライアル期間終了後、自動的に無料プランへ移行します。継続して有料プランをご利用の場合は、管理画面より契約手続きを行ってください。
Q:請求書の発行日はいつですか?
A:毎月末締め、翌月の初営業日に発行されます。管理画面の「請求情報」からPDF形式でダウンロード可能です。
【社内向けFAQ】テンプレートに使えるサンプル例文
社内向けFAQとしてそのままテンプレートに活用できるサンプル例文について、以下の場面ごとに紹介します。
- 勤怠
- 経費精算
- ツール利用
それぞれを参考に自社向けにカスタマイズすることで、問い合わせ対応の効率化やナレッジ共有の促進が期待できます。
勤怠
勤怠に関するFAQの例文は、以下のとおりです。
Q:打刻を忘れた場合はどうすればいいですか?
A:上長に報告したうえで、「勤怠修正申請フォーム」から修正理由を記載して申請してください。承認後にシステム上で修正されます。
Q:有給休暇の残日数はどこで確認できますか?
A:勤怠管理システムにログインし、「勤怠情報」→「休暇管理」メニューで確認できます。
Q:休日出勤した場合の振替休日はどう申請しますか?
A:「振休申請フォーム」から希望日を入力し、上長承認後にカレンダーへ自動反映されます。
Q:テレワーク時の出勤打刻はどのように行いますか?
A:テレワーク用の勤怠システムにログインし、「テレワーク出勤」ボタンをクリックしてください。退勤時も同様に操作を行います。
Q:早退・遅刻の理由はどこに記入すればよいですか?
A:勤怠システムの「備考欄」に理由を記載してください。内容により上長の確認が求められる場合もあります。
経費精算
経費精算に関するFAQの例文は、以下のとおりです。
Q:領収書を紛失した場合はどうすればいいですか?
A:支出内容を記載した「領収書紛失届」を提出してください。上長および経理の承認が必要です。
Q:交通費はいつまでに申請すればよいですか?
A:出張・外出日の翌月5日までに経費精算システムで申請してください。期日を過ぎると翌月扱いになります。
Q:社内クレジットカードの利用明細はどこで確認できますか?
A:経理システム内の「カード利用履歴」メニューから確認可能です。PDF形式でダウンロードもできます。
Q:出張旅費の支払いはいつ行われますか?
A:経費申請が承認された翌月10日までに指定口座に振り込まれます。処理の遅延がある場合は経理部までお問い合わせください。
Q:経費精算の差し戻し理由はどこで確認できますか?
A:システム内の「申請履歴」から該当申請を開き、コメント欄で差し戻し理由を確認できます。修正後、再申請を行ってください。
ツール利用
ツール利用に関するFAQの例文は、以下のとおりです。
Q:新しいアカウントを発行してもらうには、どうすればいいですか?
A:ITサポート宛てに「アカウント発行依頼フォーム」で申請してください。原則2営業日以内に発行されます。
Q:共有ドライブのアクセス権限がありません。どうすればいいですか?
A:所属部署のマネージャーに申請後、IT部門で承認・付与されます。
Q:チャットツールにログインできない場合の対処法は?
A:ネットワーク接続を確認のうえ、再ログインをお試しください。それでも解決しない場合は、ITサポートに問い合わせてください。
Q:ソフトウェアのアップデートはどのように実施されますか?
A:社内で配布される「アップデート案内メール」に従い、指示された手順で最新版をインストールしてください。
Q:社内Wi-Fiのパスワードがわからない場合は?
A:社内ポータルの「IT関連マニュアル」ページに最新の接続情報が掲載されています。閲覧できない場合はITサポートまでご連絡ください。
【コールセンターFAQに使える】テンプレートに使えるサンプル例文
コールセンターFAQに使えるテンプレートとして、そのまま応対マニュアルや教育資料に活用できるサンプル例文を以下の場面に分けて紹介します。
- 応対マニュアル
- システム操作
- クレーム対応・エスカレーション
オペレーター教育や新人研修マニュアル作成の際にも役立ちます。
応対マニュアル
オペレーターの応対マニュアルに関するFAQの例文は、以下のとおりです。
Q:お客様が強い口調でクレームを言われた場合は?
A:まずは傾聴を徹底し、感情的な反応を避けて「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」と謝罪します。
その後、落ち着いたトーンで状況を整理し、事実確認に移ってください。必要に応じて通話録音内容を確認し、再発防止策を共有します。
Q:他部署への転送が必要な場合の手順は?
A:内容を確認後、「転送メモ」に要件とお客様情報を記載し、内線転送を行います。転送前に「○○担当におつなぎいたします」と一言伝え、保留音を流してから接続してください。対応完了後は「問い合わせ履歴」に記録します。
Q:お客様の話が長く、要件を整理しづらい場合は?
A:「恐れ入りますが、内容を正確に確認するため、要点を整理してお伺いしてもよろしいでしょうか」と丁寧に会話をリードしてください。相手の話を遮らずに整理することで、誤解や聞き漏れを防止できます。
システム操作
コールセンターのシステム操作に関するFAQの例文は、以下のとおりです。
Q:コール記録が保存されない場合の対処法は?
A:録音設定を確認し、サーバー同期が停止していないかをチェックしてください。ブラウザの拡張機能や通信制限が原因の場合もあるため、別環境で再試行し、それでも解決しない場合は管理者にチケット発行を依頼してください。
Q:CRM上で顧客情報が表示されないときは?
A:ログインセッション切れの可能性があるため、再ログインを実施してください。表示されない場合はブラウザのキャッシュをクリアした後、再起動を行います。再現頻度が高い場合は、システム障害報告を提出してください。
Q:通話履歴が途中で途切れる原因は?
A:ネットワーク不安定または回線混雑が原因の可能性があります。VPN接続状況を確認し、必要に応じて通信経路を変更してください。
クレーム対応・エスカレーション
クレーム対応に関するFAQの例文は、以下のとおりです。
Q:担当部署に引き継ぐ判断基準を教えてください。
A:契約・請求・法的トラブルなど、一次対応の範囲を超える内容は、必ず上長または専門部署へエスカレーションしてください。また、対応内容を「対応ログ」に記録し、次回担当者が経緯を把握できるようにします。
Q:感情的なクレームが長引いた場合はどう対応しますか?
A:一定時間で区切りを設け、「担当部署より折り返しご連絡いたします」と伝えて通話を終了します。その際、通話記録・発言内容をFAQテンプレートに従って記録し、上長に報告を行ってください。
Q:同じ内容のクレームが複数発生している場合は?
A:共通原因を整理し、「よくある質問(FAQ)」として社内ポータルに登録します。再発を防止するため、商品仕様・案内文・スクリプトの見直しを関連部署に依頼してください。
FAQテンプレートを活用する3つのメリット
FAQテンプレートを活用することで、作成の効率化だけでなく、品質の均一化や業務全体の生産性向上にもつながります。
ここでは、FAQテンプレートを導入する3つの主なメリットを解説します。
- 効率的にFAQを作成できる
- 品質を均一化できる
- 生産性を上げられる
効率的にFAQを作成できる
FAQテンプレートを使うメリットは、作成工数を削減できることです。フォーマットが最初から用意されているため、ゼロから構成を考える必要がありません。
質問と回答を入力するだけで一定の体裁を整えられるため、担当者が複数人いても短時間で多くの質問を蓄積できます。
テンプレートを利用すると、過去の質問データを再利用しやすくなり、更新作業もスムーズです。
とくに社内FAQやカスタマーサポートでは、「共通の質問フォーマットを使う」ことで、誰でもすぐに新しい質問を追加できます。
効率的にFAQを作成したいのであれば、テンプレートの活用はおすすめです。
品質を均一化できる
FAQテンプレートを使うことで、質問形式・回答の書き方・カテゴリ分けが統一され、品質を一定に保てます。
担当者によって文章のトーンや構成がバラつくことを防ぎ、ユーザーの理解がスムーズに進みます。
また、表現の揺れや重複質問が減少することで、FAQ全体の見やすさにもつながるでしょう。
複数部門が関わる場合でも同じルールで管理できるため、社内外を問わず統一感のあるFAQ運用ができます。
生産性を上げられる
FAQテンプレートを導入すると、問い合わせ対応や社内サポート業務にかかる工数削減につながります。
よくある質問を整理しておくことで、同じ内容の問い合わせ対応を減らせるため、担当者はより付加価値の高い業務に集中できます。
社内向けFAQなら新人教育の効率化、顧客向けFAQなら自己解決率の向上にも効果的です。
また、テンプレートを継続的に改善することで、蓄積されたナレッジを会社全体の「資産」として活用できるようになります。
組織全体の生産性を上げるという観点でもテンプレートは積極的に活用していきましょう。
FAQテンプレートを活用する3つのデメリット
FAQテンプレートは便利な反面、使い方によっては運用上の課題も発生します。
ここでは、テンプレート活用における代表的な3つのデメリットと、その注意点を解説します。
- 情報を検索するのに時間がかかる
- 古い情報は更新する必要がある
- 内容のわかりやすさに工夫がいる
情報を検索するのに時間がかかる
テンプレートを使ってFAQを量産しても、項目数が増えるほど検索性が課題になります。
カテゴリ分けやタグ付けを工夫しないと、「どこに必要な回答があるのかわからない」という状態に陥りがちです。
とくにExcelやWord形式のテンプレートでは、検索機能が限定的なため、FAQが100件を超えると探しづらくなります。
そのため、キーワード検索やカテゴリ別リンクを設けるなど、閲覧性を高める工夫が必要です。
情報検索に時間がかかっているかどうかを意識して進めていきましょう。
古い情報は更新する必要がある
テンプレートを使って大量にFAQを作成すると、古い内容が放置されやすくなります。
システムの仕様変更や制度改正があっても、更新を怠ると誤情報が残ってしまうリスクもあります。
信頼性を保つためには、定期的にFAQの棚卸しやレビューを行うことが重要です。
具体的な方法は以下の通りです。
- アクセス数や検索頻度の高い質問を分析し、利用状況に応じて内容を更新する
- 回答内容が古くなっていないか、担当部門と定期的に確認・修正する
- 重複した質問や閲覧されていないFAQを整理・統合する
更新担当者を明確にし、半年〜1年単位で見直しスケジュールを設定することで、常に最新の状態を維持できるでしょう。
内容のわかりやすさに工夫がいる
テンプレートを使えば形式は整いますが、「質問の書き方」や「回答のわかりやすさ」までは自動的に担保できません。
読み手の知識レベルや目的に合わせて、具体例・手順・図解などを加える工夫が必要です。
とくに金融やITなどの専門用語が多い業界では、平易な言葉への言い換えが求められます。
以下のような言い換えを検討してみてください。
- エビデンス → 証拠や根拠
- アジャイル開発 → 小さな単位で素早く改良を重ねる開発方法
- コンプライアンス → 法令やルールを守ること
- スキーム → 仕組みや方法
「誰が見ても理解できる文章か?」を意識して、運用段階で内容のブラッシュアップを続けることが大切です。
テンプレートを活用してFAQを作成する流れ
FAQテンプレートを活用して、効果的にFAQを作成・運用するまでの基本的な流れは、以下のとおりです。
- FAQの目的と範囲を明確にする
- 質問を洗い出し分類する
- FAQテンプレートに沿って共有・運用する
1.FAQの目的と範囲を明確にする
FAQを作る前に、まず「誰の・何のためのFAQなのか」を明確にすることが大切です。
用途によって、FAQの構成や文体は大きく異なります。使用用途としては、主に以下の通りです。
- 顧客向け
- 社内向け
- コールセンター向けなど
問い合わせ削減・業務効率化、ナレッジ共有など、FAQで解決したい課題をはっきりさせることで、構成の方向性がブレません。
そのうえで、対象者・想定シナリオなどを整理し、FAQの目的を共有しておくことが効果的です。
2.質問を洗い出し分類する
次に、実際の問い合わせ履歴や社内チャットのログなどをもとに、頻出質問をリストアップします。
内容を階層構造で整理していきます。システム関連のFAQであれば、以下のカテゴリに分けるのがよいでしょう。
- 操作
- 設定
- 請求
- トラブル対応など
質問文はユーザーが検索しやすい自然な言葉で記載し、専門用語やあいまいな表現は避けましょう。
また、テンプレートのフォーマット(質問 → 回答 → 補足 → 関連リンク など)に沿って整理しておくと、後から登録・更新がスムーズになります。
3.FAQテンプレートに沿って共有・運用する
質問と回答を整理したら、テンプレートに入力し、運用していきましょう。
その際、ナレッジ共有ツールやシステムに登録すると、誰でも簡単にアクセス・更新が可能になり、属人化を防げます。
公開後は、FAQの更新担当を明確にし、内容が古くならないよう定期的にレビューを行うことが大切です。
また、アクセス状況や検索キーワードを分析し、「利用されていない質問」や「不足している回答」を特定して改善を続けることで、FAQの精度を高められるでしょう。
テンプレートを活用して満足度の高いFAQを作るコツ
FAQテンプレートを使うだけでは満足度の高いFAQは完成しません。
ユーザー満足度を高めるには、質問内容の精査・構成・検索性・運用ルールまでを意識した工夫が必要です。
ここでは、テンプレートを活用して質の高いFAQを作成するための4つのコツを紹介します。
- 質問や回答をしっかり精査する
- 重要度の高い順に並べる
- 検索されやすいキーワードを含める
- 内容を随時追加・更新する
質問や回答をしっかり精査する
FAQを作る際は、一問一意(ひとつの質問にひとつの答え)を徹底することが大切です。
複数の要素が混在する質問は分割し、回答者・読者双方にとって理解しやすい構成にしておくと、見る人が端的に理解できます。
また、前提条件や対象範囲(例:OS・ブラウザ・プランなど)を明記すると、環境差異による混乱を防げるでしょう。
回答文は「結論 → 手順 → 注意点 → 関連リンク」の順で統一することで、どのFAQでも一貫した読みやすさを保てます。
重要度の高い順に並べる
FAQの並び順は、単なる五十音順ではなく重要度と発生頻度のバランスで決めましょう。
「影響度 × 発生頻度」でスコアリングすることで、ユーザーにとって役立つ質問を上位に配置できます。
また、検索回数や問い合わせ件数をもとに「もっとも多い質問」を優先的に並べると効果的です。
年末調整・夏季休暇などの季節性や、法改正など時期によって注目される項目は、期間限定でFAQの上部に固定して表示するのもおすすめです。
FAQは重要度の高い順に並べて整理していきましょう。
検索されやすいキーワードを含める
FAQの質問タイトルには、実際に検索されやすいキーワードを盛り込みましょう。
ユーザーが使う自然な言葉でタイトルを作成し、専門用語や社内用語はカッコで補足すると検索性が向上します。
さらに、表記ゆれや同義語を本文やタグに併記しておくと、検索ヒット率が高まります。
検索クエリログやGoogleサジェストから実際の検索語を抽出し、定期的にFAQタイトルへ反映させましょう。
内容を随時追加・更新する
FAQの品質を維持するには、定期的な更新運用が欠かせません。
各FAQにオーナーと「次回見直し日」を設定し、四半期ごとのレビューを徹底しましょう。
改訂履歴やバージョン情報を残し、変更点と理由を冒頭にまとめることで、利用者にも透明性を示せます。
また、キャンペーン・制度改正などの時限性情報には失効日を設定し、期限到来後は自動アーカイブ化する運用を取り入れると管理が容易になります。
FAQテンプレートを作成し社内で効率的に運用する方法
FAQをExcelやGoogleスプレッドシート、Wordなどで個別に管理していると、情報が各所に点在して最新版の把握が難しくなります。
担当者ごとにフォーマットが異なると、検索にも時間がかかり、結果的に運用コストが増大してしまいます。
そのため、FAQは専用ツールを活用して一元管理するのが効率的です。中でも、ナレッジマネジメントツール「NotePM」がおすすめです。
NotePMでは、テンプレート化されたFAQページを誰でも簡単に作成でき、質問と回答のフォーマットを統一できます。
また、編集履歴の自動保存やアクセス権限の設定もできるため、属人化を防ぎつつ、常に最新の情報を全員が共有できます。
NotePMのFAQテンプレートを活用した成功事例
ここでは、NotePMのFAQテンプレートを活用して業務効率化やナレッジ共有を実現した企業事例を紹介します。
いずれも「情報の一元管理」「検索性の向上」「属人化の解消」に成功した導入事例です。
テンプレートの運用事例については、以下の記事で詳しく解説しています。
>関連記事:みんなの「テンプレート」運用事例
情報を探す時間を削減|住信SBIネット銀行株式会社

住信SBIネット銀行株式会社は、急成長に伴い社内ナレッジが分散していた課題を解決するためにNotePMを導入しました。
検索性に優れた社内wikiを構築し、必要な情報にすぐアクセスできる環境を整備したのです。
FAQを含むマニュアル・手順書を一元化することで、問い合わせ対応や教育工数を削減しました。
全社員が気軽にナレッジ共有できる体制を実現し、組織全体の生産性と一体感を高めています。
>関連記事:【導入事例】最高のデジタルバンクになるために。組織変革を支える社内wikiツール – 住信SBIネット銀行株式会社
組織拡大・多店舗展開による情報共有問題を解決|スタートアップ税理士法人

スタートアップ税理士法人は、急速な組織拡大に伴い情報の属人化や分散が課題となっていました。
そこでNotePMを導入し、部署別・テーマ別にナレッジを整理することで、「ここを見ればわかる」環境を実現したのです。
FAQテンプレートを活用することで、問い合わせ内容を標準化し、新入社員教育や日報管理の効率化にも成功しました。
100名規模の組織運営を支える情報共有基盤として、NotePMが定着しています。
>関連記事:【導入事例】組織拡大・多店舗展開による情報共有問題を解決。100人組織への成長を支えるナレッジ共有ツール – スタートアップ税理士法人
テンプレートを活用して質の高いFAQを作成しよう
FAQテンプレートを活用することで、質問と回答の形式を統一し、誰でも使いやすいFAQを効率的に構築できます。
さらに、NotePMのようなナレッジ共有ツールを組み合わせれば、FAQの更新・共有・検索を自動化でき、属人化を防止できます。
テンプレートを土台に、定期的な見直しと改善を行うことで、FAQは「問い合わせ削減」だけでなく、社内の情報資産を最大化する仕組みの構築につながるでしょう。



