取扱説明書の作り方を6ステップで解説!取説を作るときのポイントも紹介

2024年03月28日(木) マニュアル作成

こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。

取扱説明書には、製品の使い方を伝えるとともに、単純に「説明」するだけではなく、顧客の安全と満足を守るという重要な役割があります。しかし、どれだけ製品を理解していても、分かりやすい取扱説明書を作成することは容易ではありません。

そこで今回は、取扱説明書を作る6つのステップと、作るときの重要事項、ポイントを詳しく解説します。

 

こんな方におすすめ

• 分かりやすいマニュアルを作成したい
• 情報が散らばっており、欲しいマニュアルにたどり着けない
• マニュアル活用を社内に浸透させるコツを知りたい


取扱説明書とは?取説の作り方を知る前の知識

取扱説明書の作り方を知る前の前提知識として、以下の2つを知ることが大切です。

  • 取扱説明書の種類
  • 業務マニュアルとの違い

それぞれについて、詳しく解説します。

取扱説明書の種類

取扱説明書は、利用者の目的にあわせてさまざまな種類に細分化できるため、どの種類の説明書を作成するのかを明確にする必要があります。

取扱説明書の種類を目的ごとに分類すると、主に下表のような種類があります。

種類 内容
操作説明書 製品やシステムの基本的な操作方法や手順
作業手順書 製品や設備を安全に使用するための手順や注意点
インストールガイド 製品やソフトウェアのセットアップやインストール方法
トラブルシューティングガイド 問題やエラーが発生した際の対処方法や解決策
メンテナンスマニュアル 製品や設備の定期的な保守・メンテナンス方法
交換部品の情報や点検周期などの詳細
リファレンスマニュアル 製品やソフトウェアの詳細な仕様や機能
クイックスタートガイド 製品やソフトウェアを迅速に始めるための簡易版の説明書

業務マニュアルとの違い

取扱説明書と業務マニュアルは、どちらも手順や方法を伝えるための文書ですが、目的と内容が異なります。取扱説明書は製品やシステムの正しい使用を教育するためのもので、エンドユーザーを対象としています。記載内容は製品の操作方法・使用する際の注意点・メンテナンス方法などで、イラストや写真を多用してわかりやすく作られています。一方で、業務マニュアルは特定業務の手続きを示す文書で、従業員やスタッフが対象です。業務の手順・役割・責任・ルールなどを詳細に記述し、業務の正確な実行をサポートします。簡単に言えば、取扱説明書は「製品の使い方」、業務マニュアルは「仕事のやり方」を示すものです。

関連記事:効果的な業務マニュアルの作り方を、事例も交えてわかりやすく解説!


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取扱説明書の作り方を6つのステップで解説

取扱説明書を作るときには、以下の6つのステップがあります。

  • 目的を明確にする
  • スケジュールを決める
  • 記載する内容と構成を決める
  • 情報を落とし込む
  • 図やイラストを挿入する
  • 製造者に確認する

それぞれについて、詳しく解説します。

目的を明確にする

取扱説明書の作り方のステップの1つ目は、目的を明確にすることです。目的が定まらないまま取扱説明書を作成すると、いつ誰が使うべきものなのかが分からず、その取扱説明書は次第に活用されなくなる恐れがあります。初めに、取扱説明書の目的・対象者・利用シーンまで具体的に決めることが大切です。目的を設定することで、更新もしやすくなり、活用される取扱説明書が作成できるでしょう。

スケジュールを決める

取扱説明書の作り方のステップの2つ目は、スケジュールを決めることです。リリースの期限を把握し、作成に要する時間の全体像と、情報のまとめやタイトルの決定、本文の記述など、それぞれの工程でどの程度の時間がかかるかを詳細に計画していきます。取扱説明書を作成するときは、繰り返し見直しを行い、フィードバックを取り入れながら改良することで、質を向上させることができます。改良する時間も考慮した計画を立てることをおすすめします。

記載する内容と構成を決める

取扱説明書の作り方のステップの3つ目は、記載する内容と構成を決めることです。取扱説明書を作るときには、全体のフレームワークや各部分に記述すべき要点を先に定めておくとスムーズです。この段階で、「誰のための取扱説明書なのか」と「どのようなシーンで何の目的を達成するものか」という基本方針も決定しておきましょう。各部分の詳細だけに焦点を当て、全体の流れを見失ってしまうと、読む側からすると情報が欠けていたり、重複が生じたりすることがあります。各部分を明確に伝えて正確性を上げることも大切ですが、全体の一貫性を持たせることが、ユーザーにとって分かりやすい取扱説明書となります。

例えば、一般家庭での利用を前提とする機器であれば、日常生活での使用場面を基にした説明を書きます。わかりやすいレイアウトや魅力的なデザインにも注意することが重要です。さらに、製品やサービスの詳細を熟知した担当者が取扱説明書を作成し、読み手に誤った情報を伝えないよう正確に記載することにも留意しましょう。

情報を落とし込む

取扱説明書の作り方のステップの4つ目は、情報を落とし込むことです。基本的なフレームワークとレイアウトが設定された後、指示に従って具体的な内容を執筆していきます。文章を構築するときの注意点は以下です。

  • 対象者の視点を優先する
  • 文章を直感的に理解できるよう保つ
  • 初見の人でも容易に把握できるようにする
  • 詳しく書きすぎず、要点を簡潔に伝える
  • 文章+図解+箇条書き等を活用して視認性を向上させる

文章を作成しながら、その都度、基本のテーマから外れないようにチェックしましょう。

図やイラストを挿入する

取扱説明書の作り方のステップの5つ目は、図やイラストを挿入することです。複雑な操作が必要な製品の場合、文章だけでは説明が不十分なことがあります。そのため、図解やイラストを添えていきます。図解やイラストを用いて使用者の理解を促すことで、正確に情報を伝えることができます。しかし、「わかりやすいイラスト」を作ることは、「わかりやすい文章」を書くのと同じくらい難しいことも事実です。取扱説明書の図解やイラストが作成できないときには、専門のデザイナーへの依頼も検討しましょう。

製造者に確認する

取扱説明書の作り方のステップの6つ目は、製造者に確認することです。製品に関する最も詳しい情報を持っているのは、製品の開発者や製造者です。そのため、完成した取扱説明書が正確かどうか、製造者にチェックを求めることが重要です。また、確認作業は1人だけでなく、数人の意見を取り入れながらブラッシュアップすることをおすすめします。

取扱説明書の作り方での重要項目

取扱説明書の作り方での重要項目には、以下の2つがあります。

  • PL法を遵守した書き方をする
  • トラブルシューティングを設ける

それぞれについて、詳しく解説します。

PL法を遵守した書き方をする

取扱説明書の作り方での重要項目の1つ目は、PL法を遵守した書き方をすることです。PL法は、製造物責任法のことで、製品の不具合が原因で何らかの問題が生じた場合、製造者が損害賠償の責任を負う法律です。製品の不備で使用者がけがをしたり、他のアイテムが破損して新しく購入する義務が生じたりする場合に適応されます。また、何らかの問題とは、警告表示が不適切だった場合も含まれます。

例えば、コーヒーメーカーで他の液体を使用したことによって火傷を負った利用者がいるとします。この際、取扱説明書に「コーヒーメーカーには水のみを使用してください」と明確に表記していなければ、賠償請求されるリスクが高まります。このような背景から、取扱説明書の整備は非常に重要であり、専門家に確認してもらうことをおすすめします。

トラブルシューティングを設ける

取扱説明書の作り方での重要項目の2つ目は、トラブルシューティングを設けることです。トラブルシューティングとは、よくある質問やエラーの対処法をリストアップして、ユーザーが自力で解決できるような情報を提供するページです。トラブルシューティングの存在により、ユーザーは問題を自己解決することが可能となります。

また、トラブルシューティングを記載しておくことで、企業に連絡が入る回数も少なくなります。例として、使用状況に応じた交換時期や、月々の電力使用量など、ユーザーが気になるポイントを明記しておきます。よくある質問の回答を記載しておくことで、問題が発生したときに、ユーザーは企業に連絡せずに済むでしょう。

そして、企業の営業時間外に製品を使用しているときにトラブルが生じた場合、翌日の業務時間を待つしかない状況も考えられます。そこで、トラブルシューティングが充実していると、ユーザーの不安が軽減され、顧客満足度を高める効果があります。

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取扱説明書を作るときのポイント

取扱説明書を作るときは、以下の4つのポイントがあります。

  • わかりやすく簡潔に書く
  • 誤読が起きない書き方をする
  • 図やイラストを活用する
  • 1文1メッセージを意識する

それぞれについて、詳しく解説します。

わかりやすく簡潔に書く

取扱説明書を作るときのポイントの1つ目は、わかりやすく簡潔に書くことです。詳しく説明しようとすると、文章が分かりづらく長くなることがよくあります。情報を盛り込みすぎると、読者が理解しづらくなる可能性があるため、必要な情報だけを記載することが重要です。文章を読み直し、不要な言葉や情報はないか、また抜けている部分はないかを確認し、文章の質を高めましょう。

図やイラストを活用する

取扱説明書を作るときのポイントの2つ目は、図やイラストを活用することです。図解を用いることで使用者の理解を促すことができるのは、前述した通りです。また、同じ言語圏内でも専門用語や表現の違いがあるため、図やイラストを使用することで、読者の言葉に対する誤解を減少させることができます。特に、危険な操作や注意が必要な手順を記載するときには、警告アイコンやイラストを用いて、読者の注意を引きつけることが可能です。図やイラストの活用は、情報の伝達を効果的にするだけでなく、取扱説明書の品質を向上させる重要なポイントだといえます。適切な図やイラストを取り入れることで、より使いやすく、効果的な取扱説明書を作成できるでしょう。

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誤読が起きない書き方をする

取扱説明書を作るときのポイントの3つ目は、誤読が起きない書き方をすることです。取扱説明書を読む側に立って書くことが大切です。冗長な文章や専門用語の過度な使用は避け、できるだけシンプルかつ明瞭な文章で書きましょう。

1文1メッセージを意識する

取扱説明書を作るときのポイントの4つ目は、1文1メッセージを意識することです。1つの文には動作を1つだけ記載し、2つ以上になる場合は文を分けましょう。

悪い例 容器のフタを半分開け、AパックとBパックを取り出した後、Aパックの内容を入れ、600Wで2分加熱して、Bパックを混ぜ込みます。
良い例 1.容器のフタを半分開け、AパックとBパックを取り出す
2.Aパックの内容を加える
3.600Wで2分加熱する
4.Bパックを混ぜ込む

一連の文章を通読すると、最初と最後だけが印象に残るといわれます。細かい手順を一度読んだだけで覚えるのは難しいと思う人がほとんどです。上記のように、1文に1つの手順だけを記載することで、具体的に何をすればよいのか理解しやすくなります。手順の番号も、「1の後は2」というように、読み手をスムーズに案内するのに効果的です。

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まとめ

取扱説明書の作成は、製品の使用者に対する最初のコミュニケーションと言っても過言ではありません。今回紹介した6つのステップとポイントを頭に入れ、ユーザーにとって分かりやすく、安心して製品を利用できる説明書を作りましょう。まだ取扱説明書の作成に不安がある方や再確認したい方は、ぜひこの記事を参考に制作してみてください。

 

こんな方におすすめ

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