取扱説明書の作成方法8ステップ!注意点やおすすめツールも紹介

2024年12月26日(木) 文書管理

 

取扱説明書には、製品の使い方を伝えるだけでなく、顧客の安全を守る役割があります。しかし、製品を深く理解していても読み手がわかりやすい取扱説明書を作成するのは簡単ではありません。

本記事では、取扱説明書の作成方法や作成のポイント・注意点について解説します。これから取扱説明書を用意する人は、ぜひ本記事を参考に、ツールを活用しながら効率良く作成を進めてみてください。

取扱説明書とは?基礎知識を紹介

取扱説明書とは、以下の内容を詳しく解説した文書のことです。

  • 製品の使い方
  • 安全上の注意点
  • メンテナンス方法
  • トラブル時の対処法 など

一般的に、製品を購入した際に、冊子として同梱されるか電子データの形で提供されます。

初めて使用する製品であっても、製品の正しい取扱方法が記載されていれば、事故や故障も防げるでしょう。また、初めて使用するユーザーにもわかりやすい表現で、製品に関する情報を網羅することで、メーカーへの問い合わせを効率化できます。

取扱説明書の種類

取扱説明書は、利用者の目的にあわせてさまざまな種類に細分化できるため、どの種類の説明書を作成するのかを明確にする必要があります。

取扱説明書の種類を目的ごとに分類すると、主に下表のような種類があります。

種類 内容
操作説明書 製品やシステムの基本的な操作方法や手順
作業手順書 製品や設備を安全に使用するための手順や注意点
インストールガイド 製品やソフトウェアのセットアップやインストール方法
トラブルシューティングガイド 問題やエラーが発生した際の対処方法や解決策
メンテナンスマニュアル 製品や設備の定期的な保守・メンテナンス方法
交換部品の情報や点検周期などの詳細
リファレンスマニュアル 製品やソフトウェアの詳細な仕様や機能
クイックスタートガイド 製品やソフトウェアを迅速に始めるための簡易版の説明書

業務マニュアルとの違い

取扱説明書と業務マニュアルには、以下のような違いがあります。

取扱説明書 ・製品やシステムの正しい使用方法の教育が目的
・製品に関する必要最小限の情報
・トラブルシューティングやFAQを詳細に記載
業務マニュアル ・特定業務の手続きや手順の説明
・業務に関する幅広い専門的知識を網羅
・FAQは比較的簡潔

取扱説明書も業務マニュアルも読み手にわかりやすく伝えることを重視していますが、対象者と目的に応じて、記載内容や説明の深さが異なります。

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取扱説明書の作成方法8ステップ

取扱説明書の作成の流れは、以下のとおりです。

  1. 取扱説明書の対象者を明確にする
  2. 作成スケジュールを決める
  3. 各工程の洗い出しをする
  4. 全体の構成を考える
  5. 構成を元に本文を作成する
  6. トラブルシューティングページを作成する
  7. 索引ページを作成する
  8. フィードバックを依頼する

内容に抜け漏れのない取扱説明書を完成させられるように、ステップに則って作成を進めましょう。

取扱説明書の対象者を明確にする

取扱説明書を作成するには、対象読者を設定するのが重要です。製品を使用するのが一般消費者なのか、専門知識を持つプロなのかによって、以下のように説明方法や使用する用語が異なります。

対象読者 説明方法
一般消費者向け 専門用語を避け、わかりやすい言葉で説明する
専門家向け 業界で一般的に使用される用語を取り入れて、簡潔に説明する

また、想定される使用シーンも明確にしておくと、より実践的な説明書の作成が可能です。対象読者を適切に設定しておくことで、説明書のアップデートもスムーズに実施できます。

作成スケジュールを決める

取扱説明書の対象者を明確にしたら、作成スケジュールを検討します。リリースの期限を把握し、作成に要する時間の全体像と情報のまとめやタイトルの決定・本文の記述など、それぞれの工程でどの程度の時間がかかるかを詳細に決めましょう。

取扱説明書を作成する際は、繰り返し見直し、フィードバックを取り入れながら改良することで、質を向上させられます。そのため、取扱説明書を改良する時間も考慮したうえで、計画を立てるのがおすすめです。

各工程の洗い出しをする

取扱説明書の作成に入る前に、対象となるすべての作業を列挙し、実際の作業内容との整合性を確認します。また、抽象的な作業は、実行可能な具体的なタスクに分解することによって、正確な情報提供が可能です。

たとえば、「設定を変更する」という工程であれば、「電源ボタンを押す」「メニューを開く」といった具体的な手順に落とし込みましょう。具体的なタスクに分解できれば作業の抜け漏れを防ぎ、読み手が迷わずに動作を実行できます。

ただし、細かすぎる説明は逆に理解を妨げる可能性があるので、掲載する項目は慎重に選別しなければなりません。

全体の構成を考える

取扱説明書は、読み手が必要な情報にスムーズにアクセスできるように、一貫性のある流れで構成を組み立てる必要があります。基本的な構成は以下のとおりです。

  • 表紙
  • 目次
  • 注意事項
  • 基本操作方法
  • 応用的な操作方法
  • メンテナンス方法
  • 廃棄方法
  • トラブルシューティング/FAQ
  • 索引
  • 保証/アフターサービス
  • 製品仕様
  • 裏表紙

手順の説明では、時系列に沿って情報を整理することで、読み手が迷わずに作業を進められます。また、必要な情報をすぐに見つけられるように、工程や作業単位でまとめるのも重要です。

構成を元に本文を作成する

取扱説明書の本文を作成する際には、読み手が直感的に理解できる表現方法を選ぶのが重要です。文章だけでなく、図解や箇条書きを組み合わせることで、初めて製品を使用する人にも内容が伝わりやすくなります。

たとえば、作業手順を説明する場合は、フローチャートを活用して視覚的な理解を促すのもおすすめです。また、例外的な手順は、通常の手順と区別することによって、情報の混乱を防げます。

読み手の立場に立ち、内容が具体的に伝わっているか、使用している言葉が適切かを確認しながら文章を作成しましょう。

トラブルシューティングページを作成する

トラブルシューティングページは、想定されるトラブルの状態や原因、具体的な解決方法を説明するページです。発生頻度の高い問題や問い合わせの多い内容を優先的に取り上げることによって、多くのユーザーのトラブルに対応できます。エラーコードが表示される製品の場合は、コードごとの意味と対処法も漏れなくまとめておきましょう。

ユーザーが必要な解決策を見つけやすくするには、Q&AやFAQ形式で情報を整理するのもおすすめです。アフターサービスの案内も適切に記載することで、安心して製品を使用できる環境を整えられます。

>関連記事:トラブルシューティングマニュアルの作り方|無料テンプレートや作成のコツを紹介

索引ページを作成する

索引ページは、取扱説明書のなかから、ユーザーが必要な情報を探すためのページです。目次の項目を五十音順やアルファベット順に並べ替えるだけではなく、ユーザーが思いつきそうなさまざまなキーワードから同じ情報にたどり着けるようにする必要があります。

特に、50ページを超えるような説明書に索引ページがあれば、効率良く情報にアクセスできるでしょう。電子ファイル形式の取扱説明書の場合、キーワード検索機能を活用するのもおすすめです。

フィードバックを依頼する

取扱説明書の完成度を高めるためには、製品開発者や製造者にフィードバックを依頼しましょう。専門家の目で内容の正確性を確認することによって、技術的な誤りを未然に防げます。

また、実際の使用環境で仮運用し、説明書の内容を検証することで、現場で起こりうる問題点や改善点を明確にするのも重要です。仮運用によって内容の見直しができれば、実用的で読みやすい取扱説明書へと磨き上げられるでしょう。

 

Web上で簡単に取扱説明書の作成・管理ができるツール「NotePM」

 

取扱説明書を作成する際の5つのポイント

取扱説明書を作成する際のポイントは、以下の5つです。

  • わかりやすく簡潔に書く
  • 図やイラストを活用する
  • 1文1メッセージを意識する
  • 読み手が混乱しない表現にする
  • ストーリー性を意識する

ポイントを押さえて作成することによって、読み手がわかりやすい説明書を作り上げられるでしょう。

わかりやすく簡潔に書く

取扱説明書は、必要な情報を簡潔に伝えるのが重要です。読み手の理解を妨げる余計な情報は思い切って削除し、本当に必要な内容だけを厳選して記載します。

専門用語の使用は最小限に抑え、業界未経験者でも理解できるわかりやすい表現を心がけましょう。専門用語を使用する場合は、注釈を付けて意味を補足する必要があります。

ただし、説明が丁寧すぎると逆に読みにくくなってしまうので、適切な順序で要点を簡潔に伝えなければなりません。

図やイラストを活用する

機器の操作方法や複雑な手順の説明は、文章だけでなく図やイラストを活用することによって、直感的に理解できるようになります。視覚的な情報があると、読み手の理解を促しやすいのがメリットです。

特に、危険な操作や注意が必要な手順・安全性が求められる製品は、警告アイコンと組み合わせることで、効果的に注意喚起できます。また、操作パネルやボタンの機能説明もイラストを用いれば、長文での説明を省略できるのもポイントです。

1文1メッセージを意識する

取扱説明書の文章は、1つの文に1つの動作や指示のみを記載するのが重要です。複数の動作を1文にまとめてしまうと、読み手が混乱したり重要な手順を見落としたりする可能性があります。

たとえば「電源を入れながらボタンAを押し、画面が表示されたらボタンBを押す」という文章は、以下のように分割して整理しましょう。

  1. 電源を入れる
  2. ボタンAを押す
  3. 画面が表示されたらボタンBを押す

1文1メッセージを徹底することで、読み手は一度読んだだけでも正確に手順を理解し、実行できます。

読み手が混乱しない表現にする

専門用語の使用は最小限に抑え、一般的な言葉で説明し、読み手がスムーズに内容を理解できる表現にします。

文章は能動態を基本とし、「ボタンを押すと、動作が始まります」のような直接的な表現を心がけましょう。受動態を使用すると文章が回りくどくなるので、読み手の理解を妨げる可能性があります。

また、「〇〇がないことはありません」のような二重否定は避け、シンプルな表現を選ぶのも重要です。余計な言葉を省き、必要な情報だけを簡潔に伝え、読み手が理解しやすい表現を選びましょう。

ストーリー性を意識する

取扱説明書を作成する際は、読み手の行動を想像しながら全体の流れを組み立てるのが重要です。ストーリー性を意識することによって、マニュアルの読みやすさが向上します。

たとえば、「使い始める前に」という章を冒頭に配置すれば、読み手は製品を使用する前に必要な準備や注意事項を把握することが可能です。一方、「困った時は」という章を巻末に置くと、問題が発生した際にすぐに解決策を見つけられるでしょう。

また、ストーリー性のある構成は、ユーザーが直感的に必要な情報にアクセスできるので、顧客からの問い合わせ数の減少にもつながります。

取扱説明書を作成する際の3つの注意点

取扱説明書を作成する際の注意点は、以下の3つです。

  • PL法を遵守する
  • 定期的に更新する
  • 読み手が自分で問題解決できるようにする

正確な取扱説明書を作成するためにも、注意点を理解しておきましょう。

PL法を遵守する

PL法とは、製品の欠陥による損害に対する製造者の賠償責任を定めた法律のことです。製造上の欠陥だけでなく、指示や警告の不足も法的責任の対象となります。

そのため、製品販売者はPL法を考慮したうえで、取扱説明書を作成しなければなりません。わかりやすい警告表示を示し、製品使用時の危険回避方法を伝えるのが重要です。

取扱説明書の不適切な記載や警告表示の不足により、ユーザーが生命・身体への被害や財産への損害を被った場合、製造者は賠償責任を問われる可能性があります。ただし、独自のガイドラインが存在する業界も多いので、事前に確認しておきましょう。

取扱説明書の作成時には、法務部門と連携し、法的要件を満たせているかチェックを受けるのもおすすめです。

定期的に更新する

取扱説明書は、製品の進化や改良にあわせて定期的に更新する必要があります。仕様変更や原材料の変更に伴うメンテナンス方法の見直し・製品のマイナーチェンジなどがあった場合は、速やかに内容を更新しましょう。

また、変更があった製品には、更新版の取扱説明書を同梱するのも重要です。古い説明書のまま新しい製品を出荷してしまうと、ユーザーが正しい使用方法を理解できず、トラブルの原因となる可能性があります。

そのため、取扱説明書はバージョン管理の徹底が欠かせません。製品の変更履歴と説明書の更新履歴を適切に管理することで、最新かつ正確な情報をユーザーに提供できます。

読み手が自分で問題解決できるようにする

取扱説明書は、読み手が自力で問題を解決できる仕組みを整えるのも重要です。トラブルシューティングやQ&Aセクションを充実させることで、ユーザーは製品に問題が発生しても、自分で解決策を見つけられます。

充実した説明書があれば、営業時間外に問題が発生した場合でも、速やかに問題解決に導けるでしょう。また、読み手の自主的な問題解決をサポートする取扱説明書は、企業への問い合わせ数を減らし、顧客満足度の向上にも貢献します。

 

Web上で簡単に取扱説明書の作成・管理ができるツール「NotePM」

 

取扱説明書にNotePMが最もおすすめな3つの理由

取扱説明書の作成に、NotePMが最もおすすめな理由は以下の3つです。

  • 検索性に優れている
  • マルチデバイスに対応している
  • ユーザートレーニング不要で導入しやすい

ツールを活用することで、効率良く取扱説明書の作成を進められるでしょう。

>関連記事:NotePMの評判まとめ|メリット・デメリットや料金など網羅的に解説
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検索性に優れている

口コミでも評価されている通り、NotePMは検索性に優れている点もメリットのひとつです。ツール内で作成したドキュメントに加えて、Word・Excel・PDFなどファイルの中身も全文検索が可能です。

NotePMで社内文書を一元管理しておけば、検索時間を短縮し、業務効率アップが狙えます。実際にNotePMを導入した企業では、検索時間が4割削減できた事例もあるほどです。便利な検索機能により検索性に優れている点も、NotePMの強みといえます。

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マルチデバイスに対応している

NotePMはマルチデバイスに対応しているため、PC・スマホ・タブレットですべての操作が可能です。社外で確認したい場合も、スマホやタブレットで簡単に使用できます。

たとえば、在宅勤務と出社を併用した勤務スタイルの社員も、自宅で社内と同様にドキュメント作成・閲覧ができます。在宅勤務や残業時間の短縮を推進する際にも効果的といえるでしょう。

ユーザートレーニング不要で導入しやすい

NotePMは、操作性がシンプルで簡単な点が強みです。そのため、ツール導入後のユーザートレーニングが不要で導入しやすいメリットがあります。

公式サイトには使用できる機能一覧やお役立ち資料など、導入後に活用できる資料も豊富にあるため、導入後に疑問点を解決しやすい点も魅力です。無料お試し期間に使用感を確認できるので、導入前に一度試してみることをおすすめします。

取扱説明書を作成して業務効率化に貢献しよう

取扱説明書は、製品の使用者に対する最初のコミュニケーション方法です。作成を進める際は、使用者が混乱しないように、簡潔な文章を意識したり図やイラストを活用したりして、安心して製品を利用できるようにしましょう。

トラブルシューティングやPL法に遵守した注意点を記載することで、使用者が自分で問題を解決できるようになります。

マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」は、社員のナレッジを集め、マニュアルとして共有できるツールです。検索性も高く、ほしい情報がすぐに手に入り、情報の更新も容易です。

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