製造業のDXとは?課題・メリット・進め方・成功事例を紹介

2023年09月01日(金) DX

こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。

生産効率の向上や品質管理の厳格化など、製造業の現場には多くの課題があるため、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めていきたいと考える人は多いでしょう。しかし、DXをどのように進めるべきかよく分からないこともあるかもしれません。

DX化の推進は、単に新しいITツールを導入するだけではなく、業務プロセスや組織文化そのものを変革することを意味します。そこで今回は、製造業でDXを実現させるメリット、進め方、成功事例を紹介します。

製造業でDXが求められている理由

日本の製造業は、高齢化と少子化による働き手の減少や、消費者の多様化するニーズに直面しています。さらに、「2021年版 ものづくり白書」において経済産業省は、製造業の事業を進めるにあたり、外的要因の変動を前もって予見するのは困難であると指摘しています。このような背景から、デジタル技術の導入で業務プロセスを変革し、生産効率や製品品質の向上を実現するDXへの取り組みが注目されています。DXを進めるための具体的なアプローチとしては、IoTを中心にloTと相性の良いデジタルツインなどが挙げられます。

出典:2021年版 ものづくり白書|経済産業省 厚生労働省 文部科学省
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2021/pdf/gaiyo.pdf

製造業でDXを実現させるメリット

製造業でDXを実現させるメリットには、以下の4つがあります。

  • 作業の自動化・省人化
  • 情報の可視化
  • 顧客満足度の向上
  • 属人化の防止

それぞれについて、詳しく解説します。

作業の自動化・省人化

製造業でDXを実現させるメリットの1つ目は、作業の自動化・省人化です。AIや機械技術の導入により、以前は人の手によって行われていたタスクを機械が担当することが可能になりました。現代のAIは驚異的な進展を遂げており、特定の分野では人間を超えるパフォーマンスを実現しています。また、AIやロボットは、人のように疲労や怪我のリスクはありません。

AIや機械技術の採用により、作業の一貫性やコスト効率の向上が期待されるほか、人の作業負担が軽減されることで、より付加価値の高いタスクに注力しやすくなるでしょう。

情報の可視化

製造業でDXを実現させるメリットの2つ目は、情報の可視化です。IoTの導入により工場の生産ラインのデータを収集し、可視化することで、生産効率の向上が期待されています。IoTでは、さまざまなデバイスをインターネット接続させて、情報の収集やデバイスの統合管理が可能になります。

IoTの技術を基盤として全体の生産過程をより効率的にする工場を「スマートファクトリー」と称し、未来の製造産業の新たなスタンダードとして多くの関心を集めています。工場のデジタル変革を進め、IoTから得られる情報を分析することにより、従来認識しきれなかった「ムリ・ムダ・ムラ」などの課題を改善する手助けとなります。

顧客満足度の向上

製造業でDXを実現させるメリットの3つ目は、顧客満足度の向上です。DXの導入で作業の効率化や顧客の需要を予測できれば、提供するサービスの質を高められます。顧客の要求に迅速に対応でき、新しい製品の開発や既存商品の改良などを進めることで、顧客満足度の向上にもつながります。また、DXを取り入れることで、大量生産からカスタムメイド生産へとシフトしやすくなります。生産ラインをデジタル管理することで、顧客の個々の要望や好みに応じた製品を、迅速に提供することが可能となり、顧客体験が向上するでしょう。

属人化の防止

製造業でDXを実現させるメリットの4つ目は、属人化の防止です。従来、業務に慣れた従業員の感覚や経験に基づいて行われていたタスクを数値化し、共有することで質の一貫性を確保できます。例えば、金属加工業などでは、金属を加熱するときの温度や切る角度など、生産過程のさまざまな情報をデータ化して取得します。こうした情報から手順書を作成したり、作業のビデオ撮影を行ったりすることで、技能の属人化を最小限に抑えられるでしょう。

製造業でDXが進まない理由

製造業でDXが進まない理由には、以下の3つがあります。

  • IT人材が不足している
  • ITツールの選定が難しい
  • データがうまく活用できない

それぞれについて、詳しく解説します。

IT人材が不足している

製造業でDXが進まない理由の1つ目は、IT人材が不足していることです。DXの実現のためには「DX専門チーム」のような特化した部門を設け、専門知識のあるスタッフを雇用する、あるいは内部で育て上げることが不可欠です。しかし、現在DXの実践能力を持つ人材は不足傾向にあり、さらに製造業に精通している技術者は限られています。そのため、製造業でのDX人材の養成は長期戦略として計画的に取り組む必要があります。

具体的には、求める技術・能力を明確にし、人材の研修やトレーニングプログラムを整備していきます。場合によっては、DX専門のコンサルティングサービスを利用し、専門家の助言を受けながらDXの取り組みを前進させる方法も検討する必要があるでしょう。

ITツールの選定が難しい

製造業でDXが進まない理由の2つ目は、ITツールの選定が難しいことです。DXの実施にはITツールの導入が欠かせませんが、企業のニーズや問題点に合致したソフトウェアを選ぶのは専門知識が必要で、容易ではありません。また、導入後に自社でツールを評価できなければ、大きなコストをかけてシステムを導入したにも関わらず、期待した効果を得られない、あるいは効率が低下してしまう恐れもあります。

もし、社内にITツールの選択に熟練したスタッフがいない場合、外部のDXコンサルタントの協力を考えることも一つの選択肢です。企業の現状の課題をしっかりと把握し、それを解消するためのソフトウェアやサービスは何か、また、導入後は、社内スタッフでどのように管理・運用すべきかを考慮しながら、最適なITツールを選択する必要があります。

データがうまく活用できない

製造業でDXが進まない理由の3つ目は、データがうまく活用できないことです。製造業の中で、生産過程の機器の動作状態や関連データの取得を積極的に行っている企業は、全体の半数とも言われます。DXの根幹はデータの電子化とその収集にありますが、全ての作業フローを瞬時にデジタル化することは、時間や経費の面からも難しいことが原因です。人の力だけでなく、機器や先進的な技術を駆使しながら、データを活用していく必要があるでしょう。

製造業でのDXの進め方

製造業でDXを進めるには、以下の4つのステップがあります。

  • 現場の課題を理解する
  • データを収集・分析する
  • システムを導入する
  • 会社全体で取り組んでいく

それぞれについて、詳しく解説します。

現場の課題を理解する

製造業でのDXの進め方の1つ目は、現場の課題を理解することです。製造業の現場は、一見単純な作業の連続に見えるかもしれませんが、実際には多数の細かな工程、判断基準、技術的な要素が関わり合っています。企業や製品ごと、さらには時期や外部の状況によっても異なるため、一般的な解決策をそのまま適用することは困難です。そのため、自社のDXを効果的に進めるためには、まず現場で直面している課題や潜在的な問題を正確に把握することが大切です。現場の声をしっかりと聞き、実際の状況を正確に把握して解決すべき課題を洗い出しましょう。

データを収集・分析する

製造業でのDXの進め方の2つ目は、データを収集・分析することです。現場で採用している機械や設備にIoTデバイスやセンサーを取り付け、動作状態・製品の品質・生産ラインの効率など、リアルタイムの情報を継続的に収集していきます。さらに収集したデータを、一つのプラットフォームやシステムで統合し、全体の視点での分析や評価を行っていきます。収集・統合したデータを分析ツールやAI技術を利用して解析することで、生産効率の改善点や機械の故障予測、品質向上のための要因など、さまざまなインサイトが得られるでしょう。

システムを導入する

製造業でのDXの進め方の3つ目は、システムを導入することです。データの解析と適用方針が明確になり、目標の達成が現実的に見えた時点で、システムを実装していきます。しかし、急速に全てのタスクをデジタル化すると、実務の現場での混乱が起こりかねません。初めは小規模なタスクから始め、状況を確認しながら段階的に展開していくことをおすすめします。

会社全体で取り組んでいく

製造業でのDXの進め方の4つ目は、会社全体で取り組んでいくことです。単に業務の電子化を目指すだけでなく、組織の体制や企業文化などの基盤を再検討する必要があります。具体的には、各部署の壁を越えて、マーケティング、製造、IT、営業などの異なる部門からメンバーを集め、プロジェクトチームを結成するなどの方法がおすすめです。社内のメンバーだけで進めるのが難しい場合は、外部の専門家を招いて研修を行うのも効果的です。

製造業のDX成功事例

DXを進めるには、実際の成功事例を参考にすることが大切です。ここでは、製造業のDX成功事例を3つ紹介します。

  • アジャイル型開発のナレッジ共有
  • 軽量で高速な情報共有ツールで業務効率化を実現
  • 社内の活動報告とマニュアル作成にITツールを活用

それぞれの事例を、詳しく見ていきましょう。

アジャイル型開発でスムーズなナレッジ共有を実現

電気機器メーカーでのDX事例を紹介します。電気設備の専門業者である株式会社明電舎は、発変電設備や制御システムの製造・設置・保全・メンテナンスまでをカバーするワンストップのサービスを展開しています。同社のDX推進本部は、最新のトレンドを取り入れ、アジャイル型の方法で新しい価値の創出を目指して活動しています。そこで、開発手法に関する情報やナレッジを効率的に共有するために、NotePMを導入しました。NotePMにより情報共有のプラットフォームが整備され、スタッフが情報を積極的に投稿・共有する文化が醸成されました。特に、技術的なキーワードでの検索機能が優れているため、過去の開発データや情報を迅速に検索しやすくなりました。

関連記事:【導入事例】アジャイル型開発をサポートする社内ナレッジツール – 株式会社明電舎

軽量で高速な情報共有ツールで業務効率化を実現

次に、建設メーカーのDX事例を紹介します。株式会社横森製作所は、鉄骨階段に特化した設計・製造・施工を行う専門のメーカーとして業界に名を馳せています。これまで、文書管理システムには数々の不具合があり、動作が遅く業務効率の低下を引き起こしていました。そこで、社内WikiツールとしてNotePMを導入したのです。NotePMの軽量で高速の動作により、従業員たちは快適な操作環境のもと、日報をはじめとする文書を管理できるようになりました。また、NotePMには文書管理だけでなく社内掲示板の機能もあるため、新しいコミュニケーションの場としても活用しています。

現在、ISO資料・技術仕様書・クレーム報告書や見解書・社内の質問箱・議事録などの多岐にわたるドキュメントの管理に使用しています。特に、従業員からのフィードバックを、ブログのような感覚で簡単に投稿できる点や、外部の関連メンバーともスムーズに情報共有できる機能が大変便利だとの声が多数上がっています。

関連記事:【導入事例】文書管理システムを刷新!社内質問箱で問い合わせ業務も効率化 – 横森製作所

社内の活動報告とマニュアル作成にITツールを活用

株式会社ヒョーシンは、店舗用のアクリル什器の製造や加工を専門とし、加えて、オンラインショップでもアクリル板やプラスチック板の販売を展開しています。以前は、社外から自社サーバーにはアクセスしづらく、社内情報の検索・確認が難しいという課題がありました。さらに、社員間での資料のフォーマットや格納先が一致しておらず、効率的な情報共有が難しくなっていたのです。そこで、管理部・製造部・営業部でNotePMの導入を決定しました。

目的は、社外からの情報アクセスを容易にし、内部の情報共有を強化することです。NotePMの導入により、タイムリーな進捗報告や確認が可能となり、日報やチェックリストの活用で作業基準や認識を全員で統一することができました。更に、マニュアル作成のプロセスが確立し、新入社員の教育や知識の継承もスムーズに行えるようになったのです。主に、NotePMを、日報やチェックシートなどの社内の活動報告、業務用のテンプレート、マニュアル作成などに活用しています。

関連記事:【導入事例】製造業におけるタイムリーな情報共有を実現!作業工程の明確化や社内業務の統一化を達成 – 株式会社ヒョーシン

まとめ

本記事では、DXの課題やメリット、具体的な進め方、成功事例を解説しました。DX化の取り組みは、製造業において生産効率の向上、品質の高度化、グローバル市場での競争力強化など、多岐にわたるメリットがあります。DX化を成功させるためには、自社の特性や課題を理解し、課題解決にあったITツールを導入する必要があります。本記事を参考に、あなたの企業にあった方法で、DXへの第一歩を踏み出しましょう。

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  • マニュアル作成、バージョン管理、社外メンバー共有
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