企業経営には常にさまざまなリスクが隠れています。本業が順調に進んでいても、突然の事故や取引先からの思わぬ訴訟などが発生する可能性はゼロではありません。しかし、様々なリスクを想定した対策を自社だけで実施できる企業は限られています。変化の大きなビジネス環境の中で、リスク管理のプロであるリスクコンサルの活用を検討する企業も増えています。
そこで本記事では、リスクコンサルの概要や業務対象の種類、活用のメリットとおすすめの企業を解説します。リスクコンサルの導入を検討している方はもちろん、現在リスクコンサルを利用している方も、ぜひご覧ください。
目次
リスクコンサルとは?
リスクコンサルとは、企業や組織のリスク管理を支援するコンサルティングサービスのことです。リスクコンサルタントは、組織が直面する潜在的なリスク要因を特定し、それらのリスクを評価・分析し、適切な対策を提案します。リスクコンサルは、企業経営において重要な役割を果たしており、企業が安定した経営を維持し、事業拡大を図るために欠かせないサービスとなっています。
リスクコンサルは、ITリスク、金融リスク、法律リスク、人的リスクなど、様々な分野のリスク管理に対応しています。また、最近ではサイバーセキュリティやコンプライアンスに関連するリスクも重要視されています。企業や組織が持続的な成長を達成するために、リスクコンサルは重要な役割を担っています。
リスクコンサルの対象となる主な種類
リスクコンサルの対象となる主な種類には、主に以下の4つがあります。
- 財産損失
- 収入減少
- 人的損失
- 賠償責任
それぞれのポイントを詳しく解説します。
財産損失
リスクコンサルの1つ目の対象は、財産損失です。
財産損失は、企業や組織が所有する財産(建物、設備、在庫、知的財産など)に関連するリスクを指します。財産損失は、火災、自然災害、盗難、破損、製品の欠陥などさまざまな要因によって引き起こされ、企業にとって重大な問題となります。
収入減少
リスクコンサルの2つ目の対象は、収入減少です。
収入減少は、企業や組織の収益源に関連するリスクを指します。市場競争の激化、顧客ニーズの変化、経済状況の悪化、規制の変更など、さまざまな要因が収入減少につながるリスクとなります。収入減少リスクへの対策は、企業経営の安定化や持続的な成長を実現する上で重要です。
人的損失
リスクコンサルの3つ目の対象は、人的損失です。
人的損失は、企業や組織の従業員や関係者に関連するリスクを指します。人的損失には、労働災害、人事トラブル、労働訴訟、重要な社内人材の流出などが含まれます。事業が成長すればするほど、人材も増え、人的損失のリスクも高まります。企業や組織が直面する人的リスクの要因を事前に洗い出すことで、実際に問題が発生しないように予防策を進めることが、企業経営においては重要な要素の1つだといえます。
賠償責任
リスクコンサルの4つ目の対象は、賠償責任です。
賠償責任は、企業や組織が第三者に対して負う法的責任に関するリスクを指します。製品やサービスによる事故、契約違反、環境汚染、知的財産権侵害など、さまざまな要因が賠償責任リスクにつながります。損害賠償はたった1つで企業が経営を続けられなくなるほどの多大な影響を与える可能性のあるリスクです。自社の事業を進める上での訴訟リスクを洗い出し、企業経営に致命的なダメージを受けないよう、日頃から対策を行っておくことが重要です。
関連記事:組織マネジメントを定義から運用のポイント・求められるスキルまで一挙解説
リスクコンサルを活用するメリット
リスクコンサルを活用するメリットには、以下の3つがあります。
- 自社のリスクを客観的に把握
- 具体的なリスク対策の助言と実施
- リスクマネジメントの仕組みづくり
それぞれ、解説していきます。
自社のリスクを客観的に把握
リスクコンサルを活用するメリットの1つ目は、自社のリスクを客観的に把握できることです。
企業や組織は、日常業務の中でリスクに対する認識が偏ったり、見過ごされることがあります。リスクコンサルは、専門的な知識と経験を持ち、多様な業界や企業のリスク管理に携わっているため、企業のリスクを客観的かつ網羅的に把握することができます。また、リスクの把握した上で、それぞれのリスクに対する優先順位を明確にすることで、必要な対策に資源を集中させることができます。
具体的なリスク対策の助言と実施
リスクコンサルを活用するメリットの2つ目は、具体的なリスク対策の助言と実施ができることです。
リスクコンサルは、専門的な知識や経験を活かして、企業が抱えるリスクに対して効果的かつ実行可能な対策を提案します。リスクコンサルが企業の業界特性や組織体制・リスク状況を加味し、自社の限られた資源で実現できる効果的なリスク対策を助言します。
リスクマネジメントの仕組みづくり
リスクコンサルを活用するメリットの3つ目は、リスクマネジメントの仕組みづくりができることです。
リスクコンサルタントは、独自のノウハウや専門知識を活かし、企業に適切なリスクマネジメント体制やプロセスを構築するサポートを行います。自社の業界や会社規模によって、効果的なリスクマネジメントのための体制は異なります。リスクコンサルを活用することで、リスクマネジメントの仕組みが整備され、組織全体でリスク管理を意識し、実行できるようになります。これにより、企業は競争力の維持・向上や、安定した経営を実現するための基盤を築くことが可能となります。
関連記事:プロジェクトマネジメントとは?手法・必要なスキルや成功のポイントなどを解説
リスクコンサルティング会社おすすめ8選を徹底比較
リスクコンサルティング会社おすすめ8選を紹介していきます。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、会計コンサルファームのBIG4の一角であり、グローバルで幅広いコンサルティング業務を行っています。リスクコンサルティングでは、ビジネス戦略に沿ったリスク管理、ITリスク管理、内部統制、監査・監査委員会の支援、リスク評価など、多岐にわたるサービスが提供されています。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングの特徴
- グローバルなネットワークを持つEYグローバルの企業
- 会計コンサルファーム・BIG4の一角
- 幅広い領域で戦略から実行支援までサポート
URL: https://www.ey.com/ja_jp/people/ey-strategy-and-consulting
PwCコンサルティング
PwCコンサルティングは、BIG4の1社でグローバルに展開するPwCグループの企業です。グローバルなネットワークを活用し、様々な企業のリスク対策や企業ガバナンス強化などのコンサルティングを実施しています。多岐にわたる業界でサービス提供の実績を持っています。
PwCコンサルティングの特徴
- BIG4・PwCグループの1社
- 会計から労務・レピュテーションなど幅広いリスクが対象
- グローバルで蓄積されたノウハウ
URL: https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/member/consulting.html
デロイト・トーマツ・リスクアドバイザリーサービス
デロイト・トーマツ・リスクアドバイザリーサービスは、BIG4のデロイトトーマツグループの1社であり、リスクマネジメントに特化した企業です。IT領域におけるリスクマネジメントにも力を入れており、規模と国際性・専門性を背景に品質の高いリスクアドバイザリーサービスを提供しています。
デロイト・トーマツ・リスクサービスの特徴
- BIG4・デロイトグループの1社
- ITに関わるリスクアドバイザリーに力を入れている
- 規模と国際性だけではなく高い専門性を持つ
URL: https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/ra/dtra-company-profile.html
KPMGコンサルティング
KPMGコンサルティングは、BIG4のKPMGグループの1社です。業界に対する深い知識、世界基準の現地適用力、多言語や多文化の経験を持つ人材といった強みを駆使し、クライアント企業のグローバルな経営課題や大規模プロジェクトに対し、事業変革を適切にサポートする体制を整えています。
KPMGコンサルティングの特徴
- BIG4・KPMGグループの1社
- 多様性の高い人材が集まっている
- 大規模な国際的プロジェクトにも対応
URL: https://kpmg.com/jp/ja/home/about/kc.html
ニュートン・コンサルティング
ニュートン・コンサルティングは、2006年11月にイギリスのNewtonグループの日本法人として設立された、リスクマネジメントに特化したコンサルティングファームです。危機管理のエキスパートによるチームが、戦略立案から実行までをサポートするリスクマネジメントのパートナーとして信頼を得ており、日本を代表する大手企業から中小企業まで幅広い実績を持っています。
ニュートン・コンサルティングの特徴
- イギリス本社のニュートングループの1社
- リスクマネジメントに特化したコンサルティング
- 大手から中小企業まで幅広い支援
URL: https://www.newton-consulting.co.jp/
リスクコンサルティング株式会社
リスクコンサルティング株式会社は、その名の通り、リスクマネジメントやリスクコンサルティングに焦点を当てたサービスを提供する企業です。特に、自動車事故に関するリスク管理の経験が豊富で、事故を未然に防ぐための持続的な教育プログラムを提供しています。もし事故が発生した場合でも、解決までトータルサポートが受けられるのが大きな魅力です。
リスクコンサルティング株式会社の特徴
- リスクコンサルティング専門の国内企業
- 自動車に関わるリスクに高い専門性
- 損害保険と生命保険の両方を取り扱う
URL: https://riskconsulting.co.jp/
太陽グラントソントン
太陽グラントソントンは、法定監査や株式上場に関する監査などの監査サービス、税務サービス、さまざまなコンサルティング・アドバイザリーサービスを提供する企業です。内部統制報告制度(J-SOX)への対応支援や内部統制構築支援、子会社管理体制の構築支援などを主軸としたサービスを展開しています。さらに、訴訟・紛争解決や不正対応などのリスク対策についてもサービス提供をしています。
太陽グラントソントンの特徴
- 多岐にわたるサービス提供
- コーポレートガバナンスに関するリスク管理も提供
- 世界135カ国以上に展開
URL: https://www.grantthornton.jp/solution/risk-consulting/
マーシュブローカージャパン
マーシュブローカージャパンは、日本法人を1955年に設立以来、保険およびリスクマネジメントに関するサービスを継続して提供しています。保険代理業務をはじめとして、顧客の要望に応じた最適なリスクマネジメント・プログラムや保険戦略を提案しています。
マーシュブローカージャパンの特徴
- 世界130カ国以上で3万5000名以上のグローバル企業
- 保険代理店業務も行う
- リスク・戦略・人的資本に関する助言と支援を提供
URL: https://www.marsh.com/jp/ja/about/about-marsh.html
まとめ
本記事では、リスクコンサルの概要やメリット、おすすめの企業について徹底解説しました。リスクコンサルの導入によりリスク管理の質が向上し、企業は業績の安定化や競争力の向上、事業の持続性を確保することが可能となります。リスクコンサルを活用することでリスクを網羅的に把握し、自社の状況に適したリスク対策の実施と体制を構築しましょう。
NotePM(ノートピーエム) は、Webで簡単にマニュアル作成できて、強力な検索機能でほしい情報をすぐに見つけられるサービスです。さまざまな業界業種に導入されている人気サービスで、大手IT製品レビューサイトでは、とくに『使いやすいさ・導入しやすさ』を高く評価されています。
NotePMの特徴
- マニュアル作成、バージョン管理、社外メンバー共有
- 強力な検索機能。PDFやExcelの中身も全文検索
- 社内FAQ・質問箱・社内ポータルとしても活用できる
- 銀行、大学も導入している高度なセキュリティ。安全に情報共有できる
URL: https://notepm.jp/