金融業界のDXを徹底解説!課題や推進のポイント・導入事例まで紹介

2024年10月17日(木) DX

「金融業界に求められるDXについて詳しく知りたい」と、いろいろとリサーチしている方も多いことでしょう。例えば、金融業界は機密データを扱っているため運用保守観点からも一刻も早くレガシーシステムから脱却したいと考えているものの、なかなか実現できていないことを課題に感じているケースが多いかもしれません。

他にも課題は山積しており、それらを克服するためにDXを取り入れたいと考える企業が金融業界でも増えています。本記事では、金融業界におけるDX推進の課題のポイント・導入事例を解説します。

金融業界で求められるDXの基礎知識

ここでは、金融業界で求められるDXの基礎知識として、以下の2つを解説します。

  • DXの意味
  • 2025年の崖

それでは、1つずつ解説します。

関連記事:デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?課題や進め方をわかりやすく解説

DXの意味

基礎知識の1つ目は、DXの意味です。

経済産業省は、DXの意味を以下のとおり定めています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

金融業界でもデジタルツールを用いてDXを推進する取り組みがはじまっています。例えば、基幹システムなどのデータを活用し、企業文化の改善につなげたり、新たな商品やサービスを生み出したりしている事例が代表的です。

出典:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver. 1.0|経済産業省

2025年の崖

基礎知識の2つ目は、2025年の崖です。

2025年の崖とは、2018年に経済産業省のDXレポートにて報告された概念で、「このまま日本企業がDXを推進できなかった場合、2025年以降、巨大なリスクが発生すること」を意味します。DXレポートによると、DXを妨げる要因は主に以下の2つです。

  • レガシーシステムの複雑化・老朽化・ブラックボックス化が進み、運用保守が困難になり効率低下
  • 2025年までに、レガシーシステムの運用保守を担える技術者の多くが引退

そして、これらDXの崖を克服できないと、2025 年以降、日本全体で最大12兆円/年もの損失を被る恐れがあると試算しています。

出典:DXレポート~IT システム「2025 年の崖」の克服とDXの本格的な展開~|経済産業省

金融業界でDXを推進する際の課題

ここでは、金融業界でDXを推進する際の課題として、以下の2つを解説します。

  • リスクや変化を恐れる風土
  • DXに必要なインフラ整備が困難

それでは、1つずつ解説します。

関連記事:DX推進の背景・課題と失敗しないための5つポイント

リスクや変化を恐れる風土

課題の1つ目は、リスクや変化を恐れる風土です。

金融業界には、リスクや変化を恐れる風土が少なからず存在します。これは、お客様の信用を得るため、ミスなく仕事を行うことが重視されてきたことが背景にあります。また、様式美を重視した営業を続けてきた伝統があるため、ハンコ文化など、昔ながらの慣習が根強く残る企業も少なくありません。これらがDX推進では足かせになることが多々あります。今後の金融業界は信用や伝統を大切にしつつ、DXなどの変革を進めることが重要になるでしょう。

DXに必要なインフラ整備が困難

課題の2つ目は、DXに必要なインフラ整備が困難であることです。

金融業界においては、顧客の取引データなど機密性が高いデータを取り扱うことが多く、セキュリティ対策が重視されてきました。そうしてセキュリティ対策を強化するあまり、システム管理者やベンダーなど、限られたメンバーのみがアクセスできるシステムが増えました。その結果、システム全体がレガシーシステムとなって、複雑化や老朽化が進んでいます。

レガシーシステムの更新には、大きな予算や長い期間をかける必要があります。そのため多くの金融企業では、DXに必要なインフラの整備が困難であるという課題を抱えています。

金融企業がDXを推進するポイント

ここでは、金融企業がDXを推進するポイントを解説します。ポイントは大きく分けて2つです。

1 【最初に企業のビジョンを明確にし、ロードマップを描く】

・ツール導入を先に行うとDX化自体が目的となり、効果を実感できない恐れがある

・将来の理想像と現状のギャップを明確にし、そのギャップを埋めるには、どのシーンでどんなツールを活用すべきか検討することが重要
2 【ITガバナンス※強化】

・サイバー攻撃対策でセキュリティ強化

・自社システムへの投資・効果・リスクを最適化し続ける

※ITガバナンス:経営方針に沿ったIT戦略を策定し、システム導入や運用、効果を最適化する仕組み

出典:金融機関のITガバナンスに関する対話のための論点・プラクティスの整理|金融庁

金融業におけるDX導入事例

ここでは、金融業におけるDX導入事例として、以下の3つを解説します。

  • 銀行における事例
  • 証券会社における事例
  • 保険会社における事例

それでは、1つずつ解説します。

銀行における事例

事例の1つ目は、銀行における事例です。

A銀行では、DX推進を成功させるべく、まずは社長を責任者として、社内外に会社全体でDXに取り組むことをアピールしました。また、社内外で以下に示す取り組みを行い、DX推進を図っています。

社内  ・データサイエンティストを育成し、意思決定時にデータ分析による合理的判断を促進

・DX推進のため、新たな人事制度を導入
社外  自社開発のアプリケーションを、オープンプラットフォームとして他社にも提供。利便性向上や経済活性化を目指す。

証券会社における事例

事例の2つ目は、証券会社における事例です。

B会社では、FinTech機能※を連携・発展させたDXプラットフォーム機能を実現しました。このプラットフォームを地域創生プラットフォームとして活用し、地の域金融機関や事業会社に提供しています。また、DXで以下の取り組みも試みています。

  • 顧客対応で得られたデータを活用し、新たなビジネス創出
  • 社内業務効率化

※FinTech: IT技術を活用した革新的金融サービス

保険会社における事例

事例の3つ目は、保険会社における事例です。

C会社では、DXをグループで横断的に取り組んでいます。取り組んでいる内容は、例えば以下のとおりです。

  • チャットボットやRPAを活用した業務改革
  • グループ各社に、DX推進の専門部署を設置
  • 自社が保有する事故データや取引先保有のデータを統合し分析し、企業課題の見える化や課題解決を図るサービスの創出

まとめ

本記事では、金融業界におけるDX推進の課題のポイント・導入事例を解説しました。金融業界でDXを推進するには、風土やインフラなどが課題になります。また、DX推進を成功させるには、ロードマップ作成やITガバナンス強化などが重要です。なお、弊社のNotePMも、業務知識・技術力・ノウハウを形式知として残すことができ、DXを推進したい金融業界のみなさまにおすすめです。金融業界における導入事例もありますので、ぜひご覧ください。

関連記事:【導入事例】証券・金融のプロ集団の業務知識やノウハウを形式知として残す – クラウドバンク株式会社

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