エンジニアの評価シートは、業績やスキルを正確に測定し、エンジニアの成長を促すための重要な資料です。技術スキルだけでなく、プロジェクトへの貢献度や問題解決能力など、多角的な視点で評価することが求められます。
一方、評価基準が多岐にわたることから「エンジニア向けの評価シートの作成方法がわからない」「そもそも評価制度が確立しておらず、ゼロから制度を見直したい」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、エンジニア向け評価シートの無料サンプルを配布します。加えて、評価制度の構築手順や評価シートの書き方も詳しく解説するので、ぜひ最後までお読みください。
エンジニアの評価シートを簡単に作れるツール「NotePM」
目次
【基礎知識まとめ】エンジニアの評価制度とは?
エンジニアの評価制度とは、エンジニアの業績や能力を体系的に測定・評価するシステムのことです。この制度では、技術スキルやプロジェクトでの貢献度に加え、チームワークや問題解決能力などのソフトスキルも評価対象です。
技術の急速な進化に対応する柔軟性が求められ、定量的な成果や長期的な貢献など多角的な視点を組み合わせて評価する点が特徴といえます。エンジニアを適正に評価するには、さまざまな評価指標が必要なことから、評価シートの活用が効果的です。
評価シートを用いた一貫性のある評価を行うことで、エンジニアの成長を継続的に記録できるようになります。その結果、人材育成がしやすくなり、評価シートを基準に報酬設計ができるといったメリットもあります。エンジニアを適正に評価する制度は、エンジニアの成長促進やモチベーション向上につながるわけです。
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エンジニアの評価制度で課題になりやすいポイント
エンジニアの評価制度を構築する際に、課題になりやすいポイントを3つ解説します。
- プロジェクトが長期に渡るため、短期的な評価がしづらい
- 評価者のスキルによって評価が変わる
- 客先駐在のエンジニア評価が難しい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
プロジェクトが長期に渡るため、短期的な評価がしづらい
エンジニアが従事する業務は、長期的なプロジェクトや複雑なシステム開発が大半です。業務が成果につながるまでに時間を要するケースが多く、短期的な評価がしにくい点が課題として挙げられます。
成果物が完成するまでの過程や、長期間の取り組みが評価の対象にならないと、エンジニアは適切に評価されないと感じる可能性があります。そのため、開発の途中経過やプロセスに対する評価基準を設定することが重要です。
たとえば、プロジェクト完了時の目標と短期で達成するべき目標を上手く設定し、定期的な評価ができるよう工夫しましょう。
評価者のスキルによって評価が変わる
エンジニアの業務は高度で専門的です。そのため、評価者のスキルや経験が不足している場合、エンジニアのパフォーマンスを正確に評価することが難しい点も課題です。
とくに、技術的な知識や最新の技術に詳しくない評価者だと、エンジニアの専門性を正確に理解できず、評価が表面的になる恐れがあります。
この課題を解決するには、評価者自身のスキル向上や、複数の評価者による360度評価などのシステムを導入することが有効です。そうすれば、より公平で一貫性のある評価が可能になります。
客先駐在のエンジニア評価が難しい
客先常駐のエンジニアへの評価が難しい点も課題のひとつです。直属の上司や人事部門が日々の業務状況を直接観察できないケースが多く、働きぶりを正確に評価しにくいためです。
たとえば、クライアントからのフィードバックと社内評価にギャップが出る可能性があります。クライアントからの評価に加えて、エンジニアの自己評価を採り入れるといったように、社内での評価基準とは別に制度を構築することが重要です。
このように、エンジニアの評価制度は、エンジニアの働き方によって柔軟に構築する必要があります。
エンジニアの評価制度を適切に構築するべき理由
エンジニアの評価制度を適切に構築するべき理由は、以下の通りです。
- パフォーマンスを正確に把握できるため
- エンジニアが成長しやすい環境を構築できるため
- 報酬や昇進の基準を明確にするため
- モチベーションアップが期待できるため
- チーム全体の生産性向上につながるため
- 企業が求める人材が明確になるため
それぞれ順番に見ていきましょう。
パフォーマンスを正確に把握できるため
評価制度を適切に整備すると、エンジニアのパフォーマンスを定量的かつ定性的に評価できるようになります。エンジニアがどの部分で優れているか、またどこに改善の余地があるかが明確になり、的確なフィードバックができるでしょう。
正確な評価が行われることで、エンジニア自身で成長するべき分野と改善するべき分野を明確化でき、具体的な目標設定が可能になります。
エンジニアが成長しやすい環境を構築できるため
評価制度を構築すると、評価基準がエンジニアのスキルや知識を伸ばすための指針になります。評価基準をもとに定期的なフィードバックをすることで、どの分野で成長すべきかが明確になり、エンジニアの成長を促進できるでしょう。
評価制度を適切に構築すれば、エンジニアは目標を持ってキャリアを積み上げられるので、意欲的にスキルアップできる環境を整備できます。
報酬や昇進の基準を明確にするため
評価制度を構築すると、報酬や昇進の基準が明確になるメリットがあります。報酬体系やキャリアアップの指標が明確になると、エンジニアは不透明な基準により評価されることを避けられます。
公平な評価が可能になり、エンジニアからの不平不満が発生するのを防げるかもしれません。公平な評価が行われることで、エンジニアのモチベーションが維持されやすくなります。
また、適切な報酬体系は、優秀なエンジニアの流出を防ぎ、長期的な人材育成も可能になるメリットがあります。
モチベーションアップが期待できるため
適切な評価制度が導入されると、エンジニアは自分の努力や成果が正当に評価されていると感じ、モチベーションが向上します。公平で透明性のある評価基準により、自分が何を達成すれば高評価を得られるかが明確になるため、目標を持って働けるでしょう。
モチベーションの高いエンジニアは、チーム全体の成果にもよい影響を与え、結果としてプロジェクトの成功や企業の成長を期待できます。
チーム全体の生産性向上につながるため
評価制度を通じて、個々のエンジニアの強みや弱みを把握できると、メンバーの適性に合わせて業務分担できるようになります。各メンバーが強みを発揮すれば、チーム全体の生産性が向上するでしょう。結果として、企業全体のプロジェクト成功率が向上し、競争力の強化にもつながります。
企業が求める人材が明確になるため
適切な評価制度を整備すると、企業がエンジニアに求めるスキルが明確になります。評価基準に沿って採用すれば、企業が求める人材の確保が可能になるでしょう。また、昇進の機会を与えるタイミングも明らかになり、エンジニアの育成がスムーズに行えます。
企業のビジョンに合ったエンジニアが増えることで、組織全体の方向性が一致し、チームとしてのパフォーマンスが高まるメリットもあります。評価基準に沿って採用・人材育成を進めると、優秀なエンジニアの育成・定着が期待できるでしょう。
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エンジニアの評価制度を構築する手順
エンジニアの評価制度を構築する手順は、以下の通りです。
- 評価制度を構築する目的を明確にする
- 評価基準を設定して評価シートを作成する
- 評価制度を公開して透明性を図る
- 現場の声を吸い上げて評価シートを改善する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
評価制度を構築する目的を明確にする
まずは、評価制度を構築する目的を明確にしましょう。企業のビジョンや目標をもとに、評価制度の方針を定めることをおすすめします。
たとえば、エンジニアのスキルアップやチーム内での協力体制の強化、キャリアパスの明確化など、何を最優先に評価するのかを決めることが大切です。目的が明確であれば、評価基準や指標がブレることなく、一貫した評価が可能になるでしょう。
また、評価制度を構築する目的を明確にする際は、経営層や人事部門と議論して方向性をすり合わせることも重要です。社内で誰が評価をしても納得感のある評価基準を作るためにも、多角的な視点で目的を設定しましょう。
評価基準を設定して評価シートを作成する
次に、具体的な評価基準を設定し、それに基づいた評価シートを作成します。評価基準は、技術スキルやプロジェクトでの貢献度、コミュニケーション能力など、多面的に評価できるよう複数の項目を設けてください。
スキル面だけでなく、自己成長を促すような項目も設定しておくと、エンジニアの成長につながります。たとえば、スキルアップへの自発的な行動を評価するために「資格取得の有無」といった項目を設けるのも有効です。
また、各項目を測る指標は測定可能なものにすると、主観に頼らない客観的な評価につながります。エンジニアがそれぞれの役割に応じた評価を受けられるよう、役職や業務内容に合わせたカスタマイズも重要です。
評価制度を公開して透明性を図る
評価制度が構築できたら、全社員に公開して透明性を図りましょう。制度が不透明だと、エンジニアは自分の評価がどのように決まるのかわからず、不安や不満を抱きやすくなるかもしれません。
評価基準やプロセスを明示することで、エンジニアは自分がどの基準で評価されているか理解できるようになります。必要なスキルやパフォーマンス改善に向けた具体的な目標設定が可能になり、成長意欲を促進するメリットがあります。透明性が高い評価制度は、公平性を担保するうえに、エンジニアのモチベーション向上にもつながるのです。
また、評価制度は報酬や昇進制度と連携することが重要です。評価基準が報酬アップやキャリアアップに直結すれば、エンジニアの労働意欲が湧くきっかけになるでしょう。
現場の声を吸い上げて評価シートを改善する
評価制度を導入したら、現場の声を反映しながら継続的に改善していく必要があります。実際に評価を受けたエンジニアや、評価を行うマネージャーからのフィードバックを定期的に集め、評価シートや基準が実務に合致しているかを確認してください。
たとえば、アンケートを実施して意見を吸い上げる、面談で評価基準や評価制度についての声を直接聞くなど、リアルな意見を採り入れられるよう工夫しましょう。現場からの声を反映させることで、エンジニアの評価制度に納得感をもてるほか、制度全体の信頼性が強化されます。
エンジニアの評価シートに記載しておきたい9つの評価項目
エンジニアのパフォーマンスを公平かつ正確に評価するためには、複数の観点から評価する必要があります。ここでは、エンジニアの評価シートに記載しておきたい9つの評価項目を見ていきましょう。
- プロジェクトの進捗・貢献度
- コミュニケーションスキル
- 定量的な成果
- 個人目標に対する進捗と自己評価
- 問題解決能力
- スキルアップへの自発的な行動
- 業務への熱量や取り組み姿勢
- プロジェクト管理能力
- 生産性・効率性アップの工夫
それぞれ詳しく解説します。
プロジェクトの進捗・貢献度
エンジニアがプロジェクトでどのように・どれくらい貢献したかを評価することは重要です。たとえば、担当タスクの完了率や制作のクオリティなどを指標にすると評価しやすいでしょう。
より細かく設定するなら、コードレビュー通過率、バグ修正数など具体的な数値で評価できる評価基準を設けるのもおすすめです。
ほかにも、チームへの貢献具合としてやリーダーシップを発揮したかや進捗管理を適切に行えたか、といった視点を採り入れるのも有効です。
>関連記事:プロジェクト管理はなぜ必要なのか?その目的と成功のポイント
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルも、エンジニアを評価するうえで重要な項目です。チームや顧客とのコミュニケーションが円滑でなければ、プロジェクトはスムーズに進行しないでしょう。
コミュニケーションスキルは、メールやミーティングでの情報共有やフィードバックへの対応、チーム内での連携など、業務の進行に直結します。プロジェクトの進行を円滑にするためにも、コミュニケーションスキルを評価項目に設定しましょう。
リモートワークで働くエンジニアへの評価は、コミュニケーションツールでのやりとりが評価対象になります。日頃からメールやチャットなどやりとりが記録できるものを活用するのがおすすめです。
>関連記事:テレワークにおける人事評価はどうすべき?改善実施のポイントと事例を解説
定量的な成果
エンジニアが参画したプロジェクトの成果を定量的に評価しましょう。数値ベースで測れる評価項目は、客観的な評価につながるほか、パフォーマンスの可視化にも役立ちます。長期的なプロジェクトの場合は、途中経過を数値で評価するとよいでしょう。
たとえば、期間ごとに目標を設定し、目標までの進捗率を評価項目にするのもおすすめです。定量的な成果は、具体的な数値で測れる指標を設定し、プロジェクト経過中も適正に評価できるよう工夫するようにしてください。
個人目標に対する進捗と自己評価
評価シートには、プロジェクト以外にも個人の成長に関する目標設定と進捗を評価する項目を設けましょう。個人のキャリアプランに沿った目標設定ができると、昇進時の指標として参考になります。
目標達成度や課題に取り組む姿勢、乗り越えた課題を評価するとよいでしょう。個人目標に対する評価は、自己評価も採り入れると個人の頑張りを評価しやすくなります。項目として設定するほか、別途「自己評価用シート」を用意するのも有効です。
自己評価シートを活用すれば、自分の課題や達成度を自覚でき、次の個人目標の設定に役立ちます。
問題解決能力
問題解決能力を測る指標は、エンジニアを評価するうえで重要です。ビジネスでは、トラブルがつきものです。そのため、課題に直面した際に、迅速かつ効果的な解決策を見つける力は高く評価するべきといえます。
たとえば、エンジニアの問題解決能力を測る対象として、予期せぬ障害への対応や効率的なデバッグなどが挙げられるでしょう。解決した問題の複雑さや解決にかかった期間なども評価ポイントにすると、問題解決能力を評価しやすくなります。
スキルアップへの自発的な行動
エンジニアとしてのスキルを継続的に磨くことは必要不可欠です。そのため、スキルアップへの自発的な行動は、評価ポイントとして採り入れるべきといえます。
たとえば、新しい技術を学んで実践で発揮する、セミナーやトレーニングに参加するなど、自発的にスキルアップを図る行動を評価の対象にしましょう。
具体的な指標として、研修の参加回数や取得した資格、読了した書籍の種類や冊数などが挙げられます。エンジニアの成長意欲を評価するポイントとして、スキルアップへの評価項目を採り入れてみてください。
業務への熱量や取り組み姿勢
エンジニアの業務への熱量や取り組みの姿勢も重要な評価項目です。とくに、プロジェクトに対する積極的な取り組みは、チームのパフォーマンス向上やプロジェクトの成功に貢献します。評価対象としては、困難な課題への挑戦や品質向上への取り組みなどが挙げられるでしょう。
自発的な改善提案の姿勢やチームメンバーへのサポートも、エンジニアの熱量が測れる評価ポイントです。このような指標をもとに評価すると、将来リーダー的ポジションを務められるかの判断材料にもなり、エンジニアの適性を測る指標にもなります。
プロジェクト管理能力
プロジェクトを成功に導くためには、エンジニアのプロジェクト管理能力も評価するべきです。たとえば、スケジュール管理能力やプロジェクトの進捗率などを評価できるとよいでしょう。具体的な指標としては、期間遵守率や予算達成率などが挙げられます。
プロジェクト管理能力を測る項目は、上級ポジションへ昇進を検討する際の重要な判断材料です。適切な評価ができるよう、評価基準を明確にしておくことが重要といえます。
生産性・効率性アップの工夫
エンジニアが生産性や効率性を向上させるためにどのような工夫を行っているかも評価に含まれます。たとえば、業務プロセスの改善や自動化ツールの導入、コードの効率化などが評価対象です。
作業をより効果的に進めるための工夫ができるエンジニアは、工数削減やシステム品質の向上など、組織に大きな価値をもたらします。自発的な取り組みをしっかりと評価できるよう、評価項目として設定することが重要です。
>関連記事:生産性向上のための具体的なマネジメント術!メリットや効果測定方法も紹介
エンジニアの評価シートを簡単に作れるツール「NotePM」
エンジニアの評価制度を運用するにあたり注意すべき点
エンジニアの評価制度を効果的に運用するには、以下の注意点を押さえることが重要です。
- 多角的な視点から評価できる基準を設ける
- 技術面の評価が正当にできるよう工夫する
- 評価シートは随時ブラッシュアップする
それぞれ順番に見ていきましょう。
多角的な視点から評価できる基準を設ける
エンジニアの評価を行う際は、複数の観点から評価できる基準を設けることが重要です。たとえば、技術スキルだけでなく、プロジェクト管理能力やコミュニケーションスキル、問題解決能力など、多面的に評価できるよう基準を設けましょう。
また、複数者からの評価制度を導入するのもおすすめです。たとえば、上司や同僚、クライアントなど360度評価を採り入れると、より正確な評価が可能になります。
技術面の評価が正当にできるよう工夫する
技術面の評価は、エンジニアのパフォーマンスを評価するうえで重要です。エンジニア職は個人のスキルレベルがプロジェクトに寄与するインパクトが大きいため、エンジニアの技術面を正当に評価できるよう工夫しましょう。
たとえば、資格取得を評価に組み込むと、スキル面での客観的な評価が可能になります。エンジニアの技術力の高さはプロジェクトの成果に直結するため、評価する側に専門的な知識が求められることが多いです。技術評価の際には、客観性のある評価基準を設定しましょう。
評価シートは随時ブラッシュアップする
評価シートは、評価制度の変更に応じて適宜アップデートしてください。評価制度は、一度導入したら終わりではなく、継続的に改善していくことが大切です。とくに、エンジニア評価制度は、最新の技術トレンドや組織の求めるレベルに合わせて更新する必要があるでしょう。
現場のフィードバックを採り入れ、評価項目の妥当性を定期的に見直すことで、適切な評価が行えるようになります。評価制度を定期的にブラッシュアップすることで、エンジニアからの信頼性向上にもつながります。
【Excel版】エンジニア向け評価シートのサンプルと書き方
ここでは、Excelで使えるエンジニア向け評価シートのサンプルと、その書き方を紹介します。
まずは、左上の箇所に名前と評価者、評価日を漏れなく記載します。続いて、プロジェクトの進捗・貢献度〜生産性・効率性アップの工夫までの9つの評価項目と、総合評価の合計10項目をそれぞれ1〜5段階で評価しましょう。
評価基準に関してはシートの下部に項目ごとに記載しているので、こちらを参考にご活用ください。そして、評価した理由や背景をコメント欄に記載し、エンジニアが納得できるよう透明性のある評価シートにします。
【NotePM版】エンジニア向け評価シートのサンプル・例文
ここでは、NotePMで活用できる評価シートのサンプルを配布します。評価シートは評価制度の軸となる資料のため、作り込むことが重要です。サンプルをもとに、自社の目的や状況に合った評価シートにブラッシュアップしましょう。
また、評価シートは「人事評価用」と「自己評価用」の2種類を用意しておくことをおすすめします。ここでは、2種類のサンプルと書き方を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
人事評価用サンプル・例文
本記事で紹介した、エンジニアの評価シートに記載しておきたい9つの評価項目を網羅したサンプルです。サンプルを基本型とし、自社の評価制度に合わせてカスタマイズしてご使用ください。
名前:
評価者:
評価日:1. プロジェクトの進捗・貢献度
- プロジェクトの進捗に対する貢献度
- 担当タスクの完遂度やデッドライン遵守
評価: 1 2 3 4 5
コメント:
2. コミュニケーションスキル
- チームメンバーや関係者との円滑なコミュニケーション
- タスクの進捗状況の適切な報告とフィードバック
評価: 1 2 3 4 5
コメント:
3. 定量的な成果
- 実績として示せる定量的な結果(例: バグ修正数、コードの最適化によるパフォーマンス向上など)
- 目標に対する達成度
評価: 1 2 3 4 5
コメント:
4. 個人目標に対する進捗と自己評価
- 設定された個人目標に対する進捗状況
- 自己評価を踏まえた目標達成への取り組み
評価: 1 2 3 4 5
コメント:
5. 問題解決能力
- 複雑な技術的課題に対する解決策の提案・実行
- 予期せぬ問題への対応力
評価: 1 2 3 4 5
コメント:
6. スキルアップへの自発的な行動
- 新しい技術やトレンドに対する学習意欲
- 自発的なスキルアップへの取り組み
評価: 1 2 3 4 5
コメント:
7. 業務への熱量や取り組み姿勢
- 業務への積極的な取り組み姿勢
- モチベーションの維持とチーム貢献意欲
評価: 1 2 3 4 5
コメント:
8. プロジェクト管理能力
- タスクのスケジュール管理や優先順位の設定
- プロジェクト全体の進行管理能力
評価: 1 2 3 4 5
コメント:
9. 生産性・効率性アップの工夫
- 業務の効率化や自動化への取り組み
- 生産性向上を目指した改善提案
評価: 1 2 3 4 5
コメント:
総合評価 (Overall Evaluation)
- 強み:
- 改善点:
- 次のステップの提案:
名前: 田中 太郎
評価者: 鈴木 一郎
評価日: 2024年10月7日1. プロジェクトの進捗・貢献度評価: 4
コメント:
田中さんは、今期のプロジェクト「新規ECサイト開発」において、UI/UX設計からバックエンド実装まで幅広く担当されました。とくに、スケジュールに厳格で、デッドラインを常に守る姿勢が評価されます。進捗の遅れが出た際も、すぐに対策を提案し、早期に解決できました。2. コミュニケーションスキル評価: 5
コメント:
チームメンバーや他部門とのコミュニケーションが非常に円滑で、タスクの状況報告や必要な情報の共有を適時行っていました。また、技術的な議論においても、他メンバーが理解しやすいように説明するスキルに長けており、チーム全体の進捗に貢献していました。3. 定量的な成果評価: 4
コメント:
田中さんは、リリースまでのバグ修正数が15件と多く、バグ修正によるサイトパフォーマンスの改善を達成しました。また、コードの最適化によってページ読み込み速度が平均0.5秒短縮され、ユーザー体験の向上に貢献しました。4. 個人目標に対する進捗と自己評価
評価: 3
コメント:
今期の個人目標であった「バックエンド開発スキルの向上」に対する取り組みは、一定の進捗が見られましたが、本人の自己評価では「未熟な部分が多い」とのことです。とくにデータベース設計や最適化に関して、さらなる学習が必要と感じているようです。
5. 問題解決能力
評価: 5
コメント:
予期せぬ技術的な問題が発生した際、田中さんは的確に問題の原因を特定し、迅速に解決策を実行していました。とくに、負荷テストの結果に基づくサーバー最適化の提案は非常に効果的で、クライアントからも高く評価されています。
6. スキルアップへの自発的な行動
評価: 4
コメント:
田中さんは、最新の技術動向を常にチェックしており、自らオンラインコースを受講してReactのスキルを磨いています。プロジェクトの合間にも自己学習に時間を割き、新しい技術を実際のプロジェクトで活用しています。
7. 業務への熱量や取り組み姿勢
評価: 5
コメント:
業務に対して非常に前向きな姿勢を見せており、常に高いモチベーションを維持しています。プロジェクトの成功に強い責任感を持ち、自分の役割を超えてチームのサポートにも積極的に取り組む姿勢が見られました。
8. プロジェクト管理能力
評価: 4
コメント:
タスクの優先順位を適切に設定し、チーム全体の進行管理を行う能力が非常に高いです。田中さんは、進行が遅れている部分に早期に気付き、適切な調整を行うことでプロジェクト全体のスムーズな進行を支えました。
9. 生産性・効率性アップの工夫
評価: 4
コメント:
田中さんは、業務の自動化に積極的で、CI/CDのパイプラインを構築することで開発フローの効率化を実現しました。この取り組みにより、リリース作業の時間が約20%削減され、チーム全体の生産性が向上しました。
総合評価 (Overall Evaluation)
強み:
田中さんは、技術的スキルが高く、問題解決能力が優れている点がとくに強みです。また、コミュニケーション能力が高く、チーム全体の調整や進捗管理にも積極的に貢献しています。
改善点:
個人目標であるバックエンド開発のさらなるスキル向上に向けた取り組みを強化することが必要です。とくに、データベース設計や最適化に関する知識を深めると、より幅広い役割を担えるようになります。
次のステップの提案:
バックエンドスキル向上のため、社内外の研修や実践プロジェクトに参加することを推奨します。また、プロジェクトリーダーとしての役割を今後さらに拡大していくことで、管理能力も向上することが期待されます。
自己評価用サンプル・例文
自己評価用の評価シートは、個人のスキルアップに焦点が当たるよう項目を設定すると、個人目標が立てやすくエンジニアの成長促進につながりやすいです。サンプルを基本型とし、自社の評価制度に合わせてカスタマイズしてご使用ください。
エンジニア自己評価シート(サンプル)
1. 基本情報
- 氏名:
- 所属部署:
- 評価対象期間:
2. 技術スキル
- プログラミング言語の習熟度
- 使用している主なプログラミング言語は何か?
- 各言語のスキルレベルを1(初心者)~5(専門家)で自己評価:
- 例)JavaScript: 4、Python: 3
- フレームワーク・ライブラリの習熟度
- 使用しているフレームワーク・ライブラリを記入し、それぞれの習熟度を評価:
- 例)React: 4、Node.js: 3
- 使用しているフレームワーク・ライブラリを記入し、それぞれの習熟度を評価:
- データベーススキル
- 使用経験のあるデータベースは?
- SQL、NoSQLの理解や活用経験の自己評価:
- 例)MySQL: 4、MongoDB: 3
- バージョン管理ツールの使用経験
- Gitや他のバージョン管理ツールの使用経験は?スキルレベルを自己評価:
- 例)Git: 5、SVN: 2
- Gitや他のバージョン管理ツールの使用経験は?スキルレベルを自己評価:
- システムアーキテクチャや設計スキル
- システム設計、アーキテクチャ設計の経験とスキルレベル:
- 例)システム設計経験: 4、API設計: 3
- システム設計、アーキテクチャ設計の経験とスキルレベル:
3. ソフトスキル
- 問題解決力
- 問題発見から解決までのアプローチの一貫性や効率性を自己評価:
- 例)問題解決力: 4
- 問題発見から解決までのアプローチの一貫性や効率性を自己評価:
- コミュニケーション能力
- チームメンバーや他部署とのコミュニケーションスキルを評価:
- 例)口頭でのコミュニケーション: 4、文書でのコミュニケーション: 3
- チームメンバーや他部署とのコミュニケーションスキルを評価:
- タイムマネジメント
- 期限内でタスクを完了する能力の自己評価:
- 例)タイムマネジメント: 4
- 期限内でタスクを完了する能力の自己評価:
- チームワーク
- チームの一員としての役割や協力の仕方を評価:
- 例)チームワーク: 5
- チームの一員としての役割や協力の仕方を評価:
4. プロジェクト経験
- 主な担当プロジェクトのリストアップ
- 関わったプロジェクト名、期間、担当役割、技術的貢献を記入:
- プロジェクトマネジメント経験
- プロジェクトリーダーや管理経験がある場合、スキルレベルを評価:
- 例)プロジェクト管理経験: 3
- プロジェクトリーダーや管理経験がある場合、スキルレベルを評価:
5. 自己成長・学習意欲
- 学習・スキルアップの取り組み
- 最近学んだ技術や取得した資格、オンラインコースの受講など:
- 例)AWS認定資格取得、React Nativeの自己学習
- 最近学んだ技術や取得した資格、オンラインコースの受講など:
- 今後の成長目標
- 今後のキャリアや技術の成長についての目標を記入:
6. 振り返り・改善点
- 強み
- 自分の強みと、今後も活かしていきたい点:
- 改善すべき点
- 振り返り、改善したいスキルや姿勢など:
7. 総合評価
-
- 総合的に自己評価を行い、1(非常に満足していない)~5(非常に満足している)のスコアをつける:
- 自己評価スコア: ___/5
- 総合的に自己評価を行い、1(非常に満足していない)~5(非常に満足している)のスコアをつける:
この評価シートを使用することで、自分のスキルや成長を定期的に振り返ることができ、今後の成長計画を立てやすくなります。
エンジニア自己評価シート(記入例)
1. 基本情報
氏名:山田 太郎
所属部署:システム開発部
評価対象期間:2023年1月〜2023年12月
2. 技術スキル
- プログラミング言語の習熟度
- 使用している主なプログラミング言語は何か?
- 各言語のスキルレベルを1(初心者)~5(専門家)で自己評価:
- JavaScript: 4
- Python: 3
- Java: 2
主にJavaScriptを使用し、フロントエンド開発を担当しています。Pythonはバックエンドでのデータ処理やAPIの作成で使用しています。Javaは簡単なスクリプトやツールの改修で使用したことがある程度です。
- フレームワーク・ライブラリの習熟度
- 使用しているフレームワーク・ライブラリを記入し、それぞれの習熟度を評価:
- React: 4
- Node.js: 3
- Spring Boot: 2
- 使用しているフレームワーク・ライブラリを記入し、それぞれの習熟度を評価:
Reactを用いたSPAの開発経験が豊富で、チームでの開発にも積極的に参加しています。Node.jsはサーバーサイドの開発で使用しており、APIの作成などを担当しました。Spring Bootは基本的なプロジェクトで使用した経験があります。
- データベーススキル
- 使用経験のあるデータベースは?
- SQL、NoSQLの理解や活用経験の自己評価:
- MySQL: 4
- MongoDB: 3
MySQLを使用したCRUD操作やクエリ最適化に強みがあります。MongoDBは、ドキュメントベースのデータ管理を行うプロジェクトで経験を積みました。
- バージョン管理ツールの使用経験
- Gitや他のバージョン管理ツールの使用経験は?
- スキルレベルを自己評価:
- Git: 5
- SVN: 2
Gitを使用してチームでのコラボレーションやブランチ管理を行っており、Pull Requestのレビューも担当しています。SVNは以前のプロジェクトでの使用経験がありますが、現在はGitをメインで使用しています。
- システムアーキテクチャや設計スキル
- システム設計、アーキテクチャ設計の経験とスキルレベル:
- システム設計経験: 4
- API設計: 3
- システム設計、アーキテクチャ設計の経験とスキルレベル:
小規模プロジェクトのシステム設計や、フロントエンドとバックエンドの通信部分の設計を担当しました。API設計に関しては、主にNode.jsを用いたREST APIの設計・実装経験があります。
3. ソフトスキル
- 問題解決力
- 問題発見から解決までのアプローチの一貫性や効率性を自己評価:
- 問題解決力: 4
- 問題発見から解決までのアプローチの一貫性や効率性を自己評価:
開発中に発生したバグやトラブルに対して、根本原因を迅速に特定し、チームと協力して解決策を提案する能力があります。
- コミュニケーション能力
- チームメンバーや他部署とのコミュニケーションスキルを評価:
- 口頭でのコミュニケーション: 4
- 文書でのコミュニケーション: 3
- チームメンバーや他部署とのコミュニケーションスキルを評価:
定例ミーティングでの進捗報告や、チームメンバーとの課題共有を積極的に行っています。文書でのコミュニケーションは改善の余地があり、ドキュメントの作成や仕様書の整理を強化したいです。
- タイムマネジメント
- 期限内でタスクを完了する能力の自己評価:
- タイムマネジメント: 4
- 期限内でタスクを完了する能力の自己評価:
タスクの優先順位をつけ、重要度に応じて取り組むことを心がけています。プロジェクトの進行に応じて、柔軟に計画を修正することができています。
- チームワーク
- チームの一員としての役割や協力の仕方を評価:
- チームワーク: 5
- チームの一員としての役割や協力の仕方を評価:
チーム内での役割分担を明確にし、他のメンバーが困っている際には積極的にサポートしています。とくに後輩メンバーへの技術指導を行い、チーム全体のスキルアップに貢献しています。
4. プロジェクト経験
- 主な担当プロジェクトのリストアップ
- プロジェクト名:Eコマースサイトの開発
- 期間:2023年2月〜2023年8月
- 担当役割:フロントエンド開発
- 技術的貢献:Reactを使用したフロントエンド部分の開発と、API連携部分を担当。
- プロジェクトマネジメント経験
- プロジェクト管理経験: 3
小規模プロジェクトでプロジェクトリーダーを務め、進行管理やメンバーのスケジュール調整を担当しました。タスクの割り当てや進捗の確認を行い、期限内にプロジェクトを完了させました。
5. 自己成長・学習意欲
- 学習・スキルアップの取り組み
- 最近学んだ技術や取得した資格、オンラインコースの受講など:
- AWS認定資格(ソリューションアーキテクト アソシエイト)を取得。
- UdemyでReact Nativeのオンラインコースを受講。
- 最近学んだ技術や取得した資格、オンラインコースの受講など:
- 今後の成長目標
- 今後のキャリアや技術の成長についての目標を記入:
- 次年度にはAWSプロフェッショナル資格の取得を目指す。
- React Nativeを用いたモバイルアプリの開発経験を積みたい。
- 今後のキャリアや技術の成長についての目標を記入:
6. 振り返り・改善点
- 強み
- 自分の強みと、今後も活かしていきたい点:
- 問題解決力とコミュニケーション能力を活かし、チーム内でのサポート役として引き続き貢献したい。
- 自分の強みと、今後も活かしていきたい点:
- 改善すべき点
- 振り返り、改善したいスキルや姿勢など:
- ドキュメンテーションや仕様書作成をより丁寧に行うことを心がけ、文書での伝達力を高めたい。
- 振り返り、改善したいスキルや姿勢など:
7. 総合評価
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- 総合的に自己評価を行い、1(非常に満足していない)~5(非常に満足している)のスコアをつける:
- 自己評価スコア: 4/5
- 総合的に自己評価を行い、1(非常に満足していない)~5(非常に満足している)のスコアをつける:
NotePMを使えばExcelよりも簡単にエンジニアの評価シートを作成できる
エンジニアの評価制度を上手く運用するには、評価シートの作成が欠かせません。また、エンジニアの評価は、長期目線で継続的に行うことで適正に評価できます。評価シートのサンプルやテンプレートを事前に準備し、定期的な評価ができるよう環境を整えることが重要です。
エンジニアの評価シートを効率的に作成・管理する方法として、ドキュメント管理ツールを導入するのもひとつの方法です。たとえば『NotePM』なら、評価シートの作成・共有・管理をすべてひとつのツールで行えます。『NotePM』ではリアルタイムに情報が反映されますし、テンプレート機能が備わっており操作性が高く、エクセルよりも簡単に評価シートを作成できます。
過去の資料を保管しておけば、エンジニアはいつでも評価基準を確認でき、目標を意識して業務に取り組めるでしょう。実際にNotePMを導入した企業で、人事評価の効率化を実現した事例もあります。複数人で入力できるツールのため「360度評価を採り入れやすい」という評価をいただいています。
NotePMの特徴
- 評価シートを含むドキュメントの作成が簡単
- PDFやExcelの中身も全文検索できる強力な検索機能
- 社内FAQ・質問箱、社内ポータルとしても活用可能
- 銀行や大学も導入している高度なセキュリティが魅力
エンジニアの評価シートを簡単に作れるツール「NotePM」
>関連記事:NotePMの評判まとめ|メリット・デメリットや料金など網羅的に解説
>関連記事:【導入事例】マニュアル作りにとどまらず、人事評価からLP作成までマルチにNotePMを活用 – 株式会社iii(スリー)
評価シートを活用してエンジニアの働きやすさを向上させよう
エンジニアの評価を適切に行うには、評価シートの活用が不可欠といえます。多角的な視点から評価できるシートを作成することで、適正な評価ができるようになります。評価シートを用いた継続的な評価により、エンジニアのモチベーション向上や成長が期待できるでしょう。
評価シートを活用する際はサンプルを準備しておくと、評価者もエンジニアも資料作成への手間を省けます。サンプルを持っていない方は、本記事で紹介したサンプルと作り方を参考にしてみてください。
エンジニアの評価シートは定期的な更新が必要な書類です。また、従業員の数だけ必要な書類であり、運用・管理が難しいと感じるかもしれません。サンプルを含むドキュメントの管理を効率化したい方には、マニュアル作成・ナレッジ管理ツール『NotePM』がおすすめです。ドキュメントの作成が簡単なうえに、サンプルの保管も可能なため、評価シートを効率的に作成する際に役立ちます。
NotePMでは、30日間無料でお試しできる期間を設けています。エンジニアの評価シートを含むドキュメントの作成・管理を効率化したい方は、選択肢のひとつとしてツールの導入を検討してみてください。