さまざまな分野で急速に技術が発展し、IT化が進んだことでビジネスの世界も大きく変化し続けています。従来のように人の手に頼った手法では追いつかないケースも多く、企業も変化を求められているといえるでしょう。マーケティングも例外ではありません。そのような状況で注目されているのがマーケティングオートメーション(MA)です。この記事では、マーケティングオートメーションについて詳しく解説します。
目次
マーケティングオートメーション(MA)とは
マーケティングオートメーション(MA)は、簡単にいえばマーケティング活動の自動化です。自動化するツールそのものを指す場合もあります。得られたデータを一元化・可視化することで効率よくビジネスに生かし、タイミングを逃さずに活用が可能です。たとえば既存の顧客情報を管理できるのはもちろん、見込み顧客の情報も一元化されていれば営業担当者と簡単に共有できます。従来は人手を割いていた業務をマーケティングオートメーション(MA)で効率化すれば、コスト削減にもつながるでしょう。
関連記事:MA(マーケティングオートメーション)導入の目的は?基本機能と企業経営に必要な理由
MAが注目される理由
従来のマーケティングは顧客のニーズや要望を調べるために、統計をチェックしてアンケートを取ったりモニターの意見を聞いたり、人手を使って市場調査や分析を行うのが一般的でした。また宣伝広告活動を行う媒体も限られていたほか、販売活動も営業担当者の努力に支えられていた側面もあります。しかしインターネットが普及したことにより、顧客は簡単に自分の知りたい情報を簡単に調べられるようになりました。消費行動にも変化がみられるようになっているため、顧客を取り込むためにはマーケティングの方法そのものを見直す必要性が出てきたのです。
関連記事:【2024年版】ABMツールおすすめ5選を徹底比較!基本知識から導入ステップまで解説
MAツール導入のメリット
マーケティングオートメーションのツールを導入することで得られるメリットはいくつかあるため、具体的なポイントを3つ挙げて詳しく説明します。
業務を効率化できる
顧客データの収集や分類、分析など、やるべき業務の工数が多ければ多いほど、自動化することで業務の効率がアップします。従来は人手を割いていた部分の業務を削減することで、別の重要な業務に注力できるでしょう。結果として生産性の向上や、売り上げアップにもつなげることが可能です。
データを統合管理して連携が可能になる
マーケティングオートメーションを導入することで、データを一元化できる点も大きなメリットです。たとえば問い合わせメールを送ってきた、セミナーや展示会に参加した、資料をダウンロードしたなど、見込み顧客は複数のアクションを起こすことがあります。情報が連携していなければ、見込み顧客の全体像をなかなか把握できません。また一元化された情報を社内で共有できれば、効率的なマーケティングが可能になります。
見込み客を逃さない対応ができる
見込み顧客といっても、人によってニーズや起こすアクションは異なります。マーケティングオートメーションのツールを利用することで個別のニーズやタイミングに合わせたアプローチを行い、見込み顧客を取りこぼさずに済む可能性が高まります。
関連記事:MA(マーケティングオートメーション)のメリット・デメリットとは?導入を成功させるポイントを紹介
MAツールの選定ポイント
マーケティングオートメーションツールにはそれぞれ特徴があり、企業がどう活用したいかによって適したツールは違ってきます。
使いやすいかどうか
どのようなシステムも、実際に担当する人が使いやすいものである点が大切です。ツールを使う担当者はマーケティング分野では専門であっても、ツール自体が複雑で十分使いこなせなければ宝の持ち腐れになってしまいます。ある程度簡単にフォーマットを設定できるなど、高度なプログラミング知識がなくても運用できるもののほうが使いやすいでしょう。サポート体制が整っているツールならば安心感もあります。
自社に必要な機能が備わっていること
ツールは高性能であればいいというものではありません。自社のマーケティングに必要な機能が備わっているかどうかがポイントです。たとえばメルマガの配信を行いたいなら、メルマガの配信や配信したあとの分析機能などがしっかり整っているツールを選ぶ必要があります。また自社ですでに使用しているツールと連携できるものであれば、担当者の負担を減らせるでしょう。
BtoB向けがBtoC向けか
マーケティングオートメーションツールにはBtoB向けのものや、BtoC向けのものもあり機能が異なります。たとえば一般消費者を相手にビジネスを展開するBtoCの場合は、企業向けにビジネスを行うBtoBに比べて顧客数や見込み顧客の数が圧倒的に多いことが特徴です。そのようにBtoB向けとBtoC向けでは、そもそも想定している対象が違っていることがあります。
MAツール おすすめ11選
上記ポイントを踏まえて、おすすめMA(マーケティングオートメーション)ツール・サービスをご紹介します。
Marketo(マルケト)
Marketo は、Adobe社が提供する、リード管理からアカウントベースドマーケティング(ABM)まで、顧客体験のあらゆる段階で既存顧客や見込客とのエンゲージメントを容易に設計、連携、測定できる、マーケティングオートメーションツールです。
Marketo Engageの特徴
- アカウントベースマーケティング(ABM)機能
- クロスチャネルエンゲージメント(メール、モバイル、ソーシャルメディア、ディスプレイ広告、検索、webサイト、イベント)
- 柔軟にカスタマイズできるアトリビューションモデル
料金プラン(月額)
• お問い合わせ
Marketo Engage
URL: https://jp.marketo.com/
Salesforce Pardot
Salesforce Pardot(パードット) は、セールスフォース社が提供する、B2Bマーケティングを自動化で支援するマーケティングオートメーションツールです。
Salesforce Pardotの特徴
- 高度なフォローアップ機能(見込み客の動向追跡、営業キャンペーン追跡)
- Eメールマーケティング機能
- マーケティング活動の投資対効果(ROI)レポート機能
料金プラン(月額)
• 150,000円(Growth)
• 300,000円(Plus)
• 480,000円(Advanced)
Salesforce Pardot
URL: https://www.salesforce.com/jp/products/pardot/overview/
List Finder
List Finder(リストファインダー)は、「だれでも、無理なく、かんたんに」に使えるBtoB企業向けMAツールです。BtoBに必要な機能に絞ったシンプルな機能と、お客様の課題や方針に合わせたサポート体制、リソース・ノウハウ不足の方向けの運用代行サービスを提供している点が特徴です。
List Finderの特徴
- 国内で1,800アカウント以上の導入実績
- 0円で始められるフリープランあり
- サポートコンサルタントが導入支援
料金プラン(月額)
フリープラン…0円 ※初期費用無料
初期費用…100,000円
ライト…39,800円
スタンダード…59,800円
プレミアム…79,800円
List Finder
URL: https://promote.list-finder.jp/
SATORI
SATORI は、SATORI株式会社が提供するマーケティングオートメーションツールです。通常のMA機能に加え、匿名ユーザーへもアプローチする「アンノウンマーケティング」で、リードジェネレーションに強いのが特徴です。
SATORIの特徴
- リードジェネレーションに強い(実名リードだけでなく、匿名リードのデータも管理・蓄積)
- リードクオリフィケーション機能(スコアリング、Hotリード抽出)
- 純国産MAでサポートも充実
料金プラン(月額)
• 148,000円〜
初期費用 300,000円〜
SATORI
URL: https://satori.marketing/
HubSpot Marketing
HubSpot Marketing は、インバウンドマーケティングに必要な機能を
搭載した、オールインワンのマーケティングプラットフォームです。トラフィックを増やし、リードを顧客に転換し、ROI測定ができます。
HubSpot Marketingの特徴
- ランディングページとEメールテンプレート作成機能
- SEO改善点がリアルタイムで表示
- Salesforce連携
料金プラン(月額)
• 6,000円(Starter)
• 96,000円(Professional)
• 384,000円(Enterprise)
HubSpot Marketing
URL: https://www.hubspot.jp/products/marketing
Aimstar
Aimstar(エイムスター) は、スプリームシステム株式会社が提供する、分析からOne to Oneアプローチまでを行うBtoCマーケティングオートメーションです。
Aimstarの特徴
- 100種類以上の分析・機械学習ターゲティング機能
- フローチャート形式で、キャンペーン条件を視覚化して自動実行
- データ取得・統合からシナリオ実行・効果検証まで実行できる
料金プラン(月額)
• お問い合わせ
Aimstar
URL: https://www.supreme-system.com/product/aimstar/
Synergy!
Synergy! は、シナジーマーケティング株式会社が提供する、集客、顧客情報の統合・一元化、クロスチャネル・メッセージング、分析まで、CRMのあらゆる活動を支えるクラウドベースの国産CRMシステムです。
Synergy!の特徴
- 使いやすさを徹底的に考えた画面デザイン
- 個人情報を安心して扱える堅牢なセキュリティ
- 顧客満足度80%以上の充実サポート
料金プラン(月額)
• 15,000円〜
• 初期費用 118,000円
Synergy!
URL: https://www.synergy-marketing.co.jp/cloud/synergy/
FORCAS
FORCAS(フォーカス) は、データ分析に基づいて成約確度の高いアカウントを予測し、マーケティングと営業のリソースをそのターゲットアカウントに集中する最新マーケティング手法「ABM」をサポートするBtoBマーケティングツールです。
FORCASの特徴
- 144万社以上の企業データから、成約確度の高い顧客のターゲットリストを作成
- 強力な名寄せエンジンで顧客データを統合
- オリジナルの企業シナリオから、顧客の業界、地域、売上、従業員などを自動的に分析
料金プラン(月額)
• お問い合わせ
FORCAS
URL: https://www.forcas.com/
Kairos3
Kairos3 は、リード管理・メール配信・フォーム作成・スコアリング・シナリオなど見込み客育成のマーケティング活動や、業活動効率化に必要な機能を搭載した、マーケティングオートメーション(MA)・営業支援(SFA)ツールです。
Kairos3の特徴
- MAとSFAが連携(マーケティングと営業をシームレスにつなげる)
- マニュアル一体型で直感的にわかる画面
- ツール活用のための専任チームがサポート
料金プラン(月額)
初期費用 10,000円
• 6,000円〜
Kairos3
URL: https://www.kairosmarketing.net/marketing-automation
b→dash
b→dash(ビーダッシュ) は、ビーダッシュ株式会社が提供する、ノープログラミングで、データの「連携・取込・加工・統合・活用」を実現する、データマーケティングプラットフォームです。
b→dashの特徴
- GUI操作(ノープログラミング)でCDPを構築できる
- データ統合基盤で、データの取込・変換を一本化
- 使いたい機能を自由にカスタマイズできる
料金プラン(月額)
• お問い合わせ
b→dash
URL: https://bdash-marketing.com/
カスタマーリングス
カスタマーリングス は、「誰でも」「すぐに」必要なデータを準備でき、やりたい施策をワンストップで実現するCRM/MA(マーケティングオートメーション)ツールです。
カスタマーリングスの特徴
- すぐに環境が構築できる
- 自由な条件で顧客を抽出できる
- 1人1人の顧客の行動を見える化する機能が豊富
料金プラン(月額)
• お問い合わせ
カスタマーリングス
URL: https://www.customer-rings.com/
MAの運用方法
マーケティングオートメーションを導入すると決めたら、運用するために具体的な設計を考える必要があります。
戦略の立案と業務フローの設計
最初に具体的な目標や目的を設定し、自社の製品やサービスをどのような見込み顧客に対してアピールするのか戦略を立てます。その過程ではどのような施策を用いてどのような情報を送るのか、そこからどう受注につなげるのかを検討することが必要です。たとえばWebページを訪問したり、展示会に訪れたりしているにもかかわらず、それ以上のアクションがない見込み顧客に対してどう情報を発信すれば売り上げにつなげられるかなどです。戦略の立案が具体的になったら、異なる部署での連携も含めて目標達成までの業務フローを設計して道筋を示します。
シナリオの企画・コンテンツ制作
次に戦略に基づいたシナリオを企画し、Webページのブログ記事やメール配信用など、集客につなげるためのコンテンツ制作を行います。その際、見込み顧客やターゲットとする客層の興味を引くような内容、ニーズを満たすコンテンツであることが大切です。
シナリオの実施と実施後の分析
シナリオを企画しコンテンツが整ったら、シナリオを実施して結果を分析することが必須です。配信したメールのURLクリック率やWebページの訪問からどれだけ収益につながったかなど、結果を分析します。思った効果を得られていない箇所があれば重点的に見直しを行い、改善点を加味してシナリオに改良を加えます。
MAの導入事例
マーケティングオートメーションを実際に導入して成功を収めている企業の実例から学べることがあります。ここからは2例を挙げて詳しくみていきましょう。
リクルートキャリア
人材派遣や職業紹介の分野で大手のリクルートキャリアは、2017年にメールマーケティングのツールを導入しました。採用ニーズが突発的に発生するケースもあるため、既存の顧客と良好に関係を保ち続けるツールとしてメールマーケティングを利用しています。新規顧客の開拓だけに力を入れるのではなく、休眠状態にある顧客との間を取り持つ方法として取り入れ、フォローする体制を整えたのです。アラートメールを活用することで素早くアクションを起こせたため、2時間以内の架電率も大幅にアップしました。
株式会社国際教育交流センター
国際教育交流センターは業界最大規模を誇る留学エージェントです。留学に関する情報を提供したり留学プランを提案したりするほか、実際に留学するまでの手続き代行などのサポートを行っています。従来はパンフレットなど昔ながらの問い合わせ方法を取っていましたが、Webサイトを通じたプロモーションに力を入れるためにマーケティングオートメーションを導入しました。各ユーザーの関心度を計測したり、優先度の高いユーザーに対して集中的にコンタクトを取れるようにしたりなど、作業効率を向上することでシステム導入後の問い合わせ件数は前年の10倍になっています。
マーケティングオートメーションのメリットを生かして業績アップにつなげよう!
ビジネス環境が目まぐるしく変化するなか、従来のマーケティング手法では対処できない事態や効率が悪い業務も増えてきました。マーケティングオートメーションを導入すれば、さまざまな問題を解決できるのはもちろん、作業を効率化して業績をアップさせることにもつながります。マーケティングの方法を変革しようと考えているならば、マーケティングオートメーションを導入することを検討してみてはいかがでしょうか。
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