産学連携で企業の競争力向上が図れる!メリットや成功事例を紹介

2024年12月03日(火) DX

文章・画像生成AIのように新しい技術が次々と生まれるなかで、企業が競争力を身につける助けになるのが「産学連携」です。産学連携を行うことで、大学をはじめとする研究機関が持つ知見や開発力を取り入れながら、自社の課題解決を目指せます。

この記事では、産学連携の概要やメリット・デメリットについて紹介します。産学連携を成功に導くポイントや成功事例も紹介しますので、参考にしてみてください。

産学連携とは

民間企業と大学が共同で、技術開発や新事業の立ち上げ、教育などを行う取り組みのことです。産学連携は国によって推進されていて、2016年には経済産業省と文部科学省が「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」を策定しました。さらに、2025年までに産学連携による民間企業から大学への投資額を2014年時点の3にすることが目標として掲げられています。こうした国による後押しもあり、参入する大学・企業の数も右肩上がりで、令和3年度の文部科学省の調査では国内の大学の98%が産学連携に取り組んでいます。

 

産学連携の主な方法

産学連携には多種多様な方法があり、それぞれ企業の関わり方や期待できる成果も変わってきます。ここでは、産学連携の代表的な3つの方法を紹介します。

技術指導

企業が抱えている課題に対して、大学に所属する専門家から指導を受ける方法です。課題について文部科学省のコーディネータ―に相談すると、要望に応じて課題にあった研究者を紹介してもらうことができます。技術指導を大学の研究者が行う場合は、大学に籍を置きながら企業と雇用契約を結ぶ「研究兼業」の形を取るのが一般的です。

共同研究

企業と大学が分担して研究を行う方法です。企業と大学がそれぞれの施設内で研究するケースもあれば、企業から大学に共同研究員を派遣するケースもあります。連携する研究者は、技術指導と同様に文部科学省のコーディネータ―を通して紹介してもらうことも可能です。また、新聞記事や論文、展示会などで目星をつけて、研究者が所属する大学の産学連携窓口に相談するのもおすすめです。

受託研究

企業からの依頼を受けて、大学・公的検査機関が研究を行う方法です。共同研究と違って企業から研究員を派遣することはありませんが、大学内での研究にかかった費用は基本的に企業が負担します。研究内容が大学の教育研究に支障がない範囲でのみ認められるため、希望する研究内容と近い分野の研究者を探す手間が必要です。連携する研究者は共同研究と同様に、研究者の目星をつけた上で大学の産学連携窓口に相談すると良いでしょう。

産学連携のメリット

産学連携によって企業が得られるメリットを3つ紹介します。

独自の製品・技術の開発を目指せる

産学連携の主なメリットは、産学連携を通して他社に代替されない独自の製品・技術を開発することで、企業として競争力を高められることです。ITをはじめ技術革新のスピードが早く、情勢が不安定な社会の中で、企業が確固たる強みを持つことの重要性はますます高まっています。産学連携により社内の技術力だけではなく、大学が持つ専門性や設備を活用して新製品や技術を開発することで、自社の強みを高められるでしょう。

社内の研究開発人材を育成できる

自社の研究開発職が社外の専門家との関わりを通し、刺激を受けてスキルアップできることも、産学連携のメリットです。共同研究では技術力にくわえて、課題解決力も高められるため、今後の研究開発にも活かせるでしょう。

国の補助金を利用できる

産学連携を対象とした国の制度「高等教育機関における共同講座創造支援事業費補助金」が利用できることも、産学連携のメリットです。条件を満たすと事業1つあたり経費の1/3(処遇反映枠は1/2)、最大3,000万円(税抜き)が支給されます。補助金額や募集期間は年度によって変わる可能性もありますので、詳しくは経済産業省のWebページをご覧ください。

参照:高等教育機関における共同講座創造支援事業 (METI/経済産業省)

 

産学連携のデメリット

産学連携をするうえで押さえておきたい注意点を2つ紹介します。

特許権を得るためにコストがかかる

共同研究や受託研究を通して開発した技術の特許権は、そのまま企業に移るわけではありません。共同研究を通して開発した特許の持ち分は、負担する費用の割合に応じて決まります。受託研究での特許は基本的に大学に帰属しますが、対価を支払うことによって特許をはじめとする知的財産権を得ることも可能です。

連携に失敗するリスクもある

画期的な新技術や新商品を開発できても、企業と大学で認識に相違があることで、連携先から事業化への合意が得られない可能性もあります。そうしたリスクを防ぐためにも、企業が主体となって積極的に連携先と綿密なコミュニケーションを図ることが重要です。

産学連携を成功に導くポイント

産学連携によって企業の競争力を高めるためには、以下の3点にしっかり取り組みましょう。

自社の事業課題に合った連携先を探す

まずは自社の課題を調査して、連携の目的を決めましょう。学会に足を運んだり、学術誌や論文データベース、新聞記事をチェックしたりして、課題の相性の良い分野の研究者をピックアップしてください。調査の進め方や報告書のまとめ方については以下の記事で解説しています。

関連記事:調査報告書のポイントや注意点を徹底解説

成果目標を明確にする

連携する研究者を絞り込んだら、産学連携を通しての目標や、成果を出すまでのスケジュールを明確に決めましょう。大学の産学連携窓口に相談する中で、解決したい課題や特許の有無、事業化までに研究開発費用などの情報を開示する必要があるので、事前に目標をはっきりさせておくことでスムーズに連携できます。

企業・大学間の情報共有手段を整備する

連携中は企業・大学間で共通認識を持つために、情報を随時共有することが重要です。情報共有の手段はさまざまにありますが、メールやチャットは大事な情報が流れて行ってしまいますし、ポータルサイトを整備するのも手間が掛かります。

そこでおすすめしたいのが、クラウド型のwikiツールです。情報をリアルタイムで共有出来る上、履歴をストックできます。また、外部へのセキュリティを保ちつつ権限を柔軟に変更できるので、機密情報を多く含む産学連携にもぴったりです。

関連記事:【2024年版】社内wikiツール おすすめ15選(有料・無料)

 

産学連携の成功事例

名古屋大学大学院の卓越大学院プログラムとして行われた「ライフスタイル革命のための超学際移動イノベーション人材養成学位プログラム」の事例を紹介します。このプログラムは20以上の企業や7つの研究センターと連携して行われている、自動運転車両の開発プロジェクトです。名だたる企業が多数参画している一方で、連携先企業の数が非常に多いからこそ、大学側では情報共有に課題を感じていました。

従来の学内での情報共有手段はTeamsでした。プロジェクトスタート後は、企業とのやりとりするために担当者をゲスト権限で招待したものの、機能の制約が多く、必要な情報が見つけづらいことが課題でした。

そこで、学生が主体となって大学・企業ともスムーズに情報共有する手段として、「NotePM」を導入しました。NotePM導入後は、プロジェクトに関する情報を整理できた上、企業間での横のつながりを生む効果もあったそうです。

関連記事:【導入事例】学生・教員・企業をつなぐプラットフォームに!情報の見える化で実践的な研究の推進へ

 

まとめ

産学連携を行うことで、高度な知見を取り入れて代替の効かない新技術や新商品の開発を目指せますし、自社の研究開発職のスキルアップに繋がる効果も期待できます。産学連携を成功に導くには、自社の課題を整理して適切な研究者と連携することが重要です。そのうえで、企業・大学間で目標や研究過程を共通認識として持てるよう、情報共有方法を整備しましょう。産学連携の情報共有には、社内wikiツールの「NotePM」がおすすめです。

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